Chat GPTで自作ゲームのキャラクターたちを戦わせてみました
こんにちは。縞々志摩です。
当サークルより販売中のRPG「Mad Dog Never Boiled」が販売本数3000本を超えました。
正直こんなに多くの方にプレイしていただき、感想等もいただけるとは思っていませんでした。
制作に関してまだまだ至らない点の多いサークルですが、今後もがんばって作品を作っていきたいなぁと思っております。
Chat GPTでゲームのキャラクターを戦わせてみた結果
さて、ここからがこの記事の本題です。
入力した文章に対してAIが文章を生成して返答してくれるChat GPTというものがあります。
最近これをいじってみて面白いなぁと思って遊んでいたのですが、ふと
「自分の作ったゲームのキャラの戦いをAIにシミュレートさせたらどうなるだろう?」
と思い試してみることにました。
とりあえず当サークルのゲームでは常連として登場する女騎士リステルと「Mad Dog Never Boiled」に登場する他のキャラクターを戦わせてみました。
女騎士リステルはこんな感じです。
第1回戦:女騎士リステル対女戦士ブレンダ
Chat GPTにはこんな感じの設定を与えて戦闘をロールプレイするよう指示しました。
重装備の騎士であるリステルは防御力に優れていますが、ブレンダにも並外れた怪力があるため良い勝負になるはず。
装備面でリステルが優遇されているのでブレンダには回復薬を持たせてあげました。
結果はリステルの勝利。
回復薬を戦闘中に使ってくれず、なぜか戦闘後にリステルがブレンダの傷を癒すために使ってあげているのが笑ってしまいましたが、ちゃんと設定した能力や装備を反映して戦闘描写もしてくれています。
リステルの勝因を分析させてみるとこんな回答が。結構説得力がある気がします。
ちなみにブレンダはこんな感じです。
第2回戦:女騎士リステル対弓使いレベッカ
次はリステルを弓使いレベッカと対戦させてみました。
弓使いレベッカ↓
各人の設定はこんな感じでChat GPTに指示しています。
レベッカには特殊技として爆薬を仕込んだ矢を撃てるという設定にしてみました。
これでリステルの盾を破壊できればレベッカに勝機がありそうです。
結果は……
リステルが危なげなく勝利。
面白いのはレベッカの爆薬を仕込んだ矢に対して、盾で受け止めると危険であると判断したのか剣で斬り落とすという戦術を用いている点。
これは予想外でしたが戦いの流れとして説得力はあるなと感じました。
第3回戦:女騎士リステル対魔術師シンセミア
どうも物理攻撃主体の相手だとリステルの「防御技術が高い」という設定のおかげでほぼ攻撃が通用しないようです。
であればと今度は魔法使いをぶつけてみることにしました。
土や闇の魔法を得意とする魔術師シンセミアです。植物型モンスターを召喚するスキルも持っています。
シンセミア↓
シンセミアが搦め手で勝利するかと予想したのですが戦闘結果は今回もリステルの勝利でした。
こちらが設定した攻撃方法はきちんと戦闘描写に反映されていますね。
魔法攻撃がミスリルの盾で防がれてしまったのがシンセミアの敗因かと思います。
おそらくChat GPTは海外のTRPGなどを学習データとして使用しているためなのか、ミスリル製の武器は日本のRPG的な感覚より強力な武器として扱われていると感じました。
第4回戦:女騎士リステル対勇者ハロルド
ここまでリステルは無敗。
一回は彼女が負けるところが見たいと思ったので今度は明らかに格上の相手をぶつけてみることに。
対戦相手は魔王を倒した伝説の勇者ハロルドです。
能力は意識してリステルよりも「盛って」設定し、ダメ押しとして攻撃を自動反射する反射石というチートアイテムも持たせてみました。
これならさすがにリステルに勝てるはず!
戦闘をロールプレイさせてみると、Chat GPTはいつもとちょっと違う反応を示しました。
設定した能力や装備をふまえて戦況を分析してくれています。
反射石については少し設定を理解しにくかったのか、リステルとハロルドのどちらの攻撃を反射するのかについて混乱が見られるようです。
内容は結構納得できるのですが肝心の戦闘結果は示してくれません。
「2人のうちどちらが勝ちますか」と聞いてみると、こんな答えが。
AIの回答は「互角」、「勝敗は予測できない」というものでした。
そうかぁ、そういうのもあるんだなぁと感心。
というか、チートアイテムまで身に着けた勇者と互角というのはリステルってめちゃくちゃ強いですね。
これはもしかすると、リステルの設定を最初に提示している点、これまでリステルを他の対戦相手と戦わせ続けている点などからAIが勝手にリステルを「物語の主役」と認識して彼女をひいきしているのかもしれません。
戦闘順序などでAIの結果予測に変化があるかどうかは今度実験してみたいなぁと思いました。
試してみた感想
正直すごく面白かったです。
自分の設定した能力や装備をきちんと反映した具体的な戦闘描写を提示してくれますし、こちらの予測を良い意味で裏切るような流れになることもあり、シミュレーションゲームをプレイしてるような感覚で楽しめました。
おそらく口調や性格のような部分をもっと詳しく設定すれば、戦闘中のやりとりも「そのキャラっぽさ」を出すことができるのではないかと思います。
18禁ゲーム制作者の立場から残念だったのは性的な展開を作ろうとするとAIから拒否されていまう点です。
たとえば、戦闘に負けたブレンダを凌○させようとしても拒否されます。
それから残酷な展開や倫理に反するような展開も拒否されるようです。
「魔王がリステルを捕まえた時のやりとりをロールプレイしてください」と指示した場合も拒否されました。
指示の与え方によっては描写してくれるかもしれませんが、基本的にChat GPTは正義の側が勝つことを望んでいるようです。
勝負後も相手の命を奪うことはなく、リステル対ブレンダの戦闘でもわかるように戦闘後は対戦相手を治療してあげるなど人道的な行動をとります。
ただ、これは「騎士」という職業設定が影響している可能性もあります。
たとえば盗賊や暗殺者のような設定にした場合は違う展開になる可能性もありそうですね。
私が試したのはChat GPT3というバージョンですが現在は有料版の進化バージョンChat GPT4もリリースされているようです。
こっちもいずれ試してみたいですし、簡単に導入できるようになればゲーム制作にも使ってみたいなと思いました。
長い記事でしたが読んでいただきありがとうございます。
縞々志摩でした。