UTEN+ 2022/12/22 21:20

【Wacom Cintiq Pro 27の備忘録】

10~11月くらいにワコムの新型液タブ(27インチ)を購入しました。
この液タブ、性能よりも「金額が高すぎるッ!!」ということで話題です。
(55万円くらい)

その金額に見合うスペックなのか…?
良いところと悪いところを知りたい…!!!

と思っている方は多いことでしょう。
私も知りたいんだ…(情報が無さすぎるので人柱になったよ)

一応私が参考にしたページ↓
Wacom公式インタビュー
refeia先生のレビュー
Gigazineのレビュー

細かいマシンスペックなどは上記のページを見る方が詳しく載ってます。

私が書いていくのは、実際に使ってみての覚書です。
新しい靴を買った時のように、お店で履き心地が良いと思っても
数週間使った後だと予想外の問題が出てくることってありますよね。

それと同じように、使ってて感じた不満点なども書いていきます。

ただ、トータルで見れば「値段高いけど品質はとても良い」のは間違いないです。

それを踏まえた上で細かいことを書いていくので、
「買いたいけど実際の使用感が気になる」という方だけ読んでみてください↓




======【以下、Wacom Cintiq Pro 27の備忘録】======

購入したもののスペックはこちら↓

【WACOM DTH271K0D】
Wacom Cintiq Pro 27 液晶ペンタブレット
26.9型/ProPen3対応/4K/120Hz

【WACOM ACK64801KZ】
Wacom Cintiq Pro 27 Stand

私はヨドバシで注文しました(ポイントつくから)
本体だけで48万円します。
専用スタンド(一番安いの)も7万円くらい。

あとはペンの芯とか拡張テーブル(キーボード乗せるやつ)を2つ購入。
アクセサリや消耗品と一緒に全部合わせたら58万円でした。高ェ!!!

皆様にマンガの購入やご支援いただいたことで購入できております…!
いつも本当にありがとうございます…!!!🙇‍♀️

さて、マシンとしてのスペックは先ほど載せた記事のURL先で
ご確認いただく方が確実と思いますので
私の使用感、そもそも接続するまでの苦労とかをね、書いていきます。

ちなみに接続しているPCは「Mac studio M1MAX」になります。


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まず箱から開けるのと組み立てるのがめちゃくちゃ大変です。

YouTubeで検索するとわかるのですが、
YouTube検索結果

まともな組み立て動画は公式のもの、しかも英語しかありません。
日本人に買わせる気がねぇ笑

かといってこの高い液タブを買うのはいわゆる専門職の人だけで
動画再生が見込めないせいか、詳しく解説したり
レビューしている動画も殆どありません。
あっても英語です。まじで英語しかねぇ…

そう、この27インチ液タブの最大の障害は
「買っている人がほぼいない」
「調べたいことがあっても何も出てこない」
「出てきても英語しかない」

これです。

本当に情報が出てきません。
公式すら英語の説明しかろくに置いてありません。
(説明書も当然のように英語です)
(日本語の説明はGoogle翻訳レベルの言葉しか書いてありません)

公式動画を見て確認したくてもその画面上の言語は英語ですから、
今どこを弄ってるんだ!?っていうのがかなりわかりにくいです。

そしてこんな細々とした話は公式のレビューにはありません
(公式レビューのイラストレーターさんはセッティング済みのものを使ってるので…)

こういった積み重ねで使用の際に(スペックや使用目的とは違う意味で)ストレスが溜まります。

60万円近くしたものの困ったことがあっても手助けになるものが出てこない。
これが最大の壁かもしれないですね。

まぁでも組み立てや接続に関しては英語の動画でもなんとかなります。
細かい画質の設定とかも英語でもなんとかなるでしょう。

PCに接続さえしてしまえば大丈夫です。

ちょっと困ったこともあるので、
実際に遭遇した「困ったこと」も書いていきますね。


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【使っていて困ったこと】

液タブを使っている時、私は本体のMac studioと
27インチ液タブが隣に置かれるように作業しています。

Macはシステム環境設定の「ディスプレイ」で
メインディスプレイとサブディスプレイを選択することができます。

液タブを使う時、私は液タブの方をメインに設定しているのですが…

サブモニタの設定になっているMac studio(というかモニタ画面)で
YouTubeをつけたり何か操作をするとまぁまぁな頻度でプロペン3の接続が切れます。
(描いてて9割は問題なく動くんですけどね)

これは液タブの方を再起動すれば直るのですが、
絵描きとしてはかなり困ります。
ノリノリでペン入れしているのにいきなり接続が切れるわけですからね…

対策らしい対策は無いのですが、
あえて言うなら「サブモニタに触らないこと」が最も確実かもしれません…

①Mac studio(使用PC)を起動

②液タブを起動(液タブがメインモニタの設定になる)

③サブモニタになっている使用PC上で動画を見たければ、
動画をつけたらあとは放置する

④この時、動画をつける操作をして液タブのペンの接続が切れたら
液タブを再起動してやり直し

こんな手間が掛かりますが、
動画をつけて液タブに戻っても特に問題なくペンが反応すれば
その後は普通にペン入れができます。

ただ、これは液タブの不具合なのか
それともMac studioと液タブの相性の問題なのかわかりません。

何せレビュー記事が殆ど無いので、人と比べることができないのです。

もし「ウチもそうやで!!」という方がいましたら
ぜひコメントで教えていただきたく…情報交換しましょうや~~~~



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【実際の使用感について】

「良くないこと」ばかり先に書いてしまったのですが、
肝心の描き心地はどうなんだよ!って気になると思うので
使用感や良いところを書いていきます。


■画面の描き心地
前の液タブではマットな質感の保護シートを貼ってましたが、
今回は保護シートを貼る必要が無いですね。
画面には最初から加工がされてまして、手触りも非常に良いです。
ツルツルではなくちょっとヌメっとしているというか…
マットすぎるわけでもない、ちょうど良い手触りです。
このへんは実際にヨドバシに行って触る方がわかりやすいですね。
本当に紙に描いてるみたいで、良い意味で摩擦があります。
今までのペンタブの中だと一番描きやすいです。

具体的な話をすると、
前のペンタブ(Wacom24インチ液タブ)だと
シートを貼っていても「滑る」という感覚がありましたが
この27インチ液タブは「描ける」と思いました。
感覚の話なので説明しづらいのですが、
いつまでも描いていたくなるような描き心地の良さはあります。
まぁね!60万円くらいしてるからね!
そのくらいは良くないと困るね!!!

ちなみにタッチ操作機能は切っています。
(描いてる時に反応するのがうざいのでぇ…)
iPadで描いてる人とかはタッチ機能ある方が良いかもしれません。
これはスイッチのオンオフで切り替えできますし、
スイッチは画面の裏側についてるので
誤作動でオンオフ切り替わったりもしません。便利!


■画面の大きさ
24インチより格段に広くなっても、良い意味であまり感覚は変わりません。
自分がメインで使う範囲そのものは変わらないって意味です。
というのも、そもそもクリップスタジオを使うとツールを広げることに
なるので結局使用領域は狭くなります。
24インチから27インチになったことで、
ツールを広げても気にならないくらいスペースに余裕は生まれています。

32インチとかだと部屋のスペースを圧迫しますし、
この27インチサイズがベストだと思います。
なんせ27インチでも24インチの液タブよりサイズが小さいですからね。
(画面の使用領域は増えてるけど本体は小さくなってます)
24インチ液タブより本体がコンパクトになって使いやすいです!


■プロペン3
27インチ液タブはプロペン3という新型のプロペンで操作をします。
ちなみにプロペン2も使えます(たまに間違えて2で描いてしまうことも)
プロペン3は非常に軽く、そのへんのボールペンと同じくらいの重さだと思います。
私は太めのグリップをつけて使ってこれですから、
何もつけない元の状態ならシャーペンくらいの軽さになると思います。
(Apple Pencil 2より確実に軽いです)

ただ、グリップつけてる方が長時間作業しやすいです。
あまり細くて軽すぎても描きづらいですからね。
ペン先はプロペン2のノーマル芯と比較するとかなり丈夫というか、あまり削れないですね。
マットなシートをつけたりフェルト芯だともっと削れてしまうかもしれませんが…
描き心地も良くて、思った通りの線を描きやすいです。
これはプロペン2に比べて3の方がペン先が見えやすいせいでもあるかも?
芯が長くて描いてる最中にもペン先が見えるので、当てずっぽうに描かずに済みます。
プロペン2はペン先が太くて画面に近いので良く見えないんですよね。
このへんがかなり改良されてると感じました。

ちなみに視差の調整はできないぽいのですが、
調整する必要がないくらい視差はありませんね。


■スタンド
一番安い、高さ調整機能がついてないスタンドを購入。
高さ調整がつくだけで値段がかなり違うのでぇ…(高すぎ草)
高さが足りない!という方は机の方の高さを変える方が良いかも…
(数千円の追加で済みます)
ただ、これは私の身長が低いせいだとも思います。
(※私は机の高さを10cmアップして立って描いてます)

高身長の方は素直に高さ調整のスタンドを買うか、椅子の方を調整しましょう。
24インチ液タブを使ってた時は吊るすタイプのスタンドアームを使ってましたが、
あれは段々下がってくるので、結局使う時には下に土台を置いて
その上にアームが置けるようにしてました。意味ねぇなぁ!
場所の節約にはなるんですけどね…!

今回の27インチ用スタンドは、机1つ分占領しますが安定感はバッチリですね。
傾き機能とかもあるので、自分が頑張って体勢を変えなくても済みます。
ロック機能も充実してるので、描いててブレブレに曲がるってことも無いです。


■ファンの音
ほぼ気にならないくらいの音はします。
「フォォ~……」くらいの感じで…
イヤホンして作業してるので私にとっては全く気にならないですね。
あと、画面の上部にキーボード乗せる用のアクセサリを設置していると
上の排気口に軽い蓋が乗ってる状態になるので吸音代わりになってくれます。
これでかなり音はしなくなりますね。
キーボード置き場(裏側)もちゃんと隙間は空いてるので、排気には問題ありません。


■アクセサリ
キーボード乗せる用のアクセサリを2つ購入。
これは私のキーボードが長めのものだからですね。

Appleのキーボード

このサイズのキーボードだと拡張テーブル1つではちょっと心もとないかな…
と思ったので2つ買いました。どちらも上部に設置してます。
やっぱ1つしかないとちょっとしたことで落ちそうになるのがイヤですからね…
ただ、上記のキーボードより小さいサイズのものであればテーブル1つで充分だと思います。
左手デバイスを使っている人は左に1つ設置すれば良いですし、
好きな使い方が出来るのは良いところですね。


■ExpressKey
これ私は殆ど使ってませんね。画面の色調整で使った程度。
キーボードショートカットに慣れてる人には不要かもしれない…
でもこの製品の目玉部分でもあるので、活用できる方はガンガン使いましょう。


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【総括】良い点と悪い点の総括になります。

■良かったところ
・画面が大きい、画面が綺麗、描き心地の良さ
・プロペン3の使いやすさ
・スタンドの安定感
・音があまりしない(うるさくない)
・熱暴走的なことが起こらない(今のところ)
・カスタマイズがしやすい
(拡張テーブル買えばスマホや左手デバイスも置ける)


■不満なところ
・英語の説明ばっかりで少しの調べ物にも時間が掛かる
・そもそも使ってる人がいなさすぎる
・説明書にもっと情報を書いてほしい
・視差調整が完全になくなった?
(無くても私は問題ないけど困る人もいるはず)
・とにかく全てが高額すぎる


不満点はもうこれ完全に「情報が少ない」に尽きるので…
そのへんのサービスさえ充実してくれれば…って感じですね。
今のところ性能への不満はありません。
もっと半年くらい使えばまた別の不満点が出てくるかもですが…

あえて言うなら5K以上の商品を出してほしい~ってことですが、
それはマシンスペック(PC)の方が釣り合わなくなりそうですから
現状は4Kで充分なんだと思います。
そもそもクリスタが5K以上に対応してないんじゃないかな…?
このへんは追々性能が良くなっていく部分でしょうね。


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トータルで60万円近い買い物でしたが、今のところ満足しています。
わこむさんの企業努力が良くわかる。

でも板タブの新しいのも出してほしいなぁ!!!!!
(一番の不満点これやで)
(いまだに2017年の板タブ使ってる)

液タブ以上に毎日のように使うものなので、
ちょっとでも良いものを求めているよ…!

27インチ液タブの方はまだ使って1ヶ月くらいなので、
今後気付いたことがあれば追記していきます!





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