焚書

むかし ホームレスを殺してしまったから山へ埋めに行く〇〇くんと◇◇さんの話を書いたんですが、山って木の根っこがあるせいで全然掘れないらしいですね。

そろそろ思い出作りの高三の夏に〇〇が死んだりしないわけ？夏休み明け、△△は童貞を捨て損ねて、××は彼女を失い、◇◇は生命を断った。

あなたが、虫眼鏡から発する太陽光のように、私の総てを暴いてしまうのならば、今度こそ畏れなく身を委ねてしまっても良い。その不可思議な脳髄に、天から、超人的な眼差しが手向けられるのを、きっと羨んでしまう。私が持たない言葉を持つあなたを、恨んでしまう。
その時は、肉も、骨も、精神も解体して、私の孕む総ての謎を、無慈悲に解き明かして欲しい。あなたは、ずっとそういう人だった。

ひとつの信念を保っていたい。それがないと、一切に意味がない。意味がないものには存在がない。存在がないものには輪郭がない。輪郭がないものには骨格がない。骨格がないものには美がない。美がないものには、実在がない。

実在のない情動。そんなものにこの観念に肥えきった舌が満足する訳ない。

他者のうつくしさは私の本質を誤魔化しはしない、罪も消えない、罰は減らない、やさしさはまやかし、うつくしさは独立した全一者、あなたがたのうつくしさを指折り確かめることで憂いから逃れるのはわたくしへのごまかし、大丈夫、当夜も適切です。

大丈夫。夜のうちに一切の事象は静止しています。

昔好きだった人との会話を思い出して一瞬笑って落ち込むの、もう無くなった古い星の光を浴びて生きているようですね……。