雑談 「オタク」になりたい若者たち。を利用しての昔語り。
初めましての方も、ご存じの方も、よろしくお願いいたします。
世間の流れから一回りほど遅れていますが、ネットで「オタク」になりたい若者たち。という記事を読みました。
元記事はおそらくこれでしょう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83898
結構、広がっているようですので、知っている人も多いんじゃないでしょうか?
記事の内容については、自分としては肯定も否定もするつもりはありません。
ただ、この記事で使われている「オタク」という言葉のニュアンスが、昔とはだいぶ違っているんだな、というのは軽い驚きがありました。
そう、ここからはおっさんの昔語りです。
Ci-enの更新ネタがなかったけれど、これをとっかかりに思い出話なら書ける、書けるぞ!!
……ということですね。
他人の過去話など、たいして面白くないでしょうから、興味のない方は流してください。
むかしむかし、某所にHAREという男がおったとさ。
なぜかPCゲームのライターになったはいいけれど、業界のことを何も知らずに入ってしまったのじゃ。
……ということで、HAREがPCゲーム業界に入った時のことなどを少し。
HAREは、一応は体育会系(※注1)です。主にバスケットをやっていました。
昔から、バスケット一筋! というわけでなく、小学生の頃は陸上の短距離と走り幅跳びを得意としていました。
しかし、友人達と野球をやっている最中に右足を骨折してしまい、陸上は諦めて中学からバスケに転向しました。
その後は、バスケにどっぷりとつかって生きていました。
……まあ、学校は弱小もよいところだったので、実力的には完全に下手の横好きですが。
そうして幾年月が過ぎ、バスケのために生きてきた人間が、何をとち狂ったかPCゲーム業界に入ることに。
そこで最初に感じたこと、それは「基礎教養」の違いです。
これは、学校で習うような勉強ではなく『特定分野に対しての知識』というべきでしょうか。
当然ですが、PCゲーム業界では、ドリブルの正しいつき方、シュートの時の美しいフォーム、パスの時の手首の返し方、筋トレの効率的な方法などはまったく役に立ちません。
そもそも、ゲームは昔ゲームセンターでちょっとやっていましたが、家庭用ゲーム機にもあまり触れていません。
そもそも、エロゲーを含む、PCゲームもそれほどやっておらず、当時の「名作」なんて、ほとんど知らない状態です。
アニメも超有名タイトルならなんとか、それでも知らないものもある(ガンダムとか、ほぼ見てなかったりします)ので、周りの人達との間に埋めようのない知識の差がありました。
そういう時に、橋渡しをしたり、力になってくれそうな先輩や知り合いなど、畑違いもよいところから入ったので、一人もいませんでした。
ですので、業界に入りたての頃は、ライターの飲み会! ゲーム制作者の集まり! みたいなのは、誘ってもらえば、すべてに参加していました。
これはコネとかツテを作る、自分を売り込むという目的もありましたが、「PCゲームの制作者の基準や思考」を知りたかったからですね。
まあ、学生時代からオタクと呼ばれる人間とは、それなりに話をしていたし、大丈夫だろう。
……などと高をくくっていましたので、当然のように、最初からかなり苦戦することになります。
自分で言うのもなんですが、HAREは、ほどほどに体格がよく、見た目から体育会系です。
ですので、当時はまずは挨拶を交わすだけで警戒をされている感じがありました。
簡単に言うと「なんでお前みたいなのがいるの?」という感じですね。
……それは、今もあまり変わらないかもしれませんが(苦笑)
まあ、その後、交遊(?)関係が広がると、さまざまな人(※注2)がいることを知ってほっとすることになりますが。
脱線しますが、自分の知っているもっとも体育会系の制作者は、自衛隊のレンジャー出身の人です。
さて、戻りますが、飲み会や集まりなどで、業界の人と話ができるぞ! と言う状況になっても、どの話題を選択すべきなのかすら、わからない状態でした。
コミュニケーションが得意とは言わなくても、苦手というわけではなかったのですが、そんな自負は何の役にも立ちません。
まず、興味の方向が違います。
体育会系でよくある系のネタ(※注3)は使用できず、比較的下世話な話(※注4)とかは、受けが悪いでしょう。
酒の力を借りてどうにか(※注5)! という方法も、あまり向いていません。
……ということで、いきなりとっかかりを失いました。
とりあえず、顔見知り同士っぽい数人で話をしているところにしれっと混じっていたのですが、周りが当たり前に口にする“何かの作品のネタ”なんて、全くわかりません。
わからないからと聞き返していると、会話が弾まず、そもそも会話の相手もしてもらえなくなります。
なので、知っているフリをしておいて、帰宅してから調べるということをしていました。
あと、みんなが「見ていて当たり前」、「知っていて当然」というような作品などについても、急いで詰め込むぜ! と、色々と見て、読んで、調べてはみましたが、それでも積み重ねた時間には追いつけません。
なぜなら、この時点ですでにスタートが違うからです。作品に触れてきた時間が違います。
これは、今となっても変わりません。
何しろ相手も同じ時間をかけて、色々と積み上げているわけですから。
なので、まあ、オタクになりたいというのは良いとしても、なるのは大変じゃない? というのが正直な感想です。
HAREは「オタク」になるのは、諦めました。
記事では「周りと歩調を合わせるために知識が必要」となっていましたが、それならば「オタク」になる必要はないんじゃないかと思います。
そう、HAREの中での「オタク」とは、なるものではなく、なってしまうもの、という感じです。
さらに言えば、大抵は博覧強記の化け物ばかりです。
とある作品の歴史ネタを軽く聞いたばかりに、その数百年前の状態から始まり、そこに至る道筋を全て説明されたことがあります。
ネットでよく使われるような漫画の名台詞を適当に引用したら、その後、一冊分くらいのセリフを全部、そらで言われたことがあります。
PCの自作をしている、という話になった時に、HAREはパーツの選別・組み合わせレベルのつもりだったのですが、相手は、基盤から自分で作るようなレベルだったことがあります。
特定の分野に「秀でて」いるのは確かですが、その前に「その分野が好きでたまらない」という人達が「オタク」になるのでしょう。
……さて、間が空かないようにとの、苦し紛れの更新ですが、こんなところで。
では、また次の更新で。
//※注1 これが難しいのですが、がっつり体育会系か? と言われると、少しばかり言い切れない部分もありますが。
//※注2 意外と言っては失礼ですが、高学歴の人もゴロゴロいたりします。
あと体育会系(ガチ)な人も結構います。元自衛官も数人ほど出会いました。
//※注3 やっている競技、たとえば野球ならば、プロ野球のネタなんかは鉄板です。
バスケでしたら、NBAとか、あとは好きなバッシュのメーカーなんかは、とっかかりにしやすいです。
//※注4 当然、下ネタです。体育会系の男が集まった時の鉄板ネタですね。
HAREはエロゲーとかエロ小説を書いてますが、普段の会話でのシモネタはあまり好きではないのですが(苦笑)
//※注5 業界には酒好きな人も多く、詳しい人もいます。
HAREは飲酒しません。体育会系(?)と、?がつくのもそのあたりがあります。
学生時代は、先輩や教師、コーチの誘いをことごとく断り、蹴り続けていたので、さぞや印象も悪かったでしょう。