夏野企画 KigaNatsuno 2024/06/11 23:19

10日ほど南の方に旅に出ていました。

2024/06/02から2024/06/11まで、横浜から大きな船に乗り出航して、沖縄~石垣島~台湾の基隆港~台北市内と旅に出てきました。

日本から片道飛行機で3時間ほどで着ける台湾まで、わざわざ6日間ほど船で旅行するという時間とお金をまさに浪費するための旅行とも言えるのですが、「わざわざ」や「浪費」という「コスパ」や「タイパ」の真逆のことの中にのみ「贅沢」は宿るので、そういう旅をしてきました。陸に降り立った後も、揺れを錯覚として感じることを「陸酔い(おかよい)」というそうですが、キーボードをたたいているいまも、まだそんな感じがのこっています。

創作活動ですが、3DCGでの同人制作にまつわる環境の悪化については、皆さん散々話されているので一旦やめにしつつ、僕は新作を頑張って作っています。ヴィジュアルノベルっぽい動画作品になる予定で6月下旬に発売になるかと思いますが、これから詰めの作業に入る予定です。

で、なんの話でしたっけ、あ、旅行ですが。

サラリーマンを辞めて同人の専業作家になってから3年目を迎えます。サラリーマン時代と専業作家生活の大きな違いは、頑張れば頑張るだけ収入が増えることです。いや正確には、どれだけユーザーの皆さんに買っていただけたかで決まるので、作品のできはもちろん大切なのですが、作品の制作スピード自体は僕個人の努力自体でいくらでも早くすることが出来るわけです。同じ本数しか毎回売れなかったとしても、「作品を作って販売するサイクル」を上げることで、「同じ期間に上がる収入を増やす」ことは出来るわけです。

売り上げの波は、毎月の生活費を上回る売り上げが得られるときもあれば、マイナスになることもあり、この3年はありがたいことにほとんどの月で生活費を上回る売り上げがあったおかげで、もしもの時に備えて多少の蓄えを作ることが出来ました。

ただそれでもなお、いつかくるかもしれない長期間の売上減少に備えて、ひたすら物を作り続けてはリリースするということを続けてきました。で、ふと思ったことが「これ、何に備えてがんばってるんだっけ?」ということでした。いつかゆっくり出来る日を夢見て稼ぎ続けても、ある日死んでしまえば、そんな約束は守られないわけです。

サラリーマン時代の先輩に、定年間近の方がいて、転職組の私にも気さくに話してくれる、社会保険料の値上げにいつも文句を言っている、面白いおじさんだったのですが、会社員生活も最終盤のある日、急に病に倒れられて、定年を待たずに亡くなってしまったことがありました。彼は常々文句を言っていた社会保険料の代償を受け取ることもなく、人生の消化試合の期間を迎えることもないまま亡くなってしまったのです。

考えれば当たり前なことなのですが、未来のいつか起きるであろう「ご褒美」なんて物は、当てにならない物で、そもそも、そのご褒美を受け取る側に体力が無くなってしまっていることだったあるのだという示唆を僕に与えました。

というわけで、今回の旅行はそういう「ご褒美」を体力のあるうちにちゃんと味わっておくという意味合いのものでした。故に浪費が必要だったわけです。僕は自分を甘やかし、家族とともにその果実を味わいながら、これからの同人活動冬の時代をなんとか生きていく心の栄養を得てきたのでした。

旅行はいいです。日常を離れられるから。日常の素晴らしさや可愛らしさに気づくきっかけになります。またちょっと頑張ります。

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