ご挨拶

私立さくらんぼ小学校・私立さくらんぼ乳学校と申します。
２名で運営されているサークルで、同人歴は25年を超えております。

僕たちが同人ゲームをはじめた1997年は、まだ同人ゲーム制作で食っていくことは夢物語でした。
とらのあなが登場したばかりで（メロンブックスはまだない）、同人はあくまで商業への登竜門であるという考え方が一般的だったのです。
売れっ子同人ゲームサークルの先輩方が次々と商業デビューしていく中、僕たちもそれにならって商業デビューするわけですが、あまり上手く行かずに同人へと舞い戻ってしまいます。

しかし2002年、時代はエロゲーブームまっただ中で、同人ゲームにもスポットが当てられるようになり、状況はめまぐるしく変わっておりました。
秋葉原の一等地に同人販売店があって、同人ゲームのランキングを道路から見えるように（当時は合法だった）掲載していたくらいで、そのくらい同人は人々から気に掛けられる存在になっていたのです。

同人ゲームで食っていくことが夢物語ではなくなった時代の幕開けでした。

そして僕たちは私立さくらんぼ小学校をスタートさせます。
当初こそ商業に戻ることを考えておりましたが、数年でその考えは改めます。商業は規制が酷くなりすぎて戻ろうにも戻れなくなっていました。

その後も、パッケージ同人の衰退から、デジ同人の隆盛というパラダイムシフトがあって、その谷間に発生する同人ゲーム冬の時代に、倒産寸前にまで追い詰められたこともありました。
そのときもいろいろあがいて（乳学校作ったりとか）なんとか乗り越えました。

同人をはじめてからおよそ20余年。今なお皆様にお支えいただき、なんとか同人ゲームで「食って」いられます。支えてくださった皆様には常に感謝の念を抱いております。

同人ゲーム業界の勢いは留まるところを知らず、さらなる急成長を続けております。

急成長どころか、様々な才能が死闘繰り広げるとんでもない場所になっている気がします。
明らかに僕たちが知ってる同人の世界じゃありません。

お恥ずかしながら老兵たる僕たちは今の状況にブルブル震えている次第です。業界に集う才能を前に「食っていけなくなる」日がそろそろ来るのではないかと怯えております。
しかしまだ僕たちにしか作れないものもあるかと存じます。ならば、もう少し努力を続けていきたいとも思っております。

皆様に見守れなどと言うつもりはございませんが、ただ、お気に掛けていただければと存じます。
それだけ頂戴できれば幸いでございます。どうか私立さくらんぼ小学校・乳学校を気に掛けてください。お願い申し上げます。