桃○郎×鬼(全文16000字)
「お試し読み」
節分の時に考えてたのに出来たのは今。
物語はフィクションです。この世の現実のあらゆる事象とは関係ありません。
「注意」
飲酒・飲酒からの性行為・攻めのフェラ・年下攻め・美形攻め・ガチムチ受け・おっさん受け・人間×人外・軽度の損傷
「あらすじ」
山奥でひっそりと暮らす人畜無害の鬼、鬼田さんはある日はやとちりで鬼・怨霊特攻持ちの若武者、桃瀬くんに襲われ命からがら逃げ出す。
誤解を謝罪して傷モノにしたお詫びに鬼田さんを娶る桃瀬くんの話
「登場人物」
攻め――桃瀬。人間・若武者・美しい
受け――鬼田。鬼・ガチムチ・おっさん
――――――――――――――――――――
昔々、あるところに鬼がいました。
鬼の名は鬼田。
ザンバラ髪からのぞくツノに、恐ろしい牙。
七、八尺は、あろうかという巨体は筋骨隆々。
吊り上がったまなじりに鋭い三白眼。
いかにも鬼と言った恐ろしげな容貌の鬼は、人里はなれた山奥で静かに暮らしています。
里に降りる事もあるが山で採った山菜や育ち過ぎた木を伐採した薪木などと、里の米や野菜と交換するためであり里の者たちとの関係は良好でありました。
しかし、そんな人畜無害の鬼のもとに、嵐のような出来事が起こるのでした。
「お前がこの山に棲みつく悪鬼であるか!」
「ん?」
森にこだまする大声に鬼田が振り返ると、そこには若武者が立っていた。
美しい武者であった。
緑なす黒髪をひとつに結び、すらりとした体躯は若い牡鹿のように生命力に溢れている。
少女にも見える顔立ちは険しく、柳眉をひそめて鬼田を睨んでいた。
腰に差した刀を既に抜き放ち、切先を鬼田の方へ向けている武者に鬼田は応えた。
「鬼狩りかぁ? オレは鬼だが悪さはしとらんぞ」
「問答無用!」
どっこいしょ……とのんびり立ち上がる鬼田に対し若武者は力強く踏み込み、刀を振りおろす。
「おっと! いやいや、ちょっとは話を聞けや!」
紙一重で身体捻り刀を避ける鬼田に、若武者は二度三度と剣戟を繰り出した。
渋面を浮かべる若武者のうら若き容貌とは裏腹に、その剣戟は熟達と言っても過言ではなかった。
――これは、当たったらタダじゃすまねぇな。
鬼田は内心冷や汗をかきながら、空気を切り裂く音を立て振り回される切先を避け、少しずつ後退していった。
鬼田の足さばきから、逃走する腹積もりを見切った若武者は、自らの懐から素早く何かを取り出して鬼へと投げつける。
「うがっ!」
それは豆だった。
思わず右腕をかざし顔を庇う。
ただの変哲もない豆は信仰によって鬼の苦手な物とされ、鬼田も例外なく豆が苦手だ。
当たるとやたら痛い。当たった後もじくじくと痛み、不快なあざが長く残ってしまう。
「いででっ! こらっやめろ!」
叫んだと同時にシュッ、と風が切る音が鳴り、顔の前に翳した腕にひやりとした感触が走る。
「い゛っ! ぐあ゛」
翳していた腕がごろりと落ちて、鬼田の視界が開ける。
正面には刀を振り下ろしている若武者の姿があった。
顔を庇った腕が、若武者の刀によって切り落とされたのだと理解したとともに、鬼田の全身が痛みと熱さに支配される。
「お゛、ぐぅっ……あ゛っ……ぎ、い゛っ」
痛みに喉が潰れ、脂汗がどっと噴き出る。
落ちた腕は草土の上を、ぼと、ぼとっ、と跳ねて転がり若武者の方へ行ってしまった。若武者の草履が、転がる鬼田の腕を踏み付ける。
刀を振り、切先についた血を払う若武者は、冷酷な目を光らせて再び駆けた。
――まずい! ありゃ相当力のある退治屋だ。分が悪すぎる。逃げ切れるか?
背中につたう冷や汗とともに思考し、ほんの一瞬、背後の気配を探る為に走る速度をわずかに落とした瞬間。
「逃すか」
「ぎゃっ」
鋭い声が背後からかかる。
温度の無い冷えた声に、鬼田の顔から、さぁ、と血の気が引く。
反射的に地面に飛び込むように転がり逃げた後、シュッ! と空気を裂く鋭い音が鬼田の鼓膜を震わせた。
――まずいっまずいっまずいぞ!
地面を転がる勢いで再び立ち上がり走り出す鬼田。
すぐ後ろから、恐ろしい殺気が追って来ていた。
純粋な脚力では鬼の鬼田に及ばないようだが、しかし、着々と向かって来る気配は乱れることがない。
「俺が何したってんだよっ」
悪態をつきながら鬼田はひたすら地を蹴った。
必死で山を駆けて、駆けて、そして鬼田は滝へと追い詰められていた。
「ああっ! くそっどうする……」
下を覗けば大量の滝の水が、ごうごうと音を立てて落ちている。
白い飛沫を上げる滝壺が遥か下に見えた。
滝壺は深く、常に上から落ちて来る多量の水のせいで水流が下へ下へと流れているので、一度落ちるとなかなか浮かんで来れない。
しかし、後ろからは若武者の気配が迫っている。
「イチかバチか……」
渋面とともに低く呟くと、鬼田は滝に飛び込んだ。
「滝壺に落ちたか……いくら鬼とは言え、この高さの滝から落ちれば這い上がれずに死ぬだろう……よし。これで周辺の里の者も安心して暮らせるな」
遠目から鬼田の動向を睨んでいた若武者は、辿り着いた滝の上から、滝壺を覗き込む。
ドドド、と轟音を立てて落ちる滝の勢いは激しく、たとえ鬼といえども片手を無くし、血を失った状況で無事でいるとは思えない。
若武者は刀を鞘に納めると来た道を戻っていった。
鬼と遭遇した場所へ戻ると、若武者――桃瀬は、切り落とした鬼の腕を探した。
「あった、あった。これを首級の代わりに持ち帰るか」
鬼の腕は血溜まりの中にあった。血を失っているはずなのにいまだ血色が良く、しめたての魚のようにぴく、ぴくと痙攣している。
鬼の屈強な腕の肘から下を、封印の札だらけにすると立ち上がる。
「これで父上は私を跡目にしてくださるはずだ」
桃瀬は切り落とした鬼の腕にほほ笑みながら、鬼の棲家である山を降りた。
鬼の棲みついていた山を降り、一番近くの集落にたどり着いた桃瀬は、村の長のもとを訪れ、得意げに語った。
「三角山の奥に棲む悪鬼は無事にこの桃瀬が調伏致しましたゆえ、どうぞ皆様ご安心ください」
「……はぁ……? 悪鬼なぞ、三角山におりましたかな?」
息巻く桃瀬とは対照的に、村長は呆けた顔で小首を傾げた。
「いましたよ。三角山の大きな滝の上流にある洞窟の付近に棲む身の丈が七、八尺はある大きな鬼が……」
「ああ、鬼田さん。この村とも馴染みですよ。鬼田さんが見繕って持って来てくれる木材は良い物でしてね。村で使っても、よそに売っても高値がついて助かってます」
「えっ?! 助かって、る?」
「ええ。助かってます。山菜がよく採れる所に子どもらを連れてってくれたり、狩った猪の肉を分けてくれたりね」
「えっ……」
「わしらも米や芋なんかを代わりに渡したりして、上手くやっとりますよ」
村長はそう言って朗らかに笑った。表情に嘘は見えない。本当に真実を語っているのだろう。
桃瀬は嫌な予感に冷や汗をかきながら問いかける。
「……ち、近くにある他の集落はどうです? 鬼に攫われた女子どもやら、家畜が喰われたりとか、されてるんじゃないですか?」
「他の村で? 鬼田さんが? ナイナイ! あんな気のいい鬼田さんが人攫いだなんだとする訳ないでしょう。三角山の周辺で鬼田さんの世話になってない村は無いですし……むしろうちの娘を是非嫁にって方々から親が殺到しますよ!」
大口を開けて快活に笑う村長を見て、桃瀬の嫌な予感は的中した。
――― 中略 ―――
酒豪を誇る鬼だとて、大きな背負いカゴいっぱいの徳利を飲み干せば、前後不覚になる程に酔っ払ってしまう。
ヘラヘラと笑いながら壁に寄りかかって目を閉じ、盃に入った酒を舐めている。
「鬼田さん、このお酒気に入りました?」
「おう! こりゃあいい酒ら! 毎日水代わりに呑みたいぐれぇら」
鬼田は目尻を下げて呂律の回らない物言いをしてくすくすと身体を揺らして笑っている。
その言葉に桃瀬は喜色満面に頷くと、鬼田の身体にもたれかかり、耳元で囁いた。
「そんなに気に入ってくれて嬉しいです。実はこのお酒、私と結婚したら毎日いっぱい飲めますよ?」
大きな鬼の耳に、桃瀬の薄い唇が触れる。
吐息交じりに囁かれた言葉に、鬼田はぐるりと首を巡らせて酒に蕩けた目でじっと桃瀬を見つめている。
酔った頭は桃瀬の言葉を正しく理解できず、普段であれば怒り出していただろうに鬼田はにっかりと笑って言った。
「お~! そりゃあいいらぁするか〜結婚!」
「本当に? 本当に結婚してくれますか?」
「するぞ〜! してやるからもっと酒よこせぇ~」
「ああ、嬉しい……約束ですよ」
蕩けた三白眼を覗き込む桃瀬の瞳は重い熱情がこもっている。
細い手で徳利を持ち上げると、それにそのまま口を付けて中身をあおる。
酒気混じりの息を吐く厚い唇に、桃瀬はそっと酒に濡れた唇を合わせた。
「ん、ふ……もっとくれぇ~さけぇ」
鬼田は桃瀬の小さな顔を両手で包み、若く可憐な唇にちゅっちゅっ、と音を立てて吸い付いている。
酒の味を求めて舌を伸ばし、桃瀬の口内へと侵入した鬼田の舌は、入念に小さな歯列を舐め、舌に舌を絡めていた。
「ん♡あっ♡はぁ……♡鬼田しゃ、ん♡夫になった私がたくさん呑ませてあげますね♡」
桃瀬は鬼田の分厚い胸を押し、唇を離すと手に持った徳利をあおる。
口内に馥郁たる香りが満ち、舌を刺激する酒の味を与えるために桃瀬は再び鬼田の唇に唇を合わせた。
わずかに唇を開くと、ひんやりとした酒が互いの唇を冷やす。鬼田はそれが何かいち早く気付くと、乳飲子のように桃瀬の唇を吸った。
「んっふぅ……酒……酒もっろ……」
「んん♡んっ♡あぁ♡鬼田さんたら♡一気に飲みすぎでふよ♡」
桃瀬は、自身の舌に絡まる鬼田の舌を吸いながら笑った。
ちゅぷ♡、と音を立てて鬼田の舌を解放すると、酒をあおる。
「ぶ、はぁ♡……うめぇ、ん」
「んっ♡あっ♡おにらひゃ♡はぁ♡あっ♡吸うのつよ♡鬼田ひゃ♡んぅ♡」
ふたりの口付けは、深く長く、既に周囲には空になった徳利がいくつも転がっている。
「んっふ……はぁ……ぁ♡」
「鬼田さん♡私たち、夫婦になったのだから、たくさんまぐわいましょうね♡」
桃瀬の手が、鬼田の分厚い筋肉を撫でた。
「んッ♡、ふははっおい、やめろって! くすぐったいだろ」
「鬼田さんがむちむちしてて気持ちいいから触りたくなってしまうですよ♡」
桃瀬は鬼田の頬に吸い付き、筋肉の詰まった胸を揉みしだく。
鬼田はくすくすと笑い、屈強な肉体をくねらせて桃瀬の手から逃げようとする。
不安定な体勢になったのを見逃さず、桃瀬は鬼田の身体へ乗り上げた。
「うお、おっと! あぁ〜……あぶね〜だろ?」
鬼田はごろりと仰向けになり、くつくつと身体を揺らして笑っている。
「すみません。頭とか大丈夫でした?」
「こんなもん、なんともねぇよ〜」
鬼田は酒精にぼんやりとした目を細めて桃瀬を見ると、大きな手で桃瀬の頭をワシワシと撫でた。
「……鬼田さん」
桃瀬は鬼田の手の優しさに感極まって、組み敷いた男の唇に食いついた。
酒の味のする舌を舐ると、ぞわぞわと身体中に快感が広がる。
「んぶ、んっ♡……ふ、ぅ♡」
鬼田の喉から低く甘く唸る声が漏れ、それは桃瀬の情欲を大いに刺激した。
ちゅうぅっ♡とひときわ強く舌を吸った後、桃瀬の唇は鬼田の屈強な顎を優しく啄み、猪首を吸い、分厚い胸板を食む。
「ん゛っ、ふはっ♡……くすぐってぇ」
脂肪と隆々とした筋肉にまみれた鬼田の胸板は肉厚であり、はむはむと甘噛みする桃瀬の歯にずっしりとした噛み心地を与えてくれる。
機嫌良く静かに笑う鬼田の手がくしゃくしゃと桃瀬の髪をかき混ぜる。大きく皮膚の硬い手のひらが、惜しげもなく頭を撫でるその仕草は、桃瀬の心に甘い悦びをもたらした。
「あぅ♡あっ……こら♡はははっ、待て。ぐ、ふふっ……んぁ♡」
「鬼田さん、くすぐったい?」
「んふふっ、ふはっ♡く、すぐってぇよ……お♡、ふははっあ♡やめろってぇ♡」
酒精に酔った鬼田の筋骨隆々とした肉体は、赤みを増している。盛り上がった筋肉の谷間まで赤く、桃瀬がそれを面白がってなぞると、屈強な肉体が滑稽にくねった。
「ああ……鬼田さん、かわいらしいですね♡」
だらしない笑みを浮かべる鬼田を見下ろす桃瀬は、身の内から湧き上がる衝動に任せて、筋肉に覆われて尖る乳首へむしゃぶりついた。
「ん゛っ♡……ふ、くく、やめろ桃瀬。んっ♡……ふふふっ」
鬼田は忍び笑いに熱った肉体を震わせている。
低く喉から漏れる笑い声に甘さが滲んでいた。
桃瀬は小さな舌で鬼田の肉体を味わい、硬く尖る乳首を舐め、甘く歯を立て扱く。
「うぐ♡くふ♡乳首、くすぐったいって♡あッ♡吸うなよぉ♡」
夢中で乳首を吸う桃瀬の髪を、鬼田の手がくしゃりと握った。乳首から引き剥がそうとしているふりをして、胸に押し付けるようにする不埒な手の動きに、桃瀬はにんまりと目を細め、更に強く乳首を吸い、尖ったそこを舐めしゃぶった。
「あっ♡おいっ! ちんぽ触んなっあ♡あうっ♡ちんぽと乳首やめろってぇ♡ん゛ん゛っ♡」
「あ♡鬼田さんてば、おちんちんガチガチに勃起してますね♡ふんどし濡れてますよ♡」
桃瀬は、乳首を吸いながら鬼田の肉体をまさぐる。ふんどしを押し上げ勃起している巨根をよしよし♡と撫でた。
「お゛ッ♡ちんぽ♡ちんぽやめ、お♡も、おっ♡お゛ん♡」
酔いと快感が鬼田を乱れさせる。乳首を吸われ、勃起肉を撫でられた鬼田は淫猥に腰を揺らし、桃瀬の手に濡れた亀頭を擦り付けていた。
「わあ♡鬼田さんのおちんちんおっきい♡」
桃瀬はふんどしから鬼田の勃起肉を解放する。巨躯に見合った巨根が、天をつくようにそびえ勃っている。
「鬼田さんはおちんちんまでかっこいいですね♡先走り汁もトロトロ垂れて……♡ぬるぬるでとてもいやらしいです♡」
「んっ♡ふ、ぅ♡ちんぽいい♡お♡おッ♡いいッ♡いいぞッ♡お゛っ♡ぉお゛っ♡もっと扱いてくれ♡」
桃瀬は乳首を吸いつつ、先走り汁を垂らして勃起する鬼田の肉棒を握りしめ扱く。
くちゅっ、ぐちゅ、ぬちゅっ
じっとりと濡れていた肉棒は、手淫に合わせて淫らな水音を立てる。貪欲に快感を求め桃瀬の手淫に合わせて鬼田の腰がヘコ♡ヘコ♡と揺れた。
「ん゛ぉ♡お゛っ♡ちんぽいい♡ふぅ♡うッ♡うぅ♡」
「鬼田さんおちんちん気持ちいいですか? もっと気持ちよくなりたくない?」
桃瀬は吸い付いていた乳首から口を離し、更なる快楽に鬼田を誘い出す。
ぐちゅ、ぬちゅっ、と続く手淫は鬼田から正常な判断力を奪い、一方で快感を与え続けていた。
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