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ぶっかけの記事 (7)

夜山の休憩所 2023/11/28 18:21

馬乗りパイズリイラストの差分セットです(2023年11月28日)

●2023年11月29日追記
下記は一部を加筆修正したデータです。
イラスト投稿サイトへアップする作品はコチラです。
よろしければ。

敗北女ガンマン馬乗りパイズリ4コマ  2023年11月28日 改稿.zip (8.55MB)

ダウンロード

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

敗北女ガンマン馬乗りパイズリ4コマ  2023年11月28日.zip (7.95MB)

ダウンロード

イラスト投稿サイトへは後日アップ予定の、
「敗北女ガンマン馬乗りパイズリ4コマ」
の詰め合わせデータをアップしました。

最初の画像は一覧のサンプル、
続く続くZIPデータが詰め合わせです。4枚あります。
よろしければ。
お楽しみいただけましたら幸いです。

ろくに更新していないのに、
いつもご覧くださったり、
いいねをつけてくださったりして、
どうもありがとうございます。


現在は主に、
同人小説の新作に取り組んでいます。
一段落したら、イラストを描いたりしています。

以前アップしたのに未完成状態のノベルは、
来年以降に手を付ける見込みです。
すみませんです。







■イラストをアップしています。
・ピクシブ 
・ニジエ 

・PAWOO https://pawoo.net/@kimoriya
 イラストを描いているとき進捗をアップすることがあります。

 

■これまでこんな作品を創りました。 ※2023年12月現在

「商業ノベル」
●キルタイムコミュニケーション(俗称 KTC) 様
 木森山水道 名義

2023年 ※すべて読み切りです。
・「敗北メス穴テイマーナナ 魔犬獣の躾け交尾」
・「未亡人女王ミルフ 熟れた胎は魔王の苗床になる運命」
・「淫紋悪堕ちマジカル・スズネ リベンジのメ○ガキわからせ」

その他の既刊はこちらです。


●フランス書院 様
 石川檸檬 名義

・「ヤリモク 大嫌いな上司の妻と排卵日セックス」
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
・「ハツハメ 内定と引き換えに恋人の父に捧げられる晴れ着姿」
・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」

その他の既刊はこちらです。



「同人」 ノベル、CG集など色々創りました。
※「夜山の休憩所」名義。店名をクリックしてもらうと、既刊一覧へ飛びます。
※お店によって品揃え、セール時の割引率が異なる場合はあります。

●FANZA 様
●DL.site.com 様
●メロンブックスコム 様 
●デジケット・コム 様 


●amazon 様 
※すべてキンドル専売品です。
※基本的にはイラストは表紙だけのノベルです。
※木森山水道、石川檸檬、石川れもん 名義。
 作品の傾向に合わせて使い分けています。

・「マーメイドが溺れる夏」
・「ばつゲーム」
・「ハニトラ・ワイフ」
・「たばかりギャル」
・「バレンタイン・キッスのユクエ」
・「魔滅の巫女」
・「ギャル義母の成人式」

既刊一覧はこちらです。綺麗な一覧でなくてすみません。


■その他のアクセス
・X 
・ブログ

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夜山の休憩所 2022/11/22 20:21

差分公開(2022年11月22日)

本日付でイラスト投稿サイトにアップした作品の差分1枚(胸にぶっかけ)と基本絵を、無料プランにて公開中です。


いいねやフォローなどをしていただけると嬉しいです。

・ピクシブ https://www.pixiv.net/users/4149128
・ニジエ https://nijie.info/members.php?id=987459

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イラスト投稿サイトにアップした作品の差分を公開中です

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夜山の休憩所 2022/04/01 00:00

【再掲載】たばかりギャル(書き下ろし小説アップしました)(2022年4月01日)


いつも応援ありがとうございます。

100円の有料プランにて、
先月発売された同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)
・表紙(トリミングなし)
・表紙の帯なし差分(トリミングなし)
・表紙(カットなし。全身像)

この記事は先月の発売日にも掲載しました。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月にも掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「たばかりギャル」(She is a single-minded swinger)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で80ページ程度)

●ご紹介
 真面目な読書男子のモテ期到来。

●傾向 
 書き下ろし。短編。ギャル。
 学園生。クラスメイト。図書委員。DT。
 女性責め。逆転。快楽責め。あまあま。
 スキンシップ。オッパイ。パイズリ。フェラチオ。
 体面立位。中出し。
 半脱ぎ。授業をサボってヤリまくり。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3sJ4akj

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 石川れもん(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川檸檬の別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「たばかりギャル」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 一 寬人(ニノマエ ヒロト) 図書委員で本の虫。友達がいない真面目男子。

 早乙女 珠輝(サオトメ タマキ) 図書委員のギャル。進んでいる女子。


目次

1 はじまりの柔肌の甘み 
2 仕事中の蜜奉仕
3 真相
4 着衣でも赤裸々に剥かれていくギャル
5 いつわらないふたり

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。



      1 はじまりの柔肌の甘み 

「暇だし、お互いのオススメを読み合お」
 クラスメイトで同じ図書委員の女子の提案に、一ヒロトの目は丸くなった。
 よく晴れた日の昼休み。
 学生達の喧噪は、校舎の外れの図書室からは遠くに聞こえる。
 当番でカウンターに座るふたりの他は誰もいない。
 早乙女タマキの友達がおしゃべりに来ていたが、もう出ていっていて、本に囲まれた室内は静まりかえっている。
「さっき、友達に返してもらったあたしのと、一くんが読んでるソレでさ。何回か見たことある本だし、読んだんでしょ?」
 愛想よく話しかけてくる女子は、セミロングの髪を明るい金髪にし、緩いウェーブをかけている。大人とも子供ともつかない顔立ちだが、かなり整っている方なのもあって、真っ直ぐに見つめられると心臓が跳ねる。
「いい……けど」
 歯切れの悪い返事をさせた狼狽えは、彼女はこれまで、仕事に関係なく話しかけてきたことがないからだ。
 割り当てからふたりで図書室に座っていても、暇なときは手鏡をのぞいたり、ツメの手入れをしたりするなど、オシャレに没頭している。ヒロトにしても隣で本を読むだけで、話しかけることはないのだが。
(どういう風の吹き回しだろう)
 訝しく思いつつ、自分のを渡す。
 ロクに交流のない女子でも、好きな本に興味を持ってもらえたのには、悪い気がしなかった。
「サンキュ。じゃぁ、これ」
 ツメが鮮やかに赤い手指で差し出された文庫には、カバーがされてあった。
 やるべき仕事はソツなくこなすものの、軽薄な出で立ちを好む性格は、自分とは正反対。趣味は合わなそうだが、他人に愛読書を読んでもらいたい欲求はわかる。
(ちょっと楽しみになってきた)
 今風の女子が好むものといえば、やはり恋愛小説だろうか。
 あまり読まないジャンルだとしても、ちゃんとぜんぶ読まなければと心に決めて、最初のページから読み進める。
 抗議の声を上げるまで、五分もかからなかった。
「ちょっと、コレッ……コレぇッ」
「ん……乱丁か落丁でもあった?」
 彼女は一ページ目から読んでいた本に、付属の栞を挟んでから見返した。
 不思議そうに首を傾げてくる。
「ページは順番どおりで抜けもないけど……えろ……いやその……すごい描写があるんだけどっ」
「あ~、エロい描写のことかぁ」
 大人っぽく落ち着いた面差しが、悪戯に成功した子供みたいに変わった。
「間違って渡したんじゃないのか……」
「折角、オススメを読んでもらえるチャンスなのに、不意にするわけないわ」
「きみは、こういうのを読んでるのか……まだ学生なのに……」
「ティーンを中心に売れてるって、テレビや雑誌で紹介されてるやつだよ。一くんは読んだことないみたいだけど」
「オレはこういうのはちょっと……」
 肉体は子づくりできるようになっているので、興味がないと言えば嘘になる。
 だが、大人が作りだしている、若者が性的なものに触れるのを禁じる空気に逆らってまで、感受する気にはなれない。
 普段は興味ないという顔をしているのに、ロクにおしゃべりもしたことがない女子へ、秘めた感情をさらすのも恥ずかしかった。
「読まず嫌いはもったいないって。でも、興味ないのを読んでも、活字を目で追うだけの作業。面白くないよね……そうだ!」
 椅子から立ち上がったタマキは、ごく自然に距離を詰め、近い方の肩に手を置いた。
「ッ……!」
 男のものとは別次元に柔らかくて温かい感触は、学園指定のワイシャツと肌着の向こうからのし掛かっている。
 生まれて初めて感じる気持ちのいい接触感に、本の虫で女子に縁のない男子の肩がビクッと跳ねた。
 わけがわからないうちに、さらにとんでもないことが起こる。
「ん、しょっ、と」
 タマキは大胆に片足を上げ、椅子に座る男子の腰を跨いだのだ。
「な、なな、なにやってるんだよッ」
「対面座位の挿入抜き」
 ラーメンでも注文する風に言った彼女は、反対の手も肩に置き、くつろいだ様子で男の股間にお尻を付けた女子はケロリとしている。
 だが、自分は平静ではいられない。
 ほのかに漂う清涼系の香水が鼻腔をくすぐる。
 制服のスカートは、太ももの付け根近くまでずり上がっている。ナマの太ももの感触はズボンを越えて伝わってくる。
 一緒に仕事をするときなどに感じても、恋人でもないのだからと無視してきた存在感を、まともに浴びせられているのだ。
 どれも、第二次性徴を済ませた男子には心地のいい毒で、心臓が早鐘を打って止まらない。
「顔赤いね。ドキドキしてる?」
「こんなことされたら、当たり前だろっ」
「意識してくれてるんだ。嬉しい」
「からかわないでくれっ」
「でも……心底イヤな感じではないでしょ?」
 見透かした眼差しには即答できなかった。
 恥ずかしいわ緊張するわで心の中は乱れきっていても、伝わる女子の感触は、気持ち悪いものでは断じてない。
「実際に体験するわけじゃないけど、嫌いじゃないなら、こういうことが書いてる本を読んでも楽しめるはずよ」
「だとしても、なんでこんな……」
「あたしがどういう本を読ませようとしたか、活字で確かめる前に実際にしてあげた方が、分かりやすいと思って」
 悪戯っぽくはあるが、悪気の気配の見えない目を合わせ直した後、上半身で覆い被さってきた。
「っう……!」
 首が交差するまで密着された。
 女らしい膨らみが胸板にぐいぐい食いこんでくるのに、息が止まる。
 同僚の胸元は学年でも豊満な方だ。
 顔くらいのサイズを誇り、いつも広く開けている襟ぐりでは、ムッチリした膨らみが押し合っていて、影の濃い谷間が覗いている。
 普通ならば鼻の舌を伸ばして見るしかない、女子のたわわなシンボルは、ブラウスと下着が間にあっても、すこぶる柔らかい。男子の無骨な胸板には、蕩ける電気が湧いている。
(オッパイが当たって……匂いも……っ)
 外見と違って控えめな清涼系の匂いも、ここまで近いと存分に鼻腔を揺らしてくる。うなじから漂う温かみのある体臭も感じられて、頭がクラクラしてきた。
「ま、まずいよ……早乙女さん」
「タマキって呼んでくれなきゃ、返事しない」
「じゃ、じゃぁ、タマキ……さん……やばいっ、て」
「なにが?」
 言い直すと素直に応じてくれたが、心底動揺する自分と違って、相変わらず平然としている。
「オレたち、恋人同士でもないのに……こんな……いやらしいこと」
「ただのハグよ。でも、気にするなんてカワイイっ」
 ますます強く、胸元を押しこんでくる。
 被服の向こうで、秘めた膨らみが平たく潰れているのが、なんとなく感じ取れた。
「誰かに見られて誤解されたり、噂されたりしたら、イヤだろ?」
「この時間のココは、閑古鳥の巣じゃない。誰も来ないって」
 なにを言ってものれんに腕押しのタマキは、問答はここまで、今度はこっちのターンと言わんばかりに、首筋に唇を押しつけた。
「ああっ……ッ」
 堅いことを言っていた口から、情けないあえぎ声が飛び出た。
 優しく触れている唇も柔らかくて温かい。
 首筋から甘い波動が全身へ広がり、肉体の強張りがなくなっていく。
「奥手の男子を好きになったヒロインが、こうやってリードするシーンまで、読んでくれてた?」
 囁き声が吐息とともに耳の奥に染みこむ。
 タマキの声は、いわゆるアニメ声でかなり可愛らしい。
 粘っこい声質になると、途端に妖しい色気を醸し出して、聞かされる頭の中はますます白く染まる。
(あぁ……もう……)
 肉体の奥底から、性の情動としか言いようがない気配が噴き出してくる。
 本を勧めるためとはいえ、若くて豊満なカラダの気持ちよさを存分に享受させる女子を、思い切り抱きしめたい衝動に駆られた。
(我慢……できないッ)
 震える両手が華奢な背中へノロノロ回る。
「ここはヒロインが主導するパートだけど……ヒロトくんがしたいようにしてもいいよ」
 細い首の交差を解かずに、耳に承諾の言葉を吹き込む。
(本人が許可してくれてるんだし……)
 甘えようという気持ちにもなる。
 だが、まだ理性の方が強くて、ブラウスに触れたところで止まった。
「やっぱり……学生がこういうことするのは……マズい……よ」
 正論を返すが、彼女は止まらなかった。
「ほんとはしたいクセに。ココは正直におねだりしてるよ?」
 細い腰が浮き、ルーズソックスを穿いた長い足が膝を伸ばす。
 誰にも見られるわけにはいかない抱擁を解いてくれたのかと思ったが、次の瞬間、とんでもない間違いだと思い知らされた。
「このヘン……だよね……んっ」
 両肩に手を置いてバランスをとるタマキは、斜め後ろに視線を送りつつ、お尻を揺らした。
 エンジ色のプリーツスカートが軽くなびいたのも束の間、狙いを定めた彼女の柔尻が、再び下りてくる。
「うッ……おおおッ!」
 気まぐれに通りかかった学生がいないとも限らない。
 なんとか声をかみ殺そうとしたものの、意志の力を凌駕する肉悦の電流には、逆らいきれずにあえいでしまう。
「こ、これ……あ、ああ、当たってるっ」
「ん? どこにぃ?」
「当たってるというか……は、はいっちゃってる……ッ」
「だからぁ、どこに、なのぉ?」
 目と目をしっかり合わせ、完全に上から目線でタマキが詰問する。
 口調は優しいまでに柔らかいが、言わずには済ませてくれそうにない妖しい迫力が滲んでいた。
「た、タマキさんの……だ、大事なとこに……っ」
 座り直されたことで、自分が思った以上に興奮していたのを思い知らされた。
 スカートに隠れて見えないものの、ズボンのテントの頂点が、女性の象徴の土手に浅くはまりこんでいるのがハッキリ分かる。
 コットン質の布を纏う温かくて柔らかい肉の連山は、厚い布の下にある男らしい隆起を包みこんでいるのだ。
「オマ×コって表現されないと、聞こえないかなァ……クスクスクス」
 完全に主導権を握っている女子は、ここまでしても物怖じするどころか、余裕たっぷりだ。
 あどけなさも感じる若い美貌は、妖艶な大人の女のものに様変わりしている。
「ふざけてないで、すぐにやめて離れてくれよっ……くぅぅっ」
 淫らに興奮する分身には、猛烈な勢いで血が流れこんでいる。
 恋人同士でもない男女が、学内で性器同士を触れ合わせるなどあってはならないことだとは分かるのだが、甘い情動は高まるばかり。
「本当にやめて欲しいの?」
 タマキはまた、胸元が潰れるまで抱き付いてきた。
 わきの下から手を通し、逆手で肩をしっかり引き寄せつつ、身体をゆっくり揺すり立てる。
「うあぁ……うああああッ!」
 もう、声を抑える余裕はなかった。
 若竿の敏感な頂が、柔肉のあわいに揉みほぐされる性感は凄まじい。
 常に嗅がされる心地いい体臭や、休みなく浴びせられる巨乳や太ももの甘美な圧迫感も手伝って、なにも考えられなくなってきた。
「うんうん、やめて欲しくないんだね?」
「お、オレは、そんなことっ」
「このまま出しちゃってもいいよ」
「え……っ」
「終わるまで続けてあげるね。自分でするときより、ずっと気持ちよくビュッてできるはずよ」
 海よりも広い愛情を感じさせる声音で、絶頂を促されて心が揺れた。
 肉体ができあがっているので、夢精や自慰も経験している。
 性的なことをタブー視する性格だが、誰も見ていないところでは、そういうこともときどきするのだ。
 しかし、いくらなんでも、学内で射精するなどありえない。
 それも、今までロクに話したことのない女子のカラダに導かれてなど、あってはならないことだ。
「いつでも好きなときにイッていいわ」
 イケナイと思っても興奮する一方の男子の浅ましい反応は、手に取るように分かるらしい。
 ズボンを突き破らん勢いで屹立し、荒々しく脈動して、限界に近づいていく男根に合わせて、タマキもラストスパートをかける。
 これまで以上に身体を揺すり立てるのに追従し、セミロングのウェーブは跳ねてなびき、スカートもせわしなく宙を舞う。
「でも、イクときはチ×ポイクって、言うのよ? 最低限の礼儀なんだから」
「あああ……ち、チ×ポ……イク……チ×ポ、イクよッ」
 あまりの快感に指示されるがままだった。
 思わず口走った言葉に耳たぶまで真っ赤になるが、興奮は冷めない。
「真面目なきみが、可愛くあえぎながら下品な言葉づかいしてるの、すごく興奮しちゃう。見ててあげるから、思い切りイッてね」
「最後まで読まなかったけど、こんなにいやらしいことが続きに書いてあったのかい?」
「あたしは本の内容を実演してるだけ。何度も読んで覚えてるから、なにもかも正確に再現できるの」
「やっぱりマズイよ……こういうのは……大人になってからじゃないとっ」
「同じ図書委員として働いてるクラスメイトとの密着マンズリでイキそうになってるときに言っても、説得力ないわ。でも、そういうところが魅力だよ」
 首の交差を解き、少し上から見つめてくる黒目がちな目は、ハッとするほど潤んでいた。
 ほっそりした頬も艶やかに上気して、お風呂上がりめいた色気を感じる。
「そんな顔で見つめられたら……あああ、チ×ポイクっ、精子でるッ」
 高まりきった熱い快楽が勃起の頂上から飛び出しかけている。
 もう、抑えることなど不可能で、このまま悦楽に身を委ねることしか考えられない。
 我慢する気持ちもなくなって、彼女の背中に両手を回す。
 今度はやめず、力一杯抱きしめ、ひとかたまりになった。
「あん、きみもその気になってくれたのね、嬉しい、このままイッて」
 恋人でもない男子にしがみつかれても、嫌がるどころか嬉しそうに声を弾ませ、激しく腰を振りたくる。
 ふたりだけの図書室に、強い衣擦れと荒々しい男女の呼吸音だけが響いていたが、スピーカーから出たチャイムの音がすべてかき消す。
 ジリリリリリリリリリ!
 昼休みの終わりを示す学園の合図に、佳境へ入っていたふたりの身体がビクッと伸び上がる。
「残念。時間切れね」
「えっ……」
 これまでのねちっこさが嘘のように、タマキはあっさり離れた。
 カウンターを出ると、何事もなかったみたいに身繕いする。
「いこっか、ヒロトくん」
「う、うん……」
 彼女が離れても感触が薄く残っている全身は、痺れきっていた。
 股間のテントの柱も長い上に硬すぎて、なかなか立ち上がれない。
「大変そうだけど、授業に遅れちゃダメだよ?」
 言うだけ言って、タマキの姿は出入り口の向こうへ消えた。
「あんなことしておきながら冷たすぎるっ……あ……でも……彼女は本を勧めたいだけで……オレとは恋人同士でもなんでもないから……当たり前か……」
 どうしようもなく火照った肉体は、わずかな呟きで一気に冷める。
 図書室の向こうからは、教室へ急ぐ学生達の足音が聞こえていた。
 
     2 仕事中の蜜事

「またオススメを読み合おっか」
 数日後の昼休み。
 図書委員の当番としてふたりでカウンターに座るや切り出してきたタマキに、ヒロトの身体が強ばった。
「今日もなにか持ってきてるんでしょ? あたしはそれがいいな」
「さ、早乙女さんは……どうせ今日もヘンなのを用意してるんだろ?」
「ふたりのときは、タマキって名前で呼んで。この間みたいに」
 やたら親しげなのは気になるものの、以前のことを持ち出されると弱かった。
「どうなのさ、た……タマキさん」
「愛読書を交換しようっていう人が、おかしいのを読ませるわけないじゃない。ほら、見て」
 鞄から取り出したのは、真面目なタイトルがついた新書本だった。
 自分がよく読む出版社のものであり、好きなシリーズの作品でもある。
 警戒の気持ちは一瞬で解けた。
「へぇ、タマキさんもこういうの読むんだ。知らなかった」
「むつかしい内容だけど、その割には分かりやすくて楽しめるよね」
「そう思う? 同じように受けとめてる人が身近にいて嬉しいよ」
「あ、でも……コレって発売したばかりの新刊だけど……もしかして、ヒロトくん、読んじゃった?」
「いや、そろそろ定期テストでしょ? 本より勉強を優先させてて……」
「だよね。じゃぁ、どうぞ」
 ニコニコと差し出された本を受け取り、代わりに自分のを渡す。
 胸を躍らせながら最初のページを開いてから、一〇分もしないうちに思わず叫んだ。
「ちょっとぉッ! これ、カバーと内容が全然違うじゃないかっ……中身は……中身は……この間の奴と同じじゃないのッ……新書版もあるのかアレ」
「人気作だからね……それにしても……あははは、単純な手に引っかかって真っ赤な顔してるのカワイイ」
 タマキは借りた本を側に置くと、手を叩いて喜んだ。
 狙ってやられた悪戯にかかった恥ずかしさで、ヒロトは耳たぶまで赤い。
「もぉっ……とにかく、こんなのは読まないからねっ」
「そのわりに、読みふけってたじゃない」
「うっ」
「赤面しながらページをめくる顔、可愛かったなぁ。写真にとって保存したかったけど、邪魔しちゃ悪いから悩んだよ」
「からかわないでくれっ……あと、この間のアレ……本の内容と最後の方が違ってるッ……あんなに激しくはしてないじゃないか……!」
「ハッキリ思い出したくて確認したんだ……ヒロくんエロ~い」
 半眼でニヤニヤ笑われて、顔から火が出る思いだった。
「でも、まだ素直に読んでくれないのね……なら、読みたい気持ちにさせてあげる」
 タマキはカウンターの下に潜りこむと、正面に陣取った。
 細くて柔らかい両手の指がズボンのチャックを下ろしにかかる。
「いきなりなにをっ」
「じっとしてて」
「う……うん……」
 言われて素直に従うヒロト。胸は高鳴っていた。
 過日の出来事から、また淫らで気持ちいいことをしてもらえるという期待が膨らんでいる。
 なんだかんだ言っても、以前のことは忘れられないでいた。
 あの後、一体何度、思い出して自分で慰めたことか。
 しかし、いくら頑張っても満足することはなく、快楽に飢えていた。
 満たされるとしたら、タマキの柔肌で淫らに接されたときだけに違いない。
 だというのに彼女は今日まで、親しく接してくれなかった。
 ただのクラスメイトで同じ図書委員でしかなかった以前と同じく、個人的に話しかけてくれることすらなかったので、あの日のことは白昼夢ではなかったのかという疑念すら生まれていたのだ。
「わぁ、ヒロくんの、おっきくなってる」
 開いたズボンの股間から引き出した男性自身に、タマキの目が輝く。
「女の子に脱がされて喜ぶ性癖なんだ」
「違うよっ」
「なら、期待してた? あの後きみ、あたしに物欲しそうな、寂しそうな視線を頻繁によこしてたものね」
「……気付いてたのか」
 図星を突かれては反論のしようがない。
 誰もいない図書室で、ただのクラスメイトで図書委員仲間でしかない女子に、性器を露出させられるなど、とんでもないことだと分かっているが、分身はもっと見てとばかりに、急速に膨れあがっている。
「うわぁ……すごく男らしいよ」
 男子の股間に躊躇いなく顔を埋めたタマキは、目線の上までそそり立った分身へ、鼻先を近づける。
 高い鼻の小鼻が膨らみ、深呼吸のときみたいな鼻息がした。
「見た目だけじゃなく、オス臭さも立派なものだよ」
「く、くさくないのかい……?」
 入浴したのは昨夜で、それからずっと洗っていない。午前中は体育で汗を流しもしたのだ。
「そんなに嗅がないでくれよ……シャワーもまだなのに……」
「恥ずかしがることないわ。あたしには、とっても素敵な匂いよ」
 上を向く黒目がちな目は、しっとりと潤んでいた。
 頬はほんのりと赤らんで、薄いピンクのリップで照り光る唇も、平素よりも少し肥厚している。
「汗と男の体臭が混ざり合ってて……しかも、こんなに逞しいチ×ポが放出しているものだもの……クラクラしちゃう」
 顔をさらに近づけ、スッと通った鼻梁に硬く膨張した男のシンボルをくっつける。思い切り鼻呼吸した彼女の目元は、うっとりと緩んだ。
(本当に……喜んでるんだ……)
 嫌がるどころか、クラスや委員会ではしたことのない、恍惚とした顔を見せられれば、信じる気持ちにもなる。
「あは、チ×ポが喜んでビクビクしてる……匂いを嗅がれて感じてるんだ」
「可愛い女子が、自分のの匂いを嗅いだり……顔にくっつけたりして喜んでくれてるのを見せられたら……誰だって、興奮するよっ」
「可愛いって……あぁん、記念写真とっちゃお」
 スカートから取り出したケータイで、クラスメイトのそそり立つ怒張とのツーショットを瞬時に撮影すると、端末を素早くしまった。
「ちょっと、すぐに消してくれよッ」
「いいじゃない。ヒロくんの、しかもこんなに立派なチ×ポなのよ? 待ち受けにしたいくらいだわ」
「ま、待ち……マジで勘弁してくれよぉ」
「もちろん、ロハとは言わないわ……んしょ」
 真っ赤に照り光るネイルの指では囲いきれない極太を半分掴む。
 顔を物差しにするなら、顎の先から額まで達する長大な同級生の逸物を水平に倒し、口元に持ってくる。
「もっと気持ちよくしてあげるんだから……ぺろっ」
 長く伸びたピンク色の舌先が、赤黒い逆三角の塊の頂を舐め上げた。
「うぅッ」
 刹那に走った快感電気に頭が真っ白になって、あえぎ声が自然に出た。
「タマキさんっ……写真の件もあるけど……これ以上、こういうことするのはマズイって……利用者が来たら……あうぅ」
 図書委員が仕事中、性行為に耽るなど言語道断。
 誰かに見られたら、とんでもないことになる。
 ごく当たり前の道理が分からないわけはないだろうに、タマキの舌遣いには躊躇がない。
「んっ……舌で触れてると……一段と濃いヒロくんの味と匂いを感じるわ」
 間隔を置いて上下に舌を操っている。
 丁寧な舐め奉仕に怒張はますます硬化した。
 感度も上がって、舌が往復する度に湧く悦楽は上昇し、分身が震えるリズムは狭まっていく。
「ああ……タマキさんが……オレのを熱心に舐めてくれてるっ」
 大人っぽいような子供っぽいような美顔が、厚ぼったい唇を常に半開きにし、熱い吐息を浴びせながら舌を這わせてくれているのも刺激的で興奮を煽る。
 友達と楽しくおしゃべりしているときとは質の違う、淫蕩に口角が上がった表情は、楽しんでしているとしか思えない。
「美味しい……んっ……れろっ」
 しつこく鈴口を這う舌の動きが変わった。
 熱気を放ってビクつく表面を、満遍なく渡り歩く。
 キレイなピンク色をした女子舌は、急勾配の斜面も、張り出したカリとその裏も、皮の繋ぎ目にすらねちっこく触れてくる。
「くぅ……おおッ……!」
 分身全体が高熱に包まれ、自分で処理するときには味わったことのない、濃密な愉悦の塊になった。
 嬉しそうに跳ねる怒張の先からは、透明のトロッとした汁が溢れる。
「本の虫のヒロくんも、男の子なんだねぇ。女の子にチ×ポを舐められて、こんなに嬉しがってる」
 出てきて丸く纏まった先走り汁を先端で掬うと、そのまま口の中に舌を収めた。
 すぐに喉が鳴ったのにヒロトの胸が沸き、怒張が根元から盛大に跳ねる。
「タマキさん……流石にそろそろ……これ以上されたらオレ……最後までしてもらわずにはいられなくなるよ……っ」
 いいところで終わった前回のことが脳裏をよぎる。
 同じ目に遭うなど、とても耐えられない。考えただけで背筋が寒くなる。
 本音を言えば最後までしてもらいたいが、気持ちよくしてくれる女の子の口や顔を汚すのは忍びない。
「誰も来ないって。もし来たら、流石にヤバイからやめるわよ」
「そう……」
「でも、心配しすぎて気持ちよく出せなかったら可愛そうだし、そろそろ絶頂させてあげる」
「本当かいッ」
「あはは、真面目なきみも、だいぶ素直になってきたわねぇ」
 そのとき、出入り口が開く音がした。
 フェラチオ中のタマキから視線を外してそちらを見れば、数人の女子がおしゃべりしながら入ってくるではないか。
「噂をすれば影だよ。タマキさん、利用者が来たからもう終わりにして」
 正面を向きつつ、小声でカウンターの下へ注意する。
 図書室での淫行を誰かに知られる前に終わらせられるのにはホッとするが、胸が張り裂けそうなほど悔しくもあった。
 彼女が親しくしてくれるのは、ふたりきりで仕事をしているだけ。今を逃せばもう二度と、カラダを使って気持ちいいことをしてくれないかもしれない。自分でいくら慰めても、満足できないのは経験済みだ。
 考えれば考えるほど、分身が切なく疼いて仕方がない。
「なぁ、人の気配は感じてるだろ? ……おい、タマキさんってば」
 カウンターから出てくる気配がないので見れば、誰か来たらすぐにやめると言った口は思い切り開いていて、今まさに、怒張を飲みこもうとしていた。
「う、うそだろっ……ぐぅぅぅぅッ」
 あろうことか、ピンクのリップが色っぽい唇は、黒光りする牡肉塊をくわえ込んでしまった。
「はむぅ……んむ……平静を装わないとバレちゃうわ……んふ」
 自分のことを棚に上げ、くぐもった声で咎めた女子は、味わう仕草で長いまつげを落とし、ゆっくり飲みこんでいく。
「くぅぅ……ほ、ほんとにマズイって……う、うおぉ」
 他人に気付かれたら一大事だ。
 必死に声をかみ殺すものの、性感が大きすぎて誤魔化しきれない。
 女子の唇は肉円錐の塊の表面をのろのろ滑る。
 カリ首を口内に収めても止まらなかった。
 クラスや委員会で見る顔からは想像できない、男の性欲を煽る色っぽい表情も刺激的だが、粘膜同士の擦過感も堪らない。腰はブルブル震えっぱなしだ。
(これはもう……止まらないぞ)
 バレるか、行き着くところまで行くか、以前と同じく時間切れになるかしなければ、終わらないのは明白だ。
 そのとき、本を借りに女子が来た。
「これお願い」
「お預かりします」
 平静を装って受け取り、最後のページを開く。
 ここまで来ても、快楽の摩擦は続いていた。
 むしろ勢いが増している。
 記入するべき【貸し出しカード】のことよりも、緩くウェーブのかかった金髪を打ち振り、一心不乱にオスの三角の膨らみを扱き上げるタマキの顔が脳裏に浮かぶ。
(もう……どうにでもなれっ)
 カードを取り出す一方で、利用者の死角で太ももを左右に目一杯開く。
 どうせなら、根元まで扱いて欲しくてした仕草に、タマキは即座に応えてくれた。
 縮れ毛が生い茂る根元の方まで口中に含むディープスロートは、想像以上の快感だった。カードに貸出期限を書きながら、見えない場所で頭を振っている彼女の頬は、凹みきっている。
 食らいつくという表現がしっくりくるほど、敏感に膨張した怒張を絞り上げるペニス研磨は、自慰で満足していた自分がバカらしくなる極楽快美だ。
 開き直った男子の分身は、灼熱性感の塊と化している。精液の塊は今にも飛び出しそうな位置まで昇ってきていた。
「今日から二週間の貸し出しとなります。お疲れ様でした」
 期限を記入したカードを戻して、本を手渡す。
 何食わぬ顔で仕事をしながら、同僚の美女子の口中で射精した。
 開いた足で踏ん張りつつ、何度も止めたのに誘惑をやめなかったタマキのうすピンクのリップの唇の奥で、同い年の男子の精子をたんまり吐き出す。
(うおおッッッ……こんなに気持ちいい射精は生まれて初めてだッ)
 学園で、しかも自分の職場と言える図書室で仕事をしつつ、容姿端麗なのに性的に淫らなクラスメイトの口中をティッシュ扱いするのは、男として最低と分かっていても格別だった。
 温かい口内粘膜に絞られる怒張から、太い精液を放出する快感に目が眩み、意識が細切れになる。
「んむぅぅぅッッッ……んん……こくっ……こくんッ」
 流石のタマキも、不意打ちの射精に目を白黒させたが、すぐにうっとりと目を細め、喉を鳴らし始めた。
 両手では数え切れない回数の発作が長々と起こり、熱くて苦い樹液がとめどなくたっぷり流しこまれているというのに、嫌な顔ひとつせず、それどころか控えめな吸引音すら出して、胃へと落としていく。
(可愛いクラスメイトで委員会の仲間が……オレの精子を飲んでくれてるっ)
 興奮が冷めるにつれ、苦くて生臭い汁を飲ませることへの罪悪感を覚えるが、眉根を寄せた蕩け顔で処理してくれているのには興奮を禁じ得ない。
 目一杯開いた口の端からは、広い襟ぐりよりはみ出す巨乳に精液が糸を引いて垂れている。他の男子は見ることしかできないムッチリ巨乳を、自分の体液で青臭く汚している光景にも、心は不謹慎に沸いた。
 自分の精液は今、巨乳と体内で吸収されている。やがて、彼女の一部になると意識すればするほど、剛直は熱く漲った。
「ねぇ、タマキはいないの?」
 本を借りた女子に訊ねられ、ヒロトの背筋が跳ねた。
「い、今は席を外してます。彼女にご用なら伝えておきますが」
 よく見れば、たまに図書室へ来るタマキの友達ではないか。
 フェラチオと精飲をさせている女子の友達と分かると、射精中の怒張がさらに硬く漲った。
 自分の名前を呼ばれて流石に凍りついたタマキだったが、変態的に興奮する怒張へ即座に反応してくれる。
 射精させるつもりとしか思えない勢いで口ピストンするだけでなく、射精中でことさら鋭敏化している先端を……それも一番弱いカリ首の裏をネチネチくすぐってきた。
(タマキさん……可愛い顔して、ここまでスケベだったなんて)
 そっちがその気ならという気持ちをこめ、足で踏ん張ってギリギリまで射精を耐えてから、濃いのを最高に強烈に噴射する。
(口で奉仕してくれてる女の子の友達と会話しながら、思い切り出すのも気持ちよすぎるッ)
 目が眩んで意識が白むだけでなく、脳裏で極彩色の虹が乱舞する快楽に、打ち震える。
 色々な意味で最低のことをしているのは分かるのだが、だからこそなのか、なによりも気持ちいい。
「いないならいいわ。バ~イ」
 女子はなぜか薄ら笑いを浮かべて背を向け、一緒に来た者達と出ていった。
「んぷ……んふ…………ぷはぁぁ……チ×ポの立派さに相応しい、濃いのがいっぱい出たねぇ……ごちそうさま」
 やってきた利用者が全員いなくなったとき、しつこくしゃぶってキレイにしていた肉茎を、ようやく口の外に解放する。
「記念写真とってもいいよね」
「……誰にも見せないでくれよな。さっきのも含めてさ」
 フェラチオだけでなく精飲までしてくれたのでは、強く出る気になれなかった。
 やんわり釘を刺す程度でとどめると、彼女は嬉しそうに続ける。
「共有したいから、連絡先交換よろしく。思い出してシコシコするとき、遠慮なく使ってね……はい、チーズ」
 スカートのポケットからケータイを取り出す。自撮りする要領で、唾液に塗れて熱気がくゆる怒張を鼻梁にくっつけた自分の顔を写真に収める。
 空いている手で横ピースするだけでなく、満面の笑みを浮かべて肉棒と映り込む姿にも興奮した怒張は、シャッター音の直前に根元から跳ねた。
「あんっ」
 写真の中で満足げに口角を上げるタマキの眉間は、飛び出た精液の残滓で筋状に濡れていた。

     3 真相

「ねぇ、ヒロっち。仕事なんてほっぽって、あーしらとアソビ行こうよ」
 タマキと肉体関係を重ねていたある日。
 昼休みの図書室で彼女と当番を始めて間もなく、彼女の友達が数人やってきた。
「仕事を放り出すなんてできませんよ」
 閑古鳥が鳴く部屋に響いた声を迷いなく突っぱねるが、胸中で戸惑った。
 お喋りしているのを何度か見ているので、彼女の友人なのは知っている。
 しかし、自分とはすれ違っても挨拶すらしない赤の他人なのだ。
 なのに、やけに馴れ馴れしい。
 もっとも、タマキも似たようなものだった。出で立ちも派手だし、彼女らには普通なのかもしれない。
 ハッキリ言われて意外な顔をした女子は、すぐに手を叩いた。
「あ、アソビって言い方じゃ分かんないか。タマキとシテるようなタノシーことをさ、あーしらとやりたくない?」
「えっ」
「とぼけなくてもいいよ。ぜんぶ、聞いてるから」
 隣で黙っていたタマキを見ると、彼女は横を向いていて表情は見えない。
「ヒロっちのオトコって、すっごいエモいんでしょ?」
「タマキだけに使うなんてもったいないよ」
「アタシらみんな、タマキより上手いよ? 味見してみ?」
 丁寧にネイルアートした手指を机について、一斉に身を乗り出す女子たち。
 広い襟ぐりからはみ出している、タマキにも負けない立派な巨乳が同時に前後に揺れた。
(このナンパに乗ったら……このオッパイをぜんぶ好きにできるのか)
 身なりや言動は軽薄だが、誰もがタマキとは違った色気を放っている。
 顔は整っているし、派手なメイクも似合っていて、オッパイ以外のスタイルもいい。そそられないと言えば嘘になる。
 そのとき、タマキが立ち上がった。
 椅子が倒れるけたたましい音を残し、隣接する閉架書庫へ飛び込み、乱暴にドアを閉める。
 ヒロトは彼女の友達と一緒に呆然とするが、その間、少しも物音はない。
 完全に閉じこもってしまったらしい。
「なにアレ」
「証拠写真を見せなかったし、最近は色々ヘンだよねあの子」
「証拠写真だって?」
 聞きとがめて訊ねると、彼女らは顔を見合わせた。
「なんでもないって」
「それより、早く行こうよ」
「いい部屋押さえてるからさ」
 露骨に誤魔化すあたり、ロクなものではないらしい。
 カウンターに入ってきて手を取る彼女らに、ヒロトはハッキリ言った。
「悪いけど、きみらと付き合うのは遠慮するよ。他を当たってくれ」
 丁寧な言葉づかいをやめたのと、断られたのが意外らしく、また顔を見合わせる。
「うっそ。ハーレムプレイだよ?」
「男の夢じゃん」
「このチャンスを逃したら、一生できないよきっと」
「う……それはそうだろうけど……タマキさんが気になるから」
 彼女以外の女子とは、相変わらず縁がない。
 的を射た指摘に心は揺れて、素っ裸で美ギャルたちを相手にしている自分の姿が脳裏に浮かぶものの、胸中は自分でも妙に思うほど冷めている。
「もしかして、タマキを好きになっちゃった?」
「男って一回ヤッちゃうと、オレのオンナって思っちゃう単細胞だし」
「あの子は好きとか思ってないよ。ゲームしてただけだもの」
「ゲームって?」
 大事な話が聞き出せそうだと感じた。
 また口をつむがれないよう、流れに乗ってなにげなく訊くと、
「大人に褒められる真面目くんの、スケベな本性を暴くゲーム」
「うちらみたいなのはバカにされがちだけど、ちゃんとしてるって言われる奴だって、一皮剥けばオゲレツなのを証明するアソビってわけ」
「ちょっとエロいことすると、あっという間にだらしなくなるからウケるよね」
「いやぁ、弱った。返す言葉がないよ」
 内心ではうんざりしたが、話を聞き出すために調子を合わせる。
「お、ヒロっちは素直じゃん。ポイント高いよ、ソレ」
「アタシは面倒臭い系だと思ってたケド、いっつも視線送ってたタマキは、安全物件って見抜いてたから、立候補したのかな」
「ジンチクムガイクンって分かってるなら、写メったチ×ポ画像をバラしてくれてもいいのに、謎だよ」
「適当なこと言っても、あーしらは誤魔化されないって、まだ分かンないのかもねー」
 タマキへの不満を言い合って気が済んだのか、彼女らはほどなく出ていった。
 十分と思えるだけ話を引き出せたヒロトは、横並びで揺れながら去る複数のお尻と、わきの下からはみ出す横乳に胸の奥を浅ましくざわつかせつつも、声をかけずに見送った。
 廊下に誰も居ないのを確認すると、閉館の立て看板を置いて、内側から図書室に鍵をかける。
「バレたら怒られるし、内申に響くだろう……なるようになれだ」
 閉架書庫の入り口に立ち、深呼吸してからノブをひねる。
 簡単に回った。
 内側からカギをかけられるのに、逃げて閉じこもったであろうタマキはしなかったのだ。
 おもむろにドアを開けるヒロトには、昼休みを楽しむ学生達の声は、いつもよりも遠くに聞こえた。

     ※

「あいつらの会話は聞こえてたろ。ぜんぶ分かったぜ」
 閉架図書の薄い出入り口の横には、古ぼけた机がある。
 顔から突っ伏しているタマキに動きはなかった。
「都合がよすぎると思ってたんだ。あんな理由で、エロいことする女なんて現実にいるわけない……オレをたばかって腹の中で笑ってたわけだ」
 横乳はブラウスをパンパンにしてわきの下からはみ出しているが、全体的に華奢なカラダが小さく震える。
 顔を伏せたままで弁解どころか、目を合わせようともしない女子は、次の一言に思い切り反応した。
「タマキはオレが大好きなんだよな」
 腕組みして言ってやると、弾かれたように立ち上がった。
「な、なな、なに、言ってるのよッ」
 上ずった声で叫ぶ。
 目元は泣き腫らした後で、気の毒なくらいに赤かった。
「らしくなく呼び捨てにしちゃって……ご、誤解よっ」
 否定する彼女の細面の横に、素早く手を伸ばし、壁を叩く。
「オレはタマキが好きだぜ」
 鼻先同士をくっつけ、目を合わせ、吐息を嗅がせて囁く。
「あっ……あああ……ッ」
 狼狽える女子は瞬く間に赤面した。
 薄いリップで艶やかな口元は、わなないている。
「たばかってたのは水に流すよ。でも、タダでというのは、お互いの心にしこりを残す。ケジメはつけなくちゃな」
「え……ええ……だ、だけど……あたしは……」
「そうだな……」
 倒れた椅子を起こして座り、壁際でもじもじする女子姿を視線で舐める。
 見れば見るほど、なかなかの身体つき。
 性的なことに慣れているようだし、恋人同士になったのならば、いつでもどこでも楽しめるのだ。考えるだけで、男の証が熱く勃起する。
「まずはスカートを脱いでもらおう」
「えぇっ……む、無理よッ……学園の中で……そんな……着替えとは意味が違うのに……」
「好きな男子と対面座位でくっついて、パンティーのオマ×コでチ×ポを扱いた女が言うことかよ。仕事中にフェラと精飲もしたろうが」
「あ、あれはぁ……」
「つべこべ言わずにヤレ。でないと絶対に帰さないぜ」
 と、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
 響き終わっても動かず、じっとタマキの目を見続ける。
 彼女は溜息を吐いた。
「ほんき……なのね……わかった」
 今日も赤くてキレイなツメの指で、ホックを外す。
 前屈みになり、こちらへたわわな双乳を突き出しつつ、凹凸の激しいライン上を滑らせる。
「脱いだら足を肩幅に開くんだ。両手は横に置いてろ」
「……あなたって、こういう人だったの?」
「よそよそしく呼ばれるのは傷つくな。いつもみたいにヒロくんって言ってくれよ」
「ひどいわ……ヒロくん」
 口では抗議するが、頬には興奮の赤みが差していた。
 古い本に囲まれた埃っぽい密室で、オシャレに余念のない女子が、スカートオフの姿でいるのに、ヒロトも興奮を禁じ得ない。
「ギャルらしくかっこいいパンティーを穿いてるじゃないか」
 うら若い花園のヴェールは、白く幅の狭いフロントから、指の幅ほどのレースのサイドが伸びるデザイン。かなり大人っぽい。
「よく似合ってるぜ。今日はコイツを見せて、オレを誘惑しようとしたのか」
 椅子から離れて、足下にしゃがみ込む。
「そんなに近くから……見物しないでよ……」
「こんな風に見られたかったくせに……あの小説にも、今と似たような場面があるからな」
「よ、読んで……くれたの……? 嫌がってたのに……」
「駅前の本屋で買ったさ。好きな女の愛読書を読まないなんて、ありえない」
「あぅぅぅ……」
 恥ずかしいことをバンバンしている癖に、自分が辱められるのにはやはり弱いらしい。
 唇を噛んで黙りこくる彼女の大事な部分をまじまじと見るヒロトは、鼻を鳴らした。
「女の股間の匂いも、結構ただよってるな」
 清涼系の香水や、首筋などが発する甘く優しい香りとは違う、人間が動物なのを思い出させる匂いだったが、気持ち悪いとは思わなかった。むしろ、彼女への性欲が刺激されて精力が湧く。
「か、嗅がないで……シャワーを浴びてないのに」
「お前がチ×ポを嗅いでくれたときと、オレは同じ気分だよ」
「ああぁ……」
 聞こえるように音を立てても、内ももを閉じて恥ずかしがるだけで、制止しなくなる。
「コイツから、匂ってるんだよな」
 人指し指と中指をくっつけ、両方の指の腹で胴底に触れる。
「あっ」
「動くんじゃないぞ」
 可愛い声を出し、股間を小さく震わせたタマキに釘を刺すと、彼女はなすがままだった。
 手触りで肉土手の輪郭に見当を付け、二本の指のそれぞれに片方の肉山を乗せ、感触を確かめる心地でクイクイ持ち上げる。
「はあっ……んん……」
 女らしい皮下脂肪が蓄えられ、指先にずっしりくる女の急所を上げ下げするのだけでも、手指が蕩けてくる。感じているのは彼女も同じで、切迫したあえぎ声とともに、股間全体がビクビク揺れた。
「いやぁ……ヒロくんの指が……あたしの大事なところに触れて……くふぅ……はああ……なんていやらしい手つきなのぉ」
「本で読んで想像するのと、実際にやられるのとではぜんぜん違うよな。経験させられたから分かるぜ」
 今度は人指し指で、薄く影ができている縦筋をなぞる。
 少しずつ力を加えてコットンの布地ごと肉溝に埋め、ノコギリみたいに上下に往復する早さも上げていく。
「ふあああっ……そこを……ああっ……そんなにされたら……あああんッ」
 学生らしからぬセクシーランジェリーのサイドがひっかかる腰は、堪らなそうにくねる。
 アニメ声も甘く甲高く変わっていた。
「気持ちいいと、こんな可愛い声で啼くんだな。録音していいか?」
「やめてぇ、はああ、こんなみっともない声、自分も知らなかったんだからぁ」
 パンティーを穿いた性器を露出させている制服女子は、図書室で指マンされて感じまくっているのだ。
「オレのチ×ポ写真は撮ったくせに、虫が良すぎるぞ」
「迫られたけど、約束を守って見せてないわ、ああん、信じて、お願いっ」
 よがり声で必死に訴える彼女を鼻で笑って言い返してやる。
「連中もそんなこと言ってたが、好きな女の言葉はぜんぶ信じるのが男ってもんだ。ココで覚えとけ」
「ふああっ、それ、本の中のセリフじゃないの、ああ、キザよ、あああ、でも、素敵、痺れるぅッ」
「タマキのマ×コがそうだってのは、言われなくても分かってるよ」
 ネチネチ摩擦している肉溝には、楕円のシミができていた。
「エロい気分になってる証拠が広がってきたぞ」
 擦れば擦るほど面積が広がり、レモン臭がする体液で指まで湿りだした。
「ますますイイ匂いして誘ってやがる。たばかり上手のココの誘惑は、ストレートだな」
 指を遠ざけると、長丸に薄く黒ずむコットンのあわいと長く糸を引いた。
「えぇ……やめ……ちゃうの……?」
 最初は乗り気を見せなかった女子が、未練がましく見つめてくる。
 上気して軽く息の上がった様子は、絶頂しかけていたとしか思えない有り様だ。
 クラスメイトで図書委員のウブな同僚を翻弄したときからは想像できない、被虐美を体現した容貌だった。
 彼女はまだまだ、男に責められたがっている。
「まさか」
 ニヤリと笑ったヒロトは、被服を一枚一枚脱いでいった。

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夜山の休憩所 2022/03/06 15:26

たばかりギャル(書き下ろし小説アップしました)(2022年03月06日)

●販売店
https://amzn.to/3sJ4akj


いつも応援ありがとうございます。

100円の有料プランにて、
本日予約販売開始の同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)
・表紙(トリミングなし)
・表紙の帯なし差分(トリミングなし)
・表紙(カットなし。全身像)

この記事は来月の初日にまた掲載します。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月に再掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「たばかりギャル」(She is a single-minded swinger)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で80ページ程度)

●ご紹介
 真面目な読書男子のモテ期到来。

●傾向 
 書き下ろし。短編。ギャル。
 学園生。クラスメイト。図書委員。DT。
 女性責め。逆転。快楽責め。あまあま。
 スキンシップ。オッパイ。パイズリ。フェラチオ。
 体面立位。中出し。
 半脱ぎ。授業をサボってヤリまくり。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3sJ4akj

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

 発売日は2022年03月10日です。
 それまでは予約販売という形です。

●小説、表紙イラスト 石川れもん(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川檸檬の別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「たばかりギャル」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 一 寬人(ニノマエ ヒロト) 図書委員で本の虫。友達がいない真面目男子。

 早乙女 珠輝(サオトメ タマキ) 図書委員のギャル。進んでいる女子。


目次

1 はじまりの柔肌の甘み 
2 仕事中の蜜奉仕
3 真相
4 着衣でも赤裸々に剥かれていくギャル
5 いつわらないふたり

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。



      1 はじまりの柔肌の甘み 

「暇だし、お互いのオススメを読み合お」
 クラスメイトで同じ図書委員の女子の提案に、一ヒロトの目は丸くなった。
 よく晴れた日の昼休み。
 学生達の喧噪は、校舎の外れの図書室からは遠くに聞こえる。
 当番でカウンターに座るふたりの他は誰もいない。
 早乙女タマキの友達がおしゃべりに来ていたが、もう出ていっていて、本に囲まれた室内は静まりかえっている。
「さっき、友達に返してもらったあたしのと、一くんが読んでるソレでさ。何回か見たことある本だし、読んだんでしょ?」
 愛想よく話しかけてくる女子は、セミロングの髪を明るい金髪にし、緩いウェーブをかけている。大人とも子供ともつかない顔立ちだが、かなり整っている方なのもあって、真っ直ぐに見つめられると心臓が跳ねる。
「いい……けど」
 歯切れの悪い返事をさせた狼狽えは、彼女はこれまで、仕事に関係なく話しかけてきたことがないからだ。
 割り当てからふたりで図書室に座っていても、暇なときは手鏡をのぞいたり、ツメの手入れをしたりするなど、オシャレに没頭している。ヒロトにしても隣で本を読むだけで、話しかけることはないのだが。
(どういう風の吹き回しだろう)
 訝しく思いつつ、自分のを渡す。
 ロクに交流のない女子でも、好きな本に興味を持ってもらえたのには、悪い気がしなかった。
「サンキュ。じゃぁ、これ」
 ツメが鮮やかに赤い手指で差し出された文庫には、カバーがされてあった。
 やるべき仕事はソツなくこなすものの、軽薄な出で立ちを好む性格は、自分とは正反対。趣味は合わなそうだが、他人に愛読書を読んでもらいたい欲求はわかる。
(ちょっと楽しみになってきた)
 今風の女子が好むものといえば、やはり恋愛小説だろうか。
 あまり読まないジャンルだとしても、ちゃんとぜんぶ読まなければと心に決めて、最初のページから読み進める。
 抗議の声を上げるまで、五分もかからなかった。
「ちょっと、コレッ……コレぇッ」
「ん……乱丁か落丁でもあった?」
 彼女は一ページ目から読んでいた本に、付属の栞を挟んでから見返した。
 不思議そうに首を傾げてくる。
「ページは順番どおりで抜けもないけど……えろ……いやその……すごい描写があるんだけどっ」
「あ~、エロい描写のことかぁ」
 大人っぽく落ち着いた面差しが、悪戯に成功した子供みたいに変わった。
「間違って渡したんじゃないのか……」
「折角、オススメを読んでもらえるチャンスなのに、不意にするわけないわ」
「きみは、こういうのを読んでるのか……まだ学生なのに……」
「ティーンを中心に売れてるって、テレビや雑誌で紹介されてるやつだよ。一くんは読んだことないみたいだけど」
「オレはこういうのはちょっと……」
 肉体は子づくりできるようになっているので、興味がないと言えば嘘になる。
 だが、大人が作りだしている、若者が性的なものに触れるのを禁じる空気に逆らってまで、感受する気にはなれない。
 普段は興味ないという顔をしているのに、ロクにおしゃべりもしたことがない女子へ、秘めた感情をさらすのも恥ずかしかった。
「読まず嫌いはもったいないって。でも、興味ないのを読んでも、活字を目で追うだけの作業。面白くないよね……そうだ!」
 椅子から立ち上がったタマキは、ごく自然に距離を詰め、近い方の肩に手を置いた。
「ッ……!」
 男のものとは別次元に柔らかくて温かい感触は、学園指定のワイシャツと肌着の向こうからのし掛かっている。
 生まれて初めて感じる気持ちのいい接触感に、本の虫で女子に縁のない男子の肩がビクッと跳ねた。
 わけがわからないうちに、さらにとんでもないことが起こる。
「ん、しょっ、と」
 タマキは大胆に片足を上げ、椅子に座る男子の腰を跨いだのだ。
「な、なな、なにやってるんだよッ」
「対面座位の挿入抜き」
 ラーメンでも注文する風に言った彼女は、反対の手も肩に置き、くつろいだ様子で男の股間にお尻を付けた女子はケロリとしている。
 だが、自分は平静ではいられない。
 ほのかに漂う清涼系の香水が鼻腔をくすぐる。
 制服のスカートは、太ももの付け根近くまでずり上がっている。ナマの太ももの感触はズボンを越えて伝わってくる。
 一緒に仕事をするときなどに感じても、恋人でもないのだからと無視してきた存在感を、まともに浴びせられているのだ。
 どれも、第二次性徴を済ませた男子には心地のいい毒で、心臓が早鐘を打って止まらない。
「顔赤いね。ドキドキしてる?」
「こんなことされたら、当たり前だろっ」
「意識してくれてるんだ。嬉しい」
「からかわないでくれっ」
「でも……心底イヤな感じではないでしょ?」
 見透かした眼差しには即答できなかった。
 恥ずかしいわ緊張するわで心の中は乱れきっていても、伝わる女子の感触は、気持ち悪いものでは断じてない。
「実際に体験するわけじゃないけど、嫌いじゃないなら、こういうことが書いてる本を読んでも楽しめるはずよ」
「だとしても、なんでこんな……」
「あたしがどういう本を読ませようとしたか、活字で確かめる前に実際にしてあげた方が、分かりやすいと思って」
 悪戯っぽくはあるが、悪気の気配の見えない目を合わせ直した後、上半身で覆い被さってきた。
「っう……!」
 首が交差するまで密着された。
 女らしい膨らみが胸板にぐいぐい食いこんでくるのに、息が止まる。
 同僚の胸元は学年でも豊満な方だ。
 顔くらいのサイズを誇り、いつも広く開けている襟ぐりでは、ムッチリした膨らみが押し合っていて、影の濃い谷間が覗いている。
 普通ならば鼻の舌を伸ばして見るしかない、女子のたわわなシンボルは、ブラウスと下着が間にあっても、すこぶる柔らかい。男子の無骨な胸板には、蕩ける電気が湧いている。
(オッパイが当たって……匂いも……っ)
 外見と違って控えめな清涼系の匂いも、ここまで近いと存分に鼻腔を揺らしてくる。うなじから漂う温かみのある体臭も感じられて、頭がクラクラしてきた。
「ま、まずいよ……早乙女さん」
「タマキって呼んでくれなきゃ、返事しない」
「じゃ、じゃぁ、タマキ……さん……やばいっ、て」
「なにが?」
 言い直すと素直に応じてくれたが、心底動揺する自分と違って、相変わらず平然としている。
「オレたち、恋人同士でもないのに……こんな……いやらしいこと」
「ただのハグよ。でも、気にするなんてカワイイっ」
 ますます強く、胸元を押しこんでくる。
 被服の向こうで、秘めた膨らみが平たく潰れているのが、なんとなく感じ取れた。
「誰かに見られて誤解されたり、噂されたりしたら、イヤだろ?」
「この時間のココは、閑古鳥の巣じゃない。誰も来ないって」
 なにを言ってものれんに腕押しのタマキは、問答はここまで、今度はこっちのターンと言わんばかりに、首筋に唇を押しつけた。
「ああっ……ッ」
 堅いことを言っていた口から、情けないあえぎ声が飛び出た。
 優しく触れている唇も柔らかくて温かい。
 首筋から甘い波動が全身へ広がり、肉体の強張りがなくなっていく。
「奥手の男子を好きになったヒロインが、こうやってリードするシーンまで、読んでくれてた?」
 囁き声が吐息とともに耳の奥に染みこむ。
 タマキの声は、いわゆるアニメ声でかなり可愛らしい。
 粘っこい声質になると、途端に妖しい色気を醸し出して、聞かされる頭の中はますます白く染まる。
(あぁ……もう……)
 肉体の奥底から、性の情動としか言いようがない気配が噴き出してくる。
 本を勧めるためとはいえ、若くて豊満なカラダの気持ちよさを存分に享受させる女子を、思い切り抱きしめたい衝動に駆られた。
(我慢……できないッ)
 震える両手が華奢な背中へノロノロ回る。
「ここはヒロインが主導するパートだけど……ヒロトくんがしたいようにしてもいいよ」
 細い首の交差を解かずに、耳に承諾の言葉を吹き込む。
(本人が許可してくれてるんだし……)
 甘えようという気持ちにもなる。
 だが、まだ理性の方が強くて、ブラウスに触れたところで止まった。
「やっぱり……学生がこういうことするのは……マズい……よ」
 正論を返すが、彼女は止まらなかった。
「ほんとはしたいクセに。ココは正直におねだりしてるよ?」
 細い腰が浮き、ルーズソックスを穿いた長い足が膝を伸ばす。
 誰にも見られるわけにはいかない抱擁を解いてくれたのかと思ったが、次の瞬間、とんでもない間違いだと思い知らされた。
「このヘン……だよね……んっ」
 両肩に手を置いてバランスをとるタマキは、斜め後ろに視線を送りつつ、お尻を揺らした。
 エンジ色のプリーツスカートが軽くなびいたのも束の間、狙いを定めた彼女の柔尻が、再び下りてくる。
「うッ……おおおッ!」
 気まぐれに通りかかった学生がいないとも限らない。
 なんとか声をかみ殺そうとしたものの、意志の力を凌駕する肉悦の電流には、逆らいきれずにあえいでしまう。
「こ、これ……あ、ああ、当たってるっ」
「ん? どこにぃ?」
「当たってるというか……は、はいっちゃってる……ッ」
「だからぁ、どこに、なのぉ?」
 目と目をしっかり合わせ、完全に上から目線でタマキが詰問する。
 口調は優しいまでに柔らかいが、言わずには済ませてくれそうにない妖しい迫力が滲んでいた。
「た、タマキさんの……だ、大事なとこに……っ」
 座り直されたことで、自分が思った以上に興奮していたのを思い知らされた。
 スカートに隠れて見えないものの、ズボンのテントの頂点が、女性の象徴の土手に浅くはまりこんでいるのがハッキリ分かる。
 コットン質の布を纏う温かくて柔らかい肉の連山は、厚い布の下にある男らしい隆起を包みこんでいるのだ。
「オマ×コって表現されないと、聞こえないかなァ……クスクスクス」
 完全に主導権を握っている女子は、ここまでしても物怖じするどころか、余裕たっぷりだ。
 あどけなさも感じる若い美貌は、妖艶な大人の女のものに様変わりしている。
「ふざけてないで、すぐにやめて離れてくれよっ……くぅぅっ」
 淫らに興奮する分身には、猛烈な勢いで血が流れこんでいる。
 恋人同士でもない男女が、学内で性器同士を触れ合わせるなどあってはならないことだとは分かるのだが、甘い情動は高まるばかり。
「本当にやめて欲しいの?」
 タマキはまた、胸元が潰れるまで抱き付いてきた。
 わきの下から手を通し、逆手で肩をしっかり引き寄せつつ、身体をゆっくり揺すり立てる。
「うあぁ……うああああッ!」
 もう、声を抑える余裕はなかった。
 若竿の敏感な頂が、柔肉のあわいに揉みほぐされる性感は凄まじい。
 常に嗅がされる心地いい体臭や、休みなく浴びせられる巨乳や太ももの甘美な圧迫感も手伝って、なにも考えられなくなってきた。
「うんうん、やめて欲しくないんだね?」
「お、オレは、そんなことっ」
「このまま出しちゃってもいいよ」
「え……っ」
「終わるまで続けてあげるね。自分でするときより、ずっと気持ちよくビュッてできるはずよ」
 海よりも広い愛情を感じさせる声音で、絶頂を促されて心が揺れた。
 肉体ができあがっているので、夢精や自慰も経験している。
 性的なことをタブー視する性格だが、誰も見ていないところでは、そういうこともときどきするのだ。
 しかし、いくらなんでも、学内で射精するなどありえない。
 それも、今までロクに話したことのない女子のカラダに導かれてなど、あってはならないことだ。
「いつでも好きなときにイッていいわ」
 イケナイと思っても興奮する一方の男子の浅ましい反応は、手に取るように分かるらしい。
 ズボンを突き破らん勢いで屹立し、荒々しく脈動して、限界に近づいていく男根に合わせて、タマキもラストスパートをかける。
 これまで以上に身体を揺すり立てるのに追従し、セミロングのウェーブは跳ねてなびき、スカートもせわしなく宙を舞う。
「でも、イクときはチ×ポイクって、言うのよ? 最低限の礼儀なんだから」
「あああ……ち、チ×ポ……イク……チ×ポ、イクよッ」
 あまりの快感に指示されるがままだった。
 思わず口走った言葉に耳たぶまで真っ赤になるが、興奮は冷めない。
「真面目なきみが、可愛くあえぎながら下品な言葉づかいしてるの、すごく興奮しちゃう。見ててあげるから、思い切りイッてね」
「最後まで読まなかったけど、こんなにいやらしいことが続きに書いてあったのかい?」
「あたしは本の内容を実演してるだけ。何度も読んで覚えてるから、なにもかも正確に再現できるの」
「やっぱりマズイよ……こういうのは……大人になってからじゃないとっ」
「同じ図書委員として働いてるクラスメイトとの密着マンズリでイキそうになってるときに言っても、説得力ないわ。でも、そういうところが魅力だよ」
 首の交差を解き、少し上から見つめてくる黒目がちな目は、ハッとするほど潤んでいた。
 ほっそりした頬も艶やかに上気して、お風呂上がりめいた色気を感じる。
「そんな顔で見つめられたら……あああ、チ×ポイクっ、精子でるッ」
 高まりきった熱い快楽が勃起の頂上から飛び出しかけている。
 もう、抑えることなど不可能で、このまま悦楽に身を委ねることしか考えられない。
 我慢する気持ちもなくなって、彼女の背中に両手を回す。
 今度はやめず、力一杯抱きしめ、ひとかたまりになった。
「あん、きみもその気になってくれたのね、嬉しい、このままイッて」
 恋人でもない男子にしがみつかれても、嫌がるどころか嬉しそうに声を弾ませ、激しく腰を振りたくる。
 ふたりだけの図書室に、強い衣擦れと荒々しい男女の呼吸音だけが響いていたが、スピーカーから出たチャイムの音がすべてかき消す。
 ジリリリリリリリリリ!
 昼休みの終わりを示す学園の合図に、佳境へ入っていたふたりの身体がビクッと伸び上がる。
「残念。時間切れね」
「えっ……」
 これまでのねちっこさが嘘のように、タマキはあっさり離れた。
 カウンターを出ると、何事もなかったみたいに身繕いする。
「いこっか、ヒロトくん」
「う、うん……」
 彼女が離れても感触が薄く残っている全身は、痺れきっていた。
 股間のテントの柱も長い上に硬すぎて、なかなか立ち上がれない。
「大変そうだけど、授業に遅れちゃダメだよ?」
 言うだけ言って、タマキの姿は出入り口の向こうへ消えた。
「あんなことしておきながら冷たすぎるっ……あ……でも……彼女は本を勧めたいだけで……オレとは恋人同士でもなんでもないから……当たり前か……」
 どうしようもなく火照った肉体は、わずかな呟きで一気に冷める。
 図書室の向こうからは、教室へ急ぐ学生達の足音が聞こえていた。
 
     2 仕事中の蜜事

「またオススメを読み合おっか」
 数日後の昼休み。
 図書委員の当番としてふたりでカウンターに座るや切り出してきたタマキに、ヒロトの身体が強ばった。
「今日もなにか持ってきてるんでしょ? あたしはそれがいいな」
「さ、早乙女さんは……どうせ今日もヘンなのを用意してるんだろ?」
「ふたりのときは、タマキって名前で呼んで。この間みたいに」
 やたら親しげなのは気になるものの、以前のことを持ち出されると弱かった。
「どうなのさ、た……タマキさん」
「愛読書を交換しようっていう人が、おかしいのを読ませるわけないじゃない。ほら、見て」
 鞄から取り出したのは、真面目なタイトルがついた新書本だった。
 自分がよく読む出版社のものであり、好きなシリーズの作品でもある。
 警戒の気持ちは一瞬で解けた。
「へぇ、タマキさんもこういうの読むんだ。知らなかった」
「むつかしい内容だけど、その割には分かりやすくて楽しめるよね」
「そう思う? 同じように受けとめてる人が身近にいて嬉しいよ」
「あ、でも……コレって発売したばかりの新刊だけど……もしかして、ヒロトくん、読んじゃった?」
「いや、そろそろ定期テストでしょ? 本より勉強を優先させてて……」
「だよね。じゃぁ、どうぞ」
 ニコニコと差し出された本を受け取り、代わりに自分のを渡す。
 胸を躍らせながら最初のページを開いてから、一〇分もしないうちに思わず叫んだ。
「ちょっとぉッ! これ、カバーと内容が全然違うじゃないかっ……中身は……中身は……この間の奴と同じじゃないのッ……新書版もあるのかアレ」
「人気作だからね……それにしても……あははは、単純な手に引っかかって真っ赤な顔してるのカワイイ」
 タマキは借りた本を側に置くと、手を叩いて喜んだ。
 狙ってやられた悪戯にかかった恥ずかしさで、ヒロトは耳たぶまで赤い。
「もぉっ……とにかく、こんなのは読まないからねっ」
「そのわりに、読みふけってたじゃない」
「うっ」
「赤面しながらページをめくる顔、可愛かったなぁ。写真にとって保存したかったけど、邪魔しちゃ悪いから悩んだよ」
「からかわないでくれっ……あと、この間のアレ……本の内容と最後の方が違ってるッ……あんなに激しくはしてないじゃないか……!」
「ハッキリ思い出したくて確認したんだ……ヒロくんエロ~い」
 半眼でニヤニヤ笑われて、顔から火が出る思いだった。
「でも、まだ素直に読んでくれないのね……なら、読みたい気持ちにさせてあげる」
 タマキはカウンターの下に潜りこむと、正面に陣取った。
 細くて柔らかい両手の指がズボンのチャックを下ろしにかかる。
「いきなりなにをっ」
「じっとしてて」
「う……うん……」
 言われて素直に従うヒロト。胸は高鳴っていた。
 過日の出来事から、また淫らで気持ちいいことをしてもらえるという期待が膨らんでいる。
 なんだかんだ言っても、以前のことは忘れられないでいた。
 あの後、一体何度、思い出して自分で慰めたことか。
 しかし、いくら頑張っても満足することはなく、快楽に飢えていた。
 満たされるとしたら、タマキの柔肌で淫らに接されたときだけに違いない。
 だというのに彼女は今日まで、親しく接してくれなかった。
 ただのクラスメイトで同じ図書委員でしかなかった以前と同じく、個人的に話しかけてくれることすらなかったので、あの日のことは白昼夢ではなかったのかという疑念すら生まれていたのだ。
「わぁ、ヒロくんの、おっきくなってる」
 開いたズボンの股間から引き出した男性自身に、タマキの目が輝く。
「女の子に脱がされて喜ぶ性癖なんだ」
「違うよっ」
「なら、期待してた? あの後きみ、あたしに物欲しそうな、寂しそうな視線を頻繁によこしてたものね」
「……気付いてたのか」
 図星を突かれては反論のしようがない。
 誰もいない図書室で、ただのクラスメイトで図書委員仲間でしかない女子に、性器を露出させられるなど、とんでもないことだと分かっているが、分身はもっと見てとばかりに、急速に膨れあがっている。
「うわぁ……すごく男らしいよ」
 男子の股間に躊躇いなく顔を埋めたタマキは、目線の上までそそり立った分身へ、鼻先を近づける。
 高い鼻の小鼻が膨らみ、深呼吸のときみたいな鼻息がした。
「見た目だけじゃなく、オス臭さも立派なものだよ」
「く、くさくないのかい……?」
 入浴したのは昨夜で、それからずっと洗っていない。午前中は体育で汗を流しもしたのだ。
「そんなに嗅がないでくれよ……シャワーもまだなのに……」
「恥ずかしがることないわ。あたしには、とっても素敵な匂いよ」
 上を向く黒目がちな目は、しっとりと潤んでいた。
 頬はほんのりと赤らんで、薄いピンクのリップで照り光る唇も、平素よりも少し肥厚している。
「汗と男の体臭が混ざり合ってて……しかも、こんなに逞しいチ×ポが放出しているものだもの……クラクラしちゃう」
 顔をさらに近づけ、スッと通った鼻梁に硬く膨張した男のシンボルをくっつける。思い切り鼻呼吸した彼女の目元は、うっとりと緩んだ。
(本当に……喜んでるんだ……)
 嫌がるどころか、クラスや委員会ではしたことのない、恍惚とした顔を見せられれば、信じる気持ちにもなる。
「あは、チ×ポが喜んでビクビクしてる……匂いを嗅がれて感じてるんだ」
「可愛い女子が、自分のの匂いを嗅いだり……顔にくっつけたりして喜んでくれてるのを見せられたら……誰だって、興奮するよっ」
「可愛いって……あぁん、記念写真とっちゃお」
 スカートから取り出したケータイで、クラスメイトのそそり立つ怒張とのツーショットを瞬時に撮影すると、端末を素早くしまった。
「ちょっと、すぐに消してくれよッ」
「いいじゃない。ヒロくんの、しかもこんなに立派なチ×ポなのよ? 待ち受けにしたいくらいだわ」
「ま、待ち……マジで勘弁してくれよぉ」
「もちろん、ロハとは言わないわ……んしょ」
 真っ赤に照り光るネイルの指では囲いきれない極太を半分掴む。
 顔を物差しにするなら、顎の先から額まで達する長大な同級生の逸物を水平に倒し、口元に持ってくる。
「もっと気持ちよくしてあげるんだから……ぺろっ」
 長く伸びたピンク色の舌先が、赤黒い逆三角の塊の頂を舐め上げた。
「うぅッ」
 刹那に走った快感電気に頭が真っ白になって、あえぎ声が自然に出た。
「タマキさんっ……写真の件もあるけど……これ以上、こういうことするのはマズイって……利用者が来たら……あうぅ」
 図書委員が仕事中、性行為に耽るなど言語道断。
 誰かに見られたら、とんでもないことになる。
 ごく当たり前の道理が分からないわけはないだろうに、タマキの舌遣いには躊躇がない。
「んっ……舌で触れてると……一段と濃いヒロくんの味と匂いを感じるわ」
 間隔を置いて上下に舌を操っている。
 丁寧な舐め奉仕に怒張はますます硬化した。
 感度も上がって、舌が往復する度に湧く悦楽は上昇し、分身が震えるリズムは狭まっていく。
「ああ……タマキさんが……オレのを熱心に舐めてくれてるっ」
 大人っぽいような子供っぽいような美顔が、厚ぼったい唇を常に半開きにし、熱い吐息を浴びせながら舌を這わせてくれているのも刺激的で興奮を煽る。
 友達と楽しくおしゃべりしているときとは質の違う、淫蕩に口角が上がった表情は、楽しんでしているとしか思えない。
「美味しい……んっ……れろっ」
 しつこく鈴口を這う舌の動きが変わった。
 熱気を放ってビクつく表面を、満遍なく渡り歩く。
 キレイなピンク色をした女子舌は、急勾配の斜面も、張り出したカリとその裏も、皮の繋ぎ目にすらねちっこく触れてくる。
「くぅ……おおッ……!」
 分身全体が高熱に包まれ、自分で処理するときには味わったことのない、濃密な愉悦の塊になった。
 嬉しそうに跳ねる怒張の先からは、透明のトロッとした汁が溢れる。
「本の虫のヒロくんも、男の子なんだねぇ。女の子にチ×ポを舐められて、こんなに嬉しがってる」
 出てきて丸く纏まった先走り汁を先端で掬うと、そのまま口の中に舌を収めた。
 すぐに喉が鳴ったのにヒロトの胸が沸き、怒張が根元から盛大に跳ねる。
「タマキさん……流石にそろそろ……これ以上されたらオレ……最後までしてもらわずにはいられなくなるよ……っ」
 いいところで終わった前回のことが脳裏をよぎる。
 同じ目に遭うなど、とても耐えられない。考えただけで背筋が寒くなる。
 本音を言えば最後までしてもらいたいが、気持ちよくしてくれる女の子の口や顔を汚すのは忍びない。
「誰も来ないって。もし来たら、流石にヤバイからやめるわよ」
「そう……」
「でも、心配しすぎて気持ちよく出せなかったら可愛そうだし、そろそろ絶頂させてあげる」
「本当かいッ」
「あはは、真面目なきみも、だいぶ素直になってきたわねぇ」
 そのとき、出入り口が開く音がした。
 フェラチオ中のタマキから視線を外してそちらを見れば、数人の女子がおしゃべりしながら入ってくるではないか。
「噂をすれば影だよ。タマキさん、利用者が来たからもう終わりにして」
 正面を向きつつ、小声でカウンターの下へ注意する。
 図書室での淫行を誰かに知られる前に終わらせられるのにはホッとするが、胸が張り裂けそうなほど悔しくもあった。
 彼女が親しくしてくれるのは、ふたりきりで仕事をしているだけ。今を逃せばもう二度と、カラダを使って気持ちいいことをしてくれないかもしれない。自分でいくら慰めても、満足できないのは経験済みだ。
 考えれば考えるほど、分身が切なく疼いて仕方がない。
「なぁ、人の気配は感じてるだろ? ……おい、タマキさんってば」
 カウンターから出てくる気配がないので見れば、誰か来たらすぐにやめると言った口は思い切り開いていて、今まさに、怒張を飲みこもうとしていた。
「う、うそだろっ……ぐぅぅぅぅッ」
 あろうことか、ピンクのリップが色っぽい唇は、黒光りする牡肉塊をくわえ込んでしまった。
「はむぅ……んむ……平静を装わないとバレちゃうわ……んふ」
 自分のことを棚に上げ、くぐもった声で咎めた女子は、味わう仕草で長いまつげを落とし、ゆっくり飲みこんでいく。
「くぅぅ……ほ、ほんとにマズイって……う、うおぉ」
 他人に気付かれたら一大事だ。
 必死に声をかみ殺すものの、性感が大きすぎて誤魔化しきれない。
 女子の唇は肉円錐の塊の表面をのろのろ滑る。
 カリ首を口内に収めても止まらなかった。
 クラスや委員会で見る顔からは想像できない、男の性欲を煽る色っぽい表情も刺激的だが、粘膜同士の擦過感も堪らない。腰はブルブル震えっぱなしだ。
(これはもう……止まらないぞ)
 バレるか、行き着くところまで行くか、以前と同じく時間切れになるかしなければ、終わらないのは明白だ。
 そのとき、本を借りに女子が来た。
「これお願い」
「お預かりします」
 平静を装って受け取り、最後のページを開く。
 ここまで来ても、快楽の摩擦は続いていた。
 むしろ勢いが増している。
 記入するべき【貸し出しカード】のことよりも、緩くウェーブのかかった金髪を打ち振り、一心不乱にオスの三角の膨らみを扱き上げるタマキの顔が脳裏に浮かぶ。
(もう……どうにでもなれっ)
 カードを取り出す一方で、利用者の死角で太ももを左右に目一杯開く。
 どうせなら、根元まで扱いて欲しくてした仕草に、タマキは即座に応えてくれた。
 縮れ毛が生い茂る根元の方まで口中に含むディープスロートは、想像以上の快感だった。カードに貸出期限を書きながら、見えない場所で頭を振っている彼女の頬は、凹みきっている。
 食らいつくという表現がしっくりくるほど、敏感に膨張した怒張を絞り上げるペニス研磨は、自慰で満足していた自分がバカらしくなる極楽快美だ。
 開き直った男子の分身は、灼熱性感の塊と化している。精液の塊は今にも飛び出しそうな位置まで昇ってきていた。
「今日から二週間の貸し出しとなります。お疲れ様でした」
 期限を記入したカードを戻して、本を手渡す。
 何食わぬ顔で仕事をしながら、同僚の美女子の口中で射精した。
 開いた足で踏ん張りつつ、何度も止めたのに誘惑をやめなかったタマキのうすピンクのリップの唇の奥で、同い年の男子の精子をたんまり吐き出す。
(うおおッッッ……こんなに気持ちいい射精は生まれて初めてだッ)
 学園で、しかも自分の職場と言える図書室で仕事をしつつ、容姿端麗なのに性的に淫らなクラスメイトの口中をティッシュ扱いするのは、男として最低と分かっていても格別だった。
 温かい口内粘膜に絞られる怒張から、太い精液を放出する快感に目が眩み、意識が細切れになる。
「んむぅぅぅッッッ……んん……こくっ……こくんッ」
 流石のタマキも、不意打ちの射精に目を白黒させたが、すぐにうっとりと目を細め、喉を鳴らし始めた。
 両手では数え切れない回数の発作が長々と起こり、熱くて苦い樹液がとめどなくたっぷり流しこまれているというのに、嫌な顔ひとつせず、それどころか控えめな吸引音すら出して、胃へと落としていく。
(可愛いクラスメイトで委員会の仲間が……オレの精子を飲んでくれてるっ)
 興奮が冷めるにつれ、苦くて生臭い汁を飲ませることへの罪悪感を覚えるが、眉根を寄せた蕩け顔で処理してくれているのには興奮を禁じ得ない。
 目一杯開いた口の端からは、広い襟ぐりよりはみ出す巨乳に精液が糸を引いて垂れている。他の男子は見ることしかできないムッチリ巨乳を、自分の体液で青臭く汚している光景にも、心は不謹慎に沸いた。
 自分の精液は今、巨乳と体内で吸収されている。やがて、彼女の一部になると意識すればするほど、剛直は熱く漲った。
「ねぇ、タマキはいないの?」
 本を借りた女子に訊ねられ、ヒロトの背筋が跳ねた。
「い、今は席を外してます。彼女にご用なら伝えておきますが」
 よく見れば、たまに図書室へ来るタマキの友達ではないか。
 フェラチオと精飲をさせている女子の友達と分かると、射精中の怒張がさらに硬く漲った。
 自分の名前を呼ばれて流石に凍りついたタマキだったが、変態的に興奮する怒張へ即座に反応してくれる。
 射精させるつもりとしか思えない勢いで口ピストンするだけでなく、射精中でことさら鋭敏化している先端を……それも一番弱いカリ首の裏をネチネチくすぐってきた。
(タマキさん……可愛い顔して、ここまでスケベだったなんて)
 そっちがその気ならという気持ちをこめ、足で踏ん張ってギリギリまで射精を耐えてから、濃いのを最高に強烈に噴射する。
(口で奉仕してくれてる女の子の友達と会話しながら、思い切り出すのも気持ちよすぎるッ)
 目が眩んで意識が白むだけでなく、脳裏で極彩色の虹が乱舞する快楽に、打ち震える。
 色々な意味で最低のことをしているのは分かるのだが、だからこそなのか、なによりも気持ちいい。
「いないならいいわ。バ~イ」
 女子はなぜか薄ら笑いを浮かべて背を向け、一緒に来た者達と出ていった。
「んぷ……んふ…………ぷはぁぁ……チ×ポの立派さに相応しい、濃いのがいっぱい出たねぇ……ごちそうさま」
 やってきた利用者が全員いなくなったとき、しつこくしゃぶってキレイにしていた肉茎を、ようやく口の外に解放する。
「記念写真とってもいいよね」
「……誰にも見せないでくれよな。さっきのも含めてさ」
 フェラチオだけでなく精飲までしてくれたのでは、強く出る気になれなかった。
 やんわり釘を刺す程度でとどめると、彼女は嬉しそうに続ける。
「共有したいから、連絡先交換よろしく。思い出してシコシコするとき、遠慮なく使ってね……はい、チーズ」
 スカートのポケットからケータイを取り出す。自撮りする要領で、唾液に塗れて熱気がくゆる怒張を鼻梁にくっつけた自分の顔を写真に収める。
 空いている手で横ピースするだけでなく、満面の笑みを浮かべて肉棒と映り込む姿にも興奮した怒張は、シャッター音の直前に根元から跳ねた。
「あんっ」
 写真の中で満足げに口角を上げるタマキの眉間は、飛び出た精液の残滓で筋状に濡れていた。

     3 真相

「ねぇ、ヒロっち。仕事なんてほっぽって、あーしらとアソビ行こうよ」
 タマキと肉体関係を重ねていたある日。
 昼休みの図書室で彼女と当番を始めて間もなく、彼女の友達が数人やってきた。
「仕事を放り出すなんてできませんよ」
 閑古鳥が鳴く部屋に響いた声を迷いなく突っぱねるが、胸中で戸惑った。
 お喋りしているのを何度か見ているので、彼女の友人なのは知っている。
 しかし、自分とはすれ違っても挨拶すらしない赤の他人なのだ。
 なのに、やけに馴れ馴れしい。
 もっとも、タマキも似たようなものだった。出で立ちも派手だし、彼女らには普通なのかもしれない。
 ハッキリ言われて意外な顔をした女子は、すぐに手を叩いた。
「あ、アソビって言い方じゃ分かんないか。タマキとシテるようなタノシーことをさ、あーしらとやりたくない?」
「えっ」
「とぼけなくてもいいよ。ぜんぶ、聞いてるから」
 隣で黙っていたタマキを見ると、彼女は横を向いていて表情は見えない。
「ヒロっちのオトコって、すっごいエモいんでしょ?」
「タマキだけに使うなんてもったいないよ」
「アタシらみんな、タマキより上手いよ? 味見してみ?」
 丁寧にネイルアートした手指を机について、一斉に身を乗り出す女子たち。
 広い襟ぐりからはみ出している、タマキにも負けない立派な巨乳が同時に前後に揺れた。
(このナンパに乗ったら……このオッパイをぜんぶ好きにできるのか)
 身なりや言動は軽薄だが、誰もがタマキとは違った色気を放っている。
 顔は整っているし、派手なメイクも似合っていて、オッパイ以外のスタイルもいい。そそられないと言えば嘘になる。
 そのとき、タマキが立ち上がった。
 椅子が倒れるけたたましい音を残し、隣接する閉架書庫へ飛び込み、乱暴にドアを閉める。
 ヒロトは彼女の友達と一緒に呆然とするが、その間、少しも物音はない。
 完全に閉じこもってしまったらしい。
「なにアレ」
「証拠写真を見せなかったし、最近は色々ヘンだよねあの子」
「証拠写真だって?」
 聞きとがめて訊ねると、彼女らは顔を見合わせた。
「なんでもないって」
「それより、早く行こうよ」
「いい部屋押さえてるからさ」
 露骨に誤魔化すあたり、ロクなものではないらしい。
 カウンターに入ってきて手を取る彼女らに、ヒロトはハッキリ言った。
「悪いけど、きみらと付き合うのは遠慮するよ。他を当たってくれ」
 丁寧な言葉づかいをやめたのと、断られたのが意外らしく、また顔を見合わせる。
「うっそ。ハーレムプレイだよ?」
「男の夢じゃん」
「このチャンスを逃したら、一生できないよきっと」
「う……それはそうだろうけど……タマキさんが気になるから」
 彼女以外の女子とは、相変わらず縁がない。
 的を射た指摘に心は揺れて、素っ裸で美ギャルたちを相手にしている自分の姿が脳裏に浮かぶものの、胸中は自分でも妙に思うほど冷めている。
「もしかして、タマキを好きになっちゃった?」
「男って一回ヤッちゃうと、オレのオンナって思っちゃう単細胞だし」
「あの子は好きとか思ってないよ。ゲームしてただけだもの」
「ゲームって?」
 大事な話が聞き出せそうだと感じた。
 また口をつむがれないよう、流れに乗ってなにげなく訊くと、
「大人に褒められる真面目くんの、スケベな本性を暴くゲーム」
「うちらみたいなのはバカにされがちだけど、ちゃんとしてるって言われる奴だって、一皮剥けばオゲレツなのを証明するアソビってわけ」
「ちょっとエロいことすると、あっという間にだらしなくなるからウケるよね」
「いやぁ、弱った。返す言葉がないよ」
 内心ではうんざりしたが、話を聞き出すために調子を合わせる。
「お、ヒロっちは素直じゃん。ポイント高いよ、ソレ」
「アタシは面倒臭い系だと思ってたケド、いっつも視線送ってたタマキは、安全物件って見抜いてたから、立候補したのかな」
「ジンチクムガイクンって分かってるなら、写メったチ×ポ画像をバラしてくれてもいいのに、謎だよ」
「適当なこと言っても、あーしらは誤魔化されないって、まだ分かンないのかもねー」
 タマキへの不満を言い合って気が済んだのか、彼女らはほどなく出ていった。
 十分と思えるだけ話を引き出せたヒロトは、横並びで揺れながら去る複数のお尻と、わきの下からはみ出す横乳に胸の奥を浅ましくざわつかせつつも、声をかけずに見送った。
 廊下に誰も居ないのを確認すると、閉館の立て看板を置いて、内側から図書室に鍵をかける。
「バレたら怒られるし、内申に響くだろう……なるようになれだ」
 閉架書庫の入り口に立ち、深呼吸してからノブをひねる。
 簡単に回った。
 内側からカギをかけられるのに、逃げて閉じこもったであろうタマキはしなかったのだ。
 おもむろにドアを開けるヒロトには、昼休みを楽しむ学生達の声は、いつもよりも遠くに聞こえた。

     ※

「あいつらの会話は聞こえてたろ。ぜんぶ分かったぜ」
 閉架図書の薄い出入り口の横には、古ぼけた机がある。
 顔から突っ伏しているタマキに動きはなかった。
「都合がよすぎると思ってたんだ。あんな理由で、エロいことする女なんて現実にいるわけない……オレをたばかって腹の中で笑ってたわけだ」
 横乳はブラウスをパンパンにしてわきの下からはみ出しているが、全体的に華奢なカラダが小さく震える。
 顔を伏せたままで弁解どころか、目を合わせようともしない女子は、次の一言に思い切り反応した。
「タマキはオレが大好きなんだよな」
 腕組みして言ってやると、弾かれたように立ち上がった。
「な、なな、なに、言ってるのよッ」
 上ずった声で叫ぶ。
 目元は泣き腫らした後で、気の毒なくらいに赤かった。
「らしくなく呼び捨てにしちゃって……ご、誤解よっ」
 否定する彼女の細面の横に、素早く手を伸ばし、壁を叩く。
「オレはタマキが好きだぜ」
 鼻先同士をくっつけ、目を合わせ、吐息を嗅がせて囁く。
「あっ……あああ……ッ」
 狼狽える女子は瞬く間に赤面した。
 薄いリップで艶やかな口元は、わなないている。
「たばかってたのは水に流すよ。でも、タダでというのは、お互いの心にしこりを残す。ケジメはつけなくちゃな」
「え……ええ……だ、だけど……あたしは……」
「そうだな……」
 倒れた椅子を起こして座り、壁際でもじもじする女子姿を視線で舐める。
 見れば見るほど、なかなかの身体つき。
 性的なことに慣れているようだし、恋人同士になったのならば、いつでもどこでも楽しめるのだ。考えるだけで、男の証が熱く勃起する。
「まずはスカートを脱いでもらおう」
「えぇっ……む、無理よッ……学園の中で……そんな……着替えとは意味が違うのに……」
「好きな男子と対面座位でくっついて、パンティーのオマ×コでチ×ポを扱いた女が言うことかよ。仕事中にフェラと精飲もしたろうが」
「あ、あれはぁ……」
「つべこべ言わずにヤレ。でないと絶対に帰さないぜ」
 と、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
 響き終わっても動かず、じっとタマキの目を見続ける。
 彼女は溜息を吐いた。
「ほんき……なのね……わかった」
 今日も赤くてキレイなツメの指で、ホックを外す。
 前屈みになり、こちらへたわわな双乳を突き出しつつ、凹凸の激しいライン上を滑らせる。
「脱いだら足を肩幅に開くんだ。両手は横に置いてろ」
「……あなたって、こういう人だったの?」
「よそよそしく呼ばれるのは傷つくな。いつもみたいにヒロくんって言ってくれよ」
「ひどいわ……ヒロくん」
 口では抗議するが、頬には興奮の赤みが差していた。
 古い本に囲まれた埃っぽい密室で、オシャレに余念のない女子が、スカートオフの姿でいるのに、ヒロトも興奮を禁じ得ない。
「ギャルらしくかっこいいパンティーを穿いてるじゃないか」
 うら若い花園のヴェールは、白く幅の狭いフロントから、指の幅ほどのレースのサイドが伸びるデザイン。かなり大人っぽい。
「よく似合ってるぜ。今日はコイツを見せて、オレを誘惑しようとしたのか」
 椅子から離れて、足下にしゃがみ込む。
「そんなに近くから……見物しないでよ……」
「こんな風に見られたかったくせに……あの小説にも、今と似たような場面があるからな」
「よ、読んで……くれたの……? 嫌がってたのに……」
「駅前の本屋で買ったさ。好きな女の愛読書を読まないなんて、ありえない」
「あぅぅぅ……」
 恥ずかしいことをバンバンしている癖に、自分が辱められるのにはやはり弱いらしい。
 唇を噛んで黙りこくる彼女の大事な部分をまじまじと見るヒロトは、鼻を鳴らした。
「女の股間の匂いも、結構ただよってるな」
 清涼系の香水や、首筋などが発する甘く優しい香りとは違う、人間が動物なのを思い出させる匂いだったが、気持ち悪いとは思わなかった。むしろ、彼女への性欲が刺激されて精力が湧く。
「か、嗅がないで……シャワーを浴びてないのに」
「お前がチ×ポを嗅いでくれたときと、オレは同じ気分だよ」
「ああぁ……」
 聞こえるように音を立てても、内ももを閉じて恥ずかしがるだけで、制止しなくなる。
「コイツから、匂ってるんだよな」
 人指し指と中指をくっつけ、両方の指の腹で胴底に触れる。
「あっ」
「動くんじゃないぞ」
 可愛い声を出し、股間を小さく震わせたタマキに釘を刺すと、彼女はなすがままだった。
 手触りで肉土手の輪郭に見当を付け、二本の指のそれぞれに片方の肉山を乗せ、感触を確かめる心地でクイクイ持ち上げる。
「はあっ……んん……」
 女らしい皮下脂肪が蓄えられ、指先にずっしりくる女の急所を上げ下げするのだけでも、手指が蕩けてくる。感じているのは彼女も同じで、切迫したあえぎ声とともに、股間全体がビクビク揺れた。
「いやぁ……ヒロくんの指が……あたしの大事なところに触れて……くふぅ……はああ……なんていやらしい手つきなのぉ」
「本で読んで想像するのと、実際にやられるのとではぜんぜん違うよな。経験させられたから分かるぜ」
 今度は人指し指で、薄く影ができている縦筋をなぞる。
 少しずつ力を加えてコットンの布地ごと肉溝に埋め、ノコギリみたいに上下に往復する早さも上げていく。
「ふあああっ……そこを……ああっ……そんなにされたら……あああんッ」
 学生らしからぬセクシーランジェリーのサイドがひっかかる腰は、堪らなそうにくねる。
 アニメ声も甘く甲高く変わっていた。
「気持ちいいと、こんな可愛い声で啼くんだな。録音していいか?」
「やめてぇ、はああ、こんなみっともない声、自分も知らなかったんだからぁ」
 パンティーを穿いた性器を露出させている制服女子は、図書室で指マンされて感じまくっているのだ。
「オレのチ×ポ写真は撮ったくせに、虫が良すぎるぞ」
「迫られたけど、約束を守って見せてないわ、ああん、信じて、お願いっ」
 よがり声で必死に訴える彼女を鼻で笑って言い返してやる。
「連中もそんなこと言ってたが、好きな女の言葉はぜんぶ信じるのが男ってもんだ。ココで覚えとけ」
「ふああっ、それ、本の中のセリフじゃないの、ああ、キザよ、あああ、でも、素敵、痺れるぅッ」
「タマキのマ×コがそうだってのは、言われなくても分かってるよ」
 ネチネチ摩擦している肉溝には、楕円のシミができていた。
「エロい気分になってる証拠が広がってきたぞ」
 擦れば擦るほど面積が広がり、レモン臭がする体液で指まで湿りだした。
「ますますイイ匂いして誘ってやがる。たばかり上手のココの誘惑は、ストレートだな」
 指を遠ざけると、長丸に薄く黒ずむコットンのあわいと長く糸を引いた。
「えぇ……やめ……ちゃうの……?」
 最初は乗り気を見せなかった女子が、未練がましく見つめてくる。
 上気して軽く息の上がった様子は、絶頂しかけていたとしか思えない有り様だ。
 クラスメイトで図書委員のウブな同僚を翻弄したときからは想像できない、被虐美を体現した容貌だった。
 彼女はまだまだ、男に責められたがっている。
「まさか」
 ニヤリと笑ったヒロトは、被服を一枚一枚脱いでいった。

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夜山の休憩所 2022/03/01 00:00

【再掲載】魔滅の巫女(書き下ろし小説アップしました)(2022年03月01日)

●販売店 https://amzn.to/35stp1d


いつも応援ありがとうございます。

100円の有料プランにて、
本日発売の同人作品をアップしました。

内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)
・表紙の帯なし差分

最後になりましたが、
この記事は先月の発売日に掲載したものと同じです。

今のところ私の場合、
有料プランにアップした内容は、
翌月にも再掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「魔滅の巫女」(Shrine maiden warrior of Setubun)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で80ページ程度)

●ご紹介
 小説でよくわかるかも知れない節分。

●傾向 
 書き下ろし。短編。節分。
 戦うヒロイン。巫女。鬼。
 凌○。快楽責め。
 キス。キスハメ。オッパイ。
 後背位。中出し。フェラチオ。輪○。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
 https://amzn.to/32U1I0v

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 木森山水道(きもりやま すいどう)
 (石川檸檬、石川れもんの別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定)
・「ちょろヒロイン即堕ち2コマ集」ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「魔滅の巫女」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。



     1

 おにはーそと、ふくはーうち。

 からっ風が吹く寒空の下。
 素足の小男は、月下の凍えた雪道で顔をしかめた。
「どこまで行っても、どこの家でも、バカみたいに同じ文句を唱え、忌々しく豆を撒いてやがる。己らの浅ましさに気づきもせずによォ」
 白目がちで深緑色の細い瞳が禍々しく光るものの、薄汚れたトラ柄の腰巻き一丁で骨と皮だけの身体をさすりながらでは、惨めでしかない。
 太い剛毛がうねる頭から漆黒のか細い角を生やす薄緑色の痩躯は、ときおり吹く冷え切った強風にたたら踏みつつも、行き交う人もない住宅街を進む。
「あん?」
 気付くと行く手の真ん中に、若い女が佇んでいる。
 足音はまったくしなかった。
「季節の境界に現れる邪気の化身……」
 白く整った細面の紅をさした唇から、よくとおる凜々しい声がした。
「巫女が祓うは世の太平を願うが故……」
 女にしては背が高く、神木と崇められる樹みたいに背筋の通った身体は、路肩に寄せられた雪よりも神秘的に光る白衣と、炎めいた緋袴、それに足袋と草履を纏っていて、周りの空気すら清浄に見せている。
「如月美春、参る!」
 夜よりも黒々とした前髪の左右をピンで留め、腰まで届く後ろ髪を低い位置で垂髪にしている巫女が、裂帛の気合いを放つ。
 異形の小男の目から、巫女の華奢な両肩から先が消えた。
 呑気に目を瞬かせた自分を罵る暇もない。
 気付いたときには、白衣緋袴は手にしていた弓を構え終えている。
 容赦の気配など一欠片もない、まつげの長い切れ長の目は、こちらをひたと見据えていた。
「ギャァァァッッ! お、オレの目が、目がァッ!」
 刹那、頭の中まで苛烈な灼熱感で満たされた。
 潰れた目で見たのは、矢を放ち終えた姿だったのだ。
 しかも女は、間髪入れずに二本飛ばしていた。
 一瞬呆けた己を罵倒する前に、軽すぎる身体をひねったお陰で、片眼のみを貫かれるだけで済んだ。反対の目を狙った矢は、顔面の左下を大きく抉って後方に消えた。
「どう見ても若い女のクセに、神棚で清めた炒り豆じゃなく、桃の弓に葦の矢の電光石火で両目を潰しにくるだと?」
 難を逃れた左目に映る横手の路地へ飛び込み、一目散にとん走する。
「己を〝魔(ま)を滅(め)する〟豆としているどころじゃねぇ……毘沙門天の化身かよ!」
 人間ならば噴き出るべき体液は一滴もこぼれていないが、死ぬほど痛い。
 泣きわめかずにはいられなかった。
「ひぃぃ、目がいてぇッ、口の横がいてぇッ、空気が歪むまで熱くした焼きごてを、ひぃぃぃッッ、常に押しつけられてるみてぇだ!」
 街灯にぼんやり照らされた雪道をひた走る。
 聞こえてくるのは、周囲の家からくぐもって響く祈りの文句と、見た目の割りに大きく甲高い悲鳴と、みっともない駆け足の音のみ。
 だが、立春に現れた鬼である自分を殺すと宣言した巫女が、追ってこないわけがない。
「走りながら逃げる獲物を矢で射貫くのは、達人といえど困難。力を温存して追いかけ回し、疲れるか隙を見せるかしたときに狩る腹づもりに違いねぇ」
 無駄なく着実に追いこむやり口を感じて、雪道よりも背筋が凍えた。
 逃げ場があるとも思えない。
 風習が形骸化している現代らしく、神棚で清めた炒り豆を使わず、落花生の類いを放っている家がほとんどなものの、豆類は素でも神聖なのだ。
 撒いて清められた場に踏み込めば、巫女に射られるのと大差ない痛苦に襲われるのは必至。何歩も進まないうちに消滅してしまう。
「クソがっ……だが、このオレが生まれたんだぞ、なにもかもおキレイに完結している世の中なら、生まれるワケのない邪気の化身が現れたんだぞ!」
 あてはないものの、自分がいることが希望だった。
 産まれ落ちたものに共通する生存本能のままに、かいた汗が矢を生やした目に流れるのも構わず、白い息を吐き散らして駆け抜ける。
 どのくらい走ったろう。
 息は上がり、目は掠れ、振り続けた手足が痺れて感覚がおぼつかなくなってきた。目どころか全身から葦の矢を生やした自分の姿が脳裏を掠めだした頃、待ち侘びた言葉を耳にする。

 おにはーうち、ふくはーそと!

 鉛みたいに重かった胸が躍った。
「おお……これだ、この言葉を聞きたかった……この怨念を浴びたかった!」
 最後の力でアイスバーンを蹴り、古く陰気なアパートの庭先に飛び込んだ。
「しめた、柊鰯もねぇぞ、これなら侵入できる!」
 雪かきもされていず、膝まで積もったままの凍った雪肌に顔面から突っこむ。
「弱り切るまで後追いしていたのが仇になったなァ、クソ巫女ッ! ここからはわしが主役よォ!」
 キバを生やした大口を開け、バラ撒かれていた落花生を泥混じりの雪ごと存分に食らう。粗野な咀嚼音がする度に、砕けた殻がヨダレごと飛び散っている。
「な、なんだこいつッ」
「アンタ……落ちた豆を食うほど腹が減ってたのか?」
「よく見れば、パンツ一丁の裸じゃないかっ」
「角を生やして身体も緑で……節分の鬼役のバイト中……?」
「こんなに哀れに痩せこけてるのが、コスプレなもんかよっ」
「女も仕事もカネもない、すかんぴんのおれらより酷ぇや」
 サッシから顔を出すむさ苦しい男達が同情し、鬼の快哉が響き渡る。
「わははは、世の中への不満、成功者への嫉妬、己の境遇への呪詛……大地と人の信仰が付与する理力が、邪気で塗りつぶされている豆は実に美味い!」
 骨と皮だけの身体が、みるみる太く逞しく膨れあがっている。
 ついた肉は筋骨隆々の大男の形を作っていった。
 貧相な体色も、灼熱の精気が溢れる赤いものへと移っていく。
 顔面の損傷は広がって伸びる肉と骨で埋まっていた。ごく自然に押し出された目の矢は雪の上に落ち、大喜びで力の源を食らう鬼の大足の下敷きになって粉々に砕ける。
 と、鋭く大気を切り裂いて、葦の矢が飛んできた。
「今のわしに通じるものかっ……うおッ!」
 殺気に振り向き、後頭部を狙った矢が五本もあったのを目視して仰天した大口で、ぜんぶかみ砕いて吐き捨てる。
「同時にこんなに射られたとは、若いのに末恐ろしい巫女だわい。物心つく前から、血の滲む鍛錬を積んできたのだろうなァ」
 腕を組んだ仁王立ちで、庭の端に佇む女を見返す。
 短くない時間、弱っていたとはいえ異形と追いかけっこをしてきたというのに、息がほとんど乱れていない。
 とはいえ、密かに焦っているのは、冷酷な狩人には不似合いに、獲物をねめつけているのが物語っている。
 顔よりも大きい女の連山でパンパンに張り詰めている白衣が、ゆっくり上下しているのも、心拍数が不穏に上がっている証拠だ。
「この場でぜんぶ、成果は淡雪よりも儚く消える。わしが消すからだ」
「少しばかり力を得たからと浮かれ、なにもかも思い通りになると思ったら大間違いですよ……ッ」
「ようやく出たまともな言葉は強がりか……膝を着いて赦しを乞えば、叶えてやらなくもなかったのだがなぁ」
 今度は巫女の目から、鬼の巨体がかき消えた。
 目を見張った次の瞬間、抜群に胸が大きい白衣姿が、くの字に折れる。
 岩石と見まごう鬼の拳が、深々とめり込んだのだ。
「かはっ」
 割り開いた紅唇から若い娘の甘いツバが飛ぶ。
 スカート型の緋袴は宙を舞い、白く眩しい太ももの半分以上が露出した。
「トラ柄パンツの鬼こそ地上最強ぉぉぉぉぉ!」
 身体をひねり、突き上げる勢いに遠心力を上乗せして、拳を振り抜く。
 圧倒的な力の差を思い知らせていた狩る側が、狩られる側の一撃で、人形みたいに吹き飛んだ。
 アパートの開いていたサッシから和室へ飛び込み、黒く汚れた柱に当たって畳へ跳ね返る。
「な、なんだよこれっ」
「貧相なバイト鬼が、落花生を拾い食いして本物の鬼になって……」
「なんか、矢を撃ったっぽい巫女さんが反対にぶっ飛ばされた……?」
「ひぃぃぃ、わけがわかんねぇ! 夢を見てるのかおれはァ」
 男達が頭を抱えるのを尻目に、鬼がのっそりやってくる。
 太く邪気が漲る一本角から室内に入り、凶悪に爪が伸びた足でレールを跨ぎ、洗い立てみたいに輝くトラ柄の腰巻きを翻して、仰向けで苦しげに呻く巫女を見下ろす。
「重症ではないが、しばらく動けまい」
「くぅ……わたしは……ッ」
 なんとか立ち上がっても、千鳥足で小さく震え続ける白衣姿に、赤鬼へと変貌した邪気の太い眉が「ほう、思ったよりやる」とばかりに上がる。
「わしを消そうとしたお返しに、祓おうとした鬼に負ける意味を教えてやろうと思っていたが、想像以上に嬲り甲斐がありそうだわい」
 邪気の化身は含み笑いした。

     2

「邪気祓いの巫女を……」
 吹き飛ばされても外れなかった背中の矢筒から、よろよろと二本の葦の矢を掴むと、固く握りしめた。
 外で殴られたとき、弓は取りこぼしてしまっている。
「甘く見ないでください……ッ」
 いくら圧倒的なまでに力が増したとはいえ、邪気の化身であることには変わりない。
 急所は、ランランと光る白目がちな両目だ。
「ハァァァァッッッ!」
 なけなしの力を振り絞り、見下しきった目つきで見下ろす化生に飛びかかる。
「のろいのろい。あくびが出るわ」
 またもや鬼の姿がかき消え、次の瞬間、後ろから頭を掴まれた。
 陰気に薄汚れた部屋を転げたときに、埃がついた白衣姿がデタラメに弾み、巫女の仕事に不必要なのに、やたら大きくて邪魔くさい肉の小山も宙で踊る。
「嬲るために手加減したとはいえ、わしの拳を受けてこれほど動けるとは驚いたぞ。これはますます、責めがいがある」
 筋骨隆々の赤鬼が舌なめずりした。
 緋袴を畳に立たせ、後頭部を掴んでいた手で若い女の頬を撫でつつ、細く尖った顎を掴む。
「な、なにをするのですかっ」
「路上で出くわし、追いかけられていたときは恐ろしくて憎らしくて仕方なかったが、こうしてよく見ると、なかなかのべっぴんではないか」
「わけのわからないことを……離しなさいッ」
 逃れようと身をよじると、空いている手で矢筒をむしられた。放り投げると、その勢いでお腹に巻き付いてくる。
「くっ……ぐうッ……」
 人間の倍は太い豪腕は、胸とお尻は抜群に大きくても、胴体は細身の娘を完全に抑えこんでしまう。額に汗して抜け出そうとしてもビクともしない。
「凜々しいが金平糖を思わせる甘い声音からも、喋り方や立ち振る舞いからも、品性が溢れている。この紅唇が象徴的だなァ」
 静かに白く光るおしろいの細面で、炎みたいに赤く浮かび上がる唇に目が細まった。
 紅を塗った若い唇は、柔らかく膨らみながら眩しいまでに照り光っている。
 見れば見るほど魅惑的で、ニヤニヤ笑うのが止まらない。
「まずはここからだ」
 上品で瑞々しい唇の官能的な吸引力に乗り、名前とは反対に黒ずんで無骨に分厚い唇を押しつける。
「んむぅッ」
 劣勢でも敵愾心を失わない切れ長の目が、大きく見開いた。
「い、いやですっ……むぐぅぅッ」
 倒そうとした異形に唇を奪われるなど、この上ない不覚である。
 邪悪な存在に、巫女として飾った部位を蹂躙されるおぞましさもあり、振り払おうと頭を振りにかかる。
 だが、長く尖った爪の手指の力は絶大で、ピクリとも動かせなかった。
「正気ですかっ……んぷぅ……わたくしは、お前を消そうとしている巫女なのですよっ……んぶぅッ」
「わしは人間の邪気……悪徳の化身だぞ。常識を説くなど噴飯ものだなァ、ぶちゅぅッ……ぶじゅぅぅッ」
 目だけで嘲笑して、ついばみ気味に口唇を押しつけてくる。
 戦乙女の紅唇は、強く触れる異形のに合わせて何度もめくれてひしゃげた。
「破った巫女を穢すのは愉快だが、んむぢゅ」
 恐ろしくもうら若い女の唇は、神秘的なまでに柔らかくて接触感がいい。
 何度触れても、化け物の唇にも優しく吸い付き、絶妙に引っ張る。
 唇の間から漏れる吐息や唾液は、きび団子めいた仄かな甘みを孕んでいて、豊満な紅唇の感触との相性は抜群だった。
「それを抜きにしても、紅をさしたこの唇は絶品だわい、はむっ、はむちゅぅ」
 繰り返し押しつけるだけでなく、上唇と下唇を交互に自分ので挟んで弱く吸うこともする。
 自分から吸い付くと、向こうの吸い付きがいよいよ増して、一段と心地いい。
「あっ、気色の悪い、んっ、んふぅっ」
 祓うべき異形に乱暴されるしかないのは情けなくて、目尻に光るものが浮く。
 だが、振り払うこともできず、されるがままでいるしかなくても、屈するつもりはない。
 頼みの綱の両手の矢を握りしめて耐える。
(この者は自分の優位を疑わず、調子づいています……であれば、必殺の一撃を双眸にたたき込む機会は遠くないはず)
 自分に言い聞かせて隙を窺う。
 けれど、一瞬でも早く終わって欲しい強引接吻を続けられていると、妙な情感が湧いた。
 禁欲的に鍛錬を積む乙女であっても、その前に健康な身体を持つ身である。
 粘膜同士の接触には、少なからず反応してしまい、唇全体がざわつく。
「んぅ……いつまで続けるつもりですか……んくぅ」
 顔を横に倒し、自分のを重ねたり、上下のを順番に吸い上げたりする異形を睨みつけても、種火めいた情動は消えない。
(この鬼……女性の扱いに……慣れている……?)
 山に籠もって修行に励んでいる立場でも、おぼろげに思い至った。
 性戯に長けているのでもなければ、好意など一欠片もない巫女を、夢見心地の境地に足を踏み入れさせられるわけがない。
(これは……考えていた以上に……いけないかも……)
 意識したとき、他者が息を呑む音が連続した。
「すげぇ……赤鬼が……学生級に若くて超美人の巫女さんの唇を犯してるっ」
「自分もしたことないけど……他人がキスしてるのをナマで初めて見たぞ」
「エーブイとは迫力が違うぜ」
 いつの間にか、七人の男達が周りを囲んでいた。
「み、皆さん、んぷっ、ご覧になりましたよね、はぷぅ、この者は大変危険な鬼なのです、どうか安全な場所へ退避してください、んぷぷぅ」
 キスされる合間に呼びかけるが、ひとりも微動だにしない。
「怨念をこめて豆まきをしていたお前らだ。富や名誉だけでなく、女にも縁はなかろう。すこぶる美しい巫女と醜悪な赤鬼の交わりを、しかと見物するがいい」
 男達は顔を見合わせたが、退出するものはいなかった。
 瞬きも忘れ、荒く呼吸をしつつ、手を伸ばせば届く至近から鑑賞し続ける。
「邪悪な者の誘惑に惑わされてはいけません、んんっ、人間らしい心を強く持ってください、あふっ、これは婦女暴行の現場でもあるのですよッ」
 誰も助けようともしないのは、気にならなかった。
 勇気や義憤で立ち向かってもらっても、酷い目にあうのは目に見えている。
 危機感に駆られるのは、別のことだ。
「この女は、お前らを苦しめる【正義】や【秩序】の守り手だ。わしが敵討ちをしてやる。一部始終を見届けるがいい……むちゅぅッ」
 傲然と言い放ち、男達の目に暗い炎がついたのを見届けた後、またもや唇を押しつける。
(ああ……やはり……鬼の力が増しています……っ……ただでさえ、手に負えなくなっているのに……ッ)
 常人には見えないが、女が乱暴される様子を性欲と憎しみ混じりに見る彼らからは邪気のオーラが溢れ、鬼へ吸い込まれている。
 人間の邪気の化身は、人々の悪徳の波動で無限に力を付けるのだ。
「皆さん、お願いです、人間らしい心で行動してくださいっ」
「鬼との接吻に悦びを覚えていた巫女が、よく言う」
 自分の口元を少し離し、彼女の紅唇と唾液の糸で繋がりつつ、嘲笑する。
「わ、わたくしは悦びなどっ」
「正義の女が嘘を吐くのか? ……まぁ、こんなにもたわわなメスの象徴をぶら下げているしなァ」
 お腹に巻き付けていた腕を肩に回し、白衣を撫でて、スイカみたいに丸く突き出ている片乳を鷲づかみにした。
「ふ、不埒者っ……女性の胸は子を育む神聖なものなのですよっ」
「お前ら見ろ。わしの大きな手でも、掴みきれない巨大さだぞ」
 広げた太い五指を白衣に深めに沈ませる。
 厚い布地は引っ張られ、顔よりも大きい片乳の輪郭が薄く浮いていた。
 呼びかけられた男達は口々に「すげぇ」、「こんなに美人なのに巨乳なのかよ」、「Gカップはあるぞ」などと呟いた。
 瞳のドス黒い炎は燃え上がり、一段と濃くなった邪気が鬼へ流れこんでいる。
「しかし、妙な手触りだ。乳当てでもしているのか? 巫女ならばのーぶらでしかるべきだろうが」
 またも大きな手が滑り、今度は身頃の内部へ潜り込む。
「それ以上、触れるなぁっ」
「追い払いたいなら、自分の手でしたらどうだ、ん?」
「くっ……なんて卑劣な……ッ」
 一縷の希望である矢を持つ両手がぶるぶる震える。
 片手で顎を、反対の手で肩の方から胸をまさぐられている体勢では、急所の目に突き立てられない。
 偶然とは思えなかった。睥睨する態度でありながら、反撃を受けないよう注意深く事を運んで、着実に辱めてくる。
「口だけか。本音は、唇だけでなく乳も気持ちよくして欲しいらしいな」
「バカなことを……く……あっ」
「この手触りは、今時の女らがするぶらじゃーではなく、サラシだな。くくく……見えないところもなんと時代錯誤なことよ」
 人間と遜色ない温もりがある手の平が、胸元をまさぐる。
 白衣は鬼の手の形に膨らみ、豊かな隆起をさする動きに合わせて蠢く。
「あぁ……いやぁ……ッ」
 男達の視線も強くなっていて、羞恥と屈辱で顔が赤らむ。
「どれ、邪魔な布は取り払ってしまおう」
 鋭い爪を突き立てて布地を破り、そのまま引きちぎってしまう。
 純白の被服の下から、長く綿を裂く音が低く響く。
 鳴り止むや否や、胸元は左右に分かれながら重たげにわずかに下がる。
「まさか……邪気への耐性を備えた……一種の鎧なのに……こうも簡単にっ」
「今のわしには造作もないこと。その気になれば、瞬きする時間でお前を八つ裂きにもできる。もったいないからしないがな」
 ハギレを適当に押しやってから、被服の下で裸にした片乳に触れる。
 五指で下乳を掴むが、ほんの少し凹む程度に親指を沈ませ、残りの四指は触れるか触れないかのタッチでさすってくる。
「唇もよかったが、オンナの膨らみもすこぶるよいな」
 親指を埋めては力を抜き、反発力で元の形に戻ったらまた埋めるという愛撫で感触を楽しみつつ、鼻を鳴らす。
「柔らかさといい、弾力といい、まるでつきたての餅ではないか。この大きさでこんな感触とは、やはりふしだらだ」
 下ぶくれしているラインをしつこくさするのにも、相好が崩れる。
「肌も申し分ない。しっとりと潤っていて、異形の指にも絶妙に吸い付いてくる。このなめらかさからして、キズの類いも皆無だ」
「わたくしに触れないでくださいっ……んぅっ……あふ」
 目だけを動かして睨むが、鬼の生臭い唾液がついて妖しく光る紅唇から、ときどき熱めの吐息がこぼれてしまう。
(接吻されていたとき以上に……胸が……ああ……落ち着きません……っ)
 親指が浮き沈みする内側には疼き混じりの、四指にまさぐられる外側にはくすぐったさめいた性感が湧く。
 触られれば触られるほど乳悦は濃く明確になって、無視できなくなっている。
「真面目に修行に明け暮れているのでは、こういう楽しみは味わえまい」
 親指が持ち場から離れ、他の指と合流した。
 長い爪を備えた鬼の手は、壊れ物を扱う手つきで下乳全体を撫でてくる。
「はああっ……くぅぅ……どうして……こんなに……ッ」
 くすぐったい性感が白衣の乳房を貫いた。
 一、二度さすられるごとに背中が落ち着きなく小幅に反れ、触れられていない反対側のオンナの膨らみも連動して揺れる。
「生まれつき淫らな乳なのだ。存分に楽しむがいい」
 今度はぜんぶの指を埋めてきた。
 甲も柔肉に包まれるまで時間をかけて深く沈ませた後に、脱力して反発力に押し返されるのを繰り返す。
「んんっ……いいように……くふ……玩弄されているのに……ああ……ッ」
 丹念で飽きさせない愛撫に、禁欲的なオンナも昂ぶる。
 乳房の体温は着実に上がり、比例して感度も増していた。
 五指が下乳に埋まるときには、胸の切ない詰まりとともに小さく仰け反り、解放されるときは安堵の溜息がこぼれている。
(なんてみっともない……あうう……けれど……っ)
 意志の力では身体の反応を止められない。
 こらえようとしても、鬼の手つきに従順で、痴態を演じてしまうのだ。
(胸が……熱いです……ああ……普段はなんともないのに……サラシを破られてしまったのに……なぜこんなに……白衣を窮屈に感じるのですか……)
 肌に沿う小さいものを無理矢理着させられ、炎天下に放り出された気分だった。
 整った細面は赤らみ、薄く汗が浮く。
 胸元はもっと酷く、汗だくになっているのは見なくても分かった。
「おやおや。敗者の権利を貪るにしても、少々いきすぎではないか?」
「んんっ……なにを言ってるのですか……はああ」
「こういうことだよ。そらっ」
 身頃を割って潜り込んでいた手が出てきた。
 甘い香りの汗で全面的に濡れた赤黒い手は、乱れた合わせ目を力尽くで順番に外側に引っ張る。
「あっ……そんな……ッ」
 秘められていた巫女の双乳が、被服を押しのけて転げ出た。
 己の顔よりも大きい膨らみは、一緒に引き出されたサラシの破片が舞う中、何度か粘っこく揺れた後に落ち着く。
「おおっ……とうとう巫女さんのナマオッパイきたッ!」
 固唾を飲んで見守っていた男達が、一斉に身を乗り出した。

     3

「み、見ないでくださいっ……女性の胸元は、好きに目にしていい場所ではありませんよッ」
 巫女の仕事には不必要なだけに、執着の薄い部位だが、衆目に晒されて平気なわけではない。
 濃い落ち影を生み出しながら片方ずつ左右に別れ、乳頭もそっぽを向き合っているオンナの柔らかい膨らみをまとめて両手で隠そうとして、ハッとした。
「触れたら折れてしまいそうなか細い腕で、少しでも覆わないのか? 奴らが女に飢えているのは、邪気を吟味せずとも目つきで分かる。思い切り見られるぞ」
「くぅっ……」
 赤鬼の含み笑い混じりの忠告は言葉責めだった。
 一発逆転の武器である矢を持ったまま両腕を交差させて胸部を守ったら、握ることへの意識が疎かになるし、体勢も不安定になる。常人離れした鬼に矢を掴まれ、引っ張られたら、こらえきれずに離してしまうだろう。
「卑怯……者め……っ」
 女であることよりも巫女であることを選んだ。
 イヤな汗が噴く手の平で、腰骨の少し下まで腕を垂らした状態のまま、矢を握り直す。
「ほんとにすげぇっ……白い服を着てても大きいと思ったけど……」
「脱ぐとさらに巨乳とくる……いや、これは爆乳だっ」
「熟女ならともかく、どう見ても学生してても不思議じゃない若さなのになぁ」
「だから、余計に色っぽい……というか、いやらしいぜ」
「しかも、常在戦場って感じの巫女さんだぞ」
 歯がみし、顔を背けて胸を無防備にしても、男達は良心の呵責を覚えるどころか、ますます興奮した目つきで凝視してきた。
 白衣を根元からかき分けて露出している柔肉の膨らみは、外に積もった雪よりもなめらかで、シミもキズもひとつもない。瑞々しく鎮座する様子は、若く健康な色気で輝いている。
「ちょっとオイリーなのは、赤鬼に悪戯されて感じてた証拠だな」
「先っぽも見事だぜ」
「ほんとだよ。フレッシュな色合いでさ。まさに乙女の鑑って感じだぜ」
「普通の女より面積が広くて太めだけど、爆乳とバランスがとれてて色っぽい」
 乳暈と乳頭は、薄いピンク色に光っていた。
 だいぶ充血しており、肉の土台は杯を逆さにした形に盛り上がり、中央に太く屹立する尖りも見るからに硬く、しかもときどきヒクンと強く脈打つ。
「くぅっ……おっしゃらないで……ください……ッ」
 男達の視線は、刻一刻と粘っこくなる。
 まるで七人全員にまさぐられている気分だった。
 誰にも見せない部位を、好き勝手に品評されるのも恥ずかしくて屈辱的で、顔が猛烈に熱い。
「隠しもせずに自分から見せているくせに、よく言う」
「元凶のくせに、バカなことを言わないでくださいっ」
「こんなにもいやらしい乳をぶら下げて、少し触ってやっただけで淫らに興奮しているオンナに反論されても、挑発されているとしか思えんなァ」
 顎を掴んでいた手も、贅肉のない素肌をすべる。
 鬼の大きな両手は、わきの下をとおってたわわな膨らみを下から掬う。
「やはりやわこいな。それでいて、弾力が申し分ない。しかもこの大きさ、重さでだ」
 開いた十指を軽く広げ、乳肉に浅く沈ませつつ、双乳を同時に内回しする。
「んっ……また……くぅっ」
 熱さと狭窄感から解放されると、一段と感度が上がっていた。
 倒すべき異形に甘い香りを放つ下ぶくれを鷲づかみにされ、軽く根元から捏ねられているのに、先ほどよりも性感が起こる。
 胸の奥がざわめくというよりも騒がしくなり、薄いピンク色の斑点が乳肌全体に散らばりだす。
「わしの手の中で指に押されて形が変わっているのも、揺すられて波打っているのも、無様なものだ。なのに、悦びを覚えているとくる」
「んんっ……わたくしは……べつに……んふぅっ」
 揶揄されて悔しいが、息は着実に乱れている。
 自分でも聞いたことがないほど鼻にかかった声が出るし、ふしだらな呼吸音になってしまう。
「こうされるのはどうだ、ん?」
 手の平で下乳を少し持ち上げつつ、親指が埋まるまで内側に沈ませた。四指は束ねて外乳に触れる。そうして腕を左右に振りだした。
「んぅっ……今までよりも……ふぁぁ……お肉が流動して……感覚も……っ」
 親指をひっかけたまま限界まで外側に押しやっては、一瞬ですべての力を抜いて反発力に乗り、柔らかい膨らみを定位置に戻し、また押しやるのを繰り返す。
「くぅ……ふぅぅッ……ああ……こんな……ぁ」
 着衣で責められていたときよりも、胸元全部が火照っている。
 熱を伴う甘い性感に、不感症でない証拠のピンク模様が、見間違いようがない濃さになっていく。
 四指を添えられている横側では薄い青筋が浮いていた。
「ああ……そんなにしつこくされたら……はあああ」
「己のイヤらしい部分を、執拗に嬲られるのがいいのだろう、ん?」
 赤鬼のギラギラした視線は、自分の手の中でひしゃげては戻る肉のスイカから、先端に移る。
「なんとも気持ちよさげに、切なげに勃ちおって。敵である鬼にオンナの証を嬲られるのが、そんなに心地よいのか、ん?」
 先端は完全に勃起していた。
 乳暈はパンパンに張り詰めている。ピンク色の尖りも負けじと、よく実ったブドウの粒みたいに太く長く斜めに屹立しつつ、強く小幅な振幅を繰り返していた。
「甘酸っぱい匂いを濃く放ちおって。目立つ乳房に負けまいと、オスを誘惑しておるわい」
 禁欲的な巫女のカラダのだらしのない反応にニヤニヤ笑い、人指し指を向かわせる。
 内側から外側へ押しやる愛撫を続けながら、充血した尖りを下から弾く。
「ふあああッッ……ああ……なんなのですか、これはっ……ああンン」
 間隔を置いて弾かれれば弾かれるほど、鮮烈な快感電気が流れる。
 カラダは勝手に反応し、今までよりも幅広く仰け反り、下から鷲づかみにされている豊胸が波打った。
「くぅぅッ……今までとは次元が、ああンン、ち、違いますっ……あああっ」
 どうしても黙っていられなくて、ふしだらなあえぎ声が出てしまう。
 迸る声は確実に甘みが増しており、自分の声音なのが信じられない。
「ほんの少し弄ってやっているだけなのに、随分な反応だなぁ。相当、性欲がたまっていたらしい」
「わ、わたくしには、はあ、そ、そんな、ああッッ、ものぉ、ああんん」
 反駁もままならない。
 硬く淫らな尖りを弾かれるだけで、意識が途切れて甘く叫んでしまう。
「ここまでふしだらなオンナなら、乳だけで満足できまい。どぉれ」
 白衣を引っ張って乱したときに帯が緩んだ緋袴の穿き口へ、片方の手を這わせる。
「ま、まさか、はああん、お、おやめなさいっ、ふああっっ」
 制止の声は完全に無視された。
 緋袴と白衣の裾をかき分けて潜り込んだ鬼の手指は、オンナの中心で止まる。
「ここだな。ほほぅ……やはり、熱く湿っているなぁ。異形に乳を嬲られて、股まで濡らすとは、思った以上のはした女らしい」
「で、デタラメを吹聴しないでくださいッ」
「また嘘を吐くか。自分のカラダだ。本当は分かっているのだろう? 股ぐらの入り口から子を孕んで育む聖域までが、子づくりの開始を待ち侘びているのを」
「ぐっ……そ、それは……っ」
 ハッキリ問われては、反論しようがなかった。
 確かに今や、胸元だけでなく股間まで熱くなり、しかも潤っているのが自分でも分かる。
「お前は敗者らしく、勝者に嬲られる権利を貪るのだな」
 尊大に言い放って、緋袴の裏を軽くまさぐる。
「この手触りから材質と形状を察するに……ぱんてぃーとやらではないな……ははは、そうか、フンドシか。こんなところまで時代錯誤とは徹底している」
「巫女の正式な装いですっ……鬼などに馬鹿にされる道理はありませんッ」
「では、己の信念の象徴に甘美に苛まれるがいい」
 親指と他の四指を大きく離し、胴底にかかる白い布地を確実に掴んで細くより合わせる。
「な、なにを……」
 次の瞬間、紐状に捩れた下着がお腹側へ引っ張られた。
「はうぅぅぅッッッ!」
 引き絞られた布地は寸分違わず淫裂へ落ち込み、ぐいぐい食いこんでくる。
「くぅぅっ……こんなことまで……はああぁぁ」
 ふしだらに敏感になっていた場所が、濃密な性感の塊になった。
 鬼は、引っ張っては緩めるのを繰り返す。
「なんて穢らわしい……ぐうぅぅぅ……やり口でしょうっ……ふぐぅぅぅ」
 肉溝の内側を巻きこんで、無理矢理押しこまれては自然な形に戻される緩急は堪らなかった。
 足袋と草履の両足は爪先立ちになりながら震え、緋袴のお尻がどうしてもくねって、帯の先がゆらゆら揺れる。
 そうこうしているうちに、最後まで乳房を責めたてていた手も降りてきた。背中側から回り込み、逆手で着衣の股間を鷲づかみにする。
「あああッ……そ、そこまで、ああンン、す、するのですかっ……はああっ」
 逆手に掴んできた手は、探り当てた陰核を親指で押して転がし、陰部から臀部の裂け目にかけてを優しく強く揉みこむ。
 その間、反対の手で下穿きを引いては緩ませるのも怠らない。
「ああっっ……だ、だめです……あああぁ……ああんん」
 女の急所を両手で徹底的に責められては、昂ぶったカラダはひとたまりもなかった。
「くぅ、ふぅぅぅッ、ああん、や、やめてください、あああンン」
 急所を責めたてられる悦びは、刻一刻と甘く濃密に肥大している。
 爪先立ちの両足どころか、腰から上も震えっぱなしだ。
 顔より大きい裸の双乳も、かいた汗で艶めかしく輝きつつ、気持ちよさそうに弾んで波打っている。
 そそり立つ先端の尖りも濃い体臭を放っており、ときどき、汗の粒が飛んでいた。
「すげぇ……美人の巫女さんが……オッパイ揺らしてよがってる」
「ナマで見てる分、えーぶいよりも迫力あるな」
「見ろよ。袴に恥ずかしいシミができ始めたぜ」
 男達の声に反応した風に、鬼の両手がゆっくり離れた。
 皺だらけになっている股ぐらには、大きめの楕円のシミが浮いている。
「もっとよく見てやるがいい」
 汗とレモン臭がする恥汁で濡れた手は、スカート型の緋袴をからげた。
 ハチも顔負けのくびれまで上げると、丸めて帯の内側に突っこむ。
「はあ……はあ……あああ……そんな……ぁ」
 悶え疲れた巫女には、隠す気力もなくなっていた。
 禁欲的な戦乙女であっても捨てられないオンナの証が、薄汚れた畳の部屋の中で、異形と男達に向かってさらけ出されている。

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