世界を変える物語はあるのに、世界を変えた後の物語はなぜないのか?

世界を変える物語と、世界を変えた後の物語

 昔からよくある物語のパターンとして、世直しの物語というのがあります。反体制派に属する人物もしくは組織が、腐敗と不正に満ちあふれた世界を変えるというお話です。しかし、物語で描かれるのは「世界を変える」という結末に至るまでの過程のみで、その後どうなったか、までは描かれることはあまりないですよね。

何故、世界を変えた後の物語はあまりないのか?

 何故描かれないか、というと考えられる原因は2つあります。まず、第一に、そもそも物語において世界や社会を変えるのに失敗してしまうからです。第二に、仮に成功したとしても、腐敗や不正がない完全なユートピアを舞台とした物語は盛り上げることが難しいから、というのがありそうです。

物語を盛り上げるために必要なものとは?

 そう考えると、逆説的に、「世界を変える物語」を盛り上げるためには、腐敗や不正や差別は絶対に必要ということになります。腐敗や不正がない世界が舞台なら、反体制派の組織が一生懸命戦って世界を変える必要もなくなりますからね。現実の世界じゃ蛇蝎のごとく嫌われる腐敗や不正や差別が、創作の世界だと必須アイテムになるというのはなんとも皮肉な話です。

女性に対する性的搾取

 それは腐敗や不正に限ったことではないのでしょう。例えば女性に対する性的な嫌がらせやセクハラのたぐいもそうかもしれません。もちろん現実の世界では絶対にやってはいけないことですが、創作の世界だとしばしばそういった描写を入れるのがやむを得ないこともあります。特に同人エロゲーというジャンルではなおさらのことです。

 例えば、僕の制作している同人エロゲーにも、触手の女の子がケモ耳の女の子をレズレ○プする描写があります。

ルッキズム

 あるいはルッキズムだってそうかもしれません。ブサイクな男女を徹底的に排除して、美男美女だけがその空間の中に存在するようにする、なんてもし現実の会社でやったら炎上間違いなしですが、創作だとどんどんやって問題ないです。むしろ逆に超ブサイクな女性がメインヒロインだと大問題です。

創作の本質

 戦争に始まり、虐殺、自殺、差別、犯罪、暴力、腐敗、不正、災害、圧政、独裁、忖度、恐怖、絶望、苦痛、悲嘆、不自由、痴○、セクハラ、強○、性的搾取、そしてルッキズム……。どれも現実の世界からは無くなってほしいものですが、創作っていうのはある種そういう残酷なものを楽しむコンテンツという側面もあるのかもしれませんね……。

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