【無料公開】かるちゃあノベルpt1「アイドルは幼なじみ 【前編】」

林 明穂の本名は小林明代だということを俺は知っている。

十数年前に一世を風靡した清純派アイドル。そんな本名なんてネットでもどこでも探せば転がっているだろうって?いや、俺は物心ついたときから、その本名を知っていた。「アキ姉ちゃん」俺は彼女をそう呼んでいたんだ。おとなりさんでどちらも一人っ子。とはいえ歳は彼女のほうが九つも上だった。俺はそれほど歳の差を感じたことはなかったが、向こうはどうだろう?子供相手と思っていただろうか?ただお互いがお互いを実際の姉弟のように思うほど仲がよかったこと、それだけは事実だ。両親共に仕事で帰りが遅かった俺をアキ姉ちゃん一家はずっと面倒を見てくれたし、実際自分の家よりも彼女の家で過ごす時間のほうが多かった。そんな彼女と一緒に過ごした時間はまるでずっと暖かな陽光につつまれているような、甘くて淡い想い出として今でも俺の心に刻まれている。
毎夕の日課だった犬の散歩。俺の背はアキ姉ちゃんの半分ほどだった。目の前にはずっと彼女の可愛いお尻があった。

暑い夏の日に縁側で食べたアイスキャンディ、溶けたアイスがだらしなく彼女の唇から顎へとつたう。その唇の感触も俺は知っている。彼女をいじめていた中学生に俺が殴りかかったとき、(案の定俺はまるで歯がたたなかったのだが、)お礼に彼女は俺の頬に口付けをくれたのだ。そしてほとんど毎日一緒に入ったお風呂。端正な顔の下に自由に伸びた白い白い曲線が上気し、俺には白桃が連なっているように見えた。アップした髪とのぞくうなじが濡れている。石鹸の匂いとやわ肌の感触。いつも向かいあって髪を洗ってもらっていた俺は、じつに彼女の全てを観察することが出来た。その透き通るような白くやわらかい乳房が段々と膨らみを増していくのも、そして下腹の辺りに段々と黒い茂みが繁っていったことも。当時もちろん自分にはなかったその陰毛の印象が強すぎて、さらに下の部分までが全く思い出せないのは非常に残念だ。

「そこさえ思い出せれば、俺はこれを他人よりもっと有意義に見れるのに。」
そう思いながら、19歳の俺は病室でひとり、タブレットの画面に浮かんだ28歳の彼女の乳房やお尻を眺めている。

「伝説のアイドルが昇る大人の階段、林明穂28歳、衝撃のヘアヌード写真集ついに解禁」

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