あやかし奇譚の設定についてのお話

ご挨拶とお礼

こんばんは筆まめ屋です。
新作の「あやかし奇譚~世話好き女神のイチャ甘えっち指南~」


多くの方に聞いていただいているようで、大変嬉しく思います。

聞いてくださった皆様、誠にありがとうございます。


 今回は作品についてまとめていただいた記事で言及されていたので、あやかし奇譚シリーズの設定的なお話をさせていただきます。私の脳内設定を垂れ流すだけの記事になりますので、興味のない方からすれば非常に退屈なものになってしまうかと思います。とりあえず聞いてやるから話してみ?という方は、しばしお付き合いくださいませ。先に謝っておくとクソ長いです。ごめんなさい。

過去作のヒロインの名前について

 あやかしのヒロインたちはキャラ紹介でキャラ名は記載しておりませんでした。名前がないわけではなく、作中で判明していく構成なので、ネタバレになるかと思いまして記載は控えておりました。作中のどこで名乗が判明するかというと…

「あやかし奇譚~妖艶夜叉との淫靡な異界生活~」


トラック10の最後で名乗る
「…ん?我の真名(まな)か」
「そうじゃな、お前様になら、告げてもよいか…」

「あやかし奇譚~好奇心旺盛なダウナー座敷童~」


トラック5の最後で主人公に付けてもらう
「…呼び方…?そんなこと言われてもな」
「最初に説明したが、私には名前がない…」
「…えっ…つけてくれるのか?名前」

「あやかし奇譚~のじゃロリメ○ガキ雪女の恩返し~」


トラック3の最後で名乗る
「人間に真名(まな)を教えるのは気が進まぬが…」
「まぁ命の恩人じゃからな。名乗らねば礼を欠くか」

 こんな感じで、ある程度信頼関係を築いた描写の後に名前を明かしています。これは妖怪なので人に名を明かすということを警戒している、というのもあります。真名を告げることは一種の呪いのようなもので、知られた相手に縛られるという考えからですね。これに関しては平安時代くらいから言われているらしいので、日本の伝統的な考え方という感じがします。映画の陰陽師でも似たような話をしていましたし、夏目友人帳などでは物語の根幹にかかわる部分ですね。

今作のヒロインについて

 では何故今回は記載しているのかですが、まずは私の神のイメージについてお話します。神とは祀られて自然現象的に発生するもので、人々の信仰が集まると姿形が具現化していくという風に考えています。その過程で人間が名前を付けて、より信仰が集まっていくので、神自体が自分の名前を認識するのは祀られてある程度期間が経った後。なんか自分を信仰している人間が人の事をそう呼んでいるみたいだから、そう名乗ろうみたいなノリですね。そのため、彼女も自分の名前だと認識している名はありました。

《祟り神などは順序が逆になりますが、現在呪いを振り撒いている状態の神を祀っているだけで、過去に人間によって信仰され自然発生した後だと考えています。乱暴な例えになりますが、神は自然現象、妖怪は生物という考えの元キャラを構築しています》

 じゃあ「名前を聞くようなやり取り位、作中に入れられるんじゃないの?」となりますが、今回のヒロインは忘れ去られつつある神様です。文献すら残っておらず、神社の補修清掃をしている管理人も祀られている神様の事をよく知りません。多くの人に崇められた期間も短く、それすら遥か昔。人間からの信仰が薄れて、力も非常に弱くなっております。今の管理人がいなくなれば、消えてしまう位弱っている状態です。そんな状態ですから、彼女自身も名前を忘れてしまっており、微かに残る昔の思い出と、時折嫌味を言いに来る他の神への対抗心だけが、彼女の存在を形作っています。キャラ紹介の名前は、昔信仰を集めていた頃に彼女が呼ばれていた名前です。
 以上の事から『名乗らなかった』のではなく、『名乗れなかった』となります。信仰が消え去ろうとしている弊害ですね。ノリが軽いため悲壮感は感じませんが、このまま消えるのではないかということだけは、自分でも薄々感づいています。ちなみにノリが軽いのは、格式ばった地域に創祀されなかったため、当時から砕けた言葉遣いだったという背景がございます。そんな設定が根底にありまして、今回は名前に言及するシーンは入れませんでした。

 声優様に発注する際、台本に添付したたキャラ設定ではこんな風になっております。


 そんな境遇ですから主人公が一万円札を賽銭箱に入れて、心からの願い事をしてくれたことが何より嬉しくて、ついつい声をかけてしまいました。それこそ、何としても願いをかなえてあげたいと、文字通り一肌脱ぐくらいに。体を重ねたことで徐々に愛着が強まっていき、後半では主人公の部屋に看病に来たりまでします。心配していたのは勿論ではありますが、顔を見せなくなったことが寂しくて堪らなかったんでしょうね。だから余計に甘やかしてくれます。神としての威厳を保つより主人公への想いが強くなり、最後は自分を見て欲しいという欲が前に出てきた感じになっています。スローセックスになっているのも、主人公の体を気遣っているのもありますが、少しでも長く触れ合いたいという心の表れです。

 ただR18音声作品において、背景を説明し過ぎるのも気が引けます。R18で出している以上、聞いてくださる方も、そういうのを期待しているわけではありませんからね。中途半端に説明してもわけがわからないものにしかならないので、作品内では一切の言及をしないまま走り切る形となりました。

 主人公からすれば信じている神様は彼女だけですから、名前を知らないことなどは些細な問題ですし、彼女が話そうとしないなら聞かないというスタンスです。ただそれではキャラに愛着が湧きづらいかなと思い、予告の段階では記載していなかったキャラ紹介画像を、製品版で差し替えました。

キャラ紹介

名前の意味は、繰が『糸など、ひも状のものを物に巻きつけて少しずつ引き出す。また、それを巻きつける』という意味、瑠璃は石言葉が「成功の保証」「真実」「健康」「幸運」となっているので、少しずつ幸運を手繰り寄せてくれる女神様という意味になります。名は体を表すという言葉がありますが、作中で告白成功の太鼓判を押したり、自分の加護があるのに風邪なんて引くわけないって言ってるのは、瑠璃の石言葉からの引用になります。まぁ、看病というシチュエーションのために、主人公には寝込んで貰いましたが…

 いずれ口コミで神社への参拝客が増えていくと思いますが、力を取り戻して名前も思い出した時、主人公に名前を呼んで欲しいと願う日がくるかもしれません。その時この一人と一柱は、いったいどんな会話をするのでしょうか。Ci-enでエピローグ的に書いてみるのもいいかもしれませんね。


長々とお付き合い下さり、誠にありがとうございました。
今後もあやかし奇譚としての音声作品は続けていきたいので、見かけましたら聞いてくださると嬉しく思います。

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