BlackHoleLovers!/妖丸薺 2023/04/11 22:17

ヤンデレヤンキー君SS※ご試聴後ご覧になることをオススメいたします

2人の出会い

1年前の春。
入学初日から希は、喧嘩をして教師に叱られていた。

入学式が終わり、希は学外の花壇の付近にあるベンチの上で寝ていた。

たまたまそこを通りがかったあなた。

なんとなく、放って置けず
希に駆け寄ると喧嘩で怪我をしただろう
頬の切り傷にそっと絆創膏を貼った。


あなたはいう。
弟たちがいて、たまに泥んこであちそち傷だらけになって帰ってくる時があって…

君は弟たちみたいで、なんか放っておけなくて…

お節介だったよね。

ごめんね、。

そう言い残し、あなたは去っていく。


希は、その弟たちが心の底から羨ましかった。

さぞ、彼女から愛情を注いでもらって育っているのだろう…
それに引き換え自分は、喧嘩ばかりで
誰からも見放され
邪険に扱われるだけの人生だ。

…俺も愛されたい。
彼女になら、愛してもらえる。
こんな俺にさえ優しさをくれた彼女ならば。

でも、どうしたら、
自分のものになるのかわからなかった。

そうして、2年に進級すると
奇跡的に同じクラスのしかも席も隣になった。
いや、これは奇跡なんかじゃない。
必然なのかもしれない。
とにかく、すごく嬉しかった。
…けれど、彼女は自分のことを覚えていなかった。

俺はずっと忘れなかったのに。
怒りと共に湧き上がった感情は、
愛憎だ。

ただそれをぶつけるしかなかった。
そんな、ガキくさいことしなくても
もっと素直になっていたら
こんな遠回りせずにすんだのに…と。
今は思う。
今は、ただただ愛おしい。
大好きで、大好きで誰にも渡したくない。
これからも、ずっと一緒なのだ。
永遠に。

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