柊雪華 2023/11/28 12:35

ヒルチャールに穢されていく高潔な女たち 凝光、北斗、刻晴編

『原作』原神
『人物』凝光、北斗、刻晴
『あらすじ』新種のヒルチャールが出現したという情報がモンド『西風騎士団』より各地へもたらされた。璃月でも新種のヒルチャーるの目撃情報が確認され凝光、北斗、刻晴が向かうのであった。

※本作品は2024年にはpixivで全体公開を予定しています。
※全体で約17500字程度となっております。

【1】

 モンドで見られた人間との間に産まれた新たなヒルチャールの話は璃月にも届いていた。
 ヒルチャールが人間の女性を犯し、孕ませ、産ませたという話は信じがたい内容であったが、過去何度かヒルチャールによって犯された女の話はあったため真実であると認められた。何よりの証拠となったのは西風騎士団のヒルチャールの目撃情報だ。詳細は省かれていたがヒルチャールによって数人の女性が強○され妊娠し出産したという。

「最悪だな。まさかあのヒルチャールにそんな生殖機能があったなんて初耳だぞ」
「初耳というのは嘘ね。いくら色恋沙汰に縁遠いあなたでもその手の噂話くらいは聞いた事もあるでしょう」
「誰が色恋沙汰に縁遠いだって? それはそっちだろう凝光。あんたはいつも仕事か設け話ばかりでとんと色恋には縁が無いじゃないか」

 いがみ合うように言い合う二人の女。
 一人は銀に近い白髪をしており、絢爛豪華な黄金刺繍で彩られた翼のような衣服を纏う才女。璃月七星が一人凝光である。
 もう一人は黒い髪の烈女。赤いドレスに黒の衣服を合わせており腕には身の丈ほどもある巨大な剣を手にしている。名は北斗。南十字船隊を率いる女だ。

「お二人とも喧嘩は止してください。我々は既にヒルチャール目撃の情報があった場所にいるんですよ」

 先頭に立っている美女がいった。薄く青みの強い紫髪をツインテールに結っている。青と紫を基調とした衣服を纏う少女のような風貌の彼女の名は刻晴。彼女も璃月七星の一人である。
 現在三人は人語を喋る新種ヒルチャールの調査のため山の奥へ赴いていた。璃月七星の二人と南十字船隊の隊長がなぜ来たかというと色々と複雑な事情がある。
 新種のヒルチャールはおよそヒルチャールとは思えない戦闘力を有している事。正体不明、能力不明、どのような卑劣な技を使用するか判断できない点にある。そしてモンドからの情報によると美女を狙う事に執着しているとのこと。
 つまり三人が適任であるのだ。
 七星の二人に北斗が加わればヒルチャール如きに後れを取るはずがないというわけだ。

「喧嘩はしてないぞ。アタシと凝光はいつもこんなもんさ。それよりも刻晴、新種のヒルチャールの特徴は? アタシは喋るって事くらいしか知らないぞ」
「説明したでしょう。まず綺麗な女を狙うのよ……」
「そうじゃなくてさ、外見だよ。普通のヒルチャールと同じなのかって話さ」
「私が聞いた話によると小さいようです」

 北斗は立ち止まると刻晴を見た。

「小さいってのは刻晴くらいか?」
「……私は別に小さくありません。確かにお二人に比べれば些か背は足りておりませんが十分普通です。私のいう小さいとはこのくらいだという話です」

 刻晴は少し苛立ちながらも自分の胸下当たりに手のひらを翳した。

「随分ちっさいな」
「100㎝あるかないかという情報よ。だから、これまでのヒルチャールよりも弱いと考えられているわ」
「戦ってみないとわかんねえよ。ん……」

 北斗の目に何かが見えた。草むらの奥に黒い影が動いたようだった。

「へえ、こりゃ美人を囮にして正解だったかもな」
「今度は私なの。美人なら北斗も刻晴も入るでしょう」
「その通りね。北斗も美人よ」
「っ! うっせえ!」

 巨大な剣を手にして走り出した。草むらに一撃振りかぶる。

「チッ、なんだ、見間違いか? どうも陸じゃやりにくいな」
「下らない事を言ってないで……周辺を探しましょう」

 三人は山の奥へと向かっていく。動物や普通のヒルチャールがわんさかと隠れていたが一網打尽にして突き進んでいた。

「何もないわね。そろそろ戻りましょうか」
「ええ……陽が落ちると厄介です」

 帰ろうとしていた三人の前に黒い影がみえた。

「やっぱり、なんかいるな……どうにもアタシ達に見つけてほしいみたいだ」
「いいわ……」

 黒い影を追うと開けた場所に出た。周囲は草むらと背の高い木で覆われている。

 ガサッ! ガサッ! ガサッ! ガサッ!

「やはり何かいます!」

 黒い影が蠢いていた。今度は音までしている。

「ケッヒッヒッヒッ! 璃月の美女ご案内だゾ! エロい女がいっぱいだゾ! 凝光ッ! 刻晴ッ! 北斗ッ!!」

 手を叩きながらヒルチャールが出てきた。

「こいつ人語を!」
「喋っているわ」
「あなた仲間はどこ!」

 ヒルチャールは手を叩きながら踊っていた。
 背は目撃情報と同じで100㎝ほど。かなり小さいため弱く見える。

「ケヒヒッ! おっぱいでっか! ケツ叩く! 生意気女はザーメン漬け!」
「このっ!!」

 北斗が駆け出し剣を振るう。

「ばぁーか! ばぁーか! ケヒヒヒッ! 北斗のデカパイぶるんぶるんっ!!」
「隙だらけよ」

 凝光の宝石が飛ぶが当たらない。ヒルチャールは馬鹿にするように踊っていた。

「凝光のオッパイエロエロでっか! 長い足にしがみつくっ!!」
「最低ね。情報通り卑猥で下品なんだからっ!」

 今度は刻晴だったが動こうとした途端足場が崩れた。

「ケヒヒヒッ!! お前ら馬鹿ばかり! 奈落の底へ落ちていけ! オレの仲間が待ってるゾ!!」

 三人の立っていた場所は空洞の上だった。地面に仕掛けられた罠が発動すると空洞を真っ逆さまに落ちていった。

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