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2018年 08月の記事 (10)

思叫堂~ロア~ 2018/08/30 22:54

そのうち作りたい現代もの吸血鬼プロット

そのうち作りたいなーと思ってる、現代モノの吸血鬼プロットです!
お金と予算が潤沢ならば……ギギギ!

新体操少女のご依頼が済んだので、こんな感じのプロットちらほら幾つか作っておきたいなーという現状です!

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思叫堂~ロア~ 2018/08/28 16:25

新作:新体操少女告知

新作告知でございまーす!

10月販売予定同人音声「新体操少女」
メインCV:浅木式様(ツイッター:https://twitter.com/asagishiki00?lang=ja)
ナレーション他:涼貴涼様(https://twitter.com/bee_ryo?lang=ja)
イラスト:どぅーゆー様(https://twitter.com/artist_youwant?lang=ja)

にお願いしております!
今回はちょっとしっとりめな感じの現代物になります! 出来てきたらまたご連絡入れますねー!

サンプル聞かせて頂来ましたが、強気なクールめな感じですけど笑うと可愛いところがパッと出てきてとても素敵でした。
ナレーションも前回から引き続き涼貴涼様ですが、今回はしっとりめな説明感強めにして頂いているので雰囲気が結構変わると思います……!

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思叫堂~ロア~ 2018/08/25 11:29

次回作:新体操少女、台本その8

《ことことこと……》

 ことことと、小さく音を立てて鍋が揺れる。
早瀬を見送り、彼女の帰りを待つ貴方。結果がどうなっているかが分からないため、お祝いという訳ではないが。
どんな結果になってもいいよう、彼女が喜んでくれた……人参を多めにした煮物を作りながら待っている最中であった。
熱しては冷ましを数度繰り返し、すでにじんわりと味がしみ込んでくれているようだ。
……時間としては、そろそろ結果が出ていてもおかしくない頃のはずである。

 結果発表や、詳しく聞いていないがその後部活のメンバーで集まっての打ち上げなどもあるだろう。
何時になるかは分からないが、遅くならない内に帰ると言っていたので予定が分かれば一度連絡をくれるだろうか?
そんな事を考えながら、貴方がぼうっとしていると……。

《がらんからーん……》

早瀬
「ただいま……今戻ったわ」

《ことこと……かちっ》

 唐突に、玄関の扉が開き彼女の声が聞こえた。
貴方が驚き、火を止め玄関へ向かうとそこには……早瀬がいた。
大会が終わった後のはずなのに何時もと変わらない様子で、そこに。

早瀬
「何よ、ぽかんとした顔をして。
……帰ってきちゃダメだったかしら?
待っててくれたと……思ってたのだけれど」

 不満そうな彼女の様子に、慌てて首を横に振る貴方。
ただもっと時間が掛かると思っていたから驚いた事を伝えると、少しだけ渋い顔をする早瀬。

早瀬
「……結果が出たから。
色々打ち上げだなんだとか、言ってたけど……早く帰りたくて黙って抜けてきたのよ。
……貴方に一刻も早く会いたかったのもあるんだから、男冥利と感謝して欲しい気持ちもあるのだけれど?」

 ちらりと、小さな笑みすら浮かべていう彼女に貴方は咄嗟に何も言えなかった。
……いつも通りの彼女なのは、間違いがなかった。けれど……どうしてだろうか?
その態度が、妙に……彼女の強がりのように感じられてしまうのは。

――大会、どうだったの?

 思わず、問うてしまう貴方。
するとびくり、と……早瀬の肩が震えた。

早瀬
「……まぁまぁよ、うん。
えぇ……悪い結果ではなかったわ」

 言いながら平気そうな顔をしながらも早瀬はそっと顔を反らす。
何か言って欲しいのか、それとも……何も言って欲しくないのか。
沈黙する彼女とどう話せばいいのか分からず、何も言えなくなってしまう貴方。
ただ、せめて労いだけはと……それだけは伝えようと、口を開く。

――そっか……うん、お疲れさま。

早瀬
「っっ!?……聞かないの?何位だったのか、とか。
自信を持って言える結果なら、言うだろうとか……思わない訳?」
(※顔を反らしながらも、気まずそうに聞く感じ)

 途端に、何処か不安そうな様子で早瀬が聞き返す。
……詳しく聞きたい気持ちは、勿論貴方にもあった。
けれど、こんな……つい先日の不安そうだった様子を思わせる態度の彼女に……聞ける訳がなかった。

――聞きたいし、思わなくはないけど……聞かない。
――早瀬がどれだけ、大会のために必死だったかは、誰より良く知ってるつもりだから。

 それだけ言って、彼女を部屋にあげようと手を差し伸ばす。
どんな結果であってもいい、彼女の努力をこそ……貴方は労いたいと準備していたのだから。

――君の好きだって言ってた人参を多めにして、煮物作っておいたんだ。
――いっぱいあるから、今日は好きなだけ食べてよ……ね?

 そう、貴方は言葉を作り、早瀬を労うようにそっと微笑んだ。
彼女はそれを見て、目を大きく見開き……ぎゅっと、強く唇を噛む。

早瀬
「っ……ぅ、……ぁ、ぅ……っ!
ば、か…………今の私に、優しくなんてしないでよ……っ!
どうして貴方は、こういう時にそんな優しくっ!!
止めて、止めてったら……っ!お願いっ!!……っ、惨めになるのよぉ」

早瀬
「……ごめんなさい、ごめんなさい……ダメだった、頑張ったけど……私、優勝できなかった」

早瀬
「もともと、別に順位なんて気にするつもりなんかなかった……ママが喜んでくれるから、私やってただけだし。
でも……最後だから……ママが、最後に楽しみにしててくれた事だから……だから、出来ればって何所かで思ってたみたい。
だから、必死に……今回だけは”良い成績”で終わらないようにしようって、練習してきた……私が今生きてる意味って、その約束だけしかないって思ってたから。
何より、今回は……そんな私を支えてくれた、貴方がいたから……他に何も考えられなくなってた私に、そうやって……支えてくれた貴方がいたから」

早瀬
「今回だけはって、順位なんか気にしないで全力でやればママはきっと喜んでくれるって、そう思って……気にしない、つもりだったのに……あぁ、だめ……。
涙が、勝手に出てくるの……!
ダメだって分かった時から、ママと貴方の顔が頭に浮かんできて……目の前がぐるぐる回って、立ってるのが苦しくて……っ。
……こんなに、自分が弱いだなんて今迄思わなかった。
こんなに、自分が情けないなんて知らなかった……悔しい、歯がゆい……情けない!」

早瀬

私を馬鹿にしてた、周りの声なんて気にもかけてなかったけど全部……全部本当だったのかもとか、
ママの事しか興味を持たないようにして逃げてただけの……卑怯者なのかもとか!
なんて、弱くて……酷くて、ダメな人間なんだろう、私って……ずっと、そんな事ばっか思ちゃって……」

早瀬
「あは……はは。
そしたら、表彰式もすっぽかして……気付いたら、ここにいたの。
貴方の、顔が……どうしようもなく見たくて……そうじゃないと、もう……自分ってものすら、良く分からなくなりそうで」

早瀬
「ごめんなさい……私、貴方にあんなに支えて貰ったのに……勝てなかった」

 ぽろ、ぽろ、ぽろ……と早瀬の頬を涙が伝っていく。
貴方にも話していなかった……無愛想で、強気で、何も気にしていないという仮面に隠されていた不安が……大会が終わった結果も伴い、剥がれ落ちているのかもしれない。
今回だけは練習に集中したいと、貴方の支えを受け続けるのを受け入れた理由も……この思いからであったのだろう。
自分のすべてだった人を失い、とっくに罅割れていた心が……今弾けて、赤裸々なまでにむき出しになっていた。

 そんな彼女を、放ってなんておく事なんか出来るはずがなかった。
何故なら、それこそ……あの時から、彼女を支え続けていた理由なのだから。
貴方は思わず彼女に駆け寄り、小さく嗚咽し続ける彼女を強く……強く抱きしめた。

《ぎゅ……》

早瀬
「っ……ぅ、ぁ……ぁ……ぅぅっ!
ごめんなさい……ごめんなさい、貴方が……色々、してくれたのにっ。
ごめんなさい、ごめんなさいママ……!私、私……ママに自慢出来る私でいたかったのに……。
最後なのに、楽しみにしててくれたのに……私、私……応えてあげられなかった!
ちゃんと応えて……胸を張って……ママに、お別れ言ってあげようって……受け止めなきゃって、ずっと思って……頑張った……頑張ったつもりなのよ!?でも……でもぉっ!!」

 腕の中で、彼女の母親が死んでから溜め込んでいたのであろう……言葉にならない、思いを受け止めながら、
貴方は……ただ、彼女が泣き止むまで……静かに背中を撫で続けた。

早瀬
「ぅ……ぁ、うぁ……うぁああああぁぁぁぁぁっっ!」

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思叫堂~ロア~ 2018/08/23 16:30

次回作:新体操少女、台本その7

 それから暫く、貴方と早瀬は変わらぬ日々を過ごしていった。
彼女の練習が終わるのを待ち、彼女と共に家路につき、夕食を共にする日々を。
尤も、その日々の中に少し風変りな”お礼”として、入浴の前に時折……濡れた滴りの水音が混ざる事はあったが。
けれど、兎に角……そうして日々は過ぎていき、そして……。


-=-=-=-=-=-=-


早瀬
「……いよいよ、大会ね」

 早瀬から軽めにして欲しいと頼まれていた夕食を終えると、何かを考えるようにぼうっとしていた彼女が、突然ぽつりと呟いた。
問われたのかと思い貴方が頷き返すと、彼女は何故か言い難そうに口籠る。
普段とは違う様子に、何かあったのかと貴方は問い返そうかとしたが、
その瞬間に、早瀬が躊躇いがちに口を開いた。

早瀬
「……ねぇ、貴方?
やっぱり……貴方も来るつもりかしら?その……私の応援に」

 何処か目を反らすようにして俯き、彼女が尋ねてくる。
勿論と、貴方がそれに返事をすると、早瀬の顔が渋皮でも噛んだかのように濁りをみせた。

早瀬
「そう……そうよね。
私も、えぇ……貴方が見ていてくれるのは悪い気はしないだろうって、そう思ってたわ。
……その、つもりだったのだけれど」

 先程からどうにも歯切れ悪く、早瀬がまた口ごもる。
流石に意図が分からないと、改めて理由を彼女に問い返す貴方。
すると……。

早瀬
「はぁー……。
……言い難いのよ、私の我儘だから。でも、そう……言わないのは流石に、貴方に悪いわね。
ふぅ……あの、うん……ぁー。
……大会には、貴方に来ないで欲しいと言ったら……やっぱり気分を悪くする、かしら?」

 気まずげに顔を反らし、早瀬が言う。
予想していなかった言葉に貴方が目を見開き、理由を聞き返そうとすると、尚の事彼女は気まずそうに視線を泳がせる。
そして、貴方が尚も言葉を募ろうとすると……ようやく彼女は心を決めたのか改めて貴方の顔を見返し、唇を開いた。

早瀬
「分かった、分かったわよ……言う、言うから!
その、貴方の協力のお蔭で私ここまで……大会の事だけ考えてこれたじゃない?
そして、それももう終わる……えぇ、どんな結果であれ絶対に終わる……私の、区切りもつくと思うの。
でも……貴方のお蔭で少し余裕が出来たからなのでしょうけど。
……ふと、考えてしまったの。
終わった後、私……どうするんだろう、なんて先の事を」

早瀬
「考えて、考えて……何にも思い浮かばないのよ。
終わった瞬間、私何をしたらいいんだろうって……情けないけれど、何一つ考え付かなくて。
でも、そこで……何となく、何となくよ?
……貴方がいてくれてるこの家に、とりあえず帰りたいなって、……他には何も考えられなかったのだけれど。
それだけは、ふって頭の中に湧いてきて……あぁ、もう本当に情けない……だから言いたくないのにっ!」

早瀬
「……終わった瞬間、抜け殻みたいに何も出来なくなりそうなんて、我ながら……とても悔しいけれど。
貴方がいる、この家に……帰ってこれるように、帰ってきたいと思えるように。
大会の終わった後だけでいいから……貴方にこの家にいて欲しい。
私がどうしようもなくなって、動けなくならないように……押しつぶされないように。
貴方がいてくれるこの家を、私の帰るべき場所として……安心させて貰えないかな……なんて、そういう……」

 言って、早瀬がぎゅっと唇を噛んだ。
……プライドの高い彼女の事だ、気まずいと言っていたがその実、
平気なように見せかけていた自分が、ここまで弱っていた事を告白するのが……怖かったのかもしれない。
彼女の踊りはきっと美しいだろう、ここまで支えた貴方だからこそその成果を見たいという思いは勿論ある……けれど。

早瀬
「ど、どうなの……? 家にいてくれるの?
誤魔化しや隠し事はなしにして!私……こんな情けない事全部言わされたのよ!?
……ねぇ、お願い。答えを聞かせて……?」

 強く、手を抑えるようにして早瀬が体を縮める。
すべて曝け出してしまった不安で。貴方が驚いた事で出来てしまった、数瞬の沈黙が耐えられなかったのかもしれない。
その姿はいつもの彼女とは違い……母親の事故の連絡を受けて、呆然と佇んでいたあの時の彼女を思い起こさせた。

 その姿を見て、貴方は思い出す。
この彼女を見てしまったから……支えたいと思ったから、今の関係が始まったのだという事を、改めて。

――分かった、ここで待つよ。君の帰りを……君の帰る場所として。

早瀬
「っっ! ……ほ、ほんと?
はっ……ぁ、はぁー……そ、そう?
それなら嬉しいけれど……そうして、貰えるのね?
……そっ、…………ありがとう」

 驚き何度も言葉を重ね、早瀬が確認するように貴方に問い返す。
貴方が頷くと、そこでようやく安心出来たとばかりに……深い深い、安堵の声が漏れ聞こえた。

早瀬
「ふ……ふふ♪
あぁ、それなら……もう私何も、怖くないわ。
貴方に見せられない事だけは残念だけど……約束する。
ママと……貴方のために。
私が出来る、最高の演舞を披露してくるわ……えぇ、必ず!」

 何時もの、彼女の笑みが戻って来る。
けれど、それは何処か優し気で……何より感謝を示すかのように、しっかりと貴方の瞳を見つめているのであった。

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思叫堂~ロア~ 2018/08/23 16:28

次回作:新体操少女、台本その6

《ぴー……ぴー……》

あっ……お風呂、溜まったわね。
じゃあ、貴方のが顔に飛んじゃったのもあるし……先にお風呂頂くわ。
髪についてないといいんだけど……確かめてたらちょっと、長くなるかも……そこは許して頂戴?

《すたすた……ぴたっ》

あぁ、それと……。
とりあえず、今日のお礼はここまでよ。
お風呂についてきても、もう何もしないからそのつもりで。
……まぁどうしてもっていうなら、貴方……私の口を気に入ってくれたみたいだし。

キスとか……本番は、お礼としてはダメというか……そう、”まだ”だめだけど。
また、大会までの間に……何処かでして欲しかったなら、考えてもいいわよ?
……キスはダメなのに、口でするのはいいのか、とか聞かないで頂戴。
……本当は、何か違うと思わなくはないけれど。
他にどうお返ししたらいいか、思いつかないんだから仕方ないじゃない!

……じゃぁ!そういう事で!! ……いつも、ありがとう、ね。

《すたすたすたすた……からからから……ぱたんっ》

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