猫虎屋 2023/06/18 04:01

旅館談話

シエラ、ルウシェ、トワ、セツナは同じ温泉宿の一室に泊まっていた。

夕食を終え、ひと風呂浴び、一息つくと手持ち無沙汰になる。トワとセツナの二人だけならサモンカード対戦に熱くなるところだが、シエラたちはルールを知らないのでそれも遠慮気味であった。

布団を敷いてそれぞれが横になると、次第に赤裸々なガールズトークに華が咲き始める。もっぱらシエラが先導する形にはなっていたが。

「ねえねえ、そういえば二人ってえっちとかするの?」
「いきなりなんですか」
「そうそう、変な話しないでよー。女の子同士でそんなことしないってば。」
シエラの突然の質問に、トワとセツナは顔を見合わせてやや引き気味で後ずさる。
「違う違う、そうじゃなくって。まあ、それもいいんだけどね。男の子とはしないの?」
「それこそ…ないわー」
「ありえませんね。」
二人の息はぴったりである。

「でもさ、一応処女は卒業したのよね。こないだ」
「授業でねー。さいあくー」
「あんなことがカリキュラムに入っているとは知りませんでした…」
茶熊学園の教育プログラムには性教育も含まれており、それには実習もある。
二人の初体験はよく知らない相手だった。あまり思い出したくない。

「そうそう、そういえばこんな噂知ってる?赤髪君ってすごく立派なもの持ってるんですって。」
「まだその話するのー?」
二人はドン引き気味である。だがそれに今まで黙っていたルウシェが乗っかった。
「そうですね。あのお方は結構すごかったです。」
「げ、ルウシェは知ってるんだ。」
「お二人も、きっと満足されると思いますよ。」

シエラはニヤリと笑う。
「そうそう。それで私も一度確かめてみたいと思ったんだけど、ちょっと一人じゃ恥ずかしいじゃない。」
「シエラに恥ずかしいという概念があったんだ」
「何よそれー。私を痴女みたいに言わないでよ。」
「ええと、普段の格好が…その。」
「あれはフレイヤが仕立ててくれてるの!それはいいとして、じゃんけんで勝ったひとが確かめに行く。そういうことにしない?」
「なんでさ!それに普通は負けた人じゃないの」
「私は構いませんよ。」
「さすがルウシェね。それじゃあ、じゃんけんしましょ!」

半ば強引な形でシエラがじゃんけんを始め、トワとセツナの二人が勝ち残った。

「うぇー…これって勝っちゃだめなやつなんだよね…」
「ですね……。こうなれば仕方ありません。真剣勝負です。」
「じゃんけんしょ!うわ!」
勝ったのはセツナだった。

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