官能物語 2020/05/27 14:00

息子の告白/30

 キスされながら、秘奥を思い切り突かれて、久美子は何が何だか分からなくなった。ただただ気持ちがよくて、いつまでもやめてほしくないという願いだけがある。

――もっと、もっと……!

 久美子は、無意識に、両足を息子の腰に絡めるようにした。
 息子は、何度も何度も奥を突いてきた。ガシガシと力強く腰を振って、久美子を快楽の淵へとたたき落とすようにする。唇を塞がれたまま、声さえも上げられない久美子は、

「んんっ、んんんっ!」
 
 鼻息を漏らして、快感を表現した。
 久美子の乳房は、高典の胸板にしっかりと押しつけられており、二つの体はまるで一つの体のように思われた。久美子は、自分の体が溶けてなくなってしまったかのような感覚を得ていた。

――ああっ、すごいっ……わたし……。

 さっき後ろからされたときも感じていたが、今度はまた、それに倍するような快感だった。するたびによくなるとでもいうのだろうか。

――もっと……もっと……。

 とことんまで快楽を貪ろうとした久美子の中で、どくっ、と何かが撃ち出される衝撃があって、ついで、ピストン運動が止まった。久美子は、運動の終息とともに、快感の波が引いていくのを感じた。

「ごめん、母さん……出ちゃった」

 唇が離れると、息子の唇と自分のそれの間に唾液の糸が引いているのが見えた。いいのよ、と久美子は答えたが、それが声になっているかどうかは分からない。

「母さんのナカ、気持ちよすぎるよ」

 高典はそう言うと、照れ笑いをした。
 自分の体が魅力的だと言われて悪い気はしない久美子だったが、欲を言えば、もっと快感を与えてほしかった……と考えてしまって、そんな自分を大いに恥じた。

「母さんは? 気持ちよかった?」
「……ええ」
「本当に?」
「本当よ」
「よかった」

 そう言って、高典は笑った。その笑顔が、本当に屈託が無くて、爽やかなものであって、思わず久美子は、彼にキスしたくなった。しかし、自分からするのはためらわれていると、

「ねえ、母さん、このままもう一回、シてもいいかな」

 などと言ってくるではないか。

「も、もうダメよ。十分でしょ」
「でも、いま、おれ、勝手にイッちゃったしさ」
「い、いいのよ、そんなの」
「ちゃんと、母さんにも気持ちよくなって欲しいんだ。だから、いいだろ。……それにさ、母さんだって、おれを離さないようにしているじゃないか」

 そこで、久美子は、自分の足が、彼の腰に巻き付いていることに、初めて気がついた。

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