shasu/らーすとちゅか 2023/08/28 12:00

冒険者に興味を持った女の子のお話

冒険者を目指す女の子が色々勘違いしちゃうお話
~第1話~

ある日の昼下がり…
街の中、閑散とした大通りをきょろきょろと、辺りを見回しながら歩く少女の姿があった…
真新しい冒険者用の服を身に纏っていた、彼女の名前はエネ。
今日は冒険者になるためにこの街にやって来た様だ。

エネ「この通りよね…?で…3つ目の建物が…あ…あの建物かしら…?」

交通の要衝として栄えており人口の多く集まるこの街には、また冒険者に舞い込む依頼も多い為、周辺地域では最大規模の冒険者ギルドが設置されていた。
街の集会所として、そして中に併設されている酒場もあり、離れていても分かるかなり大きな建物が、目的の冒険者ギルドだ。

エネ「あそこで冒険者登録が出来るって前聞いたわ…
冒険者になれば、いっぱいお金が稼げて…好きなモノいっぱい買える…♪
ダンジョンには綺麗な宝も…ふふ…♪
あれ…?そういえば…こんな明るい時間帯なのになんでこんなに人が少ないのかしらね…?通りの店も閉まってる訳でも無いし…
あら…?あそこ…」

閑散としていると思っていた通りだったがある一角に人ごみが出来ている…

エネ「…?何かのイベントでも開催してる?それとも大道芸人とかかしらね…?」

目を凝らすと、人ごみの中心には大きな荷物を背負い歩いている少女が居るだけだった…
周りに居る(何故か殆ど男)人達は、彼女に気取られないようにちらちらと伺っている感じで、気のせいか皆鼻の下が伸びている…
外から見ると異様な光景だったが、その中心に居る少女はそれに気づいておらず、重たそうな荷物を背負い、せっせと歩いている…

エネ「何でかしら…?あっ…あの子のスカート…成程ね…
気付いてないのかしらね…マズいわよ…白いスカートで色付きの下着は…」

人ごみが出来ている原因を察したエネは、彼女に対する憐れみと、男たちに対する蔑みの混ざった表情で横を通り過ぎようとしたのだった…

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