夜山の休憩所 2022/04/01 00:00

【再掲載】たばかりギャル(書き下ろし小説アップしました)(2022年4月01日)


いつも応援ありがとうございます。

100円の有料プランにて、
先月発売された同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)
・表紙(トリミングなし)
・表紙の帯なし差分(トリミングなし)
・表紙(カットなし。全身像)

この記事は先月の発売日にも掲載しました。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月にも掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「たばかりギャル」(She is a single-minded swinger)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で80ページ程度)

●ご紹介
 真面目な読書男子のモテ期到来。

●傾向 
 書き下ろし。短編。ギャル。
 学園生。クラスメイト。図書委員。DT。
 女性責め。逆転。快楽責め。あまあま。
 スキンシップ。オッパイ。パイズリ。フェラチオ。
 体面立位。中出し。
 半脱ぎ。授業をサボってヤリまくり。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3sJ4akj

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 石川れもん(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川檸檬の別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「たばかりギャル」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 一 寬人(ニノマエ ヒロト) 図書委員で本の虫。友達がいない真面目男子。

 早乙女 珠輝(サオトメ タマキ) 図書委員のギャル。進んでいる女子。


目次

1 はじまりの柔肌の甘み 
2 仕事中の蜜奉仕
3 真相
4 着衣でも赤裸々に剥かれていくギャル
5 いつわらないふたり

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。



      1 はじまりの柔肌の甘み 

「暇だし、お互いのオススメを読み合お」
 クラスメイトで同じ図書委員の女子の提案に、一ヒロトの目は丸くなった。
 よく晴れた日の昼休み。
 学生達の喧噪は、校舎の外れの図書室からは遠くに聞こえる。
 当番でカウンターに座るふたりの他は誰もいない。
 早乙女タマキの友達がおしゃべりに来ていたが、もう出ていっていて、本に囲まれた室内は静まりかえっている。
「さっき、友達に返してもらったあたしのと、一くんが読んでるソレでさ。何回か見たことある本だし、読んだんでしょ?」
 愛想よく話しかけてくる女子は、セミロングの髪を明るい金髪にし、緩いウェーブをかけている。大人とも子供ともつかない顔立ちだが、かなり整っている方なのもあって、真っ直ぐに見つめられると心臓が跳ねる。
「いい……けど」
 歯切れの悪い返事をさせた狼狽えは、彼女はこれまで、仕事に関係なく話しかけてきたことがないからだ。
 割り当てからふたりで図書室に座っていても、暇なときは手鏡をのぞいたり、ツメの手入れをしたりするなど、オシャレに没頭している。ヒロトにしても隣で本を読むだけで、話しかけることはないのだが。
(どういう風の吹き回しだろう)
 訝しく思いつつ、自分のを渡す。
 ロクに交流のない女子でも、好きな本に興味を持ってもらえたのには、悪い気がしなかった。
「サンキュ。じゃぁ、これ」
 ツメが鮮やかに赤い手指で差し出された文庫には、カバーがされてあった。
 やるべき仕事はソツなくこなすものの、軽薄な出で立ちを好む性格は、自分とは正反対。趣味は合わなそうだが、他人に愛読書を読んでもらいたい欲求はわかる。
(ちょっと楽しみになってきた)
 今風の女子が好むものといえば、やはり恋愛小説だろうか。
 あまり読まないジャンルだとしても、ちゃんとぜんぶ読まなければと心に決めて、最初のページから読み進める。
 抗議の声を上げるまで、五分もかからなかった。
「ちょっと、コレッ……コレぇッ」
「ん……乱丁か落丁でもあった?」
 彼女は一ページ目から読んでいた本に、付属の栞を挟んでから見返した。
 不思議そうに首を傾げてくる。
「ページは順番どおりで抜けもないけど……えろ……いやその……すごい描写があるんだけどっ」
「あ~、エロい描写のことかぁ」
 大人っぽく落ち着いた面差しが、悪戯に成功した子供みたいに変わった。
「間違って渡したんじゃないのか……」
「折角、オススメを読んでもらえるチャンスなのに、不意にするわけないわ」
「きみは、こういうのを読んでるのか……まだ学生なのに……」
「ティーンを中心に売れてるって、テレビや雑誌で紹介されてるやつだよ。一くんは読んだことないみたいだけど」
「オレはこういうのはちょっと……」
 肉体は子づくりできるようになっているので、興味がないと言えば嘘になる。
 だが、大人が作りだしている、若者が性的なものに触れるのを禁じる空気に逆らってまで、感受する気にはなれない。
 普段は興味ないという顔をしているのに、ロクにおしゃべりもしたことがない女子へ、秘めた感情をさらすのも恥ずかしかった。
「読まず嫌いはもったいないって。でも、興味ないのを読んでも、活字を目で追うだけの作業。面白くないよね……そうだ!」
 椅子から立ち上がったタマキは、ごく自然に距離を詰め、近い方の肩に手を置いた。
「ッ……!」
 男のものとは別次元に柔らかくて温かい感触は、学園指定のワイシャツと肌着の向こうからのし掛かっている。
 生まれて初めて感じる気持ちのいい接触感に、本の虫で女子に縁のない男子の肩がビクッと跳ねた。
 わけがわからないうちに、さらにとんでもないことが起こる。
「ん、しょっ、と」
 タマキは大胆に片足を上げ、椅子に座る男子の腰を跨いだのだ。
「な、なな、なにやってるんだよッ」
「対面座位の挿入抜き」
 ラーメンでも注文する風に言った彼女は、反対の手も肩に置き、くつろいだ様子で男の股間にお尻を付けた女子はケロリとしている。
 だが、自分は平静ではいられない。
 ほのかに漂う清涼系の香水が鼻腔をくすぐる。
 制服のスカートは、太ももの付け根近くまでずり上がっている。ナマの太ももの感触はズボンを越えて伝わってくる。
 一緒に仕事をするときなどに感じても、恋人でもないのだからと無視してきた存在感を、まともに浴びせられているのだ。
 どれも、第二次性徴を済ませた男子には心地のいい毒で、心臓が早鐘を打って止まらない。
「顔赤いね。ドキドキしてる?」
「こんなことされたら、当たり前だろっ」
「意識してくれてるんだ。嬉しい」
「からかわないでくれっ」
「でも……心底イヤな感じではないでしょ?」
 見透かした眼差しには即答できなかった。
 恥ずかしいわ緊張するわで心の中は乱れきっていても、伝わる女子の感触は、気持ち悪いものでは断じてない。
「実際に体験するわけじゃないけど、嫌いじゃないなら、こういうことが書いてる本を読んでも楽しめるはずよ」
「だとしても、なんでこんな……」
「あたしがどういう本を読ませようとしたか、活字で確かめる前に実際にしてあげた方が、分かりやすいと思って」
 悪戯っぽくはあるが、悪気の気配の見えない目を合わせ直した後、上半身で覆い被さってきた。
「っう……!」
 首が交差するまで密着された。
 女らしい膨らみが胸板にぐいぐい食いこんでくるのに、息が止まる。
 同僚の胸元は学年でも豊満な方だ。
 顔くらいのサイズを誇り、いつも広く開けている襟ぐりでは、ムッチリした膨らみが押し合っていて、影の濃い谷間が覗いている。
 普通ならば鼻の舌を伸ばして見るしかない、女子のたわわなシンボルは、ブラウスと下着が間にあっても、すこぶる柔らかい。男子の無骨な胸板には、蕩ける電気が湧いている。
(オッパイが当たって……匂いも……っ)
 外見と違って控えめな清涼系の匂いも、ここまで近いと存分に鼻腔を揺らしてくる。うなじから漂う温かみのある体臭も感じられて、頭がクラクラしてきた。
「ま、まずいよ……早乙女さん」
「タマキって呼んでくれなきゃ、返事しない」
「じゃ、じゃぁ、タマキ……さん……やばいっ、て」
「なにが?」
 言い直すと素直に応じてくれたが、心底動揺する自分と違って、相変わらず平然としている。
「オレたち、恋人同士でもないのに……こんな……いやらしいこと」
「ただのハグよ。でも、気にするなんてカワイイっ」
 ますます強く、胸元を押しこんでくる。
 被服の向こうで、秘めた膨らみが平たく潰れているのが、なんとなく感じ取れた。
「誰かに見られて誤解されたり、噂されたりしたら、イヤだろ?」
「この時間のココは、閑古鳥の巣じゃない。誰も来ないって」
 なにを言ってものれんに腕押しのタマキは、問答はここまで、今度はこっちのターンと言わんばかりに、首筋に唇を押しつけた。
「ああっ……ッ」
 堅いことを言っていた口から、情けないあえぎ声が飛び出た。
 優しく触れている唇も柔らかくて温かい。
 首筋から甘い波動が全身へ広がり、肉体の強張りがなくなっていく。
「奥手の男子を好きになったヒロインが、こうやってリードするシーンまで、読んでくれてた?」
 囁き声が吐息とともに耳の奥に染みこむ。
 タマキの声は、いわゆるアニメ声でかなり可愛らしい。
 粘っこい声質になると、途端に妖しい色気を醸し出して、聞かされる頭の中はますます白く染まる。
(あぁ……もう……)
 肉体の奥底から、性の情動としか言いようがない気配が噴き出してくる。
 本を勧めるためとはいえ、若くて豊満なカラダの気持ちよさを存分に享受させる女子を、思い切り抱きしめたい衝動に駆られた。
(我慢……できないッ)
 震える両手が華奢な背中へノロノロ回る。
「ここはヒロインが主導するパートだけど……ヒロトくんがしたいようにしてもいいよ」
 細い首の交差を解かずに、耳に承諾の言葉を吹き込む。
(本人が許可してくれてるんだし……)
 甘えようという気持ちにもなる。
 だが、まだ理性の方が強くて、ブラウスに触れたところで止まった。
「やっぱり……学生がこういうことするのは……マズい……よ」
 正論を返すが、彼女は止まらなかった。
「ほんとはしたいクセに。ココは正直におねだりしてるよ?」
 細い腰が浮き、ルーズソックスを穿いた長い足が膝を伸ばす。
 誰にも見られるわけにはいかない抱擁を解いてくれたのかと思ったが、次の瞬間、とんでもない間違いだと思い知らされた。
「このヘン……だよね……んっ」
 両肩に手を置いてバランスをとるタマキは、斜め後ろに視線を送りつつ、お尻を揺らした。
 エンジ色のプリーツスカートが軽くなびいたのも束の間、狙いを定めた彼女の柔尻が、再び下りてくる。
「うッ……おおおッ!」
 気まぐれに通りかかった学生がいないとも限らない。
 なんとか声をかみ殺そうとしたものの、意志の力を凌駕する肉悦の電流には、逆らいきれずにあえいでしまう。
「こ、これ……あ、ああ、当たってるっ」
「ん? どこにぃ?」
「当たってるというか……は、はいっちゃってる……ッ」
「だからぁ、どこに、なのぉ?」
 目と目をしっかり合わせ、完全に上から目線でタマキが詰問する。
 口調は優しいまでに柔らかいが、言わずには済ませてくれそうにない妖しい迫力が滲んでいた。
「た、タマキさんの……だ、大事なとこに……っ」
 座り直されたことで、自分が思った以上に興奮していたのを思い知らされた。
 スカートに隠れて見えないものの、ズボンのテントの頂点が、女性の象徴の土手に浅くはまりこんでいるのがハッキリ分かる。
 コットン質の布を纏う温かくて柔らかい肉の連山は、厚い布の下にある男らしい隆起を包みこんでいるのだ。
「オマ×コって表現されないと、聞こえないかなァ……クスクスクス」
 完全に主導権を握っている女子は、ここまでしても物怖じするどころか、余裕たっぷりだ。
 あどけなさも感じる若い美貌は、妖艶な大人の女のものに様変わりしている。
「ふざけてないで、すぐにやめて離れてくれよっ……くぅぅっ」
 淫らに興奮する分身には、猛烈な勢いで血が流れこんでいる。
 恋人同士でもない男女が、学内で性器同士を触れ合わせるなどあってはならないことだとは分かるのだが、甘い情動は高まるばかり。
「本当にやめて欲しいの?」
 タマキはまた、胸元が潰れるまで抱き付いてきた。
 わきの下から手を通し、逆手で肩をしっかり引き寄せつつ、身体をゆっくり揺すり立てる。
「うあぁ……うああああッ!」
 もう、声を抑える余裕はなかった。
 若竿の敏感な頂が、柔肉のあわいに揉みほぐされる性感は凄まじい。
 常に嗅がされる心地いい体臭や、休みなく浴びせられる巨乳や太ももの甘美な圧迫感も手伝って、なにも考えられなくなってきた。
「うんうん、やめて欲しくないんだね?」
「お、オレは、そんなことっ」
「このまま出しちゃってもいいよ」
「え……っ」
「終わるまで続けてあげるね。自分でするときより、ずっと気持ちよくビュッてできるはずよ」
 海よりも広い愛情を感じさせる声音で、絶頂を促されて心が揺れた。
 肉体ができあがっているので、夢精や自慰も経験している。
 性的なことをタブー視する性格だが、誰も見ていないところでは、そういうこともときどきするのだ。
 しかし、いくらなんでも、学内で射精するなどありえない。
 それも、今までロクに話したことのない女子のカラダに導かれてなど、あってはならないことだ。
「いつでも好きなときにイッていいわ」
 イケナイと思っても興奮する一方の男子の浅ましい反応は、手に取るように分かるらしい。
 ズボンを突き破らん勢いで屹立し、荒々しく脈動して、限界に近づいていく男根に合わせて、タマキもラストスパートをかける。
 これまで以上に身体を揺すり立てるのに追従し、セミロングのウェーブは跳ねてなびき、スカートもせわしなく宙を舞う。
「でも、イクときはチ×ポイクって、言うのよ? 最低限の礼儀なんだから」
「あああ……ち、チ×ポ……イク……チ×ポ、イクよッ」
 あまりの快感に指示されるがままだった。
 思わず口走った言葉に耳たぶまで真っ赤になるが、興奮は冷めない。
「真面目なきみが、可愛くあえぎながら下品な言葉づかいしてるの、すごく興奮しちゃう。見ててあげるから、思い切りイッてね」
「最後まで読まなかったけど、こんなにいやらしいことが続きに書いてあったのかい?」
「あたしは本の内容を実演してるだけ。何度も読んで覚えてるから、なにもかも正確に再現できるの」
「やっぱりマズイよ……こういうのは……大人になってからじゃないとっ」
「同じ図書委員として働いてるクラスメイトとの密着マンズリでイキそうになってるときに言っても、説得力ないわ。でも、そういうところが魅力だよ」
 首の交差を解き、少し上から見つめてくる黒目がちな目は、ハッとするほど潤んでいた。
 ほっそりした頬も艶やかに上気して、お風呂上がりめいた色気を感じる。
「そんな顔で見つめられたら……あああ、チ×ポイクっ、精子でるッ」
 高まりきった熱い快楽が勃起の頂上から飛び出しかけている。
 もう、抑えることなど不可能で、このまま悦楽に身を委ねることしか考えられない。
 我慢する気持ちもなくなって、彼女の背中に両手を回す。
 今度はやめず、力一杯抱きしめ、ひとかたまりになった。
「あん、きみもその気になってくれたのね、嬉しい、このままイッて」
 恋人でもない男子にしがみつかれても、嫌がるどころか嬉しそうに声を弾ませ、激しく腰を振りたくる。
 ふたりだけの図書室に、強い衣擦れと荒々しい男女の呼吸音だけが響いていたが、スピーカーから出たチャイムの音がすべてかき消す。
 ジリリリリリリリリリ!
 昼休みの終わりを示す学園の合図に、佳境へ入っていたふたりの身体がビクッと伸び上がる。
「残念。時間切れね」
「えっ……」
 これまでのねちっこさが嘘のように、タマキはあっさり離れた。
 カウンターを出ると、何事もなかったみたいに身繕いする。
「いこっか、ヒロトくん」
「う、うん……」
 彼女が離れても感触が薄く残っている全身は、痺れきっていた。
 股間のテントの柱も長い上に硬すぎて、なかなか立ち上がれない。
「大変そうだけど、授業に遅れちゃダメだよ?」
 言うだけ言って、タマキの姿は出入り口の向こうへ消えた。
「あんなことしておきながら冷たすぎるっ……あ……でも……彼女は本を勧めたいだけで……オレとは恋人同士でもなんでもないから……当たり前か……」
 どうしようもなく火照った肉体は、わずかな呟きで一気に冷める。
 図書室の向こうからは、教室へ急ぐ学生達の足音が聞こえていた。
 
     2 仕事中の蜜事

「またオススメを読み合おっか」
 数日後の昼休み。
 図書委員の当番としてふたりでカウンターに座るや切り出してきたタマキに、ヒロトの身体が強ばった。
「今日もなにか持ってきてるんでしょ? あたしはそれがいいな」
「さ、早乙女さんは……どうせ今日もヘンなのを用意してるんだろ?」
「ふたりのときは、タマキって名前で呼んで。この間みたいに」
 やたら親しげなのは気になるものの、以前のことを持ち出されると弱かった。
「どうなのさ、た……タマキさん」
「愛読書を交換しようっていう人が、おかしいのを読ませるわけないじゃない。ほら、見て」
 鞄から取り出したのは、真面目なタイトルがついた新書本だった。
 自分がよく読む出版社のものであり、好きなシリーズの作品でもある。
 警戒の気持ちは一瞬で解けた。
「へぇ、タマキさんもこういうの読むんだ。知らなかった」
「むつかしい内容だけど、その割には分かりやすくて楽しめるよね」
「そう思う? 同じように受けとめてる人が身近にいて嬉しいよ」
「あ、でも……コレって発売したばかりの新刊だけど……もしかして、ヒロトくん、読んじゃった?」
「いや、そろそろ定期テストでしょ? 本より勉強を優先させてて……」
「だよね。じゃぁ、どうぞ」
 ニコニコと差し出された本を受け取り、代わりに自分のを渡す。
 胸を躍らせながら最初のページを開いてから、一〇分もしないうちに思わず叫んだ。
「ちょっとぉッ! これ、カバーと内容が全然違うじゃないかっ……中身は……中身は……この間の奴と同じじゃないのッ……新書版もあるのかアレ」
「人気作だからね……それにしても……あははは、単純な手に引っかかって真っ赤な顔してるのカワイイ」
 タマキは借りた本を側に置くと、手を叩いて喜んだ。
 狙ってやられた悪戯にかかった恥ずかしさで、ヒロトは耳たぶまで赤い。
「もぉっ……とにかく、こんなのは読まないからねっ」
「そのわりに、読みふけってたじゃない」
「うっ」
「赤面しながらページをめくる顔、可愛かったなぁ。写真にとって保存したかったけど、邪魔しちゃ悪いから悩んだよ」
「からかわないでくれっ……あと、この間のアレ……本の内容と最後の方が違ってるッ……あんなに激しくはしてないじゃないか……!」
「ハッキリ思い出したくて確認したんだ……ヒロくんエロ~い」
 半眼でニヤニヤ笑われて、顔から火が出る思いだった。
「でも、まだ素直に読んでくれないのね……なら、読みたい気持ちにさせてあげる」
 タマキはカウンターの下に潜りこむと、正面に陣取った。
 細くて柔らかい両手の指がズボンのチャックを下ろしにかかる。
「いきなりなにをっ」
「じっとしてて」
「う……うん……」
 言われて素直に従うヒロト。胸は高鳴っていた。
 過日の出来事から、また淫らで気持ちいいことをしてもらえるという期待が膨らんでいる。
 なんだかんだ言っても、以前のことは忘れられないでいた。
 あの後、一体何度、思い出して自分で慰めたことか。
 しかし、いくら頑張っても満足することはなく、快楽に飢えていた。
 満たされるとしたら、タマキの柔肌で淫らに接されたときだけに違いない。
 だというのに彼女は今日まで、親しく接してくれなかった。
 ただのクラスメイトで同じ図書委員でしかなかった以前と同じく、個人的に話しかけてくれることすらなかったので、あの日のことは白昼夢ではなかったのかという疑念すら生まれていたのだ。
「わぁ、ヒロくんの、おっきくなってる」
 開いたズボンの股間から引き出した男性自身に、タマキの目が輝く。
「女の子に脱がされて喜ぶ性癖なんだ」
「違うよっ」
「なら、期待してた? あの後きみ、あたしに物欲しそうな、寂しそうな視線を頻繁によこしてたものね」
「……気付いてたのか」
 図星を突かれては反論のしようがない。
 誰もいない図書室で、ただのクラスメイトで図書委員仲間でしかない女子に、性器を露出させられるなど、とんでもないことだと分かっているが、分身はもっと見てとばかりに、急速に膨れあがっている。
「うわぁ……すごく男らしいよ」
 男子の股間に躊躇いなく顔を埋めたタマキは、目線の上までそそり立った分身へ、鼻先を近づける。
 高い鼻の小鼻が膨らみ、深呼吸のときみたいな鼻息がした。
「見た目だけじゃなく、オス臭さも立派なものだよ」
「く、くさくないのかい……?」
 入浴したのは昨夜で、それからずっと洗っていない。午前中は体育で汗を流しもしたのだ。
「そんなに嗅がないでくれよ……シャワーもまだなのに……」
「恥ずかしがることないわ。あたしには、とっても素敵な匂いよ」
 上を向く黒目がちな目は、しっとりと潤んでいた。
 頬はほんのりと赤らんで、薄いピンクのリップで照り光る唇も、平素よりも少し肥厚している。
「汗と男の体臭が混ざり合ってて……しかも、こんなに逞しいチ×ポが放出しているものだもの……クラクラしちゃう」
 顔をさらに近づけ、スッと通った鼻梁に硬く膨張した男のシンボルをくっつける。思い切り鼻呼吸した彼女の目元は、うっとりと緩んだ。
(本当に……喜んでるんだ……)
 嫌がるどころか、クラスや委員会ではしたことのない、恍惚とした顔を見せられれば、信じる気持ちにもなる。
「あは、チ×ポが喜んでビクビクしてる……匂いを嗅がれて感じてるんだ」
「可愛い女子が、自分のの匂いを嗅いだり……顔にくっつけたりして喜んでくれてるのを見せられたら……誰だって、興奮するよっ」
「可愛いって……あぁん、記念写真とっちゃお」
 スカートから取り出したケータイで、クラスメイトのそそり立つ怒張とのツーショットを瞬時に撮影すると、端末を素早くしまった。
「ちょっと、すぐに消してくれよッ」
「いいじゃない。ヒロくんの、しかもこんなに立派なチ×ポなのよ? 待ち受けにしたいくらいだわ」
「ま、待ち……マジで勘弁してくれよぉ」
「もちろん、ロハとは言わないわ……んしょ」
 真っ赤に照り光るネイルの指では囲いきれない極太を半分掴む。
 顔を物差しにするなら、顎の先から額まで達する長大な同級生の逸物を水平に倒し、口元に持ってくる。
「もっと気持ちよくしてあげるんだから……ぺろっ」
 長く伸びたピンク色の舌先が、赤黒い逆三角の塊の頂を舐め上げた。
「うぅッ」
 刹那に走った快感電気に頭が真っ白になって、あえぎ声が自然に出た。
「タマキさんっ……写真の件もあるけど……これ以上、こういうことするのはマズイって……利用者が来たら……あうぅ」
 図書委員が仕事中、性行為に耽るなど言語道断。
 誰かに見られたら、とんでもないことになる。
 ごく当たり前の道理が分からないわけはないだろうに、タマキの舌遣いには躊躇がない。
「んっ……舌で触れてると……一段と濃いヒロくんの味と匂いを感じるわ」
 間隔を置いて上下に舌を操っている。
 丁寧な舐め奉仕に怒張はますます硬化した。
 感度も上がって、舌が往復する度に湧く悦楽は上昇し、分身が震えるリズムは狭まっていく。
「ああ……タマキさんが……オレのを熱心に舐めてくれてるっ」
 大人っぽいような子供っぽいような美顔が、厚ぼったい唇を常に半開きにし、熱い吐息を浴びせながら舌を這わせてくれているのも刺激的で興奮を煽る。
 友達と楽しくおしゃべりしているときとは質の違う、淫蕩に口角が上がった表情は、楽しんでしているとしか思えない。
「美味しい……んっ……れろっ」
 しつこく鈴口を這う舌の動きが変わった。
 熱気を放ってビクつく表面を、満遍なく渡り歩く。
 キレイなピンク色をした女子舌は、急勾配の斜面も、張り出したカリとその裏も、皮の繋ぎ目にすらねちっこく触れてくる。
「くぅ……おおッ……!」
 分身全体が高熱に包まれ、自分で処理するときには味わったことのない、濃密な愉悦の塊になった。
 嬉しそうに跳ねる怒張の先からは、透明のトロッとした汁が溢れる。
「本の虫のヒロくんも、男の子なんだねぇ。女の子にチ×ポを舐められて、こんなに嬉しがってる」
 出てきて丸く纏まった先走り汁を先端で掬うと、そのまま口の中に舌を収めた。
 すぐに喉が鳴ったのにヒロトの胸が沸き、怒張が根元から盛大に跳ねる。
「タマキさん……流石にそろそろ……これ以上されたらオレ……最後までしてもらわずにはいられなくなるよ……っ」
 いいところで終わった前回のことが脳裏をよぎる。
 同じ目に遭うなど、とても耐えられない。考えただけで背筋が寒くなる。
 本音を言えば最後までしてもらいたいが、気持ちよくしてくれる女の子の口や顔を汚すのは忍びない。
「誰も来ないって。もし来たら、流石にヤバイからやめるわよ」
「そう……」
「でも、心配しすぎて気持ちよく出せなかったら可愛そうだし、そろそろ絶頂させてあげる」
「本当かいッ」
「あはは、真面目なきみも、だいぶ素直になってきたわねぇ」
 そのとき、出入り口が開く音がした。
 フェラチオ中のタマキから視線を外してそちらを見れば、数人の女子がおしゃべりしながら入ってくるではないか。
「噂をすれば影だよ。タマキさん、利用者が来たからもう終わりにして」
 正面を向きつつ、小声でカウンターの下へ注意する。
 図書室での淫行を誰かに知られる前に終わらせられるのにはホッとするが、胸が張り裂けそうなほど悔しくもあった。
 彼女が親しくしてくれるのは、ふたりきりで仕事をしているだけ。今を逃せばもう二度と、カラダを使って気持ちいいことをしてくれないかもしれない。自分でいくら慰めても、満足できないのは経験済みだ。
 考えれば考えるほど、分身が切なく疼いて仕方がない。
「なぁ、人の気配は感じてるだろ? ……おい、タマキさんってば」
 カウンターから出てくる気配がないので見れば、誰か来たらすぐにやめると言った口は思い切り開いていて、今まさに、怒張を飲みこもうとしていた。
「う、うそだろっ……ぐぅぅぅぅッ」
 あろうことか、ピンクのリップが色っぽい唇は、黒光りする牡肉塊をくわえ込んでしまった。
「はむぅ……んむ……平静を装わないとバレちゃうわ……んふ」
 自分のことを棚に上げ、くぐもった声で咎めた女子は、味わう仕草で長いまつげを落とし、ゆっくり飲みこんでいく。
「くぅぅ……ほ、ほんとにマズイって……う、うおぉ」
 他人に気付かれたら一大事だ。
 必死に声をかみ殺すものの、性感が大きすぎて誤魔化しきれない。
 女子の唇は肉円錐の塊の表面をのろのろ滑る。
 カリ首を口内に収めても止まらなかった。
 クラスや委員会で見る顔からは想像できない、男の性欲を煽る色っぽい表情も刺激的だが、粘膜同士の擦過感も堪らない。腰はブルブル震えっぱなしだ。
(これはもう……止まらないぞ)
 バレるか、行き着くところまで行くか、以前と同じく時間切れになるかしなければ、終わらないのは明白だ。
 そのとき、本を借りに女子が来た。
「これお願い」
「お預かりします」
 平静を装って受け取り、最後のページを開く。
 ここまで来ても、快楽の摩擦は続いていた。
 むしろ勢いが増している。
 記入するべき【貸し出しカード】のことよりも、緩くウェーブのかかった金髪を打ち振り、一心不乱にオスの三角の膨らみを扱き上げるタマキの顔が脳裏に浮かぶ。
(もう……どうにでもなれっ)
 カードを取り出す一方で、利用者の死角で太ももを左右に目一杯開く。
 どうせなら、根元まで扱いて欲しくてした仕草に、タマキは即座に応えてくれた。
 縮れ毛が生い茂る根元の方まで口中に含むディープスロートは、想像以上の快感だった。カードに貸出期限を書きながら、見えない場所で頭を振っている彼女の頬は、凹みきっている。
 食らいつくという表現がしっくりくるほど、敏感に膨張した怒張を絞り上げるペニス研磨は、自慰で満足していた自分がバカらしくなる極楽快美だ。
 開き直った男子の分身は、灼熱性感の塊と化している。精液の塊は今にも飛び出しそうな位置まで昇ってきていた。
「今日から二週間の貸し出しとなります。お疲れ様でした」
 期限を記入したカードを戻して、本を手渡す。
 何食わぬ顔で仕事をしながら、同僚の美女子の口中で射精した。
 開いた足で踏ん張りつつ、何度も止めたのに誘惑をやめなかったタマキのうすピンクのリップの唇の奥で、同い年の男子の精子をたんまり吐き出す。
(うおおッッッ……こんなに気持ちいい射精は生まれて初めてだッ)
 学園で、しかも自分の職場と言える図書室で仕事をしつつ、容姿端麗なのに性的に淫らなクラスメイトの口中をティッシュ扱いするのは、男として最低と分かっていても格別だった。
 温かい口内粘膜に絞られる怒張から、太い精液を放出する快感に目が眩み、意識が細切れになる。
「んむぅぅぅッッッ……んん……こくっ……こくんッ」
 流石のタマキも、不意打ちの射精に目を白黒させたが、すぐにうっとりと目を細め、喉を鳴らし始めた。
 両手では数え切れない回数の発作が長々と起こり、熱くて苦い樹液がとめどなくたっぷり流しこまれているというのに、嫌な顔ひとつせず、それどころか控えめな吸引音すら出して、胃へと落としていく。
(可愛いクラスメイトで委員会の仲間が……オレの精子を飲んでくれてるっ)
 興奮が冷めるにつれ、苦くて生臭い汁を飲ませることへの罪悪感を覚えるが、眉根を寄せた蕩け顔で処理してくれているのには興奮を禁じ得ない。
 目一杯開いた口の端からは、広い襟ぐりよりはみ出す巨乳に精液が糸を引いて垂れている。他の男子は見ることしかできないムッチリ巨乳を、自分の体液で青臭く汚している光景にも、心は不謹慎に沸いた。
 自分の精液は今、巨乳と体内で吸収されている。やがて、彼女の一部になると意識すればするほど、剛直は熱く漲った。
「ねぇ、タマキはいないの?」
 本を借りた女子に訊ねられ、ヒロトの背筋が跳ねた。
「い、今は席を外してます。彼女にご用なら伝えておきますが」
 よく見れば、たまに図書室へ来るタマキの友達ではないか。
 フェラチオと精飲をさせている女子の友達と分かると、射精中の怒張がさらに硬く漲った。
 自分の名前を呼ばれて流石に凍りついたタマキだったが、変態的に興奮する怒張へ即座に反応してくれる。
 射精させるつもりとしか思えない勢いで口ピストンするだけでなく、射精中でことさら鋭敏化している先端を……それも一番弱いカリ首の裏をネチネチくすぐってきた。
(タマキさん……可愛い顔して、ここまでスケベだったなんて)
 そっちがその気ならという気持ちをこめ、足で踏ん張ってギリギリまで射精を耐えてから、濃いのを最高に強烈に噴射する。
(口で奉仕してくれてる女の子の友達と会話しながら、思い切り出すのも気持ちよすぎるッ)
 目が眩んで意識が白むだけでなく、脳裏で極彩色の虹が乱舞する快楽に、打ち震える。
 色々な意味で最低のことをしているのは分かるのだが、だからこそなのか、なによりも気持ちいい。
「いないならいいわ。バ~イ」
 女子はなぜか薄ら笑いを浮かべて背を向け、一緒に来た者達と出ていった。
「んぷ……んふ…………ぷはぁぁ……チ×ポの立派さに相応しい、濃いのがいっぱい出たねぇ……ごちそうさま」
 やってきた利用者が全員いなくなったとき、しつこくしゃぶってキレイにしていた肉茎を、ようやく口の外に解放する。
「記念写真とってもいいよね」
「……誰にも見せないでくれよな。さっきのも含めてさ」
 フェラチオだけでなく精飲までしてくれたのでは、強く出る気になれなかった。
 やんわり釘を刺す程度でとどめると、彼女は嬉しそうに続ける。
「共有したいから、連絡先交換よろしく。思い出してシコシコするとき、遠慮なく使ってね……はい、チーズ」
 スカートのポケットからケータイを取り出す。自撮りする要領で、唾液に塗れて熱気がくゆる怒張を鼻梁にくっつけた自分の顔を写真に収める。
 空いている手で横ピースするだけでなく、満面の笑みを浮かべて肉棒と映り込む姿にも興奮した怒張は、シャッター音の直前に根元から跳ねた。
「あんっ」
 写真の中で満足げに口角を上げるタマキの眉間は、飛び出た精液の残滓で筋状に濡れていた。

     3 真相

「ねぇ、ヒロっち。仕事なんてほっぽって、あーしらとアソビ行こうよ」
 タマキと肉体関係を重ねていたある日。
 昼休みの図書室で彼女と当番を始めて間もなく、彼女の友達が数人やってきた。
「仕事を放り出すなんてできませんよ」
 閑古鳥が鳴く部屋に響いた声を迷いなく突っぱねるが、胸中で戸惑った。
 お喋りしているのを何度か見ているので、彼女の友人なのは知っている。
 しかし、自分とはすれ違っても挨拶すらしない赤の他人なのだ。
 なのに、やけに馴れ馴れしい。
 もっとも、タマキも似たようなものだった。出で立ちも派手だし、彼女らには普通なのかもしれない。
 ハッキリ言われて意外な顔をした女子は、すぐに手を叩いた。
「あ、アソビって言い方じゃ分かんないか。タマキとシテるようなタノシーことをさ、あーしらとやりたくない?」
「えっ」
「とぼけなくてもいいよ。ぜんぶ、聞いてるから」
 隣で黙っていたタマキを見ると、彼女は横を向いていて表情は見えない。
「ヒロっちのオトコって、すっごいエモいんでしょ?」
「タマキだけに使うなんてもったいないよ」
「アタシらみんな、タマキより上手いよ? 味見してみ?」
 丁寧にネイルアートした手指を机について、一斉に身を乗り出す女子たち。
 広い襟ぐりからはみ出している、タマキにも負けない立派な巨乳が同時に前後に揺れた。
(このナンパに乗ったら……このオッパイをぜんぶ好きにできるのか)
 身なりや言動は軽薄だが、誰もがタマキとは違った色気を放っている。
 顔は整っているし、派手なメイクも似合っていて、オッパイ以外のスタイルもいい。そそられないと言えば嘘になる。
 そのとき、タマキが立ち上がった。
 椅子が倒れるけたたましい音を残し、隣接する閉架書庫へ飛び込み、乱暴にドアを閉める。
 ヒロトは彼女の友達と一緒に呆然とするが、その間、少しも物音はない。
 完全に閉じこもってしまったらしい。
「なにアレ」
「証拠写真を見せなかったし、最近は色々ヘンだよねあの子」
「証拠写真だって?」
 聞きとがめて訊ねると、彼女らは顔を見合わせた。
「なんでもないって」
「それより、早く行こうよ」
「いい部屋押さえてるからさ」
 露骨に誤魔化すあたり、ロクなものではないらしい。
 カウンターに入ってきて手を取る彼女らに、ヒロトはハッキリ言った。
「悪いけど、きみらと付き合うのは遠慮するよ。他を当たってくれ」
 丁寧な言葉づかいをやめたのと、断られたのが意外らしく、また顔を見合わせる。
「うっそ。ハーレムプレイだよ?」
「男の夢じゃん」
「このチャンスを逃したら、一生できないよきっと」
「う……それはそうだろうけど……タマキさんが気になるから」
 彼女以外の女子とは、相変わらず縁がない。
 的を射た指摘に心は揺れて、素っ裸で美ギャルたちを相手にしている自分の姿が脳裏に浮かぶものの、胸中は自分でも妙に思うほど冷めている。
「もしかして、タマキを好きになっちゃった?」
「男って一回ヤッちゃうと、オレのオンナって思っちゃう単細胞だし」
「あの子は好きとか思ってないよ。ゲームしてただけだもの」
「ゲームって?」
 大事な話が聞き出せそうだと感じた。
 また口をつむがれないよう、流れに乗ってなにげなく訊くと、
「大人に褒められる真面目くんの、スケベな本性を暴くゲーム」
「うちらみたいなのはバカにされがちだけど、ちゃんとしてるって言われる奴だって、一皮剥けばオゲレツなのを証明するアソビってわけ」
「ちょっとエロいことすると、あっという間にだらしなくなるからウケるよね」
「いやぁ、弱った。返す言葉がないよ」
 内心ではうんざりしたが、話を聞き出すために調子を合わせる。
「お、ヒロっちは素直じゃん。ポイント高いよ、ソレ」
「アタシは面倒臭い系だと思ってたケド、いっつも視線送ってたタマキは、安全物件って見抜いてたから、立候補したのかな」
「ジンチクムガイクンって分かってるなら、写メったチ×ポ画像をバラしてくれてもいいのに、謎だよ」
「適当なこと言っても、あーしらは誤魔化されないって、まだ分かンないのかもねー」
 タマキへの不満を言い合って気が済んだのか、彼女らはほどなく出ていった。
 十分と思えるだけ話を引き出せたヒロトは、横並びで揺れながら去る複数のお尻と、わきの下からはみ出す横乳に胸の奥を浅ましくざわつかせつつも、声をかけずに見送った。
 廊下に誰も居ないのを確認すると、閉館の立て看板を置いて、内側から図書室に鍵をかける。
「バレたら怒られるし、内申に響くだろう……なるようになれだ」
 閉架書庫の入り口に立ち、深呼吸してからノブをひねる。
 簡単に回った。
 内側からカギをかけられるのに、逃げて閉じこもったであろうタマキはしなかったのだ。
 おもむろにドアを開けるヒロトには、昼休みを楽しむ学生達の声は、いつもよりも遠くに聞こえた。

     ※

「あいつらの会話は聞こえてたろ。ぜんぶ分かったぜ」
 閉架図書の薄い出入り口の横には、古ぼけた机がある。
 顔から突っ伏しているタマキに動きはなかった。
「都合がよすぎると思ってたんだ。あんな理由で、エロいことする女なんて現実にいるわけない……オレをたばかって腹の中で笑ってたわけだ」
 横乳はブラウスをパンパンにしてわきの下からはみ出しているが、全体的に華奢なカラダが小さく震える。
 顔を伏せたままで弁解どころか、目を合わせようともしない女子は、次の一言に思い切り反応した。
「タマキはオレが大好きなんだよな」
 腕組みして言ってやると、弾かれたように立ち上がった。
「な、なな、なに、言ってるのよッ」
 上ずった声で叫ぶ。
 目元は泣き腫らした後で、気の毒なくらいに赤かった。
「らしくなく呼び捨てにしちゃって……ご、誤解よっ」
 否定する彼女の細面の横に、素早く手を伸ばし、壁を叩く。
「オレはタマキが好きだぜ」
 鼻先同士をくっつけ、目を合わせ、吐息を嗅がせて囁く。
「あっ……あああ……ッ」
 狼狽える女子は瞬く間に赤面した。
 薄いリップで艶やかな口元は、わなないている。
「たばかってたのは水に流すよ。でも、タダでというのは、お互いの心にしこりを残す。ケジメはつけなくちゃな」
「え……ええ……だ、だけど……あたしは……」
「そうだな……」
 倒れた椅子を起こして座り、壁際でもじもじする女子姿を視線で舐める。
 見れば見るほど、なかなかの身体つき。
 性的なことに慣れているようだし、恋人同士になったのならば、いつでもどこでも楽しめるのだ。考えるだけで、男の証が熱く勃起する。
「まずはスカートを脱いでもらおう」
「えぇっ……む、無理よッ……学園の中で……そんな……着替えとは意味が違うのに……」
「好きな男子と対面座位でくっついて、パンティーのオマ×コでチ×ポを扱いた女が言うことかよ。仕事中にフェラと精飲もしたろうが」
「あ、あれはぁ……」
「つべこべ言わずにヤレ。でないと絶対に帰さないぜ」
 と、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
 響き終わっても動かず、じっとタマキの目を見続ける。
 彼女は溜息を吐いた。
「ほんき……なのね……わかった」
 今日も赤くてキレイなツメの指で、ホックを外す。
 前屈みになり、こちらへたわわな双乳を突き出しつつ、凹凸の激しいライン上を滑らせる。
「脱いだら足を肩幅に開くんだ。両手は横に置いてろ」
「……あなたって、こういう人だったの?」
「よそよそしく呼ばれるのは傷つくな。いつもみたいにヒロくんって言ってくれよ」
「ひどいわ……ヒロくん」
 口では抗議するが、頬には興奮の赤みが差していた。
 古い本に囲まれた埃っぽい密室で、オシャレに余念のない女子が、スカートオフの姿でいるのに、ヒロトも興奮を禁じ得ない。
「ギャルらしくかっこいいパンティーを穿いてるじゃないか」
 うら若い花園のヴェールは、白く幅の狭いフロントから、指の幅ほどのレースのサイドが伸びるデザイン。かなり大人っぽい。
「よく似合ってるぜ。今日はコイツを見せて、オレを誘惑しようとしたのか」
 椅子から離れて、足下にしゃがみ込む。
「そんなに近くから……見物しないでよ……」
「こんな風に見られたかったくせに……あの小説にも、今と似たような場面があるからな」
「よ、読んで……くれたの……? 嫌がってたのに……」
「駅前の本屋で買ったさ。好きな女の愛読書を読まないなんて、ありえない」
「あぅぅぅ……」
 恥ずかしいことをバンバンしている癖に、自分が辱められるのにはやはり弱いらしい。
 唇を噛んで黙りこくる彼女の大事な部分をまじまじと見るヒロトは、鼻を鳴らした。
「女の股間の匂いも、結構ただよってるな」
 清涼系の香水や、首筋などが発する甘く優しい香りとは違う、人間が動物なのを思い出させる匂いだったが、気持ち悪いとは思わなかった。むしろ、彼女への性欲が刺激されて精力が湧く。
「か、嗅がないで……シャワーを浴びてないのに」
「お前がチ×ポを嗅いでくれたときと、オレは同じ気分だよ」
「ああぁ……」
 聞こえるように音を立てても、内ももを閉じて恥ずかしがるだけで、制止しなくなる。
「コイツから、匂ってるんだよな」
 人指し指と中指をくっつけ、両方の指の腹で胴底に触れる。
「あっ」
「動くんじゃないぞ」
 可愛い声を出し、股間を小さく震わせたタマキに釘を刺すと、彼女はなすがままだった。
 手触りで肉土手の輪郭に見当を付け、二本の指のそれぞれに片方の肉山を乗せ、感触を確かめる心地でクイクイ持ち上げる。
「はあっ……んん……」
 女らしい皮下脂肪が蓄えられ、指先にずっしりくる女の急所を上げ下げするのだけでも、手指が蕩けてくる。感じているのは彼女も同じで、切迫したあえぎ声とともに、股間全体がビクビク揺れた。
「いやぁ……ヒロくんの指が……あたしの大事なところに触れて……くふぅ……はああ……なんていやらしい手つきなのぉ」
「本で読んで想像するのと、実際にやられるのとではぜんぜん違うよな。経験させられたから分かるぜ」
 今度は人指し指で、薄く影ができている縦筋をなぞる。
 少しずつ力を加えてコットンの布地ごと肉溝に埋め、ノコギリみたいに上下に往復する早さも上げていく。
「ふあああっ……そこを……ああっ……そんなにされたら……あああんッ」
 学生らしからぬセクシーランジェリーのサイドがひっかかる腰は、堪らなそうにくねる。
 アニメ声も甘く甲高く変わっていた。
「気持ちいいと、こんな可愛い声で啼くんだな。録音していいか?」
「やめてぇ、はああ、こんなみっともない声、自分も知らなかったんだからぁ」
 パンティーを穿いた性器を露出させている制服女子は、図書室で指マンされて感じまくっているのだ。
「オレのチ×ポ写真は撮ったくせに、虫が良すぎるぞ」
「迫られたけど、約束を守って見せてないわ、ああん、信じて、お願いっ」
 よがり声で必死に訴える彼女を鼻で笑って言い返してやる。
「連中もそんなこと言ってたが、好きな女の言葉はぜんぶ信じるのが男ってもんだ。ココで覚えとけ」
「ふああっ、それ、本の中のセリフじゃないの、ああ、キザよ、あああ、でも、素敵、痺れるぅッ」
「タマキのマ×コがそうだってのは、言われなくても分かってるよ」
 ネチネチ摩擦している肉溝には、楕円のシミができていた。
「エロい気分になってる証拠が広がってきたぞ」
 擦れば擦るほど面積が広がり、レモン臭がする体液で指まで湿りだした。
「ますますイイ匂いして誘ってやがる。たばかり上手のココの誘惑は、ストレートだな」
 指を遠ざけると、長丸に薄く黒ずむコットンのあわいと長く糸を引いた。
「えぇ……やめ……ちゃうの……?」
 最初は乗り気を見せなかった女子が、未練がましく見つめてくる。
 上気して軽く息の上がった様子は、絶頂しかけていたとしか思えない有り様だ。
 クラスメイトで図書委員のウブな同僚を翻弄したときからは想像できない、被虐美を体現した容貌だった。
 彼女はまだまだ、男に責められたがっている。
「まさか」
 ニヤリと笑ったヒロトは、被服を一枚一枚脱いでいった。

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