【『―夏ギャル。―』大好評特別企画第2弾!】
『―夏ギャル。―』小説化&描きおろし挿絵公開です!(◉ω◉;)ヌオオ
こちらの小説は、8章構成のモノを2章ずつ公開していきます。
※本小説は、音声作品『―夏ギャル。―』のシナリオを、ヒロインのミチルちゃん視点で描いた小説版となってます。
中には、音声作品にはないセリフやシーンもございますぞ!!
※こちらの挿絵はトリミングされたものです。
無料フォロワー様の記事に原版がございます!
◆『―夏ギャル。―』小説版1部&2部◆冒頭部分
1 再会
「うぅ……あつぃ……」
八月、うだるような暑さの中、私は居間でダウンしていた。
エアコンのないこの家では、扇風機が送る生温い風と、風鈴の乾いた音だけが暑さ を和らげる手段なんだけど、それで涼しくなるなら苦労しない。
セミの鳴き声がうるさいから余計暑く感じるし、十分程前に入れた麦茶は、もう氷 が溶け始めて薄くなっていた。冷やして額に乗せていたタオルも、涼しさを感じさせ ないまま既に温くなり始めている。
「なんでこんな暑いのよ……」
今日も猛暑日、なんてニュースで言っていたことを思い出して、余計げんなりす る。猛暑日って何度だっけ。寝返りを打ちながらそんなことを考える。タオルが額か ら落ちたけど、それももう、どうでもよかった。
友達の家に転がり込んで、涼しく過ごすという手もあるけど、とてもじゃないけど 外に出る気力なんてなれない。
それに、皆最後の夏を満喫するためにと言って、次々に彼氏を作ってしまったし。 今頃はデートでもしてるのかもしれない。といっても、こんな田舎じゃ精々ショッピ ングモールくらいしか、デートスポットはないけど。
「彼氏、かぁ……」
一度も男の子と付き合ったことがない私からすれば、あまり実感のわかない言葉。 そもそも、人を好きになったこと自体、遠い昔のことだった気がする。
まだ小学生だったかな。あの頃は好きというよりも、一緒に遊んでいるのが楽しい という感じだったけど、今思えば好きだったんだと思う。
そんな自分の気持ちに気づかないうちに、彼は親の転勤で都会の方に引っ越してし まった。その時は相当泣いたっけ。手紙も電話も一度も来たことないから、もう私の ことなんて覚えてないんだろうな。
そう考えると、少し気分が沈んだ。――
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