近況7/24 ぽあ~

 今月の支援者さん向け、こちらです。

敗北痴態上映会 過去記憶に惑う魔法少女たち

 そして来月のSS内容を決める300円コース恒例のアンケートはこちら。
https://ci-en.dlsite.com/creator/15436/article/1194731

「そろそろ書き上がるだろうし、投稿してから近況記事出そう」と思ってから丸1週間かかったの初めて。おかげで先週近況記事出さないままになってしまいました。
 やっぱ締め切りが無いとだらだら後ろ倒しになってしまうね。

 今月の支援者さん向けはpixiv・ノクターン連載していたルリとルナ本編、バッドエンドの総集編みたいな構成になり、結果として4周年で過去を振り返るみたいな内容になってました。とはいえシチュはアンケートで決まったものだし、当アカウントでこういうのは大抵偶然でありますw

 まぁでも、偶然の符合もまた作品の一部よ、と思ってるのであった。


 で、現在私は待望の無原稿期間に入り、羽を伸ばしております。
 マジで数か月ぶりに8時間睡眠とった。私の身内が昔「世の中に 寝るほど楽なことはなかりけり 浮世のバカは起きて働く」と口癖のように言っておりましたが……まったくだね……!

 例のVISAカードのアレで、頭にきて日常のあらゆる支払いをDMM JCBカードで支払うようにした結果、DMMポイントがじゃぶじゃぶ入って来る環境になっておりまして、せっかくだから今まで読んでなかったマンガとかをちょいちょい買って読もうかななどと企んでおります。
 というわけで、そういや読んでなかったな、と現在水木しげるの原作の方の『ゲゲゲの鬼太郎』をちまちま読んでいたり。

 想像してたより数倍面白いんでビックリしてます。
 なんだろうね、物語における「面白さ」って何なんだろう、と考えさせられるんだけどw
 もうね、ツッコミ所満載なんですよ。突然「妖怪語」という謎の言語がポッと話題に登場するし、その後出てこなくなるし。国防大臣がアポ無しで聞いたことない国の国王が会いに来ましたとか言われてホイホイ面会するしw
 でもそういうゆるゆるな設定と、話の面白さが両方存在してるんだよね。ツッコミ入れながらも、展開の面白さでぐいぐい先に先に読んでしまうの。

 昭和特撮とかもそうなんだけど、この「ツッコミ所満載の展開なんだけど、なおかつ面白い」というのは、平成の間に継承されず途絶えてしまったロストテクノロジーなんじゃないかなぁ、と最近思っています。今はもう、そういうツッコミ所は事前に潰しちゃうからね。
 だからさ、物語は無矛盾であれば面白いってものでもないのよな。あれ。もちろん作中の矛盾が気になって面白さを阻害することもあるから何でもいいってわけじゃないんだけど、でも明らかに別パラメータなんだよね。『キン肉マン』とかが有名だけど、矛盾しまくってるけどハチャメチャに面白い作品って実はいっぱいあるんで。


 とりあえず、ゲラゲラ笑ってツッコミ入れながら面白く読めるんで、晩酌で酔っぱらいながら読むのに最高w


 それにしても異様な世界観だよなぁ。
 そもそもさ。特にアニメ『鬼太郎』は社会問題とかエコロジー問題とかを扱うことがあって、そのせいで「人間=文明=科学 ⇔ 妖怪=自然=アンチ科学」みたいな対立関係を軸に脚本書かれたりすることもあるわけなのだが。原作読んでみると、実はそうでもないんだよね。
 西洋妖怪が責めて来たから迎撃しなければいかん、日本妖怪を招集しよう! っていう話で、鬼太郎たちが日本妖怪に呼び掛ける方法が新聞広告だったりするw(ちなみにこの話、一反木綿が「日本妖怪界の中でも戦いなれたベテラン」扱いだったり、アニメ版で流布したイメージと微妙にずれてて面白い)。
 そもそも「おばけナイター」だって、鬼太郎たちが妖怪同士で野球を嗜んでいるのが前提の話だしな。
 鬼太郎世界の妖怪たち、文明も普通に利用してるし馴染んでるんですよね。
 笑っちゃうのが、猫仙人の話で、村人から「猫塚を壊した祟り」を相談された鬼太郎が「迷信だろ」とか言い始めるw 吸血鬼エリート回で、ねずみ男と吸血鬼が互いの言い分を「非科学的だ」と言って認めないとか。お前ら自分の存在はどうなんだ。
 そんな感じで、普通に都市文明に順応して生きてるんだよね、鬼太郎たち。
 それでいて、鬼太郎はゲジゲジやムカデやノミやカエル、トカゲやヤモリなど、都会では一方的に嫌われる虫や動物たちに称えられ、時に強力を取り付けたりできる非文明的な一面も持ってて。

 この、簡単な対立構造に回収させない複雑な立ち位置の描き方が面白いよなぁと思って見ていたりしました。
 どちらでもない、境界上の存在なんだよね。まぁそれも当然であって、人間がまったく存在しない自然だけの場所に妖怪が存在するはずがない。妖怪は人間が見て、流布して、人間と自然とが関係する境界部分にしか湧かないものなんだよな。
 京極夏彦先生が、妖怪というのはマージナル(境界上の)な存在で、だから水木しげる先生も調布に住んでいるんです、とか言ってたけどw

 私たちが物語を作る時に、ついつい単純な二項対立で作ってしまいがちだし、現実社会を読み解くときでさえついついシンプルな二項対立で理解しようとしてしまいがちなんだけど、水木先生みたいな人がナチュラルにそこを解きほぐして、「どちらでもない存在」をヒーローに据えた嗅覚というか、感覚がやっぱすげぇんだと思う。
 鬼太郎自身も、人間を救うために身を挺して頑張る時もあれば、自分を侮った相手をえげつない方法で懲らしめたりもする、善悪どちらにも境を接する多面的なヒーローだし。だからこそ「おばけナイター」みたいな話がスリリングでもある。

 やっぱこう、妖怪ものをやる上で、水木しげる先生のこういうセンスを忘れないでいたいよなー、と思うわけです。こういう世界観をそのまま持ち込むってわけじゃないけど、やっぱどこか、二項対立だけでは割り切れない、とらえどころのない感じをどうにかして引き入れたいよね。


 そんな感じで。せっかくなんでいろいろインプットして、今後作品を作っていく糧にできたらなーと思います。


 ※7月中、一部支援者さん向け作品を特別無料公開中ですのでこの機会にぜひ!
https://ci-en.dlsite.com/creator/15436/article/1188938

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