MISTY APPLE 2022/12/27 11:54

オネ秋制作裏話と年末のご挨拶

『オネエの恋は秋の空』制作裏話

※本記事には作品のネタバレが含まれます。お聞きの方のみお読み下さい。

こんにちは、MISTY APPLEのhiraco.です。
最新作、春一番シリーズスピンオフ 『オネエの恋は秋の空』 をお買い上げ下さった皆さま、本当にありがとうございます。
今回はhiraco.が担当しております脚本と音声編集という点で、ちょっぴり裏話を書こうと思います。
ご興味がある方はお読み下さい。


今回マサヤのスピンオフを書こう!と思った時、考えたのは「どうして2人は別れたのか?」ということでした。
最初書いていた時は「マサヤが亮介の夢のために身を引いた」みたいな綺麗なストーリーになっていたんですが、いやいや何か嘘っぽいなと。
もっとリスナーさんに共感してもらえるような、あるあるって思えるような、心に爪痕を残せるようなストーリーにしたいなぁと。
加えて、私が18禁BLボイスドラマの脚本を書く時に考えているのは「声優さんの喜怒哀楽の演技をなるべくたくさん使って頂く」ことです。

これは最初の「春一番にご用心」から一緒なのですが、えちえちとストーリー両方を入れた作品を作るなら、声優さんの色んな素敵な演技を聞きたいじゃないかと思っております。
だから本編メインCPの幸哉くんには融さんとくっつくまでに散々苦しんで怒ってもらいましたし、融さんは舞台役者設定にして劇中劇シーンも作り、春一番2ではブチギレて頂きました。

ということで、今回はマサヤを演じて下さっている秋月勇人さんと、亮介を演じて下さっているかっぱガリさんの色んな演技を楽しめる作品にしたいなぁと思っていました。
その時に思いついたのが、あの過去編でした。


人間の心って、本当に繊細だと思うんですね。
その人が置かれている状況、精神状態、身体状態、季節、天気、色んな些細なことでコロッと変わってしまいます。
同じ大学を目指してがんばっていたのに、あの人だけが受かった。
同じ人を好きになって、彼はあの子を選んだ。
「嫉妬」「僻み」そう一言で片付ければ簡単かもしれませんが、そこには色んな思いがあって。
「好き」も「嫌い」も本当に、紙一重だと思うんです。
マサヤと亮介の場合、2人が同じ男同士だったことと、亮介が少し年下というのもあったと思います。
性別の違いって絶対あると思うんですよね。
私がBLを好きな理由の1つは「同じ土俵に立てるから」だったりもします。
その同じ土俵に立てることを、今回は逆手に取ってみました。

マサヤと亮介は夢の方向こそ違えど、それぞれが夢に向かって進んでいました。
でもどうすることもできない理由で、マサヤは自分から亮介を切り、夢を諦めます。
ここで「無理」ってなっていくところから泣き崩れる秋月さんの演技がhiraco.は大好きで、何回も聞いていました。
編集中はマサヤにも紫織ちゃんにも幹子さんにも「ごめんねぇ…」ってずっと言ってました。

さて、マサヤさんを追い詰められる理由になったのは紫織の事故な訳ですが。
紫織を車いす設定にしたのは、パラリンピックの競技を見たことがきっかけでした。
先天性障害をお持ちの人、事故や何かで後天性障害をお持ちの人、色んな方が輝いておられて、特に車いすラグビーは夫婦で大盛り上がりで観戦しておりました。
特集でその障害のことについて、きっかけを目にする機会があり、「車での事故」「部活中の事故」色んなものがありました。
でもそこから皆さんパラスポーツに出会い、選手にまでなられたということで、すごく元気をもらいました。
加えて私が今も介護職で働いており、車いす生活の方をたくさん見ていることから、そういう方をいつか自分の作品に出したいと思っておりまして、紫織ちゃんがそうなりました。
裏話としてキャストの望月なつさんにはお伝えしていたのですが、紫織は過去編の後、マサヤや幹子に支えられ少しずつ元気になり、パラリンピックで活躍する女性選手を見て更に奮起し、めちゃくちゃ頑張ってリハビリを完遂するという裏ストーリーがあります。
マサヤの妹ですしあのお声だしめっちゃかわいいのは確定だし、色々乗り越えて強くなってて素直で頑張り屋なので職場でもモテモテだと思います。
いつか彼氏なんて連れて帰ってきた日にはマサヤが笑顔で厳しいチェックを入れそうですが、それはそれで見てみたいですね。

秋月さんにも紫織役の望月さんにも幹子役のriramuさんにも泣き崩れるシーンを入れてしまいましたが、皆さん本当に素晴らしくてうるうるしながら編集していました。
BGMとの兼ね合わせと、紫織が泣いてマサヤが抱きしめた所でちょっと声をくもらせる編集をしているのがこだわりです。

さて、色々あったマサヤでしたが、亮介が無理矢理自分が役者をやっている舞台のトラブルに引っ張り込んだことで、自分の夢を思い出し、亮介の夢を理解することにもなります。
それで最後には再びヨリを戻すことになるのですが、亮介の「全部俺に言え」の台詞がキャストのかっぱガリさんにもリスナーさんにも好評で嬉しかったです。
ここのかっぱガリさんの演技素敵でしたね…キャストトークでもおっしゃっててうんうん頷いてました。
このあたりの亮介の台詞は全部「マサヤが心の底で望んでいた言葉」というイメージでした。アンサーというか。
ここの言葉で、やっと全部の傷が癒えるというか。
結局は(不可抗力だとしても)傷を負わされた相手にしか傷は癒やせないのかななんて思ったり。
あ、余談ですが偶然浜崎あゆみの「M」を聞いていたら何かマサヤにぴったりでした。
皆さん聞いてみて下さい(世代がバレるw)。
で、マサヤが亮介に言ってしまった「嫌い、もう顔も見たくない」のアンサーというかそれを癒やす言葉がラストの「ごめん、ありがとう、大好き!」です。
ここの秋月さんの演技もめちゃくちゃかわいかったですね…。

さて、長々と書いてしまいましたが、脚本も編集もめちゃくちゃこだわって作った今作品、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。


年末のご挨拶

Ci-enを更新するのはこれで今年は最後になると思いますので、少し早いですがご挨拶をば。
ちょうど1年前に「同人サークル作る!私が好きな18禁BLボイスドラマ作る!」と決め、脚本を仕立て、幸哉役のSHOTAさんと融役の神宮厚生さんにガクブルしながらDMをお送りした春が懐かしいです。
お二人のサンプルボイスや出演作品を聞きながら「この方だーっ!!」てなってました。
その後はCV募集をして(ここでマサヤ役に秋月勇人さんが決定しました)7月に処女作 『春一番にご用心』 を発売。

改めて聞くと幸哉と融、2人の距離感が本当に新鮮でかわいいので、3作持っているという方もぜひ最初から聞いてみて下さい。
マサヤはこの回から既に登場しています。

そして10月に2作目 『春一番にご用心2~劇団活動は”初めて”だらけ!?~』 を発売。

恋人同士になった幸哉と融の2人でいる時とみんなといる時の差が楽しい回です。
そして初登場の亮介が幸哉にごにょごにょしちゃう回、最後にマサヤと再会して終わります。
亮介は初めからマサヤの元カレとして登場させたかったのですが、実は私の脳内イメージがまだふわふわしていた時にかっぱガリさんの攻めボイスをお聞きして、マサヤとのキャラの相性も考えて書いていったという裏話があります。
劇中劇シーンもめちゃくちゃこだわったので楽しかったですね…!


キャストの皆さま、サークルの先輩方、リスナーの皆さまのおかげで3作品リリースすることができました。
来年はまずは 『春一番にご用心3』 の情報をお待ちくださいませ。
現在方言監修に入っているのですが…年末年始で監修のBu-Nan氏が忙しくあまり進んでおりません…!申し訳ありません…!
ただメインイラストとタイトルロゴは既に納品頂いております。
今回もとってもかわいいです!!!!
そして…幸哉くんが!!!ついに!!脱いでます!!!笑
(お脱ぎになったお肌のつやつや具合がめっちゃかわいいです。しょのすけさんからもしかしたらチラ見せあるかもです、お楽しみに)
融さんも!!お洋服が!!!アレです!!!笑
(融さんのお洋服はねー絶対アレ着て欲しかったんですよ。ついでに靴まで描いて欲しいとお願いしたらしょのすけさんが描いて下さいました。ありがとうございます!)

オネ秋で切ない話を書いた後なので、あの…すいません今回はhiraco.の趣味で「幸哉くんと融さんに○○プレイしてほしいな…そう持っていくためにはどうストーリーを展開すればいいか…」という感じで書きました。
主に幸哉くんがその被害者になっているのですが、SHOTAさんのお声と演技なら確実にかわいくなるので今から楽しみにしています。
融さんもいつもに増して(…いやいつも通りかもしれない)ドSなのですが、神宮さんのお声と演技なら確実に最高なので今から楽しみにしています。


長々と書いてしまいましたが、皆さま本年は大変お世話になりました。
来年もどうぞMISTY APPLEを、春一番にご用心シリーズをよろしくお願いいたします。

よいお年をお迎え下さい。


MISTY APPLE hiraco.

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