Jackie Jackson 2024/04/28 13:42

作品販路について

DLsiteの予告掲載依頼が審査中で止まっている件の続報です。
DLsite運営に問い合わせした結果、「写実的で未成年に見える性表現」がある作品の審査には時間がかかる、との回答でした。
そこから先は推測になりますが、規約を改訂して上記の対象を排除するかどうか、サービスとしての最終決定ができないため、とりあえず審査で止めて新作登録を保留している、というように見えます。
おそらくこのままでは、新作を発売することは当面できそうにありません。それどころか、最悪の場合、過去作もすべて発売停止されてしまう可能性もあります。

そもそも、現時点において、日本の法律ではこの「写実的で未成年に見える性表現」は禁止や規制はされていません。実在モデルがいる実写作品は当然違法ですが、そうではない創作作品については、どれだけ写実的であろうが違法にはなりません。
以前に細密なCGで未成年のヌード作品を作成販売した者が、○○ポルノ禁止法違反で逮捕起訴されて有罪判決を受けた事例があります。このせいで「実写でなくても違法になる」という誤解が一部に生じていますが、それは誤りです。
この事例は、過去の実写作品を取り込んで加工したものであったため、実写作品を再頒布したのと同等の行為とみなされ、罪に問われたものです。実写作品にはモデルが実在し、その人権が侵害されるから、という論理なのです。したがって、この判例が、モデルの実在しない完全に架空のCG作品に適用されることはありません。

日本のサービスの立場からいえば、日本国の法令に違反していない作品を、海外や私企業(カード会社など)からの圧力によって規制したり排除することは、表現の自由に対する不当な侵害になり得るし、特に出版業界とつながりのあるサービスであれば、出版業にもこれが波及することの懸念があるでしょうから、おいそれと受け入れることはできないのだと思います。
それでもこのようにどう対応するべきか逡巡せざるを得ないということは、実利や実損をちらつかせて脅迫めいたことをされているのではないかと危惧しています。
サービスの存続が危うくなるようなことを言われれば、それでも作品を守る、とはなかなか言えなくなっていくでしょうから。
それは逆に言えば圧力をかけている側が本当に卑怯でクズだということです。
人質を取って「こいつを殺されたくなければ言う通りにしろ」とやっているようなものです。
日本は法治国家なのですから、民主的な手続きにより、選挙によって主権者国民の負託を受けた国会で審議・議決して法を改正するなり新規に制定するなりするのが筋です。
市場独占的な民間企業がその立場を利用して私的に規制をするなどということは、近代国家の理念に反する行いであり、ファシズムの再来であり、到底許されません。

といった原則論の話はいったん置いて、私自身の今後の活動の方針を決めなければいけないと思います。
まだ現時点ではどうするべきか答が出ていません。
今のところ検討しているのは以下です。

  1. このままDLsiteの方針が決まるまでしばらく待つ
  2. 諦めて他サービスに移転する
  3. サービスの利用そのものを諦め、手売りに近い形で販売する。
  4. 販売そのものを諦める。

1は特にこちらからは動かず、DLsiteが最終的にどうするかを見守り、待つ、ということになります。
その場合、当然ですがしばらくは新作をリリースできない可能性があります。
いつまで待てば結論が出るのかもわからないので、「無期限延期」のようなことになります。
まだ旧作の販売は停止されていないので、完全に活動が止まるというわけではないですが、そうはいってもさすがに何ヶ月も待つわけにもいかないので、その後のことも考えておく必要があります。

2はたとえば多くの同人さんが利用しているFANZAとかに移るということですが、これには一つ問題があります。
そもそも私が現在なぜDLsite専売一本でやっているのかとえば、作品の修正に関するガイドラインの違いという問題があるのです。
DLsiteとFANZAでは「性器」の描写に対する修正の基準が異なっています。というか性器の定義が少し違うというほうが正しいかも知れません。
DLsiteでは私の作品は今のところ基本的に無修正で通ります。FANZAでは間違いなくモザイク必須になります。
じゃあ修正して売ればいいじゃん、って思われるでしょうけど、私の作品はいわゆるポルノ的な内容ではなく、あくまで美術的なヌード作品なので、修正は受け入れられないのです。
ミケランジェロのダビデ像の男性器がアウトだから布で隠せ、というわけにいかないのと同じです。
それも含めてトータルで「作品」なのだということです。

3は個人サイトなどで、プラットフォームサービスを経ずに販売するということですが、これは実際にはかなり難しいと思います。まずレンタルサーバーごとの規約によって販売が制約される可能性が高いですし、仮に販売できたとしても、代金の授受の問題があります。さらには税の申告などの手続きもすべて自分でやる必要があり、管理コストが現在よりかなり高くなってしまいます。
なのであまり現実的ではないかもしれません。

4は一番悲しい残念な決断ですが、DLsiteがもしも私の作品のようなものをすべて排除する選択をしてしまった場合、今後他のサービスにも同様の圧力が広がり、いずれ私の作品を販売できるサービスは存在しなくなる可能性があります。
そうなったら、もう選択の余地はなく、作品の公開販売そのものを諦めざるを得ません。
せっかくこうして活動をしてきたのに、諦めるのは断腸の思いですが、自分の力ではそれに抗うことには限界があります。

以上のように、現段階で考えられる選択肢は、どれも一長一短あり、決断しかねているところです。
もし支援者の皆様に、何かよいお知恵がありましたら、ぜひお貸しいただけるとありがたく思います。

いつもご支援ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

最新の記事

月別アーカイブ

記事を検索