DomSubユニバースもの 元奴○少年×武人おっさん2【全文8200文字】
【試し読み】【全文8200文字】
前回上げたDomSubユニバースもの続きというか本筋
元奴○のショタDom攻め×武人おっさんSub受け
今回はエロなし・続き物終わってない
一部差別的な用語や表現がありますが、作中でのみの表現でありそのような状況を歓迎する意図はありません。
世界観の説明や、国名やら種族名やらが出てくる
DomSubの名称を変えてたりするので、そういうややこしくて厨二っぽいのが苦手な方はご注意ください。
【あらすじ】
とある国の辺境の地で非合法のパーティーが行われた。
そこに集められた奴○のひとりマリ(Domのショタ)と、自治地域でけしからんパーティー開かれる情報を知った偉い人アノンデア(Subのおっさん)が初めて出会う話。
狭い荷馬車に押し込められたマリは車窓から見える景色をぼんやりと見つめている。
――ずいぶん遠くまで来たもんだなぁ……
流れていく景色は、マリの知らない物ばかりで構成されている。
居心地が悪くなり、身じろぐと足首につけられた鎖がガチャと耳障りな音を立てた。
マリが生まれ育った村が隣国に攻め込まれたのは、まだ一桁の歳の頃だったように思う。
騎士という名の野盗に村は焼かれ、破壊され尽くされた。
女子どもは攫われた。
マリもその時から奴○に身をやつし、売られ売られてここまで来た。
だだっ広い荒野を見て、マリは大きくため息をついた。
ガタンッ!
大きく振動して荷馬車が停まった。
荷物とともに詰め込まれた同じ奴○たちが口々に悲鳴や文句を言っている。
しばらくして荷馬車の幌がまくられて奴○商の男がしかめっ面で命令する。
「オラッさっさと出ろ! あ、出る時荷物も持って出て来いよ!」
奴○商はそう言うと幌を叩いてその場を後にする。
マリを含めた奴○たちは命令に従いノロノロと手近な荷物を持って荷馬車を降りた。
「うわ、すげ……」
マリは目の前の景色に思わず声を上げる。
そこには先ほどまで何もない荒野だったのが嘘のように緑が生い茂り堅牢な石壁に囲まれた街の景色があった。
「おい! ボサボサしてんな! 早くしろっ」
奴○商の部下の男が、大きくムチを振る。
バチンッとなった地面の音に奴○たちは皆一斉に肩を跳ね上げ動きを止めた。
しかし、すぐに動き出す。次は地面じゃなく自分の皮膚が抉られるからだ。
マリもすぐさま荷物を持ち直して命じられた建物へと入って行った。
マリたち奴○が命令通りに荷物を運び込んだ先は、どう見ても高級な建物。学も贅沢も知らないマリたち奴○ですらわかるほど華美であった。
圧倒的な資金力を見せつけられた奴○たちは一様に俯き、小さく背を丸めて建物の裏手から入場した。
「さてと……小汚ねぇおめぇらをピッカピカに磨き上げておかねぇとなぁ」
命じられたままに入った部屋では奴○商が舌舐めずりをして機嫌良く奴○たちを見た。
マリはこっそりため息をつく。
この後湯浴みだの、化粧だのさせられた後、自分たちはお貴族様らのおもちゃになるのだ。
――どうせならうんと金持ちのおもちゃとして貰われて、かったりぃ移動生活からおさらばしてぇな。
心のうちで悪態を吐きながらマリは、物のように洗浄される順番を待っていた。
ザザーバル帝国の端。
辺境の地を統治するのはキーターシ族の町。
一族の長であるアノンデアの執務室に、秘書官が入室した。
「首長。例の件の奴らの尻尾を掴みました。明後日、ホテルの地下カジノにて行われるようです」
秘書官の男――ニレは口の端を上げて言った。
「奴○商が入り込んだアレだな?」
「ええ、そうです。元締めの貴族は今はホテルの最上級の部屋に泊まって優雅に遊んでやがるようですよ。今すぐ素っ首切り落としに行きますか?」
ニレはにんまりと笑みを深くしている。
「そう悪い顔で笑うな。うちの秘書は血の気が多くて困る……現行犯で捕えたい。当日まで泳がす」
そう伝えたアノンデアの顔も、同じくらいかそれ以上凶悪な表情で笑っていた。
キーターシ族は、サザーバル帝国の領土の端にある巨大な湖を取り囲む、険しい山々の麓で暮らす種族だ。
キーターシ族の住む地域は、自然豊かで風光明媚な土地であるが、豊かな自然が人に優しいとは限らない。自然のまま美しい土地は人が暮らすには過酷であり、更には凶暴な魔獣が多く棲息していた。
その魔獣に対抗しうる屈強な力を持つキーターシ族は神の作った獣から進化したと言われる頑強な巨人族だからこそ、この地で生き延びた種族である。
サザーバル帝国は、領土拡大の為全力の武力と侮蔑を持ってこの地を襲撃したが、軍隊のほとんどが脆い人族で構成されていた。
脆弱な人族では、キーターシ族との戦争になる前に過酷な自然と、生息していた魔獣に、あわや全滅寸前まで追い込まれ、そこを救ったのがキーターシ族である。
当時のサザーバル皇帝は過酷なこの地を、キーターシ族の地と認めざるを得なかった。
そうしてキーターシ族は自分たちの住む地を、人に荒らされる事なく自治してきた。
そして現在。
キーターシ族の街は栄えている。
過酷な環境を少しずつ開拓し、豊富な自然資源を帝国や他の国々へと輸出する事で富み、凶暴であるが貴重な魔獣から獲れる素材は高値で取引された。
また、辺境ゆえの風光明媚な自然は、観光地として名を馳せることになる。
その栄えてはいるが辺境である不思議な土地の中心街で、奴○市が行われるという情報を得た族長のアノンデアは、街で最も格式の高いとされるホテルを警備隊と、自らの兵で取り囲んでいた。
「このホテルは包囲した! 無駄な抵抗はやめろ! 全員頭の上に手を挙げ床に伏せるんだ!」
地面を轟かす程の怒号に、爛れた会場は悲鳴の坩堝となった。
慌てふためき逃げる者たちを捉え、美しく装飾され搾取されていた奴○たちを保護し、金勘定をしていた奴○商たちに縄をかけた隊士たちの姿を見ながら、アノンデアは護送車へ運び込むことを指示する。
「被害者たちは丁寧にな! 負傷している者が優先だ! 貴族だろうが誰だろうが激しく抵抗する者は切っても構わんッ!」
雷のように轟く声アノンデアの声と重い足音に、助けられた奴○たちすら小さく悲鳴をあげている。
どかどかと部屋を開け放ち突入してくる大岩のような男の姿に、腐敗した客たちは震え縮み上がった。
「ここで最後か」
奥まった部屋のドアを蹴り破ると、そこには艶やかに波打つ黒長い髪を振って、男の上で腰を振る美しい少女の姿があった。
大きな音に振り返る少女と、アノンデアの瞳が交差した。
髪と同じ黒い瞳が、蝋燭の灯りに妖しく照らされ、驚いた表情でアノンデアを見ていた。
「ご主人様」
甘くしわがれた声に、少女の視線がアノンデアを見るのをやめて、下に寝転がる醜く太った男へ向いた。
しわがれた声の主の男は恍惚として少女を見つめており、部屋のドアを破壊する轟音にも、ドアの前に立つ巨漢にも気付いていない。
アノンデアはその瞬間、激しい怒りに駆られた。
一足飛びに少女を○す男のベッドへ足をかけ、仰向けに寝転がる男の首を切り落とした。
「ひっ」
横から小さな悲鳴が聞こえ、アノンデアは咄嗟にそちらを見た。
――しまった!
いくら助けるためとはいえ目の前でまぐわっていた相手を斬り殺すのは大きな恐怖になるだろう。
哀れな奴○の少女を慰めるため唇を開いたアノンデアだったが、言葉は出てこなかった。開いたままの唇が、ぱくぱくとかすかに開閉し、隻眼が大きく見開かれている。
アノンデアの隻眼に映ったのは、驚いた奴○の少女の顔と、薄い胸……組み敷いた男の肛門に入り込んだ男根――つまり少女と思っていた奴○は少年であり、犯されていると思ってた性交は犯している方だった。
……まさか少年だったとは……いや、奴○の立場的には合意の上の性交とは言えないので、間違いではないか?
驚愕に思考がごちゃごちゃと騒がしいが、アノンデアは驚きつつも少年の身体をマントで包み、死体からなるべく優しく剥がす。ぬちゅ、とかすかに淫靡な音がした。
その音に、アノンデアの血流が一気に頭に登ってくる心地がする。耳が熱く、視界が潤んだ。
内心の動揺を悟られぬよう、アノンデアは少年を、共に突入してきた部下へ任せて指示を出す。
救護班が、奴○の少年を手厚く保護して部屋を出ていく様子を視界の端で見つめていれば、少年がペコと小さな頭を下げてくれた。
その仕草だけで、アノンデアの胸が熱くなり、多幸感が身体中に力を漲らせる。
「部屋の隅々まで確認しろ! 被害者も加害者もひとりも取りこぼすな!」
地を揺るがすような重低音に、部下たちは緊張した応答をする。
探る巨人族の兵士たちの足音で、その日ホテルはずっと地響きのように揺れていた。
長い黒髪が艶めかしく身体に沿ってうねる。
暗い部屋にぼんやりと浮かぶ真っ白い肌。
少女のような華奢な身体には、美しい装飾品のみ。
薄い腹の下、すらりと伸びた足のあいだに勃起する陰茎を見て、アノンデアはごくりと唾を飲み込んだ。
少年はアノンデアを見下ろして、薄い唇をにこりと笑みの形にすると、すぅ、と猫の伸びのように四つん這いで顔を近づけてきた。
その美しい唇からこぼれ落ちたのは、アノンデアへの無情の“命令”だった。
あの美しい少年に、命じられ、無理矢理に身体を暴かれたい……そう思った瞬間、アノンデアは目を開いて自室の天井を睨み付けていた。
「はぁぁ……なんて夢だ……」
大きく重いため息を吐いて、アノンデアはズキズキと痛む頭と下半身を、まぶしい朝日の中で気づかぬふりでやり過す。
人身売買と、無許可の買春現場に突入してから数日、アノンデアの脳内から、あの時見た少年と醜い男の情事が離れない。
職務の合間、日常生活のふとした瞬間に、頭をよぎるのは少年の黒く光る瞳。あの瞳に見つめられたら、どんな心地だろうか……と、妄想に耽っているのに気付き、自己嫌悪にハッとする。
それを繰り返すアノンデアは、ここ数日の日課になってしまった重いため息を吐き出した。
「首長、お疲れですか?」
ニレは気遣わしげに眉根を寄せてアノンデアを見ている。
新たに持ち込んだ書類をアノンデアの机に置いて「少し休憩にしましょうか? お茶を淹れます」とそそくさと部屋を出ていく。
部下が真面目に、手厚く補助をしてくれればくれるほど、アノンデアは己が身のやましさに項垂れた。
「そういえば、施設の慰問の日程ですが……急遽明日の午前中になりました」
盆に乗せたティーポットを持ち上げたニレが告げる。
「慰問……」
「そうです。保護した元奴○たちが身を寄せている施設です。保護した者はほとんどが若い女子どもでしたので孤児院に引き取られています。首長、なるべく笑顔……いや、普通の顔で訪問をお願いします。首長は笑顔も怖いので」
「……そうか、気をつける」
ニレの遠慮ない物言いも、普段より心に響く。
――あの時の少年は居るだろうか。彼を怯えさせる訳に
いかないな。
思い詰めた表情でカップに注がれた茶を一口啜る。
アノンデアのその真剣な表情はまるで敵に、毒を煽るように罠に嵌められたかのごとく眉間にシワが寄っている。俯く隻眼と、ぎろりと正面を睨む義眼が闘神のような凄みを放っていた。
ニレは見慣れた首長の、恐ろしい真顔を見て、慰問どころか恐怖を与えかねないと思ったが、笑い声とともに余計な口は、ぐっと噛み締めて黙っていた。
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