人間の世界に行くためには、この海の習わしとして愛する人間の子種を頂く必要があります…

今日はお願いがあって、参りました

貴方様はご存知だと思いますが、私（わたくし）は、貴方様のことが、す、好きです…

その気持は、とまることもなく、ずっとずっと膨れ続けております。

ずっとずっと、お慕い申し上げております…

だから、貴方様がこの世界からいなくなってしまうことを

考えると悲しくてずっと涙がとまらないのです…

だから、できれば、私を貴方様の…その…そばにおいていただけないでしょうか？

私を貴方様の妻にしてくださいませんでしょうか…

こんな身勝手なモノを言っているのは重々承知でございます。

でも、私は、一人の殿方を好きになったら忘れられないぐらい重い女なのです。

もちろんこれは、私の勝手な思い。いやなら断っていただいても構いません。全ての決定権は貴方様にあります

もし断られたら全ては、私の心の中だけ思い慕い、死ぬまでその気持だけで生きて行こうと思います

そして、不躾ながらもう一つお願いがあります。

それは貴方様の子種を頂きたいのです…

私が、この世界から、人間の世界に行くためには、お父様に認めてもらわなくてはいけません。

そのためにはこの海の習わしとして愛する人間の子種を頂く必要があります。

私はそうすることによって、人間の世界に嫁ぐことができるのです。