投稿記事

2023年 05月の記事 (1)

冬愛Labo 2023/05/10 12:13

サンプル小説です

サンプル小説

虎と龍とときどき私
「「我が社にようこそ」」
「む〜」
「音夢や、なんでそんなに嫌そうな顔してるわけ?」
「だって、また虎先輩たちと一緒じゃないですか」
「僕も虎もまた音夢と一緒に働けて嬉しいよ。はい、今日のお弁
当」
「有難うございます。龍先輩。きょうの料理は何かな」
「うん、オニギリとスープとハンバーグとか色々入れてるよ。しっ
かり食べてね」
「龍先輩には高校生の時からお世話になってます」
音夢が嬉しそうに話すと虎が頭にチョップをする。
「ね〜む、俺にあえて嬉しく無いのか?」
「微妙です」
「び、微妙!?なんで俺だけ微妙なわけ?」
「オカン属性の龍先輩は料理を食べさせてもらえるけど、無駄にイ
ケメンなお二人ですよ。私が女子からいじめられます」
「イケメンなのは嬉しいけど、いじめられるんなら俺らにいえばい
いじゃねーか」
「更にひどくなるし。そもそも彼氏でも無いのに言いませんよ。だ
から、近いので離れてください」
「音夢、そんな言い方したら虎が可哀想だよ。僕は近くに居れて様
にずっと、餌付けしてたから、この通り懐かれたけど。虎は何もし
ていないでしょ?」
「っく!俺に料理する能力があれば」
「虎が料理したら消し炭になっちゃうよ。そんなの食べさせられな
いさ」
二人が言い合っているなか、音夢はお弁当を食べると帰る支度を
する。本日は研修だった為昼で終わり。ここの会社は社員に優しく
本日は皆昼上がりだった。まだ、仕事らしいことをしていないが、
終わったのなら帰るだけ。
「じゃ、お疲れ様で〜す」
「まてまてまて!音夢なんで俺達を置いて帰ろうとするんだよ」
「え?だって、薄い本を買いに行かないと行けないので。今日販売
日なんです」
「うすい、本?」
「虎多分、同人誌のことだと思う。内容はBLだね」
「びー、える。つまり、男と男がイチャイチャする感じの?」
「おそらくそうだね。音夢、僕は抵抗ないから一緒に着いていって
いいかな?」
音夢は眉間に皺を寄せ、龍を睨むが爽やから笑顔でスルーされる。
「お、俺も行く!BLがなんだってんだ。俺だって問題ねぇんだ
よ」
「ほほぅ。つまり、二人はBL本に興味があるのですね。ふむふむ。
読んだ事は有りますか?」
「「ない」」
「へ〜、じゃあ、過激な行為のシュチュエーションでも大丈夫と」
「過激?」
「あ〜、虎、多分性行為の事じゃないかな。BL本も甘々から激し
目まで色々あるから」
「なるほど、別に気にしねぇ」
二人はついて行く為に大丈夫だと言うと音夢は頷いて会社を出た。
二人はその後を追いかけて行く。
音夢は改めて二人を見る。金髪で少し長めの髪にピアスをしてい
る龍。黒髪で目が細くどちらかと言えばヤンキーに近そうな虎。そ
んな二人は高校時代ヤンキーをしていた。しかし、ある日声をかけ
られた時に、イラついている音夢が強めに言い返すと何故かそれ以
来気に入られた。どうやら度胸の座った女性がお互いに好みだった
らしい。一つ上の先輩だった為卒業したら離れるかと思いきや、大
学まで一緒、そして、職場まで一緒になっていた。
「二人とも遅い。本が売り切れます」
「音夢って、運動してないのに足速いよな」
「オタク魂が凄まじいのだろうね」
こそこそと話している虎&龍。しかし、そんな事はどうでも良く、
ほったらかしにして急ぐ音夢。本日買いに行くBL本は同人誌の中
でも人気の本なのである。今回を逃したら買うことができないかも
しれない。その気持ちが、急がせる。
「ついた!えっと、ここの奥にある新刊。…有りましたー!3冊」
「は?同じの3冊買うのか?」
「虎先輩、これは保存用、観賞用、読み倒し用として買うものなの
ですよ」
「…そうなのか?なぁ、龍そう言うもんか?」
「う〜ん、僕もそれはちょっと分からないね」
「ゲットしたので物色してきます。掘り出し物が見つかるかもで
す」
「俺も行くぞ」
「虎先輩が来ると目立ちます。それともおすすめの本があるのです
か?」
「…、ない」
「じゃあ、待ってて下さい」
「はい」
落ち込みながら虎は近くにある本を手に取ると男性が二人並んで
る表紙を見て固まる。
「虎、俺達は免疫がないんだから、読んだら固まっちゃうよ。悪い
とかそう言う次元じゃなくて、驚いちゃうよって事」
「おう、そうだな。しかし、いろんな本があるんだな」
「だね、外で待ってる?」
「そうするか」
龍と虎は音夢に声をかけると外の入り口付近で待っていた。30
分ほどしただろうか、大きな紙袋を持ってほくほく顔の音夢が帰っ
てきた。
「おぅ、おかえり!これから居酒屋行くか?」
「いえ、戦利品を読みたいので帰ります」
「まじか。俺達とご飯行こうぜ?な?」
「読みたいので無理です」
「音夢、お茶漬けの美味しい店があるんだけど、一緒に行かない
?」
「行きます」
食べ物にも弱い、音夢は龍の声に頷いて、ついて行く。ポツンと
置いてかれる虎は我に戻り慌てて後を追った。
「ここが、美味しいって言う評判の居酒屋だよ」
「お茶漬け3杯下さい」
「はいはい、虎はどうする?」
「俺刺身」
「僕も刺身にしようかな。じゃあタッチパネルを押して行くね」
龍がご飯の注文をしている時に、音夢は、本を一冊出し、読み出
す。
「おまっ、ここで読むのか、いくらテーブル席でも周りがいるだ
ろ」
「オタクが好きな時に好きな本を読んで何が悪いのです。続きが気
になるので見ているだけです」
虎がちらりと音夢の読んでいる本を見ると、激しめなシーンを淡
々と読んでいた。思わず顔を赤くする虎に平然とする音夢。
「音夢は昔からマイペースだよね」
「龍、これってマイペースって言えんのか?」
「まぁ、マイペースだよね」
「ったく、ちったぁ俺達の事意識してくれても良くね?」
「それは、すぐには難しいんじゃないかな。付き合い長いし」
「はぁ〜、いつになったら男として見てくれるのかね」
「確かに」
二人の話を全く聞いてなかった音夢は本に夢中になって読んでい

月別アーカイブ

記事のタグから探す

限定特典から探す

記事を検索