ff_conc 2023/04/12 20:02

ラフ置き場

ガラスケースの中に並べられた幾人もの男。彼らは『身体』の権利を他者に売った者たちだ。
肉体の所有権を失った彼らは行動全てに許可が必要。
無許可利用を防ぐため制服で全身を制御され、股間を施錠されている。
業界では、流通している男のほぼ全てが同意無く加工された未登録品なのは常識である。

監獄星。それは星一つを使った脱獄不可能な牢獄だった。
その星も大戦の影響からは逃れられなかったのだ。
現在ではシステムの破損により、星の全ての人間が要注意扱いの囚人と見なされている。
管理者も、看守も、囚人も。囚われた男たちは、破損したシステムが考え出す懲罰を受け続けている。

獣魔に庇護を受ける国では彼らに飼われている男は珍しくない。
彼の場合も騎士団長を引退した後、鉱山管理者の獣魔の馬にされた。
後を継いで立派に騎士団長となった彼の息子と練兵場で話す飼い主。
馬銜を噛んで尻に尻尾付きディルドを入れた先代団長は、その横で勃起しながら涎を垂らしていた。

「お前も相棒と同じく我らの端末だ」
「ゔ、お゛……」
「大丈夫、誰も気付かない。この一年相棒に違和感など無かっただろう?」
一時間後。彼は相棒と同じく肉体の制御を奪われ、自らの肉体に収監された。
寮に戻るヒーロー達の尻の中では、揃いの特大ディルド型受信機が前立腺を刺激し続けていた。

「我が社の監獄は人体に反応し収縮する囚人服を用いて運営しています。破壊耐性に優れ、自動修復機能等も完備。囚人を外に持ち出す事に成功しても外部施設での解放は決して出来ません」
全ての監獄が企業に経営される現在では、罪状や刑期、勾引の価格と同じように囚人の扱いは重要な要素である。

フロアをぶち抜かれた廃ビル。吊るされた幾人もの探索者。
彼らは旧世界で生み出され、独自の自己改造を繰り返した生物に体温や精神エネルギーを収穫されている。
装備を失い生身となった男たちに出来る事は、精々が身体を揺らす程度だ。

『それ』は臆病な存在だった。自らの危険性を理解し、露見すれば排除される事にも気づいていた。
故に、それは『入れ替わる』事を選んだ。
共生した『燃料』を体内に格納し、その行動を、外見を、思考すらも模倣した。
幾人もの男を犠牲にした『それ』はそうして自己を複製し続けている。

遺物。それは古い時代の強力極まりない道具だ。
この騎士団にも団長の装備として現代では製造が不可能な武具が伝わっている。
問題は、性能以外の部分までもが現代とは違いすぎる事である。

星を支配する企業のリクルーター。その横には真空パックにされた『模範的市民』。
企業との契約を呼びかけるそれは恐怖の象徴だ。
同意すればいつか人間に戻れるが、拒否や逃亡を選べばリクルーターの中身のように全権利が買い取られる。
生体部品の適合者に選択など許されない。

ディルド付きのポールに貫かれ、胸まで届く巨根を晒すヒーロー。
硬く勃起したちんぽでスーツを押し上げ、前立腺に装着された機械に繋がるボタンを差し出すヒーロー。
男たちの屈辱極まりない状況を説明をするのは、遠隔操作で身体を動かされているスタッフ。
例年通り、素晴らしい技術展示会だった。

人体構造の一時的な変更。端的に言うと人間を意識のあるシリコン塊にする技術。
貨物扱いでの低価格便など、その技術は世界を変えた。
同時に、同意なくシリコン塊に変えられた彼らのような犠牲者も作り出したが。

「ぶっ壊れちまうッ、もう勘弁してくれ……ッ」
「遅れた分はちんぽで支払うって言ったよなー? ほらほら、まだ十回射精しただけだろ? 俺は満足してねぇぜ?」
「あ゛ッ、お゛……っ、おお゛……ッ!?」
「おっ、その動きいいぜー♥ がんばれよー♥」

星を支配する企業に所属する男に付き従う、個性を消されたボディガード。
彼らは発声を封じられ、股間を施錠されている。
企業の人間が使うために徹底的な訓練を施された物体は、現状が屈辱であると思う感覚さえ失っている。

自動社会奉仕装置は労働力であり、同時に中枢AIの監視装置でもある。
違反行為を発見すると即座に捕縛し、拘束スーツで包んで無力化を行う。
『不必要な行動』の罪を犯した今回の男の場合、収監は十分も掛からずに終わった。
軽度違反だった彼は、三年程生体バッテリーとして社会奉仕を強要される。

「今回の勝負は共に懲罰行きが掛かった一戦だ! 負ければ半年の懲罰保管庫。勝者無しならば両者共に一年の懲罰だ! 6755は視覚が封印。8219は四肢が封印されている! スイッチが入って景気よく勃起した所で、拘束が解除され……スタートだ!」

『リザルト。脱出成功者、無し』
「「「「…………」」」」
『ハイライトは何と言っても全員で妨害し合う場面! その結果がこの『最初の部屋の最初のトラップで全滅した馬鹿の集団』だ! さて、お前たち本当に稀な愚か者には特別なご褒美として、重懲罰用全身拘束スーツを進呈する。一生着てろ』

機械によって尻に生命維持機能付きのディルドを入れられ、身体を厳重に拘束され、箱詰め。
内部には緩衝材を充填。そのせいで身体は一切動かせない。
その後は倉庫に積み上げられた状態で何日も待機し、同じ処理をされた男たちと共にコンテナで輸送。
彼らの扱いは、完全に物体のそれだった。

「昨日はありがとよ」
感謝の言葉に、ロック機構付きの太いポールに奥深くまで尻を貫かれた彼は無言の敬礼で答える。
いつもの姿に市民はまたなと笑い、ちんぽを揉むと去っていく。
彼は知らない。
その物体が人間だという事も。感謝を示す動作が超長期管理されている射精管理ちんぽには地獄だとも。

全身を革で束縛されたリクライニングチェア。完全に同じ体格のオットマン。
何人もの人間家具にされた筋骨隆々の男を示され、試す事を勧められた男は凍りつく。
微動だにしない家具たちが自分より前に雇われた『住み込みの使用人』だと理解したのだ。
そして、自分の未来の姿である事も。

最近、獣魔の間では森霊種を『犬』にするのが流行っている。
ヒトの中で上位だ、と奢っている彼らが尻尾を振って懐いてくるのが面白く可愛らしいからだ。
そして、元が長命種であるために長期間の飼育も容易。
そうしたこともあり、この犬のように何百年もペットにされている雄も今は珍しくない。

依頼完了、と呟くと個性の薄い男は去っていった。
後に残されたのは石像と化した英雄。
回収するのが敵か味方か。それによって、彼の人生は大きく変わるだろう。
――
敗者の展示室に、また一人男が増えた。
どこで入手したのか、説明板には彼の巨根への市民や仲間からの評判が書かれていた。

その店では商品展示のマネキンに生きた男を使用している。
壁に並べて固定された拘束衣も、当然『誰か』が着用した状態での展示。
マネキンの男は一年程前に拘束衣を着せられてディルドを挿入されて以来、拘束され続けている。
前立腺を責められ、勃起した姿を並んで晒す逞しい男たちの姿は壮観だ。

大戦の影響により、その施設の管理AIは完全に壊れた。
今では周辺の支配領域内部の人間を無差別に加工する、星で最上位の危険地帯だ。
同時に、起動中である事は高位フラグメントが存在する証でもある。帰還出来れば一生分の儲けだ。
殆どの侵入者は個性を失い、股間を施錠された一生を送るのだが。

そうして、彼は敗北した。もう所有者の命令に逆らうことは出来ない。
これからはその逞しい肉体と類まれなる能力を使い、ヒーローを倒していくだろう。
脱ぐことが出来ないスーツと施錠された股間という屈辱的な姿を周囲に見せつけながら。

出動待機中は本来の人格に戻ることが許されている。

この星では市民スコアが全てを決める。
スコアが低い男には労働内容を選ぶ権利は無く、ルームも専用の地下区画に強○割り当て。
その内部では尻に肉体管理機能付きの特大ディルド、口に会話防止用のディルドギャグが挿入される。
同様の施設は世界中に存在し、数多の男たちが収容されていた。

視界を埋め尽くす広告。
中でもこの星を象徴するのが、逞しい肉体をした男の身体に広告を表示する『人間広告』だ。
星を支配する企業に契約を強いられた男たちは、法的には人間ではなく物体に格下げ済み。
契約の解除は企業からしか出来ず、身体を強○操作するスーツは彼らの意思では決して脱げない。

「…………」

股間を施錠され、極太ディルドを挿入された状態の男。
無言で働く彼らに休みは無く、命令が無い時は街角に設置されたケースの中で直立姿勢で固定される。
労働中は全ての男が報酬に強い前立腺責めを受けている事は街の常識だ。
外と隔離された素材候補の男では、その世界を異常だと認識出来ない。

『ご自由にお試し下さい』

拘束された男がベルトコンベアに乗せられ、次々と加工されていく。その施設の光景は圧巻だった。
毎日何十人という逞しい男がそこで首輪に身体を制御され、命令に従うだけの『製品』に生まれ変わる。
稼働し始めて約一年。既に、万を越える数の男が強○的に個性の無い存在に変えられていた。

そこは異常な空間だった。
幾人もの逞しい男が天井から吊り下げられて呻いているのだ。
例外なく全身を拘束された彼らの扱いは決して『人間』ではありえない。完全に『物体』のそれだ。
当然、男たちは望んでそこに吊るされてはいない。生きた調度品の人生など、考えたことすらなかった。

「団長に注目!!」
「俺は退任することに、なった。後任は、副団長ではなく……ッ、獣魔様だっ。俺は支配に抵抗し楽しませた褒章として……っ、作戦終了後は獣魔様の国で生涯を過ごす事になった……っ」
「以後、砦の騎士は俺の命令に従え。優秀な雄は元団長と同じ扱いにしてやる」
「「はっ!」」

四つん這いで地面を這ういくつもの影。それは崇高な目的のために作られた、生きた道具である。
スーツが出す命令以外の動作は不可能。故に自らの意思ではそれを脱ぐことは決して出来ない。
組織に所有された男たちは重労働を行い続けるしかない。報酬として与えられる前立腺刺激に呻きながら。

パレードの中を逞しい雄の鬼が引く六頭立ての大型馬車が行く。
『馬』として生きた時間が、ヒトとしての時間を上回った。それを記念し、祝っているのだ。
先頭にほど近い場所に居るのはその区切りが重要である証。
勃起を揺らして歩く彼らは、獣魔に征服された自身の姿を誇らしげに見せつけていた。

「…………」
「大丈夫。『自分は人間だ』という認識の異常はすぐに良くなります」
狂気の台詞に彼は必死になって身体をよじるが、厳重な拘束は外れない。
組織は信念に従い、何年掛かろうが対象を『治療』する。
病室の内部を見て叫び声を上げ、全力で逃げ出そうとしていることは無視して。

「ゔ、ゔぅ……ッ!」
「新作の共生型使い魔だ。中に魔力源を入れることで動作する。今回は街で適当に拾った冒険者だが、各所で適当な男を、――中の男に操作権? 当然、そんな物は無い。コイツらは自力では鎧を脱ぐことすら出来んさ」

『管理日誌:射精管理奴○11号『相沢誠』』
『射精及び勃起を制限してから158日が経過。今日は射精の要求をしなかった。射精管理奴○としての自覚が芽生えた、というよりは諦めたのだろう』
(何で俺がこんな目に。射精したい。何も考えれられない。射精。たのむ、ゆるして。しゃせーさせて)

「GAAAAAAAAAAA――ッ、AAAAAAAAAAAA!!!!」
「クソ魔術師が……ッ! さっさと正気に戻れ!! そういうのは帰ってから――ッ! ん゛、あ゛あ……っ!」


「……マスター。グランプリ開催のお知らせだ。詳細は書類箱に入れておいたぜ。グランプリ記念!特別ログインボーナスとしてアイテムが届いている。…………、マイルーム拡張チケットだ。器具の設置可能数が増えるぜ、やったな! え、い、今なら俺の拡張チケット、にも、交換が可能、だぜ……」


「――力を……!」
「今ならレンタルが一ヶ月無料! それにディスプレイモードが実装だぜ!? ユニットがマイページでいつでも見られるぜ! 拘束状態の選択も可能だ! 例えばこんなゴツい口枷を咥えさせても俺たちには外せな、え……ッ!? 待っ、あが……ッ! ……ッ!? ……!!」


「本日はどれになされますか?」
「そうだな、今日は遠乗りの予定があるからディルドにしようか」
『眼』と『本』を与えられ、早々に爵位を継承し、傲慢な領主として君臨し、二十余年。
彼が正常な常識を思い出すことは、未だ叶っていない。


『スライム』と呼ばれる魔物は基本的には危険な種だ。その中でさえこの種は特に脅威とされる。『鳥籠』『牧場主』『幽閉者』。それはヒトを食わぬ代わりに体内で飼育し、精力や魔力を得る。某国に存在する大繁殖地、その砦の近くでは未だに幾人もの男が消え続けていた。


「――へゴーレム、それで詰みだ。……お前を飼って騎士長にしたかいはあったな」
「ん……っ」
難攻不落の都市を潰すための仕込みの数十年は森霊には短く、人間には長い。
報酬を与える指揮官の前で全裸で整列し敬礼する彼ら。都市の要人たちは次は自分だと期待に胸を膨らませていた。


「……自由を得ては、ならない。束縛こそが人を真理に導く。これはまだ一年だが……。見ろ、そこに入れた奴らは――」
『――探偵失敗! 『狂信者』の勝利だ! ――さあ、街で見かけた誰かで楽しもう! 推薦は――』


『それ』は自己の境目を持たない。故に『それ』は個の重要性を認識しない。故に『それ』は彼を躊躇なく塗りつぶした。
こうして共生対象を得た事で、後に『――――』と呼称される事になるその組織の侵攻は始まった。
そして、『燃料』として格納された彼らの地獄もまた同時に始まったのだ。


出動、会敵。……そして、敗北。
今までにない力、『真核能力を持った敵』という異常の絡繰りを彼はこの瞬間に理解した。
そこに居たのは敵であるが味方だった。時折不自然に身体が跳ねる『それ』の中に何が入っているのか。
無言で悶え股間を震わせるその誰かは、明らかに未来の自分だった。


『――確と、某の負けである。では……、はぇ? な、肉体労働、と……』
「……だ、大丈夫である。このようなゴツい身体、指名する者など……」
小声で呟く彼の願望、それがどうなったかは――


「あ゛ー……っ、ん゛……ッ」
「どうだ、俺のはデカくて気持ちいいだろ?」
「お゛かしぐなる……ッ、こんな、もう、や゛め……ッ」
「そうは言うが、さっきから締め付けっぱなしじゃねぇか。ほーら、奥まで一気に突いてやろう」
「ん゛ー……ッ!?」


「もう撮ってるのか?」
「ほら、ちゃんと記録は残さないと」
「えー、只今キャンプ地を探しております。そろそろ決めないと溢れた食材が解凍しちゃいそうです」
「ふざけるなってー。この情報は確かなんだって」


「――精液製造機を捕獲してから一ヶ月が経過。射精継続は断続、一時間。推定。一月。常時射精継続。『ゔぅ……ッ!?』完成。加工完了。27号の加――」
『CrazyGameShow! 今回も探偵は失敗だ! 『狂気の科学者』への挑戦はいつでも受付中だ!? 街で見かけた誰かで楽し――』


「――の実態ハ『――』に所有さレ奉仕スる人形ダ。ナら、本当ニ『そう』なっテもいいダろ?」
『アダルトグッズ』の棚に並べられることを喜ぶ男はもちろん居ない。
だが、彼らには何も出来なかった。身体の制御権を奪われ、生きた玩具に変えられていたからだ。


「なんでコイツはここまで頑張ってんだ?」
「ああ……」
「……夢なんだ、いつか俺もあの人のような――」
「お前のソレは長いんだよ。いつもの憧れのヒトの話だろ」


「……んぐっ、ゔ、ふ……ッ!?」
「やアありガとう犠牲者サマ。貴方のお陰デ外に出られル」


『外だ、外だな、外だぞ――!』
「ん、ゔぐ……っ、あ゛……ッ!?」
「……煩いぞ我が主。オレが動くと気持ちいいのはわかるが、……少し黙れ。興が削がれる」
「ゔ……ッ!?」
「栓の次の罰は尻にこのサイズだ、しばらく黙れるよな?」


「これが! これが! これが世界か! 見ろよ創造主! オレは知識を手に入れた! ああ、オレは世界の一端を知ったんだ! だが、足りない! 未だオレは満たされない! ああ、知識を――!」
「「「――――」」」

「四十五号、ページ」
「ゔー……ッ!」
「ここに来て、拘束してからまだ序盤だろう。読み切るまでまだまだかかる、冒険者ならそれぐらい動けずとも耐えろ。主、久々にパーツが足りなくなったが皮膚感覚は楽しめて――。ああ、尻の調教中に思考は無理か。本当に久しぶりなのに残念だったな」


割の良い(はずだった)仕事

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

最新の記事

月別アーカイブ

記事を検索