【+PLUS】なんで声の依頼に基本料金ってあるの? #19

(この記事は、同人音声.comと同時公開・Ci-en無料公開コンテンツです)

声に出して読むだけなのに、基本料3000円はおかしい?

数々の声優さんが設定されておられる依頼の基本料、ありますよね。

「たった100文字読んでもらうだけ、1文字4円で400円で済むはずなのに、基本料と合わせたら3400円なんておかしい!!!」
って思ったこと、誰にでも1度はあるのではないでしょうか。

な、なんと!声に出して読むだけが仕事ではないんです・・・!(なんだってー!)

外部スタジオではない宅録お仕事の流れ

せっかくなので、同人音声にまつわる声優のお仕事の流れをご紹介します。

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フェーズ1(受注を受ける前の前準備)
・依頼メールの内容確認 ※
・台本の内容確認 ※
・納期を確認してスケジュール調整 ※

フェーズ2(サンプルボイスの制作)
・マイク等の設置 ※
・声質の調整 ※
・作品の内容をインプットする作業 ※
・サンプルボイス1回目収録 ※
・ノイズ除去
・メールの作成(サンプルボイス1回目を納品) ※
サンプルボイスのリテイクを受けた場合はもう一度フェーズ2を順に繰り返す。

フェーズ3(本収録)
・マイク等の設置 ※
・声質の調整 ※
・作品の内容をインプットする作業 ※
・本収録 ※
・ミステイクカット 
・ノイズ除去
・メールの作成(本収録データの納品) ※

フェーズ4(リテイク)
・リテイク指示メールの内容確認 ※
・リテイク内容の確認 ※
・収録日確保のためにスケジュール調整 ※
・リテイク納品日の連絡メールの作成 ※
・マイク等の設置 ※
・声質の調整 ※
・作品そのものの内容を思い出す作業 ※
・リテイク1回目収録 ※
・ミステイクカット&ノイズ処理
・メールの作成(リテイク1回目を納品) ※
リテイクを受けた場合はもう一度フェーズ4を順に繰り返す。
追加でリテイク指示を受けた場合も同様の作業を繰り返す。

文字数に関係なく、1依頼あたり必ず発生する時間とは?

私の場合は少なくともサークル案件だけで月に平均10本は受けています。
どの案件も同様の作業を行っております。
実際には、個人利用案件や、動画へのアフレコ案件などもあるので、月あたりの取り扱い件数は10本以上です。

声に出して読む以外の時間の方が遥かに多いですし、その多くは作品内容を思い出し声の調整を行うことにより占められます。
これは、読むべき文字数が100字であっても、10000字であってもほとんど同じ時間がかかるのです。

他の声優さんも全部が全部同じではないと思いますが、被る部分は多いと思います。
そのため、基本料金を設定している声優さんが多いのだと推測しています。

私はご依頼の本収録にあたっては基本料金を設定するのではなく、1文字あたりの単価にこれらの作業代金も含めています。
(理由は別ですが、たまたま最低受注文字数を設けていることで、基本料は音声作品依頼であればどのようなものでも含まれていると見なせるからです)

ただし、リテイクについては別途基本料金をいただいております。
オプションサービスとしてリテイク収録を用意し、必要な方のみにリテイクサービスを提供しているという立て付けです。
一律で基本料金にリテイク代を含めてしまうと、リテイクをしない方にとって不公平な仕様となってしまうため、この形をとっています。
報酬の管理コストの問題もあるため、基本料金として一律でリテイク代金をとってしまうのも考え方により有り得ると思いますが、業者としての方針の差でしかないと考えます。
私がこう考えている理由について、詳しくはこちらの記事をご覧ください!
【サロン】リテイクって悪いこと?いいえ、必ず5%の方はリテイクになります! #20 (Ci-en 6/1公開予定)

良い仕事は準備が8割!そのための基本料金です!

[段取り八分]という言葉にもあるように、良い仕事のためには準備8割、本作業2割。これはきっと世界共通、例え音声作品、同人声優であっても、サンプル収録であっても、本収録であってもです。

そのための基本料金であることが広く認識されれば幸いです!

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