惺愛 2022/10/03 16:45

[新作]何度生まれ変わっても、愛しているのは貴方だけ


7月に書き上げた長編が小説大賞から落選し、晴れて自由になりましたので同人誌化することにしました。元々当選させるために書いたものではないので、落選自体何とも思っていません。

私にとっては1つの作品において、せいぜい3〜4,000文字程度しか書けなかったのが短編を積み重ねることで10倍まで大きくできた初めての作品です。ですので達成感のある思い入れのある作品となっています。(これが完全完成形だとは思っていませんが)

書き始めたのが七夕前で、織姫と彦星の運命って何か可哀想だなぁと思ったのがきっかけでした。確かに仕事を疎かにするのはダメだけど、引き離した理由が「織姫以外神々の衣を織る存在がいないから」ですからね。そんなの天帝含め神々がラクしたいだけなんじゃないのか、と。
実際は当時機を織る技術を習得するのが難しかったかららしいんですけどね。

私には「子供を扱き使う毒親」に見えたんですよ。(そもそもの伝説に恋愛要素はなかったようですが)二人は出逢ったばかりだし恋に現を抜かす時期だってありますよ、そりゃ。そんなの放っとけばいずれ恋と仕事の距離感だって自分たちで考えるんじゃないのかなって。そもそも織姫に彦星を会わせたのは天帝じゃないですか。

などと考えているうちに自分自身の家庭環境の不満と重ね合わせてしまったんですよね。

神話にツッコミは野暮ですが、この話が「悲恋の美談」になっていることに少し苛立ちを感じてしまいまして。
とは言うものの、私は彼らを地球に転生させてからも悲劇をたくさん用意してしまいました。天上界で上手くいかないことが地球では尚のこと困難な試練であるだろうと感じるからです。
地球のほうが天上界よりしがらみがたくさんあるような気がするから。

ですから前世とか生まれ変わりとか現実を都合よく説明する常套句を使ったって、目標を達成するのに時間がかかるのは当然だろうなと。
自身に宿命づけられた大きな課題があるのなら、それをチートだなんだで簡単に上手くいくわけないよなぁと私は考えてしまうのです。運命って避けても逃げても追ってくるから運命なんじゃないかなぁと。
(私は都合良い話であってもチートでも、逃避目的であってもそういう話を表現すること自体が嫌いなわけじゃないです)

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