べるちっく 2023/01/18 22:00

【けもミミ少年】設定:その2

設定のご報告のお時間です。
(2023年もよろしくお願いします)

今回はバロン邸/その主について書きたいと思います。

けもミミ少年たちが仕える環境

■お屋敷
常に美しく清潔に整備された広い庭。
四季折々の植物に彩られ訪れる客人は自然と表情が緩む。
そんな庭の奥にひっそりと佇む大きなお屋敷。
人々はソレをバロン邸と呼んでいる。


■召使たち
主人の他につかえる存在はないものの、けもミミ少年以外の人も含め数十名の召使が在籍しています。
けもミミ少年は、7人。
但し、控えとして給仕係などに属しているけもミミ少年もいます。
(※マルが逃げ出して6人へ。ヨリは、ここに属します。「けもミミ少年のキョウイク」で登場する新人が来たことで7人にもどりました。)

一週間交代制、月曜日はこの子、火曜日はこの子みたいにとっかえひっかえします。
けれど最近はご主人様の一番のお気に入りが5日間連続で性処理のお世話をするのが当たり前でした。
ヨリはもともとお気に入りでしたが教育係へ降格しました。
なのでお相手がない日は、技術向上のためけもミミ少年同士でセックスに励むことも。


■ご主人様さま

名前:メーレン・E・バロン
年齢:21歳
若くして亡くなった父の代わりに家業を継ぐ。お屋敷に住む正真正銘お坊ちゃま。
表向きは爽やかな笑顔で人々を魅了する、仕事のできる、穏やかな麗しい青年。
しかし本性は美少年(けもミミ少年)が大好きでサディスティックな面を持つ。

■イヴァンさん

名前:イヴァン・マクファイル
年齢:32歳
召使たちの長。
バロン邸に代々つかえている家系の召使。
同じく召使で双子の兄であるゼノがいる。
(※見分け方は手のひらの火傷痕)
メーレンの趣味嗜好には常々手を焼いている。
けもミミ少年たちには"煩い"と若干嫌われている。

【ご主人さまの記録】

お屋敷の主人はメーレン・E・バロン。
元々身体が弱く、病気がち。
友達はなく飼っていた猫だけが心を許せる存在だった。

十五の誕生日の夜。
差出人不明の贈答品によって何者かが仕掛けた爆弾が爆発。
一面火の海に。
家族は死に、召使たちも死に、大事な友である飼い猫さえも。
唯一、召使のイヴァン・マクファイルが庇い、メーレンは生き残った。
(※ゼノは別件で外出していたため無事)

月日は流れ、再建されたバロン邸。
以前よりも煌びやかな風貌。
18歳のメーレンは若くしてその家の主になる。

しかし彼は事件のショックから塞ぎがちになり益々引きこもるようになった。
そんな彼を見かねて、イヴァンはメーレンを街へ連れ出す。

「用が済んだら早く帰りたい」

そう何度も口にしていた彼だが、とある人物との出会いによって心が動かされる。
冷たい水を被ったような衝撃。
あの事件以来の出来事だった。
酷く動揺したが同時に大事な友に抱いた暖かい感情を思い出した。

「あの子がそこにいる」

指さす先にいたのは、猫の尻尾と耳をもつヒト。
彼は自分よりも歳が離れている少年。
道行く人へ、ゴミとたがわぬ物と引き換えに、金品を欲している。
イヴァンは目を丸くした。
何に対しても無関心だったが、あんな汚い物乞いにとても興味を示している主人。
メーレンはその子に釘付けになって、うわの空でこう零した。

「あの子を連れて帰らなきゃ」

制止するイヴァンを振り切り、物乞いの少年の手を引く。
怯える少年を屋敷に連れ帰った。

まるで捨て猫を保護する感覚。
以前と違うのは、その子は獣ではなく人だということ。
メーレンは少年の感情などお構いなしに、自分が考える最善を彼に尽くした。
少年を、飼い猫と同じ名前のクロワと名付け、とても可愛がった。

親友が、ひとりぼっちの僕のところに戻ってきてくれた。
「キミは僕の大切な存在だ」
抱いたのは寂しさゆえの友や家族を求める感情だったが、時が経つにつれて隣にいる美少年に静かに歪められていく。

クロワが恋しい。
髪に指を通し、匂いを嗅ぐ。
メーレンの奇怪な行動をクロワも次第に受け入れるようになった。
クロワはとても従順だった。
幼少期の環境かそれとも気性か。
時に冗談めいたことを言うと、クロワは疑いもせずすぐ行動に移した。

夜な夜な布団にもぐりこんで、手を握り、唇に触れる。
イヴァンや他の召使たちに気づかれないように、二人だけの秘密。

そして寒い冬の日、初めて身体を重ねた。
とても手荒く、欲望のまま、痛みを伴う行為だった。
暴力で抑え込み、血を流そうとも、メーレンはクロワを愛した。
クロワは幾度も逃げ出そうとした。
しかしその小さな体をメーレンは絶対に離さなかった。

熱く、重く、鈍く、全身に響く。
奇しくも事件と同じ日の一夜、目の前の景色がまたしても一変した。
メーレンの中で粗暴な人格が芽生えたのも事実だ。

美しい猫の少年に恋をした。
と同時に、彼らは何をしても自分を否定しない存在だと認識した。
こんなに都合のいい存在がこの世界に生命として在る。


その二年後、クロワは持病の悪化で死んでしまった。
医者によればもともと心臓に病を患っていたとのことだ。

またしても一人になってしまったメーレン。
けれど、彼にはひとつの思惑があった。

この世界にはクロワのようなヒトが存在する。
彼らは様々な事情を抱え、多くは大人まで生きるのは困難だと聞く。
なら彼らが安心して過ごせる場所を自分が提供すればいい。

メーレンは父の家業を引き継ぐ傍ら、新たな事業として少年たちを保護し始めた。

「クロワと同じように、愛してあげればいい」

少年たちに課せられたのはメーレンの全てを受け入れること。
たとえ意に沿わないとしても、それが契約だ。

――力によって支配する。注ぐ愛に悶え苦しみすがりつき、涙を浮かべ受け入れる美しい少年。

メーレンは穏やかな顔の裏で、あの夜の快感をひと時も忘れられずにいる。

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