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2023年 05月の記事 (2)

SmokingWOLF 2023/05/27 10:25

ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダムお勉強メモ

 ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム(以下ティアキン)をちょっと遊ばせていただいたので忘れないうちに自分が「これいいな!」と思った部分のメモをさせていただきます! とりとめもなく脳内公開している感じですが気になる方はぜひ!

 なお、ゲームプレイ面で思いっきりネタバレしているので、まだまだ未知との遭遇や初めて感を楽しみたかったり、自分の想像力を試したいという方は閲覧をご遠慮ください! 
 能力のたった一言の使い方説明ですら、すごいネタバレ、といいますか大きな示唆(しさ)を与えてしまいます。自分で気付くのも楽しいゲームです。

【ゲームの「広がり」がすごい】

●基本能力の習熟時間や想像力の要求度がすごくて飽きない

 ゼルダシリーズはブレスオブザワイルドに続き、序盤で能力のほとんどが集まるため、今回も20時間くらいで慣れて味わい尽くしちゃうかもしれないなあ、と思っていました。

 ですが、その能力、どれも扱いが難しい! といいますか『習熟時間や想像力の要求度』がすごいんですよ!


◆物体を動かして接着できる『ウルトラハンド』は組み合わせ次第で本当に何でもできる! パーツ次第で空も飛べる! これを活用した物理演算パズルが楽しい! 看板支えをいくらでも遊びたい!
 
◆武器と素材を組み合わせる『スクラビルド』は、想像力を働かせて組み合わせれば便利装備が作れる! 火を噴くパーツと武器をくっつけたら火がちゃんと出て火種として便利! ケムリダケと盾を組み合わせるとガード時に敵の視界を奪えて背後を狙えて強い! トロッコ+盾でスケートも可能! などなど。
 
◆頭上を貫通して移動できる能力『トーレルーフ』、そもそも頭上を通り抜けるという発想がこれまでのゲームで全然求められこなかったせいで使いこなせるまでの要求習熟時間が長い! 今いる場所からでも上に貫通できるという発想につながらない! 洞窟からでも地上とか建築物内に抜けられるとか有り!?
 
◆物体の時間を戻せる『モドレコ』、これもこれまで想像慣れしてなくてマスターできるまでの時間が長い! 敵の投げてきたものにも使えるとか戦闘中にすぐ思いつかない! しかもウルトラハンドで動かして一度空中に浮かせて落ちたものに乗ってモドレコして高いところに移動する、なんてこともできるんですよ!
 
◆過去のクラフト品をコストを支払ってどこでも作れる能力『ブループリント』は、そもそも作れるものが無数にありすぎて可能性無限大! 私はコスパ優先マンなのでプチ戦車や板2枚で作ったプチ坂が戦闘で大活躍でしたが、巨大戦車やロボットを作る人も!


 といった具合に、使い方の幅の広さがすごかったり、性質が新しすぎてすぐに使いこなせない能力ばかりで20時間程度ではとても習熟しきれず、全然飽きないんですよ!
 1個1個が能力バトルマンガのキャラクターが持ってるような応用性がありますし、そんなのを組み合わせて使えてしまうのでもっとすごいことになってしまいます。

 これらの少ない能力でゲームの面白みを過去作から大幅に広げているのがすごいと同時に、こういう「習熟に時間がかかる能力」や「想像力やパーツ次第でできることが広がっていく仕組み」がゲーム寿命に直結するのだということを強く分からせられてしまいました。
 いっぱいゲーム慣れすると、「新作なんだけど類似能力の使い方をほぼ習熟済み」なことがあったりしてプレイヤー的にゲーム寿命が長持ちしないことが結構あるんですが、ティアキンはほとんどそれをはずしてきててすごいです。

 そして同時に、特定の能力に頼らなくても別解で突破できるようにしてあることも多い「ゆるさ」もあるのがすばらしい! 人によって差がある習熟度を、一律に線引きしてこないのがえらい。



<ゲームの「延長」と「広がり」の差>

 実は前作ブレスオブザワイルドは、最初の能力を得たら基本的にもうどこまでも行けて、能力の拡張は「元の能力の機能向上」や「より強い装備や新しい料理が出てくる」ことによる「延長」という感触が強くて、20時間くらいプレイすると「だいたいゲーム部分の楽しみは一通り味わいきっちゃったかな?」と感じるところもありました。
 これはどんなゲームでも同じで、絶対に逃れられない運命です。私は立派なゲームでも10時間くらいでそれに達することが多くて、20時間も「広がり」を感じ続けながら遊べたならものすごいゲームだと評価します。

 ですが今作はそんなレベルを圧倒しており、ゲームを進めていくうちに、

●プレイヤーが気付きにくい能力の使い方がほこらで提示され、新たな使い方を学べる。
 
●使えるクラフトパーツが増えるたびに新しいクラフト品が作れるようになる。

 といった、私が求める真の意味での「広がり」に出会えてばかりで、一般のゲーム寿命を味わい尽くしているであろう十分なプレイ時間が過ぎても今のところ全然飽きる気配がありません。
 そう、「延長」ではなく「広がり」、『新しい側面が見え続ける』のです! 「味変(あじへん)」とも友人が言ってくれましたが、まさにそれです。
 今作は何十時間あそんでも「ゲームを味わいきった感」が来ないので「すげー!」と言っています。

 とにかく、開発者側で数々の試行錯誤があったであろう中で、最終的にティアキンに選ばれたリンクの能力を並べてみると、

「初見でも直感的に使えて便利さがある。それと同時に『習熟に時間がかかる能力』や『想像力が求められる能力』であること」

 という方針で特に強力なものが選ばれていると感じます。

 これらは私が「ゲームの寿命を長くする」というテーマで考えてきたときにほとんど言語化できたことがない『意図』だったので、それをズバッと提示されたことにハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けました。

 たとえば「習熟時間」に関しては、「トーレルーフ」などは頭上の物体を貫通できるだけのシンプルな能力なのに、プレイヤー視点だと最初はそれができる場所を意識するのが難しくて全然使いこなせないんですよ! 常にトーレルーフ準備状態で歩いてみると驚くほど使える場所が多い! のですが、最初は他のことで忙しすぎたり常識にとらわれていて全然気付けませんでした。


 また、こういったプレイ寿命の長い能力を生み出すには、想像力を反映するための「大量のバリエーション豊かなデータや組み合わせの作成」、そして「処理を安全に動かすための果てしない検証や、安全に動かせる堅牢な仕組み」が必要で、ただ平均的なゲームを作る場合よりも多大な努力が必要なはずです。

 特に何度も話題に出る「トーレルーフ」なんて絶対バグの原因になりそうな気がするんですがどうバグ回避しているんでしょうか! 全ての地面に使用可能判定を記録している? 何か安全な突き抜け判定の仕組みを編み出している?
 分かりませんが従来のゲームでの同機能の実装例があまりに希少なことを考えると、その搭載の難しさを乗り越えた努力には頭が下がります。




●パーツ入手によるクラフトの拡張が徐々に遊びの幅を広げられて楽しい!

 (アクション)RPGは、「後半になって新しい技を1個もらったけど、前にもらった強化版みたいな効果だからプレイ感はあんまり変わらないなあ」ということが起きがちなゲームです。それは従来の「延長」要素です。
 それゆえに、「後半に追加される能力」でさらに面白さの幅を「広げられる」よう設計するのは、開発者としてかなり難しいことだと認識しています。

 さっきも言いましたが、従来要素の「延長」はまだしやすい一方で、プレイ寿命を延ばすための遊びの「広がり」を作るのは難しいんですよ!
 出てくる要素が従来の「延長」ばっかりになってきたな、と思ったら、そこが私がゲームに飽き始めるタイミングになります。

 ですが、今作では「広がり」の一つとして「マップを探索するにつれて使えるクラフトパーツ(ゾナウギア)が増える」という要素があって「これは長期的なクラフト面での成長にワクワクできて面白いな!」と思った点でした。

 というのも、今作のクラフトパーツって何か1個パーツが増えれば、それまでに持っているX個のパーツと合わせて一気に化学反応の広がりが増えることがあるのです! 
 なのですでに何十個のパーツが使えるようになっていても、さらに違う効果の新種のパーツが出てくるのはうれしい!

 また、本作は単純な「あるパーツの強化版」みたいな「延長」的パーツがほぼなくて全部の効果が違うのもすばらしい点! とにかく新パーツが出てくるたびに化学反応が広がる期待が生まれているのです。


 従来のクラフトゲームでも標準搭載されているこの遊びの「広がり」方ですが、こういった「化学反応的なゲームの広がり」は自分のゲームでもぜひ狙っていきたい部分です。
 たとえばクラフトでなくとも、アイテム同士の化学反応でワクワクできるような造りにもできるはず!

 確か『片道勇者開発記』あたりでも「命中率が低いけど攻撃力だけ超高いツルハシに命中アップ効果を付与したらどうなっちゃうんだ!?」みたいな感じで、とにかく「これと従来のアレを組み合わせると何ができちゃうんだ……!?」と想像できる楽しさはワクワクしますよね、ということを言った気がしますが、まさにそういうものです。
 といいますか、今言った例もある意味でスクラビルドやクラフト的な話かもしれません。合成・組み合わせ要素ってやっぱ強いなあ!

 こういった化学反応的なワクワク作りは今後のゲーム開発人生でも超重要になってくるでしょうから、色んな形で生み方を増やしていきたいと考えている点です。




<おまけ クラフトパーツがガチャで手に入ることで死にパーツを少しでも減らそうとしている工夫>

 今作、「クラフト用にどこでも出せるパーツがガチャで手に入る」という仕組みになっていて、これも面白い点でした。ガチャ装置に特定のアイテムを入れると、そのガチャに入っている4~5種のアイテムからランダムでパーツが出てくる仕組みです。

 「欲しいのだけ買える」仕組みだと絶対に1個も買われない死にパーツが出てくるでしょうから、こういう形にしたのはとてもいい方法だと感じました。
 開発者が無思考にデザインした場合、入手方法は「好きなパーツを買える」という仕組みにしがちだと思うのですが、その場合「実際に使ってみると有用だったとしても最後までそうと気付かれずに買われない死にアイテム」がかなり高い確率で出てくるんですよ! 
 普通のRPGでも、よく分からない消耗品をわざわざ買わない人は多いですよね。私も効果を確実に理解しているものしかほぼ買いません。

 でも今回のガチャ式では、買い物式と違い「とりあえずもらったので使ってみるか」という出会いのきっかけがありました。
 たとえば私は「おきあがりこぼし」というパーツの意味がよく分からず放置してたのですが、ガチャで出た分を余らせてたので気軽に1個試すことができ、有用性に気付くことができました。このパーツ、効果を理解すると色んなところで使えるんですよ! 後にほこらでさらなる応用例が提示され、さらに学ぶことができました。
 そうでなければ使ってさえいなかったでしょうし、仮に使い方を学んでも買うほどではなかったと思いますから、「ガチャでついでに出てなんか余ってるから使ってみるかー」というきっかけも、力は弱めにせよ重要な誘導な手段なのだと感じました。
 開発においてこういう使い所が活きそうな場所があれば、このようなガチャ的選択肢があるというのも思い出していきたいですね。

 ※ちなみに「おきあがりこぼし」は、「起動すると接着されたパーツごと上を向く」という、言葉で聞いてもたぶんよく分からないパーツで、車体の安定を維持したり、砲を大量に貼り付けた板を垂直に立たせるのに使えるものです。地面に落ちた大きな板に貼り付けてその端にリンクが乗ったまま板を縦に起き上がらせれば、簡単なリンク吹っ飛ばし装置も作れます。地味ですが幅広い使い方のできるパーツです。



●ほこらを遊んだり新しい設計図を手に入れるほど新しい使い方が分かっていく、という形の広がり

 さっきもこの題目に近いことを言いましたが、さらに掘り下げて話します。

 まず「ほこら」はメインシナリオとは独立した謎解きステージなのですが、今作のほこらは能力やクラフトパーツのチュートリアルになっているステージも多く、たくさん遊んでいくと「え、こんなこともできるの!?」みたいなことにだんだん隠された使い方に気付かされていく形になっていました。
 一部クエストを進めて得られる「新しい設計図」も同様で、かなり実用的なクラフト品が作れるようになっており、ちゃんと有用なクラフトパーツの組み合わせ例を提示してくれます。

 これ、どちらも本当によい出し方で、「ゲーム側から具体的な実践例を提示してくれることでプレイヤーの中で急に色んなものが繋がって、応用のきっかけが生み出せるようになる」ことって結構あるんですよ! 少なくとも私に関しては!
 「実用かつ具体的な応用例を時間をあけて1つずつ提示していく」、この方法は、個人的に好みで非常に良いと思っている手法の一つです。私自身は開発ジャンルの影響もあって開発側としてあんまり使えてない手法なんですが、自由度の高いクラフト系ゲームにおいては超重要ではないかなと思っています。
 

 そもそも今作のリンクの能力は、クラフトパーツと合わさって使い方が無限に広がっていく感じでして、ほこらのステージバリエーションも非常に豊富!
 前作のほこらは能力や既存ダンジョンギミックの応用を突き詰めたガチな謎解きに重点が置かれていた印象でしたが、今作は能力やパーツの新しい発見や遊びに気付かされるステージであることが多く、ほこらが非常に面白かったです。

 こういった、『暗黙の使い方が明らかにされていく』という方向性でゲームの「広がり」を感じられたのは久々の体験で、色々なゲームを遊び込んできたつもりの自分でもとても新鮮さがありました。
 「ゲームが進むにつれて(知っていればすでに使えていたはずの)新しい使い方を学べる」という見せ方も『ゲームが広がる感』につながるんだなー! と学べたので、自作品でもそういった工夫が取り入れられそうなら取り入れていきたいですね!

 そういった「すでに使えたはずの隠れ技を学べる」一例としては、たとえば古いゲームですが初代『風来のシレン』の「フェイの問題(特定のアイテムやシステムを使わせたり、隠されたルールや効果を使わせてパズル的にステージを攻略する)」などもその一種かもしれません。

 また、死亡時のアドバイスで「アレをこうやって使うと生き残れるぞ」という紹介をすることも、広義で見れば「ゲームが広がる感」に繋がるやり方の一つだと思います。

 これらのどの経緯であれ、「じゃあ次はこのテクニックや使い方を取り入れて遊んでみよう!」と思えればもっと遊びたくなります! ティアキンはそれが定期的に提示されてくるのがいいんですよ。

 もちろんその中には「実用面では使えなさそう~」と感じるテクニックも多いんですが、Twitterなどを見てるとその使えなさそうな使い方を応用した動画を上げておられる方もいらっしゃったりするので、そういう意味でもゲームの広がりを感じたり、自分もやってみたいと思うことがありました。




【リソース周りの配慮や工夫】

●戦うほど「保有武器の総火力」が確実に増やせる仕組みになった!

<まず前作でどう感じていたか>

 ここでは武器の話をします。今作の武器まわりについて語る前に、前作ブレスオブザワイルドにあった武器まわりで「つらさ」を感じていた部分について紹介させていただきます。

 まず、前作も今作も武器には「耐久力」があります。なので、手持ちの武器の「攻撃力×耐久力」から導き出せる「総火力」は常に気にしなくてはいけません。

 そして前作では敵と戦うとき、個人の感想ですが
「この敵を倒して火力の元は取れるんだろうか……?」
 という不安が常につきまとっていました。

 というのも、前作は

「敵を倒して得た武器がしょっぱいことがある」
「先行入手できる強い武器はほこらなどからの宝箱産であることも多く、使うのがもったいなく感じることが多い」

 という形になっており、要するに『敵と戦って火力収支が確実に増えるという保証がない』という状況や、『貴重な武器かもしれないものを使うのはもったいない』状況が頻繁に発生し、敵と戦うことや強い武器を使うこと自体に常に結構なストレスがあったんですね。

 最後まで遊んでみるとその点は全く問題ない設計だったと思うのですが、情報が少ないプレイヤー視点では、プレイがかなり進むまでなかなかゲームを信用することができませんでした。
 何なら武器の消耗を抑えるために、時間がかかってもクールタイム制の無限バクダンで戦う人も多かったのではないかなと思います(そしてそのバクダンがあったおかげで、武器管理のストレスが許される面もあったかもしれません)。

 また、ゲーム後半は「壊れても一定時間で再生する中威力の無限武器」が手に入るので、そういった問題はある程度解消されていました。



<今作の武器システムはどう変わったか>

 本作ティアキンでは、拾える武器の攻撃力は全体的に低めで、後半になっても攻撃力10以下の武器を拾うことがザラにあります。
 ですがこのゲームは前作ブレワイと違い、敵を倒すと「攻撃力の元」ともいうべき素材がアイテム欄に半無限に保有可能で、それを武器とスクラビルド(合成)することで攻撃力の高い武器を作れるゲームシステムになっています。強い敵は強い素材を確実に落とします。

 その結果、『強い敵と戦っても安定して火力収支が増やせる』という安心感が生まれ、強敵と戦うストレスがかなり減少しました。
 といいますか、強い相手とは戦えば戦うほど武器の火力密度を上げられて逆にお得になりました。これは前作の不安を感じていた身にとってはすばらしい改善点です!(といっても、私は1つめの神殿開始あたりまで敵素材と組み合わせるのに気付かなくてだいぶケチってましたが)

 また、数値バランスの面でも納得の内容で、「この数値設定なら何となく遊んでる場合でも不安を感じにくいのか!」と学ぶところがある設定でしたので、以下にメモしておきます。



<武器の火力収支はどんな数値バランスだったのか>

 ここでは序盤から戦える強敵『黒ボコブリン』を対象としてお話を進めます。
 黒ボコブリンは同型のザコ敵の中では上から2番目くらいに強い敵で、高ランク帯エリアでは複数体同時くらいに出てくることもある敵です。

 そして黒ボコブリンの素材を使うと、序盤で確定入手できるものだけで「攻撃24で推定43回分使える『黒ボコエッジ』」が簡単に作れます。
 (最初の村にある「避難壕」で頻繁に入手可能な武器「騎士の剣 攻撃力7」に、序盤からハイラル城の少し奥で戦える黒ボコブリンを倒して得られる「黒ボコブリンの角(スクラビルド攻撃力17)」をスクラビルドする)

 体力が推定250の黒ボコブリンを倒して上記の『黒ボコエッジ』が1本作れると考えた場合、手持ち火力が「攻撃24×43回=1032点」ぶん増やせます!(ラストヒット分は考慮外とします)
 言い換えると、「体力250の黒ボコブリン1体を倒すことで、黒ボコブリン4体分を倒せる総火力1032点の武器」が作れる計算になるわけです。
 黒ボコブリンを倒せば、火力収支で見て約+300%の儲け! 超大もうけ!

 実際のプレイではこの記事を書くまで武器の使用回数などを正確にカウントせずにあいまいに戦っていましたが、それでも火力収支で不安になることはなかったので、この感触を出せるこのバランスは絶対に重要な数値だと感じました。
 「中~上級クラスの敵を相手にして+300%以上の収支でようやく不安を感じない感触になるのかー!」と思ったので、私含むプレイヤーの直感は結構欲が深いんだなあと感じます。
 (なお、検証してませんが一番上級の白銀系モンスターだと収支+100%~150%くらいまで下がるケースもあるかもしれません。逆に、もっと弱い敵は収支%がさらによくなりそうでした。幅は+700%~+100%くらい?)

 そして同時に、「強い敵に挑み続けるほど保有武器の攻撃力濃度が上がっていって火力の総計が増えていく」という形になっているのがすばらしい好循環を産んでいるな! と感じました。RPGなんですから、リソースや時間を投入するほど一方的に資産が増え続けてもいいんですよね。

 という風に、「前作では敵を倒しても入手できる武器が不透明なせいで火力収支が増やせるという信用があまりなかった」のに対し、「今作は確実に火力が増やせるという信用を与えられる造りになっている」点、そして「そう感じさせるための火力収支の数値設定がされている」点など、このあたりは自分が作るときも大事にしたいと感じた点でした。



<プレイ中の誤解 何らかの無限武器があるとやっぱりうれしい>

 実は私は、ティアキン開始時に攻撃力1のボロボロの聖剣を持っているのを見て

「お、攻撃力1のマスターソードが使える! これたぶんゲーム進行と共に徐々に攻撃力が上がっていくやつでしょ! 『火力は最低でも無限に使える武器』を1本用意してくるとは前作の武器への不安をカバーしててえらいなあ!」 

 と誤解していました。ただこの理屈自体は有効な案かもしれないとは思っていて、実は「ギリギリ戦える程度に低火力だけど無限に使える武器」が1つあるだけでも安心させやすいのかなと思っていたのです。

 たとえば攻撃力が【最大ハート個数/2】点で無限に使える「素手パンチ」という攻撃ができるだけでもけっこう安心感が出るんじゃないでしょうか。その場合ほとんどの人が格闘家リンクになってしまいそうな上に、かえって戦闘時間が延びそうですけども! 安心の代わりにテンポが悪くなるのもなあ!
 それを考えるとうっかり低火力無限武器を入れるというのも難しい問題ですね。

 いちおう物語が進めば、「壊れたら一定時間で再生する、(今作のベース武器としては)かなり高火力な無限武器」が手に入ります。後半の敵ほど火力収支率が悪そうなのは、その武器で戦うことも加味されているからかもしれませんね。

 なお、前述の攻撃力1のマスターソードですが、一瞬で壊れて二度と戻りませんでした。私の想像は全く合っていませんでした。悲しい。

 

<おまけ 武器の使用回数>

 ちなみに、武器の総火力の計算のために検証した武器の使用回数は以下のような感じでした。
 これらは「木」をひたすら通常攻撃して切り倒しまくり、武器が壊れるまでの回数を検証しています。

【武器が壊れるまでのヒット数】
 騎士の剣(スクラビルドしない):18回 
 黒ボコエッジ(騎士の剣+黒ボコブリンの角を合成):43回
 黒ボコブレード(丈夫な太棒+黒ボコブリンの角を合成):51回(「丈夫」効果により耐久度が高い)

 「元の武器は朽ちてボロボロなのですぐ壊れる」というゲーム内情報はありましたが、スクラビルドしただけでこんなに耐久度が増えるとは予想外でした。どんどんスクラビルドしましょう。



●「数を気にせず使ってほしい!」というアイテムはまともに使い始める時点で100個くらい持ってても問題ない

 前述のように、火力リソースは潤沢に与えられる形になっていましたが、このリソース面の話は戦闘周りだけでなくティアキン全体におよんでいます。

 たとえば「アカリバナの種」という、投げると明かりになるアイテムがあります。地底マップの、特に序盤ではそれを設置していかないと視界の確保が大変なのですが、なんとこのアイテム、私が地底に下りた段階でもう100個以上も持ってました。それくらい集まりやすいのです!
 さすがにこれだけあると20mごとの高頻度でポンポン投げてもいいなーと思えるくらいに気が楽で、ケチな私でもいきなり「消費を気にせず使えそう!」と思えたのは重要な体験でした。

 ガンガン使って欲しいアイテムは、「無思考に使いすぎた場合だけ数が減るけど、そうでもない限りほぼ減らないし、何なら使う現地にもけっこう落ちてるよ」くらいにしていいんだなー! という良い「ゆるさ」の見本として勉強になりました。
 今作は見つけたアイテムを拾っていればアイテム切れを起こす不安がほとんどなく、ストレスフリーで非常によかったです。
 でも最強の範囲火力として使っていた「バクダン花」だけは一度なくなりました。とはいえこれがほぼ無限に補給できると、爆撃しまくりゲームになって逆に「無思考プレイ」になってたでしょうから、使い所を考えさせるいいバランスだったと思います。



●「拡張に使うのがおすすめな分」と「消費分に使っていい分」を別アイテムにしてほんのり誘導してくれている親切さ!+在庫制限の配慮

 このゲーム、クラフト周りに関わる鉱石として「ゾナニウム」と「大きなゾナニウム」というアイテムが入手できます。
 この「ゾナニウム」と「大きなゾナニウム」、それぞれ以下の用途に使われます。


【ゾナニウム】
・『ブループリント』(過去のクラフト品を作る能力)のコストとしてたくさん使う
・「バッテリー回復用の消費アイテム」に変換(低効果、むしろガチャ用途でまれに補充する)
・「バッテリーの拡張素材」に変換(効率は悪め)

【大きなゾナニウム】
・「バッテリー回復用の消費アイテム」に変換(強力なアイテムだがドロップ品でも必要分くらいは拾えるので滅多に作らない)
・「バッテリーの拡張素材」に変換(高効率!)


 で、数値バランスを見てよい点だと感じたのが、「大きなゾナニウム」の方は「ぜひバッテリーの拡張に使ってください」という雰囲気の交換バランスになっていたこと! なんと交換バランス的に、「大きなゾナニウム」1個で普通「ゾナニウム」の20個相当のバッテリー拡張力があるのです!
(ちなみに「大きいゾナニウム」は、「地底」エリアでの採鉱で「ゾナニウム」10数個あたり1個くらいのペースで手に入る感触でした)

 これにより、バッテリー拡張にはまず「大きなゾナニウム」を使っていけばいい、という感じになっていて、普段クラフトで消費する普通の「ゾナニウム」は基本的にそのまま残しておいていいよ、というのがほのめかされているように感じられて、「どの割合で拡張と消費に振り分けるか」という難しさを要求してこない空気になっているのがすごく助かりました。

 もしこれが普通の「ゾナニウム」一種類しかなかったとしたら、「何割くらいを消費用に置いといて何割をバッテリー拡張に使えばいいんだー! ああー拡張に使いすぎて消費分が足りなくなったー!」となるかもしれず、その配分を考えるストレスや不安を感じやすくなっていたと思います。

 本作は前作よりもリソース周りの不安を可能な限り減らしていきたいような印象だったのですが、このような「常に不足しがちな素材」の使い方に対して不安を減らす一つの形として、こうやって「拡張に有利な素材」と「消費に有利な素材」に分けるこの手法は非常に納得のいく工夫に感じました。

 もちろん単純に「バッテリー『拡張』専用の素材と『消費』専用の素材で完全に分ける」という手もありますけど、前述の仕組みのいいところは、「最大までバッテリー拡張したあとにも消耗品として変換できて、活用しどころがなくならない点」ですね!
 「大きなゾナニウム」で作れるバッテリー回復(一時的に無限になる)アイテムはそれはそれで強力で価値があります。

 特定のリソースが『拡張専用』だと、拡張が限界まで達したときにポイントの存在意義がゼロになるので、「主に拡張用だけど、最後まで何らかの消耗用にも使えるようになっている」という形はリソースの意味をなくさせないために重要だと思います。

 ……はい、私も何度か自分の開発で『拡張し終わると完全に無意味になるリソース』を作ってしまったことがあります。こういうリソースがあると、どうしてもやりこまれる遊び手の方にとって地味にションボリ感が出ちゃうので気をつけないと!

 ちなみに序盤「ゾナニウム」でしかバッテリー拡張できないと思っていた頃は拡張の手間が膨大に感じて大変でした。「大きなゾナニウム」概念にもっと早く気付いていれば……!



<一定時間ごとに一定個数ずつしか交換できない仕組みのおかげで採掘以外のこともしようと思えた>

 そして、「ゾナニウム」らをバッテリー拡張アイテムへ変換するときは、「精錬するのに時間がかかる」という理由でプレイ時間ごとに交換個数の制限があります。

 このプレイ時間ごとの交換制限、最初は「先が長いなあ~」と思う面もあったのですが、後半まで進めて色々分かってくると「交換個数が無限だとバッテリーがマックスに成長するまでずっと採掘ばっかりする人が出るから」という理由で設けられているのかも、ということに気付きました。

 時間ごとに一定数しか買えないこの制限は、

 「他のこともやってほしいので一旦在庫なくなったらしばらく採掘しなくていいよ!」

 という暗黙の誘導として働いていたのです。
 なんせ私も気付かずにこの誘導通りに動いてましたからね! おかげで採掘はほどほどにしつつゲームを進めることができました。
 もし自分もそうしてほしい部分がでてきたら、こういった「定期在庫補給システム」を導入しようと思います。


 あとこの制限は私にとって、序盤に効率が悪い普通の「ゾナニウム」→「バッテリー拡張アイテム」の変換をしていた頃に発生しえた

「『ゾナニウム』を全部交換したらもっと効率いい『大きなゾナニウム』交換が出てきて後悔したー!!」

 という状況を回避するのにもとても役立っていました。それでも普通「ゾナニウム」が効率の悪いバッテリー素材交換に結構吸われてしまった上に「これバッテリー増やすの効率悪すぎでしょ!」と何回も言ってましたけど!
 とにかく、不利な交換をしすぎないようにする「事故防止」の観点でも、この「一定時間ごとに一定数しか買えない制限」が機能していて巧いな! と後になって私は感じていました。
(でも最初から『大きなゾナニウム』交換が公開されていてもよかった感じはしました)



●クラフト乗り物を多用することが推奨されている地底でクラフト材料が大量に手に入る好循環

 リンクのクラフト品再現能力『ブループリント』を使うと鉱石「ゾナニウム」を消費していくのですが、今作の『地底』マップ(他に「上空」と「地上」がある)では徒歩での移動が大変な代わりに「ゾナニウム」を手に入れやすく、「ゾナニウムを手に入れたそばからじゃんじゃん消費して乗り物を作って移動すると快適にプレイできるよ!」という良い循環が回っていました。

 『地底』は徒歩だと最大ライフが奪われる危険地帯が多いので小型な乗り物でも乗る価値が大きい上、後半は地形も過酷になるため、乗り物の工夫を存分に楽める形になっています。何にせよ「ゾナニウム」をすぐ補給できる見込みがあるのでほとんどケチらなくていい、という適度な安心感が与えられています!

 地底ではクラフト能力を使って欲しい感満々だったので、そういう場所で能力を使うための消耗品がジャンジャン手に入るようにして回すようにしてあるのが素直にいいなあ! と感じられたマップ構成でした。
 前述の「アカリバナの種」の話もそうでしたが、他の部分でも一貫して消費への不安をなくしたり、ケチりすぎなくていいよう構成されているのです(とはいえゾナニウムはけっこう減り気味だったので節約はしました)。

 『開発側で遊び手にやってほしいことがあるなら、それを行う際の不安を減らす仕組みにする』

 一言で言えばゲームとしては非常に当たり前の方針ですが、ティアキンではリソース面でかなりそれを徹底して実現しようとしている感触がありました。
 そしてそれに実際に触れて、実際に余計な不安なく気持ちよく楽しむことができたので、自分もこの肌感覚はうまく取り入れていきたい点だと感じました。




【攻略周りの幅広さ】

●消耗品の使用や工夫することを推奨される「戦闘の難しさ」、でもガチ戦もできる

 本作ティアキンはかなり敵が強いバランスに感じます。特に前半での集団戦が大変! 把握しきれてませんがたぶん敵の連携がすごい!
 戦闘はアイテム一切なしの「ガチ戦」方針で遊ぶと、たぶん『ダークソウル』シリーズにおよぶくらいの難しさになる場面もあると思います。

 ですが一方で戦闘の工夫もやり放題で、しっかり集めていると使い切れないほどたまる消耗品をガンガン使うことで戦闘が有利になるように作られています。「消耗品を使った工夫をさせたいがゆえの過酷な戦闘難易度になっている」と言っていいほど!

 たとえば弓矢に素材を付けて飛ばすのがとてもお手軽になっているので、

・凍結アイテムを付けて撃って敵をだいぶ長い時間動けなくさせるとか
・混乱させるアイテムを敵に撃ちだして仲間割れさせるとか
・燃焼物で敵拠点にある爆発物を爆破して敵を巻き込む

 といったことができます。敵の数が多いときは余っているアイテムを遠慮せず使っていく方が有利!
 「ここで使って後でなくなっちゃったらどうしよう!」と感じた消耗品はほぼありませんでした。「戦闘バランスが厳しいならリソース周りがゆるゆるでも面白いんだなー!」という生の体験ができたのはとてもよかったです。むしろどう考えてもアイテムをケチったせいでやられたということの方が多いでしょう。

 もちろん無思考に同じアイテムばかり使うとだんだん減っていくので、「色んなアイテムをまんべんなく使うことでほぼリソースを切らさず戦っていける」という工夫しどころは残っています。
 私はたびたび入手難度が適度に高めな範囲火力「バクダン花」を弓矢で撃ちまくってたので、それだけなくなってしまうことがありました。「バクダン花」だけは「脳みそ筋肉な人にも分かりやすい緊急用火力源」という立ち位置だと思っているので、こうなっていいはずです。

 また消耗品を使うだけでなく、前作通りスニーキングしながら「ふいうち」で敵を減らす戦法ももちろん有効ですし、クラフトで作った自動兵器で敵拠点を襲撃したって構いません。

 とにかく本作は、発想や工夫次第で色んな戦法が取れて戦闘のアクション要求度を下げられるのが魅力! 勝てないなら頭脳や消耗品でブースト可能!
 「工夫する甲斐があるほどの難易度」だからこそ工夫が楽しい! これ大事!

 という感じで、ティアキンの戦闘においては「ガチ戦←←→→工夫プレイ」の幅広いグラデーションの中で遊べる感があって今のところ非常に楽しめております。
 この遊びの幅の広さは、いいゲームマスターのもとで遊ばせてもらっている感がありますね。


●謎解きの攻略手段が豊富で他の人の攻略法も見たくなる

 SNSなどでゼルダ情報を追っておられる方にはもうご存じでしょうけれど、謎解きや課題の突破手段が今回あまりに豊富です。

 たとえば「トロッコ用の(2本の)レールが1本途中で少し切れてるのに向こう岸に行かねばならない!」という状況に対して、

「1本のレールにぶらさがれる乗り物を作る」
 
「超長い乗り物を作って切れてる部分を無視できるようにする(!?)」
 
「(アクションゲーム力を発揮し)細いレールの上を歩いていく(!!?)」

 など突破手段はさまざま!
 「とにかく何でもいいから問題を解決できる工夫をしてください」という、まるでTRPGでもやっているかのような自由度なので、攻略後に「これ模範解答だったのか……?」と思うこともたびたびです。

 もちろん特定の能力を正しく使わないといけない、気付くのが難しい高難易度の課題もあるのですが、そういうのは最悪解けなくてもメイン攻略には影響が少ない場所に配置されていたりする印象でした。

 なので基本的には多くの場所で人それぞれの突破方法があって、プレイ済みでも他人のゼルダ配信の見応えがあります。
 「自分はこうしたけど他の人はどうしたんだろう?」が見られるのはとても面白い! 同じゲームなのに色んな人の配信を見るのが楽しい! このゲーム配信時代に非常に向いている方向性の造りだと感じます。
 自分もこういう「他の人のプレイを見たい」を狙っていきたいんですがゲームに自然に取り入れるのが難しい! 色々考えていきたいところです。

 なおここでは動画配信の話に焦点を当てましたが、他にも「SNS向け」に機能している部分としてクラフト要素がしょっちゅう話題の元になっていて、色んな面で今の時代に合った有利要素が詰め込まれていると感じます。すごい!




【まとめ】

 以上、色々述べてきましたが、まとめると今作ティアキンは

●ゲーム的な「広がり」の潜在量がすごくて飽きない
 → 直感的なのに習熟時間と想像力を要求される基本能力
 → パーツ入手によって段階的な広がりを与えてくれる
 → ときどき実用的な例を提示して能力の使い方を広げてくれる

●リソース周りの「不安」が可能な限り削られている
 → 安心感のある火力リソース補給システム!
 → 大量に使うアイテムは使い始めの時点で100個くらいあげちゃえの精神
 → 不足気味なアイテムは「拡張」と「消費」に使う分のアイテム種を分けてほんのり誘導してくれている
 → 特定の能力を推奨するエリアでは、そのコストを現地調達できる仕組みにして安心して能力を使えるように

●正面対決だとかなり難しいが「工夫すれば有利になる」という戦闘
 → 厳しい戦闘難易度にして、余りやすいリソースを使って工夫するありがたみを産んでいる
 → 難しいだけで、うまい人は正面戦闘で突破できるようになっている!

●自由度の高い謎解き
 → 人それぞれの突破方法が通用する場所も多く、プレイ済みでも他人の配信に見ごたえがある!


 という感じで、今作はゲーム的な「広がり」が掘っても掘っても出てくるし、リソース面では非常に遊びやすく作られており、戦闘においてはガチ戦~工夫プレイの間の幅広い許容度の中で遊べて、謎解きですら「他の人どうやったんだろ?」と気になる魅力がありました。
 用意された1つの解法で解いていく昔のゼルダシリーズとは大きく違った自由さや幅広さがあって非常に面白いです!

 他にもマップ構成や今作固有の移動方法やストーリー構成やクエストの見せ方やそのほか私が意識してない点など色々見るべき部分はいっぱいあるのですが、アマチュアのいちゲーム開発者として優先的に気付いたのは今回挙げさせていただいた辺りでした。

 何かまとまった量で良い工夫や良い意図に気付けたら、またメモしていきたいと思います。
 せっかく遊ばせていただいたのですから、面白くするための意図や、ストレスを感じさせないよう配慮してくれている工夫などはどんどん見つけて取り入れていきたいですね!

 たとえコツを知っていても、自分でも実践できるようになるにはまだまだ修行が必要です。ゲーム開発道は果てしない!
 

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SmokingWOLF 2023/05/13 11:02

RPGツクール素材がウディタでも使えるように!(+おまけ:ゼルダ新作出るぞー!)

 ゴールデンウィーク中一週間以上も激しい風邪を引いていたり、元気な時間で作業できたのも非公開のお仕事だったりウディタのバグ修正だったりしていたウルフです!
 体調のほうはおかげさまで85%くらいまで復調しており、今はときどきゴホゴホするくらいで、あとは徐々に調子を戻していくフェイズに入っています。

 なのでご報告できることがあまりないなーと思ってたら急なニュースが飛び込んできました! 今回はRPGツクールについての大事件のお話をさせていただきます!


◆RPGツクール素材がウディタでも利用可能に!

 2023年5月11日、ツクール開発部さんのTwitterで驚きの告知が出ました!
 なんとRPGツクールシリーズの素材規約が変わり、ツクール以外のプログラムでも利用可能になったのです!
 ↓
https://twitter.com/tkool_dev/status/1656569837689221120

 
規約の該当箇所↓


 ということで私が何か読み間違えていなければ、これからはRPGツクールの素材がウディタでも使えてしまいます! なんてこった!

 そのRPGツクール素材、特定のバージョンではマップチップが凄く好みだったり、効果音の品質が全体的にすばらしすぎたりするので、今後必要になったらじゃんじゃん使おうと思っております。
 特に、ウディタを作り始めて一番最初に思っていたのが「RPGツクールの頃の効果音が使えないのつらすぎる……」だったので、ここに来てそれが解消されたのはまさに神の恵みです。

 そんな判断をしてくださった現在のツクール運営の皆さまには本当に感謝しています! ウディタリアンのみなさんも旧作ツクールをまとめ買いしちゃいたくなる人が増えるでしょうし、クリエイター側もツクール運営さま側もお互いハッピーになれる選択をしてくださったと思います。



◆でも画像のフォーマット作り替えが大変? 実はもう変換ツールが!

 RPGツクール2000、2003、XP、VXの素材に関しては、実はウディタ公式で六花さんという方による『tkool2WOLF+』という素材変換ツールが公開されています。
 このツールは、RPGツクール素材をドラッグ&ドロップしてボタン1つ押すだけでウディタ用素材に手軽に変換できてしまうという優れものです! 今やったところ、Windows11でも起動することを確認済みです。

 以下はRPGツクール2000のキャラチップに対して『tkool2WOLF+』を動かした例! なんと8人1セットのキャラチップが、キャラ方向も再配置された上で8ファイルに分割されているのが分かります! すごい便利!



◆注意! ウディコンでは2次創作扱いにならないようご利用ください!

 RPGツクールのキャラクターは、実は一部界隈ではすでに性格や文脈を持ったキャラとして確立してしまったり、「RPGツクールのキャラクターをウディタで使う」というネタ自体がすでに注目を集めてしまう要素として使えてしまうので、ウディコンでそういったご利用をされた場合は「2次創作扱い」に該当してエントリー停止になる場合が出てきます。
 というのも、2次創作禁止はそもそも「元作品の知名度を利用して有利になる」のを防ぐ目的でもうけられたルールで、それはツクールそのものに対しても同様に扱われます。

 なので、ウディコンでツクールネタ用にRPGツクール素材を使いたくなるのはものすごく分かるのですが、うっかり「ツクールとの関連を匂わせる」使い方をするのは避けていただけますよう、どうかお気を付けください!

 たとえば、RPGツクールのキャラクターを普通にツクールと関係ないキャラチップの1つとして使う分にはOKですが、RPGツクールのサンプルキャラと同じ名前で利用したり、一部界隈で確立されているツクールキャラのイメージを利用したり、素材とツクールとの関連を示すのはアウトです。
 また、「RPGツクール2000のタイトル青空と、デフォルトのタイトルBGMを併用して使う」(あまりに見慣れすぎた画面を出すネタ)なども厳しめに見た場合にツクールの2次創作ネタを使っているとみなされる場合がありますので、あらかじめご了承ください(でもその場合は「ツクール」という単語や匂わせがなければたぶんグレー扱いです。知らずに使いましたと言って納得できる場合は仕方ないですよね)。

 なお、魔王っぽいキャラ絵に「魔王」と名付けたりするのはOKです。見た目から自然に付けうる名前や、一般名詞を当てはめる分には問題ありません。
 ただし、アレックスのキャラチップにアレックスと名付けるのはアウトとします。
 アレックスのキャラチップにブライアン(2人目のサンプルキャラ名)と名付けるのはグレーですがそんなややこしいことを狙ってやるのはお控えください!


 といった感じのちょっとした注意点はあるものの、RPGツクール素材はすばらしいものや使い勝手のよいものも多いので、購入したあなたのRPGツクールのうち規約にも「使ってよい」と載っているツクールの素材に関してはぜひうまく活用してください!

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今回のフォローおまけは新しいゼルダの伝説が出るぞー! という話題! どこを注視して遊びたいかなど少し話しています。

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