Jackalope 2021/02/19 21:16

同人ゲーム製作者 はじめての確定申告②

白色申告で提出する書類

前回記事に続きまして、白色申告の体験談をお届けします。

さて白色申告で税務署に提出しなければならない書類は次の通りです。

 ・確定申告書
 ・収支内訳書
 ・控除証明書など(無ければ提出の必要なし)


このうち「確定申告書」「収支内訳書」は、先に入力しておいた帳簿のデータを使ってほとんどの部分を会計ソフトが自動入力してくれました。

もし手書きでやるならお近くの税務署や国税庁のウェブサイトから用紙を取得することができますが、PCを使えるなら会計ソフトでやるべきでしょう。簡単ですから。


「控除証明書」社会保険料生命保険なんかを支払っている人のところへ、毎年10月~1月くらいのあいだに送られてきます。
この控除証明書に記載されている金額をちゃんと確定申告書に記入しておけば、その分のお金には税金がかからなくなります

申告書作成の流れの中で、会計ソフトがこの控除証明も記入するよう要求してきたのでささっと入力しました。

なお控除証明書そのものは専用の台紙に貼って提出することになります。

書類の提出先は、自分の仕事場のある自治体を所轄している税務署になります。
所轄税務署が分からないときは、国税庁のこちらのページから検索できます。



業種について

これら確定申告の書類を作成していく中で、私が一番悩んだのは「職業」とか「業種名」という欄でした。

「同人ゲームを作っているんだから……ゲーム製作者? ゲーム開発業?」

考えてみましたが、よく分かりません。
ただ会計ソフトの記入例から選べるようになっていたので、「ソフトウェア・IT・WEB関連業」というのにしておきました。

「そんな大層なものじゃありませんが……」と、つい卑屈になってしまいそうな業種名ですが、ゲームソフトを作ってそれをオンラインで販売しているので間違ってはいないはずです。


ところでこの業種名というやつ、どんな名前をつけるかによって税金が変わってくることもあるそうです。
というのも特定の業種には「事業税」という税金がかかってくるからです。

例えば絵を描いて生計を立てている人でも、「イラストレーター」は事業税の対象(※注1)で、「画家」は対象外なんだとか。

他にもブログ記事で儲けている人の場合、「文筆業」と見做されれば事業税は支払わなくて済みますが、アフィリエイトが主な収入源だと「広告業」と見做されて事業税を要求されることがあるそうです(※注1)

注1 ただし年間売上が290万円以下なら事業税は免除


なお業種名の他に「屋号」という項目もありますが、こちらは必ず書かなければならないものではありません。
個人でお店とかやってればその店名を書きます。

「自分の場合、もしかしてサークル名を書いた方がいいのかな?」

と思ったりもしましたが、これまでサークル名で領収書や請求書をもらったことなど無いので空欄のままにしておきました。



どうやって申告するか?

必要事項を記入して申告書が完成したので、あとはこれを提出すればひとまずは終わりです。

書類の提出方法は主に次の三つ。

 ①税務署へ直接持っていく
 ②税務署へ郵送
 ③e-tax(電子申告)


①は税務署が遠いと面倒ですが、書類が足りなかったりした場合に、職員が指摘してくれるメリットがあります。

②は簡単ですが、ゆうパックやゆうメールを使って送るのはダメだそうです。
A4サイズの書類が入る一般的な封筒に切手を貼って出す形であれば問題ありません(第一種郵便物)。

③は必要書類のうち、「確定申告書」「収支内訳書」をオンラインで提出する方法です。


私は今回③のe-taxを選びました。
郵送でも構わなかったのですが、次回は青色申告をするつもりなので、いまのうちにe-taxに慣れておこうと思ったからです。

別に青色だからとe-taxにしなきゃならない法は無いのですが、青色でe-taxにすると特別控除が+10万円となるので節税になるんです。
今回は白色だから、そういうメリットはありませんけどね。


というわけで、以下e-taxでの申告についてお話ししていきます。



e-taxでの申告準備

◆マイナンバーカードについて
e-taxを使って確定申告をすると言っても、方法は複数あります。
まず「マイナンバーカード」を持っているかどうかで違ってきます。

マイナンバーカード……あまり普及してないですよね。
ちょっと気になったので調べてみたら、現在の普及率は25%程度らしいです。
この記事を読んでいる方の中にも、まだ作っていないという人は多いと思います。

私もすぐには作りませんでした。
でもネットでお金が絡むあれこれをやってると、マイナンバーカードの写しを提出するよう要求される場面が増えてきたので、三年ほど前に重い腰を上げて作成の手続きをしました。


このマイナンバーカードを持っていない人がe-taxをやろうとした場合、わざわざ税務署まで行ってIDとパスワードの登録をしなきゃならないそうです(参考リンク)。
しかもマイナンバーカードが普及するまでの一時的な措置だから、せっかく作ったアカウントも将来的には使えなくなる見込みです。


「じゃあ、すぐにマイナンバーカードを作って電子申告をしよう!」

……と思っても、作成されたカードが手元に届くには一ヶ月程度かかります。
通常の年であれば申告期限が3月15日なので、今からだと間に合うかどうかちょっと厳しいでしょうね。

ただ今年は昨年に引き続き、コロナ禍に対する救済措置として申告期限が4月15日に延長されているので、今からカード作成の手続きをしても間に合う公算は高いです。


マイナンバーカードに関してはネガティブな報道もあるので、不安だから作りたくないというならそれもいいでしょう。
でも単に面倒で放置しているだけなら、この際だから作ってみるのもアリだと思います。
今ならマイナポイントももらえますしね(ただ手続きがクソ面倒)。

ちなみに私はデパートとかにある証明写真機から申請する方法で作りました(参考リンク)。

以下、マイナンバーカードがあるとの前提で書いていきます。


◆ICカードリーダーについて
マイナンバーカードを使ってPCから申告するには、ICカードリーダーが必要になります。

また、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンを持っていれば、スマホから電子申告することもできます。

私のスマホも対応機種でしたが、PCの方が慣れているのでICカードリーダーを使用する方法を選択しました。


……と言っても、ICカードリーダーなんていう使いどころの少ない機器、持っていません。
WindowsPCの場合、カード読み取り対応のAndroidスマホをICカードリーダーとして使用することもできるそうです(参考リンク)。
けどどうせならと、私はICカードリーダーを買うことにしました。

そこでとりあえずAmazonを覗いてみると、国内メーカーのものは大体3000~4000円程度
海外製と思われるものは1000~2000円程度でした。

頻繁に使うものでもないから安いのでいいかと思い、1500円くらいのものを購入。
レビューには「普通にe-taxで使えた」という報告がいくつもあったので、多分大丈夫だろうなと。

注文翌日に届いた製品には説明書の一枚もついていませんでしたが、本体をUSBでPCに繋ぐと問題なく認識されました。


◆初めてe-taxを使うにあたって
さてこれで物理的な環境が整いましたが、e-taxを初めてやる場合は「開始届出書」の提出だとか「利用者識別番号」の取得だとか、やらなきゃならないことがあります。

詳しくはこちらのページなどを参照してください。
全部オンラインで申請できるので、ICカードリーダーにマイナンバーカードをセットして手続きをします。

手続きを進めていくと、ブラウザ上でe-tax側がPCの環境チェックをやって結果を表示してきます。
私の場合はブラウザがFirefoxだったのですが、ダメ出しされたのでChromeでやり直しました。
あとChromeの拡張機能も入れるよう指示があったのでやっておきました。


その後マイナンバーカードの読み取りが必要な箇所まで来ると、パスワードの入力が要求されました。
ここでパスワードが分からないとか、間違ったパスワードを何度も打ち込んでロックされちゃったなんて場合は、マイナンバーカードを持参して自治体の役所窓口へ行く羽目になります。

なおマイナンバーカードには各種パスワードが4種類も設定されています。
これがお役所仕事というやつでしょうか。ひどいものですね。
4種中3種は四桁の数字のパスワードなので、私は全部同一の数字にしておきましたけど。


手続きを終えて無事「利用者識別番号」も取得出来たら、いよいよ確定申告の書類をオンラインで送付します。



e-taxで送信 & その後の処理

今回私は「確定申告e-Taxモジュール」という、やよい独自の送信ソフトを利用する形で申告データを送りました。
でもこれが使えなくても、ブラウザでe-taxのwebサイトから送信することができます。

会計ソフトの指示通りにポチポチやっていくと、申告データの送付は呆気ないほどすぐに完了してしまいました。


でもこれですべてが終わったわけではありません。

社会保険や生命保険の控除証明書なんかは、税務署へ郵送するか直接持ち込む必要があるからです。(無ければ送る必要はありません)

「これもオンラインで済むようにしろよ!」と思わぬでもないですが、愚痴っても仕方ないので郵送することに。

控除証明書は専用の台紙に貼り付けます。
会計ソフトを使っていれば、この台紙も申告書の控えなんかと一緒に印刷できると思いますが、手動でDLするならこちらからできます。

あとは「申告書等送信票(兼送付書)」という書類も一緒に送ります。
どの書類がすでに電子申告で送られているか、どの書類をこれから郵送で送るか――という内訳が書いてある書類です。

これも会計ソフトを使っていれば、一連の流れの中で印刷するなりPDF出力されるなりしてるはずです。

「台紙に貼った控除証明など」「申告書等送信票」
この二点を茶封筒などに入れて、切手を貼ったら所轄の税務署あてに投函

これで白色申告はひとまず終了です!


なお、ここまで作ってきた帳簿や確定申告書などは、ちゃんと印刷してまとめて保管しておきます。
後日もし税務署から問い合わせや調査があったときに必要になりますから。
もちろん、経費に計上した領収書やレシートも保管しておかなきゃダメです。


こうして記事になったものを読んでいると、順調に申告作業を行ったかのように見えるかもしれませんが、実際はあれこれ調べることにかなりの時間を割かれ大変でした。
帳簿も記入をミスって、あちこち入力し直したりしましたしね。

しかもこうして苦心して申告しても、税務署からダメ出しが来る可能性があります。
そのときはまた、どこがダメだったのかを記事にして報告するかもしれません。



青色申告への挑戦

白色申告でも初心者には結構なハードルでしたが、これが青色申告になるともっと厳しいそうです。
でも青色申告なら特別控除が最大65万円つくので節税効果は高い

「やよいの白色申告オンライン」の場合、申告作業が終わると「青色だったら更にこれくらい節税できちゃいますよ~」と、これ見よがしに差額を出して有料の青色サービスの方へ誘導してきます。

そしてその差額は実際、有料サービスへ移行しても十分お釣りがくるだけのものでした。

「次回(2021年度分)の申告……青色にしちゃおっかな!

やよいの罠にはまったわけではないのですが、次年度は青色申告をするべく下準備を進めることにしました。


青色申告をやるには、次の二種類の書類を税務署に提出しておく必要があるとのこと。

 ・開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)(書類のダウンロードはこちら
 ・青色申告承認申請書 (書類のダウンロードはこちら


まず「開業届」の方ですが、これは「オレ、こんな感じの個人事業始めます!」という宣言書のようなものらしいです。
提出せずに個人事業をしているからといって罰則があるわけじゃないのですが、青色申告には必須なので書いておきます。

大して難しい書類ではないので、ネットで記入例を探して参考にしながらやればすぐ終わるはずです。

でも「開業日」の欄は要注意。
後述する「青色申告承認申請書」は、開業日から2ヶ月以内に提出しなきゃならないルールなんです(ただし1月1日~15日に開業した場合は3月15日が期限)。

期限を過ぎた状態で青色申告承認申請書を出したら、次の申告は白色になってしまい、青色で出来るのは次々回からとなってしまいます。
開業日には明確なルールが無く、自分で決めて良いそうですから、青色申告承認申請書が認められる範囲で設定しましょう。
(なお、すでに以前から開業していて白色→青色に変更する場合は3月15日が期限)


あとは申告書と同じく「職業」「屋号」という欄がありますが、ここは申告書に合わせて「ソフトウェア・IT・WEB関連業」と記入し、屋号は空欄に。
「事業の概要」という欄もあって、ここに具体的な仕事内容を書くので「ゲーム製作」みたいな感じで記入しました。


次に「青色申告承認申請書」です。
こちらは「次から青色申告にするんでヨロシク!」という届け出の書類です。

この申請書もネット上の記入例を参照して記入。
上の方の記入欄は開業届とほぼ被っています。

下の方には「備付帳簿名」という欄があって、ここの記入例は参考にする書籍やブログなどによって結構バラつきがあります。
でもチェックを付けた帳簿を必ず全部作成しなきゃならないわけでもないので、記入例のどれかを丸写しで構わないと思います。

私は現金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳の三つにチェックを入れました。
これらの帳簿がどういう意味を持っているのかは……まったく分かりません!


先にも書いた通り、この青色申告承認申請書は開業日から2ヶ月以内に出さないといけないので、出来上がったら開業届と一緒にさっさと税務署へ郵送してしまいましょう。

私のように白色申告と同じタイミングで書いた場合は、控除証明書などと一緒に送ってしまえば余計な手間もかかりません。
開業届は控えも一緒に送って後日返送してもらうので、切手を貼った返信用封筒も同封するのを忘れずに


これで無職のおじさんを卒業して、個人事業主になった……はずです。たぶん。



最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。
それにしても確定申告って本当に面倒でイライラさせられますね。
会計ソフトが無かった時代はこれを全部ペンと紙でやっていたわけですから、気の遠くなる話です。


繰り返しになりますが、これは指南記事ではなく、私のケースを元にして書いた体験談に過ぎないので、何等の責任も取れません
また、読んでくださった方には当てはまらない場合も多いはずです。
間違い・勘違いもあるかと思います(もし気づいた点などありましたら、コメントでお知らせください。訂正いたしますので)。

なので、あくまで白色申告の流れをつかむための記事としてご利用いただければと思います。
本気で参考にするなら、書店やAmazonで確定申告の本を買うなり、税理士さんが書いているブログなどを読むなりしてください。


来年の今頃また、青色申告の記事を書ければいいなと思っていますが、果たしてどうなるでしょうかね……。

2022年3月3日追記
青色申告の記事を書きました!
『同人ゲーム製作者 はじめての青色確定申告』

 

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