投稿記事

無料プランの記事 (7)

ひたち 2022/07/03 00:00

コハク色~狐少女との不思議な出逢い~の後日談を公開!

コハク色~狐少女との不思議な出逢い~ EP1.5

※DLサイトで販売中のR-18音声作品「コハク色~狐少女との不思議な出逢い~」の後日談となっていますので前回の話が気になる方は是非ご購入していただければ幸いです。
※主人公像についてギャップが生じる場合がありますので閲覧の際にはご注意ください





「ごちそうさまでした!」

元気よく言い放ったコハクは、俺の分の食器も一緒に台所に向かう。

「今日は土曜日ですが、普段何されてるんですか?」

突然の質問に俺は返答に困ってしまう。それもそのはずで、俺は趣味という趣味などなかったものだから休日に過ごすあてがない。

「そーだな…寝るか…?」

無難な事を言ってしまった。このような時に備えて何か気の利く趣味の一つや二つ持っておくべきだったのだろうが、何をしても飽きてしまう性格の自分にとってはつまらない回答になってしまい、そんな自分にちょっと悲しくなる。というか気の利く趣味は趣味といっていいものなのかも分からないが。

「寝るって、さっき起きたばかりじゃないですか。そんなに寝てばかりいると身体鈍っちゃいますよ?」

コハクはそう言いながら、食器を洗い始めた。

「とは言ってもなぁ…」

女の子と二人で一緒に遊ぶ経験なんて今までなかったから時間をどう過ごせば良いのか…

ましてや付き合っている上にHをした女の子に。

「服も乾いていると思いますので、せっかくだし港の方に出てみませんか??せっかく覚えた呪文をカフェで言いたいですし!」

コハクは、俺の気を遣ってそう切り出して準備を始めた。最後はなんか違う気がするが…





「昨日は散々な雨だったのに、それを感じさせないぐらいの大晴れですね!」

両手を広げながら、笑顔でコハクは道をかけていく。
出会った時の大雨とは打って変わり快晴だ。

「あまり人前ではしゃぐなよ。この町は異人と交流の深い町で馴染んでいるといってもその耳と尻尾は目立つからな。」

神港町では、国が認めた初めての異人交流区となっていて町では異人を見ることは少なくはない。しかも昔から外国人との貿易が盛んな地域だったために、容姿や文化が違う人間でも受け入れられてきた。

しかし、それは人間に限ってのこと。耳、しっぽ、羽、角など存在が明らかに違う者に対して馴染みのない部分も多い。

「分かってますって、私って慎重なタイプですよ?そんな大胆な事はしませんよ。」

そう言いながら、コハクは自分の耳隠し用の帽子を手で押さえながら俺の前で回ってみせた。

「まぁ、ここに来る時もそうでしたが、珍しいなぁってだけで済んでしまうのが異人交流化が進んで馴染んでるってことなので、人間の適応力って凄いなぁと感心してしまいます。」

それに、とこちらに目を向けつつ完全には目を合わせずに続け様に呟いた。

私が幼い時に母親から聞いた昔話の中には、異人交流化が進む前は敵対的な存在で恐れられていたってお話もあるぐらいですから。」

この町では昔、確かに人と異人の争いがあり、それを治めたのもまた人と異人だったらしい。

「油断は禁物だからな」

俺は前を歩くコハクのフリフリしたしっぽを掴みながら言う。

「ひゃぁああ!!いきなりどこ掴んでるんですか!!最低です!最悪です!ど変態です!セクハラですか?警察に言いますよ?」
コハクは罵詈雑言を浴びせてくる。ここまでリズミカルに言ってくるのはむしろ心地良いぐらいだ。

「ごめん。つい。」
ここは素直に謝っておこう。





港に行くための駅に着きそうなタイミングでコハクは突然、思い出したかのように問いかけてきた。

「そういえば、あなたの学校ってどんなところですか?私、学校って場所で通った事がないのであまり分からないんですよね。」

少しどう説明するか悩んだ後、あくまで特殊な例になるけどと前き置きをして、

「ん〜。俺の学校は人工島にあるんだ。
設備も大分新しめだったりすることが多くて、異人交流化が進んできた時に一緒に学べる学舎として作られたんだよ。」

港の奥にある小さな島を指差しながら、もう少し補足をする

「人工島に行くためには無人の特殊な電車に乗って海の上を…。」

「む、無人で電車が動くんですか!?それに、異人と学べる学舎だなんて…」

少し驚いた口調でコハクは言う。

「外の世界ではそういった感じなんですね。驚きです。私達以外の異人が、人間との輪を築いていて普通に暮らしている。とっても素敵な事です。」

何か問題が起きたりした時に人工島だと隔離しやすいっていう話もあるが…設立から何も目立った事件は起きていないから風の噂だろう。

コハクは少し歩いてから何か思い立ったような顔でこちらを覗き込んできた。

その無垢な顔はとても可愛く、急な目線の攻撃に少したじろぐ。

「な、なんだよ。」

目を合わさないように顔を背けてしまいながらも理由を聞いてみる。何か少し嫌な感じはするのだが、条件反射かのように問いかけた。

「今から行ってみてもいいですか!!」

「あの、ごめん。どこへ?」

あまりにも突飛な発言に少し思考が止まる。

「あの、今日は港町にいってカフェで呪文を唱えるんですよね?」

そんなこと言いましたっけ?と首をかしげると俺の手を握りながら駅へと駆け出した。





「うはぁ〜〜!!海ですよ海!私達、海の上を走っていますよ!!」

初めて乗る無人電車に、初めて見る海。
外の世界に憧れがあったコハクにとっては、言うまでもなく興奮している。

「あんまりはしゃぎ過ぎるなよ。人の目もあるんだから…恥ずかしい。」

「あれ?恥ずかしいんです?もっと私がはしゃげば、あなたは恥ずかしくて倒れてしまう…なんてことあったりって尻尾を掴む素振りしないでください。ごめんなさい。」

いっそ、何か言うたびに尻尾を掴んでしまおうかと心の中でそう思いながら、コハクが覗き込んでいる窓の隣で、同じように海を見る。

広い海、一面の青、電車から落ちる影のように少し暗い青が目前に広がっている。

転校してきてからよく見る景色だ。

初めて見る人によっては、楽しいものだろうかと考えていると、コハクに手招きされて同じ窓に顔をだす。

「見てください!あそこ!漁師の人ですよ!たくさんお魚釣っていますよ!手を振ったら気づいてくれますかね?あはは。」

「あ!カモメですよ!一緒に飛んでくれてます!あれは親子なんですかね?」

目が良いのかコハクは、色々なことをキャッチしては俺に渡してくる。元気な様子に終始圧倒されながら電車は学校前についた。

念願の学校に着く前に、せっかくなので無人電車という名のアトラクションの感想を聞いてみた。

「凄く綺麗な青景色でしたね!キラキラしていました!こんなキラキラの果てが見えないなんて海って奥深ーいですね!」

そう言うコハクの顔は満面の笑みだった。





駅から5分歩いていくと、いつも通っている高校である「神港学園」に着く。

数年前に設立されたばかりで新しく、何より広い。各施設は充実したつくりになっていて学生が過ごしやすい環境が整えられている。

貿易が盛んな町ということもあり、海外では広く知られている。
遠くから来る学生のために寮も備え付けられていて異人の学生も寮に入ったりする。

コハクは校門をくぐったすぐ目の前にある芝生に駆け寄る。

「ここ!芝生がありますよ!芝生!すごい!ふかふかです!」

「ここの理事長は施設の手入れに厳しい人って話だからかもな。」

施設自体はレンガ造りの建物ばかりで、木や花をたくさん植えていたりと緑を大事にする校風なのだと分かる。人工島と言われてるが故に無機質なイメージを取り払い町の雰囲気を乱したくないとかそういう話だった気がする。

「この学校って異人と人との交流の学舎なんですよね?だとすれば、理事長さんはとっても優しい方なんですね」

「一度入学式で顔を見た事あるが、冷徹の魔女って感じだったけどな…」

コハクも顔を合わせたら優しいなんて思わなくなるさ。

「そーかいな?私にはそう思えへんけどなぁ…?」

後ろから関西弁の女の子が近づいてくる。

「驚くからいきなり話に入ってくるなって言ってるだろ?咲?」

軽快に話しかけてきた女の子は高田咲。髪は赤くショート目な彼女はいつも調子がよい。

「うわぁ、初めまして!私、コハクって言います!!えと、どういう関係…ですか??」

いきなりに驚いたコハクは、たじろぎながら挨拶をした。

「そんなんコッチのセリフやで。まぁ、ウチとこいつはこの学校で知り合ったんや。そんでなんやかんやあって友達になったんや。コハクゆーたっけ?あんたは?誘拐でもされたんかいな?」

「おい、縁起でも無い事言うな。」
俺は咲に軽くチョップをしていると、

「そうです!誘拐なんてされてません!何でもすることを条件に拾っていただいたんです!」
コハクが真面目な顔をしてそう答えた。

「なんでも??あんた、こんな子になんて事してるんや!それでも人間かいな!」
咲が、また騒ぎ立てる。

咲も咲だが、コハクもコハクだ。誤解を生む言い方はやめてくれ…。確かに家事炊事など、なんでもしてくれてはいるが…。

「そういえば、コハクちゃん。後ろの尻尾って…」

咲はそう言いながらコハクのお尻にある尻尾に興味をもった。

「尻尾??あぁ、私狐人なので!」

惜しげもなくそう答えると、咲は驚いた後笑い出した。

「こんな可愛い異人の子に世話されとると思うとなぁ…やっぱりなんかあるんとちゃうか?」

2回目のチョップをしようと構えた時、

キーンコーンカーンコーン

突然、ベルがなった。

「もう、こんな時間やないか。そろそろ行かんとな。」

咲は腕に付けている時計を見ながら呟いた。

何かあるのか?と質問すると、

「今日は園芸の手伝いがあるからな〜。休みの日はたまにこっちに顔を出してるんや」

「園芸ですか?お花好きなんですね。どおりで色んなお花の匂いがしたわけです!」

鼻をクンクンとさせながらコハクは咲の服から感じる匂いの正体を当ててみせた。

「おお!当たりや!ちょうどここに来る前に手入れしてたところやからな。」

咲の両親は商いをしている人で、娘である彼女もカフェの経営をしているのだ。そしてお店に飾るお花の手入れを毎日行なっているわけだ。

「また、興味あったらきてーや!」

そう言い残すと咲は園芸施設のある方へと走っていった。

「不思議な方でしたね。」

コハクの感想に、俺も激しく同意した。





中庭を通り、少し進むと普段使うクラス棟が見えてくる、クラス棟は合計2つあり、1、2年は同じ棟を使って学ぶ事になっている。

「せっかくだし教室に入りませんか?」

そう言われて従うままにクラス棟へ向かう。

土日はクラス棟を使う生徒はおらずとても静かだった。その代わり窓から運動部の生徒が声出しをしているのが聞こえる。

コハクが教室のドアを開けて中に入ると先生の振りをし始めた。

「君、大遅刻だよ。こんなんじゃ欠席日数が足りなくて留年してしまうよ。ほっほっほっ。」

コハクの中の先生像は小太りで髭が生えているらしく、唇上の髭を触りながら後ろに手を回している。

「すみません。せんせー。」

俺はそういうと、自分の席に座った。

「ココがあなたの席なんですね!」とコハクも続いて隣の席に座る。

教室にはコハクと俺。隣同士の席。夏に入りかけで少しじめっとした温度の中で外からは運動部の声。

コハクは黒板を見つめている。

何を考えているのだろうか。ただコハクから滴る汗を見ているしかなかった。

沈黙の後でコハクは口を開いた。

「あなたと、一緒に通学して、一緒の授業を受けて、一緒にお昼ご飯をたべて、一緒に帰る。そういった夢がここには有るんですね。」

そう語るコハクの目は物憂げで諦めに似たものを感じた。

口を開こうに開かない。

俺はそれに応えられる回答を持ち合わせていなかった。励ましも、慰めすら言えない。

心のどこかでまだ…

俺に出来たのは、コハクの手の上に自身の手を添えることだけだった。

それでも、

「ありがとうございます…。」

コハクは微笑みを向けてくれた。


「もう、こんな時間か」

学園に設置されている時計の時間を確認すると、もうすぐ夕飯時であることがわかった。

他愛のない話が続き、時間を忘れてしまったらしい。

「あなたの普段の生活やこの街のこととか知れて楽しかったです!学校というものにも初めて来ることができてワクワクしましたよ!」

そう言いながら、コハクは尻尾をフリフリさせている。相当新鮮で楽しかったのだろう。

「外の景色にたくさん見せてあげるから」

俺はコハクの手を握ると、それに応えるように握り返してくれた。

「楽しみにしています!。」

そうコハクは言い、俺たちは帰路についた。

NEXT chapter02 カフェでアルバイト

ひたち 2022/05/27 20:00

コハク色~狐少女との不思議な出逢い~が発売されました!!

どうも、ひたちです。

本日発売した『コハク色~狐少女との不思議な出逢い~』は買って聞いたかな?

無事にお手元に届いてるよっていう方もいらっしゃってとても嬉しいです。
もし、この記事を見て買ったよ~て方がいらしたら是非レビューもしていただけたらいいなと思ってます!

というわけでひと段落ついたら、また2作目の準備もしていこうかなーと思いますね。
完結まで共に走っていきましょ~!
販売ページ
▷▷https://www.dlsite.com/maniax-touch/work/=/product_id/RJ390905.html

追記
・音声作品のこれからを応援してくださる方向けにプランを今月中にしたためるので、興味がある人は是非!(恐らくFANBOXと同じ内容になるかな?)

・Vtuber作ってるよ!ということで公開できそうなタイミングで記事にしていこうと思うよ~

ひたち 2022/05/17 20:00

特典情報です!!

怒涛の連続更新!!手が疲れるんじゃァ―


どうもひたちです。


今日は5月27日発売の音声作品に関する情報です!!

既にチェックしてくださってる方はご存知かもしれません。
そう!

購入特典!!!しかも3つ!!

間髪入れずにはいコチラ!

まず、一つ目はパッケージにもなっているイラストの高画質版になります。

そして、二つ目はスマホ用壁紙になります!内容としてはパッケージイラストと、3つ目にあたる特典イラストになりますね。

最後の3つ目は、特典イラストはどん!

きわきわドレス衣装になっております!
差分にはおっぱいポロン差分もありますのでご安心を!


今回、この3つが特典でございますのでよろしくお願いいたします!

ではまた次の記事で!

ひたち 2022/05/16 20:00

【発売まで一週間とちょっと!】音声作品裏話です!

どうもひたちです。

私の処女作となる音声作品の販売まで一週間とちょっとになりました。
DLサイト内では予約作品にお気に入りをしてくださる方も多くて大変嬉しい限りです!

というわけで?今回は発売に向けて色々制作秘話を今のうちに語りつくしたいと思います!

第一回自作自演でお伝えするひたちへの質問!!

Q「なにもかも初めての今作で、一番大変だったことはありますか?」

ひ「う~ん。そうですね。やっぱりシナリオの部分ですかね」
 「特に、Hの部分はどのように書けば自分の中にあるイメージを声優さんにお伝えでき
  るのかを悩むことが多かったですね。あと、間かな。」

Q「間ですか?確かに間は大事と聞きますが…」

ひ「ポンポン進んでいくテンポも気持ちよくて好きですが、なるたけリアリティーがある
  ようにしたかったんで。」

Q「では次に、ストーリーモノということで今作のために設定を1から作ったのです 
  か?」

ひ「いや、そうではなくて。元々同人ゲームが構想段階にあってそこの設定をそのまま持 
  ってきてますね。」
 「異人ってどういう立場でどう暮らしているの?とか、異人と人の関係は?とか考えな 
  くちゃいけないよと言われて改めて創作の難しさをぶつかった企画でしたが、今作を
  描きながら調整していきましたね。まだ甘い部分はたくさんありますが(笑)」

Q「ということは、構想段階にあったキャラクターも関わりがでてくるのでは?」

ひ「そうですね。もしかしたら何かあったりするかもしれないですね(笑)」
 「とはいっても、ゲームという形をとるかは今のところなんとも…かなぁ…」

Q「最後に、この記事を読んでくださってる方へなにかメッセージを。」

ひ「今後の展開や次作のEP2も色々進めているので、更に上のステップにいくためにも予約登録と作品の購入をしていただければとても嬉しいと思っています。またYouTubeにも一部公開するので是非聞いてコメントしてほしいですね(笑)」

Q「第一回自作自演でお伝えするひたちへの質問!!でした!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いかがでしたか?裏話という裏話だったかはわからないけど、作品のことを少しでも興味を持ってくださると嬉しいです!

それでは、次の記事でお会いしましょ~

ひたち 2022/05/13 20:00

【情報解禁】音声作品販売決定!!!コレ重要だゾ!

超重大発表その1

どうも、ひたちです。

今日はね、今日は…嬉しい報告があるんですよ…

それは、

音声作品販売決定~!!

前にジャケットイラストのラフについての記事を書いてはいたんですが、音声編集とイラスト等が全て終わりまして。
ついに発売することが出来る手前まできました!

タイトルは【コハク色~狐少女との不思議~】となります。
CVは神代そらさんでございます!

私の処女作となる女の子「コハク」の声を担当していただきました!
名の通り琥珀色の髪の毛で狐耳が特徴的な女の子です。
性格は礼儀はあるが慣れてくるとおちゃらける、押しに弱い子で主導権を握られることがしばしば…

発売時期の予定は今月5月27日を予定。
作品の長さ自体は約40分の作品になっています。

お値段は990円。
ですが、処女作セールで20%オフになっての販売になります(セール終了日は未定で長期間の予定です。)



いやぁ~長かったですね。

どれも初めてのことばかりで苦戦することが多かったですが。(特に台本)

やっと、やっとこの時がきましたね。

今回は発売しますのご報告とジャケットイラストの紹介ではありますが、近日中には購入特典の発表、サンプルボイスやYouTubeでトラック1の限定公開についてなど色々情報発信をしていきますのでチェックしていてくださいね!

では!次!

今回のジャケットイラスト!



続いては、今作の紹介でございます。

裸シャツのみ!!
改めてみるとめちゃHなこの格好。

コハクちゃんは外の世界にふれてどう思うのか。あなたと触れてどうなっていくのか。その初めの第一作となるので是非楽しみにしていてください~


では、また次の記事でお会いしましょう!!

追記
予告、販売ともにページができていないので、でき次第告知していきますね!

« 1 2

限定特典から探す

記事のタグから探す

月別アーカイブ

記事を検索