起承転結についての考え方は色々あるらしいです。
他の人の意見は……
色々なサイトを見ていると、どうも人によって「起承転結」や「三幕構成」に関する見解が違っているようです。
例えば、「起承転結」と「三幕構成」は言い方が違うだけで同じようなことを表現していると主張する人がいます。その一方で、起承転結と三幕構成は全く異なる考え方であり、三幕構成に沿ってストーリーを作ると必ず失敗すると主張する人もいます。
こうなると、結局どの意見を選んで参考にするかは、自分次第ということになってしまいます。僕なりに、色々な人の意見の良いとこ取りをして、「これが一番しっくり来るんじゃないか? 」という起承転結についての考え方をまとめてみました。
結局のところ、私の意見は……
起承転結の内、「承」のパートは、より厳密には「承前半」と「承後半」に分割されます。そして、「承前半」・「承後半」・「転」の3つパートが、三幕構成で言うところの「第二幕」に相当するものです。「承後半」と「転」の間にミッドポイントと呼ばれる重要なシーンが挟まり、ミッドポイントを境にしてストーリーは180°逆の方向へ向かっていきます。例えば、幸福な主人公が不幸になったり、善良な主人公が闇落ちして悪党になったり、絶望している主人公が小さな希望を見つけたりします。
【起】三幕構成で言うところの第一幕に相当する部分です。全てのパートの中で、面白くするのが最も難しいパートで個人的にはとても苦手です。あまりにも苦手過ぎて書くのが嫌になります(涙)
【承前半】三幕構成で言うところの第二幕の前半に相当する部分です。このへんでは主人公は比較的順風満帆で、とんとん拍子に物事が進んでいきます。
【承後半】三幕構成で言うところの第二幕の前半に相当する部分です。人によってはこれが三幕構成で言うところの第二幕の後半に相当するという見解もあるらしいのですが、個人的には承後半は第二幕の前半と解釈した方がしっくり来ます。承前半のときに幸せのピークだった主人公に試練がふりかかり、だんだん苦しくなっていきますが、その苦しみはまだピークではありません。
【ミッドポイント】三幕構成におけるミッドポイントと全く同じものです。ストーリーが180°逆の方向に転換するきっかけとなる、極めて重要な出来事がこのとき起きます。
【転】三幕構成における第二幕の後半に相当する部分です。承後半のとき以上のさらなる試練や困難が主人公にふりかかり、主人公の絶望と苦しみはピークに達します。ただし、このとき注意しなければいけないのは、悪い出来事ばかり立て続けに描写するのではなく、おまけ程度に良い出来事も入れておいてバランスを取るということです。主人公が苦しんで不幸になるシーンばかり永遠に続く作品を読みたい人は少ないでしょう。
【結】物語のラストです。主人公が大きな試練を乗り越えて、ゴールへと辿り着き、幸福を勝ち取ります。作品によってはハッピーエンドではなく、ビターエンドやバッドエンドを採用することもあります、そのへんは作者の好み次第ですね。「物語の結末は必ずバッドエンドでなければならない」なんて主張する人も世の中にはいるそうですが、僕に言わせればそんなのは「作者次第、作品次第」です。 個人的には、マルチエンディング形式で、ハッピーエンドもバッドエンドも両方読める作品がいいですね。