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片道勇者2の記事 (13)

SmokingWOLF 2024/05/11 10:22

【ウディタ修正】セーブデータ軽量化やサブフォルダ読込機能搭載!

 リアルがとても大変になりつつある私です。いちおう『片道勇者2』の開発を進めたり、ウディタのバグ修正を続けたりとやることはやれているのですが、次回あたり開発日誌が1回おやすみになるかもしれません。

 今回は、また新たに実装したウディタの新機能や修正内容についてご紹介! 今回は地味ながら重要度が高い修正が複数あったので、ここでアピールしておきます!


◆Ver3.33で搭載したウディタ新機能!

セーブデータ容量が大幅削減!

 今回の修正でセーブデータを圧縮してから保存するようにしました! が、それによる容量の減り方が想像以上にすごかったです!

 以下はフルパッケージに入っている『ウルファールのサンプルゲーム』のセーブデータ一覧ですが、従来のGame.exeで保存したのと新バージョンで保存したのではファイルサイズが大違い!
 システムデータは100KBから1KBに! 開始直後のセーブデータは206KBから14KBに! みたいに、90%以上カットも平気で発生しうるほどの圧縮効果! これならセーブデータ100個保存する人も少し安心!

 基本的には複雑なデータ列であるほど圧縮が効きにくくなるので、「0」のデータがいっぱい並んでいるであろう「システムデータ」や「始まったばかりのセーブデータ」ほど圧縮がきいてファイルサイズが軽くなり、ゲーム終盤になるほど重くなっていく感じになります。
 上の画像でも、「クリア直前のSaveData02.sav(21KB)」の方が「開始直後のSaveData01.sav(14KB)」よりファイルサイズが大きくなっているのが分かると思います。元はどっちも200KBくらいだったのに!
 それでも「クリア時のデータサイズが80%カットできたよー」というお声も見かけたりしたので、プレイヤーの人にとってもうれしい修正のはずです。安定してそうなタイミングになりましたら、よければぜひアップデートを!
 

マップデータの容量も大幅削減!

 そしてこちらはあまり話題になっていませんでしたが、セーブデータと同じ方式で圧縮するようにし、『マップデータファイル(.mps)』のサイズも削減されました!
 たとえばこれまでは3000×3000のサイズのマップを作ると100MB超のサイズになってしまっていたのが、新バージョンで保存すると最小で420KB程度になるほどファイルサイズが小さくなりました。約1/250! ただしここまで縮められるのは、まだほとんど何も書いてないマップに限ります。

 「圧縮・解凍処理なんて入ると逆に読み込み遅くなったりするんじゃないの~?」と思われるかもしれませんが、実はアクセス速度は「SSDやHDDからの読み込み速度」より「メモリ内で解凍する速度」の方がまだ早いので、これだけファイルサイズが縮めば、ゲーム中での読み込み時間は巨大なマップであるほどよく改善されます。
 また、読み込み処理もアルゴリズム的に改善したことで、マップのそもそもの読み込み時間も少し短縮されているはずです。これでオープンワールドゲームを作る人も安心!


マップイベントに「前Page方向引継」機能を実装!

 「前Page方向引継」機能は、マップイベントの起動条件が変わってページが切り替わってもキャラの方向とパターンをそのまま維持する、というオプションです。

 どうしてこんな機能が実装されたかというと、まず前提として、Ver3後のいつかのバージョンから起動条件が変わってマップイベントのページが切り替わった場合、必ず【新たなページ側で指定されている方向】に向き直るようになりました(バグ修正によるものです)。
 ですがマップイベントを活用したアクションゲームなどを作る場合、
「マップイベントが攻撃モーションに入るときは違うページに切り替える」
 といった使い方をされる場合も考えられます。でもページが変わると前述の通り、キャラの向きがリセットされちゃう問題があります!
 そういったときに、この「前Page方向引継」をオンにしておけば、ページ切り替わり時でも向きが変わらず、方向維持したまま自然にモードを切り替えられるわけですね!

 これまでは、この問題に対して一手間かかる対処が必要だったのですが、これからは少しシンプルな造りにできると思います。



Editorの「ファイル選択」時、3層までのサブフォルダが見られるように!

 ファイル選択時に、これまで1層のフォルダまでしか選べなかったのが、3層までのサブフォルダを指定できるようになりました! 地味修正ですが作ってみると意外に便利!

 たとえば「BGM」フォルダ内に「Battle」「Town」みたいにサブフォルダを作ってそこにファイルを入れても、これからは音声ファイル選択画面から直でファイルを探しにいけます!
 ↓

 実装前は「えーこの機能いるー?」と思いましたが(それに過去に一回挫折したのであんまりやりたくなかったのですが)、いざ搭載してみるとファイル整理が楽! 次から使っていこうと思います。



「変数操作+」コマンドに「キャラの不透明度」と「ピクチャの基準位置」取得機能を追加

 「変数操作+」コマンドで取得できる中で、需要が高そうなのを2つ追加しました。「キャラの不透明度」と「ピクチャの基準位置」です!
 特に「ピクチャの基準位置」の方は、コモンイベントを作って配布する人にとってはこれまでよりも色んな状況に対応できるようになるので、利用価値が高いと思います。

 というのも、「ゲーム作る側の人」は特定のピクチャの基準位置がどこになっているか自分で知っているからいいのですが、「配布コモンイベントを作る人」側だといま表示されてるピクチャの基準位置がどこなのかこれまで分からなかったので、作るのが困難な処理があったんですよね! たとえば「ピクチャの当たり判定を得る」とか!
 そういった点で、コモンイベント作者さまの助けになればと思います!

 なお古いEXEだと当然この機能はないので、コモンイベント配布時には「ウディタVer3.33以降で動作します」など書いておいたり、動作バージョンが古くて使えない場合はコモンイベント内から警告を出されるようにするのがおすすめです(「Sys115:[読]Game.exeバージョン(x100)」で動作バージョンの判定が可能です、この値が333以上ならOK!)


 ちなみに「ピクチャの基準位置」で得られる値は【0左/10中央/20右 + 0上1中2下】という値になっています。たとえば基準位置が「左上」なら左0+上0=「0」、「中心」なら中央10+中1で「11」、「右上」なら右20+上0=「20」が得られるわけですね!
 どうしてこういう数値になっているのかというと、プロい人が計算に使うときにたぶんちょっと便利だからです(各桁の「1」=「画像の半分サイズ」として計算できる)


ピクチャの特殊図形(隠し機能)に<LINE-??>を追加! 太線が描ける! (これだけVer3.337より)

 ピクチャの特殊図形機能(ピクチャの「お手軽ウィンドウ」に「<LINE>」などと指定すると図形が描ける隠し機能)に<LINE-??>が新たに追加されました!
 これまでは1ピクセルの線しか描けませんでしたがこれを使うと太い線が描けます!
 

 ひとまず簡素な太線を置きたい場合や、これを使っても違和感のない雰囲気のゲームを作る場合に便利だと思います。


 と、いう感じで今回もウディタの修正がんばっておりました!
 いちおうその隙間時間で『片道勇者2』もちょびっとだけ進められましたので、まとまった進捗ができたらご報告していきます。


 そろそろウディタ改修についてはこれで一休みして、しばらくバグ修正だけのモードに入ろうと思っています。あんまりウディコン前に新機能やそれに付随するバグが増えても困るでしょうしね!

 第16回ウディコン開催まであと2ヶ月ちょっとです! みなさまの作品、今年も楽しみにお待ちしています!

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SmokingWOLF 2024/02/17 10:02

片道勇者2開発+12 仲間処理を作成中!

 ぬおおお全然進まないぃぃと言いながらもぼちぼちやってるウルフです!
 たまたまXヶ月以上ぶりに介護活動のない日ができたと思ったら5倍速くらいで進んでしまい、激しい介護活動があるとどうも80%くらい消耗してるっぽいと分かってグオオとなっています。

 で、ここ最近は『片道勇者2』の仲間キャラの仮搭載に向けていくらか作業をしていましたのでご紹介!


◆片道勇者2 仲間キャラ仮搭載中!

 現在、仲間キャラに必要な素材やテキストを仮にでも何個か作ってみて、仲間関連にかかる作業の見通しを立てるフェイズを行っています。
 どこかで1つ分くらいはやらねばならなかったんですが、キャラのセリフを書いたりするのが今の状況だとしんどすぎてずっと放置されっぱなしでした。

※↓は前作の薬師ネムリの孫、癒し手ネムリ


 その間は細切れ時間で仲間キャラの「イラスト作成」を進めることが多かったんですが、そんな中、先日ちょっとだけ時間や余力ができたので、その隙に猛スピードで仲間キャラ1体分のストーリー周りの設計や処理を書いていました。
 おおよそのめどが付いてきたので、今回は『片道勇者2』で目指したい「仲間キャラのお話周りの方針」について整理してみます!

片道勇者2の仲間キャラの「お話」はどうなる?

 今回の仲間キャラ作成のお話部分は「1周あたりの情報量は前くらいのままに、前作より情報量やシチュエーションを増やしたい!」が目標です!
 前作『片道勇者(プラス)』よりも仲間キャラの遭遇率を上げると同時に、お話面でもいろいろと増やしたいなと思っています。
 もちろん、読むのが面倒にならない程度の置き方を考えながら! いい感じのハシ休めポジションを維持したいですね。


◆出会いのパターンを増やしたい!

 今回は仲間と遭遇できるシチュエーションを増やすことで、「狙って使う感」と「飽きにくさ」を増やしたいと考えています。
 たとえば「普通にフィールドを歩いている仲間を見つけた」というシチュエーションとは別に、「街が敵に襲われてる中で助け出した」みたいな大変な状況でも出会うことがあります!
 そういった状況で助けたりすると、仲間にするのに必要なカリスマ(魅力)が少なく済んだり、別のボーナスを代わりにもらうこともできる、みたいなパターンを用意する予定です。

※↓ これは旅の途中、ネムリから救援を求める手紙が届いたシーン

 あと、スタート地点に仲間を「住人」として配置して、「いつもより高いカリスマを消費することでスタート地点から連れていくこともできる!」みたいになればまたプレイ方針が変わってくるでしょう。1人でも確定で仲間を連れていけるなら、前作では条件がそろいにくくて狙いづらかった「仲間前提のビルド」も組みやすいはず!
 「でも最初から前作相当の強さの仲間がいると強すぎないかな!?」と思ったりもするので、バランス調整はうまいことやりたいですね。


◆何度も出会ったら違う話が見られるようにしたい!

 発想的には別に大した話じゃないのですが、今作は周回を重ねると「前には聞けなかったお話」が聞けるようにしたいと思っています。
 前作では遭遇率がそもそも低かったのもあって同じ話だけでも何も問題なかった感じはあるのですが、今回はもっと出会いやすくなる予定ですからね!

 具体的には、「すでに1つめの話を全部聞いた状況」で別の世界でまたその仲間に会ったとき「その話は聞いたよ / 他の話をしてよ」みたいに言えば別の話をしてくれるようになります。とりあえず遭遇率に応じて2~3回分くらい用意して、ほどほどに新鮮味を出していきたいところです。

 あと、この手法なら「1回のプレイでは話すには多い情報量」を1キャラクターに詰め込んだとしてもプレイごとに徐々に伝えることができます! スポイルしなきゃいけないほどの設定や余談が思いついても安心! 最後の方は全体のストーリー的には重要でない話が多めになったりするかもしれませんがそれはそれで。
 ネムリ(2世)が最初から最後までナユタの実への愛を語るだけで終わるエピソードだって作れます。冒険企画局さんの片道勇者TRPG書籍でそんなシナリオありましたね……。


◆「仲間に焦点を当てたクエスト」も作りたい!

 前回は理騎士クエストやら忍者クエストなどがありましたが、今回は「仲間に焦点を当てたクエスト」も作りたい! と思っています。これは現状思ってるだけで設計予定に入れただけの状態です。

 というのも、「知らないキャラに話しかけてクエストを始める」よりは、知ってるキャラに話しかけて新クエストが始まった方がプレイヤーの方もなじみやすいしキャラの深掘りもできて一石二鳥です! 人間は基本的に「身内から」助けをもとめられる方がやる気が出やすいので当然といえば当然なのですが、それを意識してやってくれているゲームは意外と少ない気がします。

 たとえばスマホゲームでも、クエストの始まりが「プレイアブル(プレイヤーが使用可能な)キャラの誰か」からの依頼なのか、「知らないモブキャラクター」からの依頼なのかでちょっとやる気が変わった経験をされたことはないでしょうか。
 多くの場合、「知ってるキャラ」からの依頼の方がやる気がでると思います。

 言われてみれば普通の話ではありますが、いざ自分がゲームを作ると、うっかり「知らない人」ばっかりから依頼を出しがちです。
 『そのクエスト依頼、うまくやって何とか身内のキャラから出せないかな?』という点はこれからちょっと意識していきたい部分ですね!
 


◆片道勇者2余談:矢を専用に装備しなくても弓矢が撃てるようになってます!

 以前の記事にコメント欄でいただいたのでこっそり返信してたのですが、実は『片道勇者2』では前作と違い、弓矢の「矢」を追加装備欄に装備する必要がなくなります!


 つまり「狩人の弓[120]」を「武器欄」に装備するだけで、「追加装備」欄に何も付けなくても120発分の「木の矢」相当の攻撃が撃てるわけですね!
 前作では弓と一緒に「追加装備」欄にも「木の矢×80」みたいなのを装備しないと弓が撃てませんでしたが、ちょっと面倒でしたし、弓だけしか拾えないこともたまにあって悲しいことになりがちでした。
 
 そして「武器」欄だけで弓矢が撃てるようになったということは、「追加装備」欄に「破壊の腕輪(ダメージ1.3倍)」を付けたりできて、射手キャラのビルドにより自由度が出ます!
 いちおう「盾」も装備できるようになりますが、「射撃攻撃」と「盾防御」は同じターンには使えない、みたいな制約は付くかもしれません。
(「盾」の親戚である「追加装甲」なら構えなくても常時効果を発揮するので、射撃攻撃しても有効です。こんな風に、射撃攻撃時は防御力の稼ぎ方にちょっと制限が出ます)

 「追加装備」欄に装着できる「特殊な矢」自体は今作でも搭載予定です。「炎の矢」とか「爆弾矢」みたいなやつですね! 弓を持ってなくても2マス先まで攻撃できて便利、という要素はこういう形で継承されます!


 という感じで、進められる範囲でぼちぼち進めております。
 生活は大変ですが、引き続きやれる範囲で全力を尽くして進めていきます!
 確定申告の時期なのでそれも用意しないといけませんね! うおおお!

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SmokingWOLF 2023/11/25 10:27

片道勇者2開発+11 自動テスト機能を実装!

 ということで『ウディタ翻訳サポートツール』も無事に発売でき、ようやく久しぶりにフリーになれましたので『片道勇者2』の開発再開です! もう40日以上ぶり!

 しかし久しぶりに触ると分からないところだらけになっていて恐ろしいほどシステムいじりに億劫になってしまっているので、まずはリハビリ、兼、土台固めとして、放置されていた山ほどのバグ修正からやっています。
 それと本格的なデータ作りに入る前に、今回からやってみようと思っていた「自動テスト機能」の搭載も進めてます! ゲーム開発者の方も見てるでしょうから今回はその自動テスト機能についてお話をしましょう。

※自動テスト機能で「新しく作ったアイテムをまとめて使わせる」といったこともワンキーでできるようになるので手軽!

◆片道勇者2 自動テスト機能

【その前に 手動テスト機能の話】

 自動テストの話の前に、実は前作の『片道勇者(プラス)』にもテスト時用のデバッグ機能が用意されていて、「指定した好きなアイテムを入手できる」とか「好きなNPCを前に出す」といったことができていました。
 なので、手動でテストをすること自体は何も問題なかったんですよ。

 が、なんせデータ数が多く、まとめてテストするときに一つ一つ選びながら全部手動でやり直すのは意外に大変で、集中力を消耗します!
 指定の要素を探すだけで5~10秒くらいかかるときがありますし、それが面倒臭くなってテストへの心理的ハードルが気付かぬうちに上がってしまっていたことも多々あります。
 なので手動のデバッグ機能も十分以上に役に立ってはいたのですが、私は「ゲーム開発」という長期戦でテストへの心理的ハードルが上がるのはなるべく回避したいと考えていました。

【自動テスト機能の搭載!】

 そこで今回思い切って作ることにしたのが「自動テスト機能」! 『自動テスト』とは、人工知能がすごく賢く自動でテストしてくれる……というものではなく、簡単なものとしては、
「処理したい内容を書いておけばそれを手軽に再現してくれる」
という感じの機能のことを指します!
 要するに状況再現デバッグ機能で、「処理したい内容」を書くのは私です。

 たとえばtxtファイルに「目の前にゾンビを出現させて」「油ビンを取得して投げて」「炎の巻物を取得して使って」といったコマンドを指定しておけば、キーボードからワンボタンで一連の動作をやってくれます! このテストは油による炎ダメージ補正がかかっているかチェックするときに使う内容です。

 こんな風に一つのシナジーをチェックする目的で使うときもあれば、別のtxtファイルに
 「アイテム1~999番までそれぞれの使い方で使って動作チェックする」とか、
 「全ての敵を順番に呼び出して『炎の巻物』を1回ずつ喰らわせて炎耐性のダメージチェックする」
 「全NPCを順番に呼び出して友好化して会話の流れを全部出力」

みたいなことを書いておいて、定期的にテストするといったこともできます!


 今のところ作った自動テスト機能は「アイテムの取得&使用」や「NPC設置」くらいですが、さらに機能を増やせば、
「街やダンジョンを何度も作り直してNPC出現頻度の肌感覚を知る」
「1000km地点の砂漠地形の設定でランダムなマップを作ったり、その地域設定で敵やアイテムを出しまくる」

 みたいなランダムテーブルのチェックもできそうです。
 まあ2つめの方はランダムテーブルリストを見やすく表示するようにすればそれで済むことですけども!

 ※以下は最強のゾンビを配置→火炎ビンを投げる→燃料油のビンを投げる→火炎ビンをまた投げる、という手順をワンキーで実行するテスト。燃料油で火炎ダメージ3倍になってるか試しています。
https://youtu.be/aWXJ-jp5C-c

 こうした『自動テスト機能』、テキストファイルに指示を書く手間はありますが、ローグライクみたいにランダム要素で相乗効果だらけのゲームを作ったり、低確率で起きる問題を再現するためにひたすら試行しまくることが求められる状況では力強い友になることでしょう!


 前作は地獄のバグをいっぱい出して大変なことになってしまったので、今回は少し時間がかかっても処理の見通しをよくすることと、何日か使ってもいいのでデバッグ力やデバッグ速度を高めつつ進めることを意識していきたいと思います。

 ということで引き続き『片道勇者2』開発、がんばっていきます!

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SmokingWOLF 2023/09/30 10:54

片道勇者2開発+10 拠点改築機能!

 介護作業中の事故で腰と首に大ダメージを受けてしまったウルフです。幸い骨や神経にはダメージがなくて済んだのですが、安静にしないと辛い状況が増えそうなのでしばらくは治療がんばりたいと思います。

 今回はここ最近に実装していた『片道勇者2』の拠点改築機能についてご紹介します! 前作の『片道勇者プラス』にもあったやつですね!


◆片道勇者2 拠点改築機能

【今回の拠点は開拓地!】

 ということで今回は拠点の改築機能を作っていました。
 マウスとパッド(キーボード)両対応だと1画面作るのにも思ったよりリソースが必要でヒイヒイ言ってましたが、なんとか前作プラス版っぽい感じで一通り実装!

↓左が拠点画面、右がそれを反映したスタート地点です

 今回の拠点は「お城」じゃなくて「開拓地」に集まったような雰囲気で、前回同様、6箇所を拡張することができます。
 そして拡張した部分には「住人」を設置でき、色々なサポートを受けられます。
 といっても、スタート直後に『闇(強○スクロール)』に拠点ごとのまれちゃうので、受けられるのは始まった直後のサポートだけなんですけれどね!
 
 この拠点改築システム自体は『片道勇者プラス』開発当時は「何となく楽しそうだから」と作ったものでしたが、いまシステム的に見ると非常に便利なシロモノで、開発者視点だとこのシステムには以下の利点があったように思います。

●冒険のスタートを補助できる。ただしかなり強力なのは自分のリソースと引き換えです。
 
●プレイヤー自身でお気に入りの住人を設置するのにちょっと愛着が湧く(かも)
 
●自然にサブストーリーを展開させられる(世界の雰囲気を壊さない)
 
●スタート直後に普通に全部飲み込まれるので何を置いても便利すぎない。使えるのも初期所持金だけ。



【前作の「住人」を思い起こす】

 『片道勇者2』用の住人データはまだ何も設定していませんが、まずは前作通りの要素を搭載するところから始まるでしょう。
 前作いた住人キャラは以下の通り!

●ゲームのアドバイスをしてくれる人
→ いてもいなくてもいい人。前作では無料で配置できる住人の見本として用意されていた。

●アイテムをくれるキャラ
→ なぜか「叫ぶ根っこ」がいて倒すと回復アイテムになりました。殴ると「ドゥブッハァ!」などと叫びます。
 あとは重いバーベキューセットを押しつけてくる肉々しいお姉さんもいましたね! まともな人がいない!

●武器屋・防具屋・薬屋
→ お店。高い品物ばっかり売ってました。序盤を乗り切る用に。

●スキルを教えてくれる人
→ 能力値を支払って、小さな効果のスキルを教えてくれる訓練士がいました。でも効果は小さくとも職業の能力の幅を広げられるので、いいポジションだったと思います。

●新たなクエストを開始してくれる人
→ 前作では「忍者クラス解放」クエストや「理騎士クラス解放」クエスト、「最終決戦」クエストを開始できる住人がいました。今回も、サブクエストはこの形で始められるようにする予定です。

●協力NPCになってくれる動物
→ 魅力を消費することで協力NPCとして連れて行ける弱い動物仲間がいました。

●ゲーム内の展開を変えられる住人
→ 前作では『桃色の女神像』などがいて、一定距離内に出会う仲間を指定することが可能でした。が、クリア後しか置けませんでしたね!
 「コントロールできすぎるとそれ一択になってプレイ途中の体験の幅が狭まる場合があるので、そういうのはクリア後などに出したいなー!」
 という私のいじわるな欲求があってそうなっていたのですが、今回は攻略途中でも便利に使えそうな、
「『まだエンドを見ていない仲間キャラ』や、『倒してないランダムボス』の出現率を大幅に上げてくれる」
 という感じの住人も入れたいと考えています。
 このくらいの「不自由さ」かつ「狙える度」なら、便利すぎずに「テンポよく新しい要素を解放したい、見たい」という需要にも応えやすいかもしれません。

●難易度調整用の住人
→ 最終評価が下がるかわりに10回も女神像を呼び出せる能力をもらえる『金の女神像』がいました。
 解放できる要素の終盤には、こういう明らかな難易度調整要素も追加していければと思っています。


 また、今作では以下も追加を検討しています!


●特定の接頭辞付きの仲間キャラ
→ 今回は高い「カリスマ」を支払うことで、そもそも拠点からでも「特定の仲間」を加入させられるようにしたいなとほんのり考えています。
 たとえば、
違法なネムリ(仲間にしない場合、危ない肉体改造を頼むことができる)
 とか、
仲良しのネムリ(前から 深い 知り合いだったみたいな文脈になる、仲間にするコスト減少)
 みたいにバリエーション違いの仲間を設置できるのも面白いかもしれません!


【今回はメインシナリオに関わる「拠点のリーダー」が変更可!】

 今回はメインシナリオの進行度を調整する機能として「拠点のリーダー」も変更可能です!


 前作だとゲーム開始時の「王様」が「拠点のリーダー」の役割を担当していましたが、今回はリーダーを変えることでメインストーリーの段階も変更可能です。「同じ人物で『接頭辞』だけ違う」という形になるだけかもしれませんが!

 ちなみに「メインストーリーの段階」はゲームバランスに影響があって、メインストーリーを後半にするほど「出現する敵やアイテムや仲間のバリエーション」が増加するようにするつもりです。

 また、「拠点のリーダー」はプレイヤーが変更する必要はなく、ストーリー進行度が進むと自動でリーダーが入れ替わるようにする予定です。なので、この機能は「メインストーリーを前に戻す」ためだけのものになるでしょう。
 何かしらラクして特定の目標をこなしたい場合などにメインストーリー進行度を戻すことがあるかもしれません。
 私は理騎士クエストで「世界の果て」を目指すときみたいに、ちょっと有利なチョイスができている気分が出るとちょっとウヘヘな気分になります。


 という感じで、前作よりほんの少し拡張された「ゲーム進行度調整&サポート機能」としての拠点システム、うまく使っていきたいと思います!

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    おからだ だいじに!
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    お大事にヒッヒッフーなさってください!

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SmokingWOLF 2023/09/02 10:25

片道勇者2開発+9 ローグライクパズル的状況を生みたい!(+RiJで片道勇者プラスが!!)

 ウディコン後はがっつりウディタを修正したり内々のお仕事をやったり『アーマード・コア6』をしっかり遊んだり体の気になる点も色々診てもらったりでスッキリしました!
 ウディコン含め2023年8月は私にとって最高の夏でした!

 ということで今回の『片道勇者2』はリハビリ開発くらいの進み具合だったので、今回は本作で最初から目指していた「狙い」を1つご紹介します!
 その名も『ローグライクパズル的状況を発生させたい!』です。


◆ローグライクパズル的状況を発生させたい!

【ローグライクパズルって何?】

 まず「ローグライクパズル」って何だよって話なんですが、ここでは

『不思議のダンジョン系ゲームで敵に囲まれたりして戦況が複雑化・困難化し、一手一手をよく考えなければやられる可能性がある状況』

 をローグライクパズルと定義します。いま私が勝手に定義しました。

 この状況は、たとえば「複雑な地形で敵ABCがそれぞれ1マス、2マス、2マス離れて近寄ってきてる!」という状況の中、どう移動するか、どの敵から倒していくか、攻撃だけで倒せないならどういうリソースを切るか、といったことを考えねばならないシーンのことです。うまく生き残れれば見どころになる場面ですね!
 一方で、「ほぼ被害を受けない敵が目の前に1体いて、他の敵が寄ってくるまで2ターンあるからまず目の前のを何とかすればいいや」といった、答えが分かりやすすぎる状況はローグライクパズルから遠いものとします。


どの敵から倒すべきか悩む状況! ミスればゲームオーバーなローグライクパズル!

 このローグライクパズル的状況、ピンチではありますが、ローグライクゲームにおいてはプレイヤーの腕を見せられる、重要な盛り上がりパートの一つです。
 正直な話、1戦1戦が重くてもいいならば「ローグライクパズル的状況」だけが延々と提供され続けるゲームが作れればたぶん名作になると思います、面白ければ!

 もちろんそのパズル的状況は、「移動の工夫だけで解決できる簡単な状況」から、「移動も攻撃順もアイテム消費もその他のリソース消費まで加味すべき難しい状況」まで様々な難易度で、かつ、様々なバリエーションで出てくるのが理想です。



【前作でこのパズル的状況を出せてた?】

 前作の『片道勇者1』では、この「ローグライクパズル的状況」は構造上、「フィールド移動中の遭遇戦」では【自然には】ほとんど発生しなかったように思います。
 具体的には、以下の3点のようになっていました。

●屋外では、「敵を倒す順番」を考えなければならないほど同時に敵と遭遇することがほとんどない(せいぜい逃げている最中に挟み撃ちに遭うくらい)。
 
●ダンジョンでは基本的に「目の前にやってくる敵を順番に倒していれば済む」ことが多い。
 
●地形を活用して戦うにしても、1本道に誘い込んだり複数の敵の接敵タイミングを散らすことが困難なくらいには、山や川などの地形がおおざっぱで間隔が広い。


 といった状況だったので、こういう中でも一時的に戦闘の複雑さを生むべく、以下のような対応を取っていました。


●「敵が複数現れるイベント」や「中ボス戦」を起こすことで、「複数の敵」を同時に出してパズル的状況を生もうと試みた。
 → ただ、これだと遭遇パターンがあまり変わらない問題があり、解決方法も似たようなものになりがちです。また、中ボス戦は地形のスカスカさのせいで、一度に迫る敵が多すぎる状況もたびたび発生していました。


 そこで『片道勇者2』では、イベントでない遭遇戦でもそこそこの頻度でほどほどの圧のローグライクパズル的状況を発生させられるよう、マップの設計を考え直すことにしました。


【遭遇戦でもローグライクパズルを起こしたい! 問題と対策】

 ローグライクパズルを生むことを考えたとき、『片道勇者1』での大きな問題はまず以下の点でした。

●1歩の単位が小さすぎて同時に敵と戦闘にならない。

●山や川などの地形がおおざっぱ、かつ隙間が広くて地形を活用しにくい。

※以下は『片道勇者1』の画面写真。ほとんどは何もない広場で、仮に山の間にいても囲まれる余地が十分あるほどマス的に広いです。

 そこで『片道勇者2』で取った対応が以下の2点です!

●前作の3マス分くらいを本作の1ヘクス相当に圧縮した。さらに、敵がパーティーを組むシステムも追加。
 
●山や水地形を細かい単位でも出現させるようにしてみた。

 その結果、生成されるようになったのが以下のようなマップです!

 うまく地形の隙間に下がれば複数の敵が来ても1体ずつ応戦できそうな山地形!
 敵の来る方向を限定したり誘導できたりしそうな、そこそこの頻度で散って出現している水地形!

 こんな風に戦闘発生時の画面内に「利用できそうな地形」が高頻度で発生する仕組みが前作にも欲しかったんですよ!

 また、屋外マップでは道が細かったりそうでなかったりする場所がダンジョンよりグラデーション豊かに存在するおかげで、発生しうる戦場のバリエーションもかなり多彩になりました。
 前作では私は「屋外をウロウロして戦う場面は地形の戦術的要素が薄くて飽きるなあ」と思っていたのですが、開発中の『片道勇者2』ではいくらか楽しく、毎回目新しさがあるバトルフィールドになり、データがまだ少ない現状でも主観ではテストプレイがかなり楽しくなっています。


 こういった、ちゃんと意味がある戦場のバリエーションを出すための処理は、「マップ設計」という非常に根本のところから意図して作らなければならなかったので後からの修正が非常に難しい部分です。
 今回は意図した範囲ではうまく行っているので、このまま面白く仕上げていきたいですね!

 ただし! 『片道勇者』シリーズではパズル的状況が多く発生しすぎるとなかなか距離が進まなくて面倒臭くなりそうなので、「発生頻度」も重要だな! とは開発側として意識しています。
 たとえばバトルのみのゲームを作るなら1戦1戦全力で考える内容でもいいですが、『片道勇者』は必要なら強い敵からも魔王からも逃げて進む冒険ゲーですからね! チャーシューだけやたら多すぎるラーメンみたいに味の濃い部分ばっかりになるとしんどいので、たぶんこのパズル的状況はたまに起きるくらいが嬉しい!

 また、1ヘクスあたりの密度が大きくなったり移動が前作マニアモード基準になった影響もあって前作より敵を避けて進むのがちょっと難しくなっているので、避けプレイもそこそこできるよう、その辺りはクラス別のスキルや敵のしつこさなどのパラメータを設定して、うまいこと前作に近い雰囲気を出せればなと思っています。
 狩人や冒険家は移動量を増やせるスキル盛りだくさんの予定!


 ということで、以上が「『ローグライクパズル的状況』がそこそこの頻度で起きるように作れたら退屈しない最強ゲームができるじゃん!」という発想から始まった、『片道勇者2』のマップ設計の狙いでした。

 この『ローグライクパズル的状況』を具体的に生むための方法を考えるのは、ローグライク開発における面白さ作りの真髄にかなり近い発想の一つだと思います。が、前述の通り『片道勇者1』ではランダムイベントや中ボスなどの「外付け要素」でしかほぼ実現できていませんでした。
 そんな『片道勇者1』の開発後、「2Dマップを延々と進んで行くゲームで、『ローグライクパズル的状況』を自然に生むことができる条件ってしっかり狙って作らないと起きないんだな!」と自覚して、色々考えた結果の一つが今回紹介したようなものになっています。


 もちろん今回のようにパズル的状況を「生む」だけで終わりではなく、その先には『解決手段も色々用意して新鮮さが長続きするように作りたい!』という目標もあります。
 幸い、『片道勇者』シリーズには「移動・攻撃・スキル・アイテム・地形活用・味方活用」など、直感的に扱える多くの要素があります。本作は基本的に強○スクロールとの狭間で戦うことになる都合上、実はただの「移動」ですら簡単に見えて非常に潜在的な奥深さを秘めています(1を作ったときにはその辺りを全く意識してませんでしたが!)。

 その辺りの要素も今回は前作以上にうまく使って、『片道勇者1』よりも面白さが増した、かつ新たな状況に長く出会い続けられるゲームを作っていきたいなと願っています。


 まあそう思いながら作っていても、需要と合わなくて評価が低くなったりすることがよくあるのがゲーム開発の世界なんですけどね! 面白くない点があったらまたそこは調整の日々になるでしょう!
 真に完成させるためには、最後は実際にゲームに触れた皆さまからのご感想が頼りです! ゲームのベータリリース時などにはぜひご協力ください!



◆RTA in Japan Summer 2023 で『片道勇者プラス』参戦!

 そしてこちらは片道勇者に絡んだ別件!
 なんとRTA in Japan Summer 2023にて、『片道勇者プラス』で走ってくださる方がおられました! 前も別のRTAイベントでご紹介したそらちん様&解説のひのきまん様です!
 今回も世界の果てである2000kmまで走り抜けるRTAですね! 録画が残っているので見たい方はぜひ!

【Twitchアーカイブ】(当時のコメント付きで見たい方)
https://www.twitch.tv/videos/1895304675

【Youtube】(コメントはなし)
https://www.youtube.com/watch?v=9km9w6pO6Gk


【みどころ】
●海賊やっぱり強い!
●普通の片道勇者とは思えないゲームスピード!
●中ボスの闇のませが華麗!
●と思ったら自分もうっかり闇に呑まれて1ゲームオーバー! でも本作の醍醐味が伝わってありがたかったです。
●少女ミラ、目の前でひっそりやられる!
●ドアミミックが紹介されてうれしい!
●マニアモード2000kmまで30分以内でクリア!?
●クリア画面のゼヌーラ勇者が危なーい!!

 など、みどころいっぱいです! 気になる方はぜひご覧ください!
 そしてここまでやりこんでくださった走者の方々、本当にありがとうございます!

※オマケ話:寄付額投票のプレイヤー名の1位は「ミスティ」さんだったが実は2位が「エシュター」だった。この機能に気付いてたら私もエシュターに入れてました。

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