ドット絵メイキング#0
お世話になります、AMBER OWL主催のRMです。
今回の記事はこちらのオリジナルキャラクターのドット絵を打ったときのメイキング記事となっております。
▲完成品
なおメイキング記事と言っても、特にコツとか理論が書かれてるわけではないです。
「こんな手順で描いてます」「こういうラフが副産物としてできてます」という制作の裏側程度に思っていただければ。
メイキング記事は有料支援者様限定orバックナンバー購入という形にするつもりでした。
しかし、どんな内容が書いてあるのかわからないままでは支援・購入のご検討もしにくいかと思います。
よって、この記事はメイキング記事のサンプルということで無料公開としております。
本記事をご覧いただいて「お、ええこと書いてるやん」「なかなか頑張ってるやん」と思っていただけたら、月額ご支援や今後のメイキング記事ご購入を是非是非ご検討くださいませ。
あとチップもできればお願いします…生活が苦しいので…。
作業手順
さて、まずは大まかな作業手順全体からご紹介します。
今回は自前でデザインしたオリジナルキャラクターを打っていきますが、本ドット絵はSkebリクエスト募集のサンプルとして打ったものなので、「Skebでこのキャラクターをリクエスト頂いた場合」と想定した作業手順となっております。
手順1:ポーズのラフ描き
手順2:3Dのポーズモデルでポーズ検証
手順3:ドット打ち
手順4:顔グラ作成
大体こんな感じです。
次から各手順について解説していきましょう。
手順1:ポーズのラフ描き
ドット絵で打っていく前に、SAIを使ってポーズのラフ描きを行います。
リクエストの際にいただいたキャラクター資料を確認し、デザインや性格から「こういうポーズをしそうだな」とか考えていきます。
「ラフなんて描かずにすぐドット絵に打っちゃえばいいじゃん?」という話なのですが、
設計図としてラフを残しておくことで、ドット絵を打つ作業の途中で悩まなくて済むようになります。
あとはキャラクターデザインを確認して装飾品などの見落としが無いようにする だったり、ドット絵にする前に全体のバランスを確認する だったり、思いついたポーズを忘れない内に描き残しておく だったり。
ひと手間かかっちゃいますが、手間分以上の利点はあると思ってます。
まあラフ描く作業を脳内で完結できればいいんですけどね…。
ポーズ1
今回はデザインを自前で用意していたので、1つ目のポーズはデザイン画のポーズからそのまま流用しました。
最初からドット絵で打つ前提でデザイン画を書いてたので流用ともちょっと違うのかも?
なので1つ目のポーズはラフがないです。
▲1つ目のポーズはこれを流用
ポーズ2
2つ目のポーズは動きのあるポーズにしたいなということで「ハイキック」に決定。
このキャラクターは「蹴り技が得意」というざっくりとした設定もありますのでそこも加味。
ハイキックのポーズに決定したら今度はハイキックの資料を集めてラフを描いていきます。
ハイキックのような徒手格闘の動きであればYoutubeに「ハイキックの打ち方」みたいな動画がアップロードされているので、それらをありがたく利用させてもらいます。
といっても蹴りを放ったポーズをそのまま模写するわけではなく、動画内で重心の取り方とか身体の使い方も解説してくれているので参考にさせてもらいつつ、イラスト向け・ドット絵向けに良い感じにデフォルメしていきます。
▲ハイキックのラフ
武術的にはたぶんおかしいところがあるとは思うのですが、イラスト的に映えるようケレン味マシマシにしてます。
重心を後ろにずらしてみたりとか、蹴り足のほうをちょっと長くしたりとか。
顔グラ
もうひとつ、今回は顔グラも描くのでこちらもラフを描いておきます。
ラフと言ってもデザインの確認程度に。こちらもポーズ1と同様にデザイン画用のものを流用した感じですね。
▲顔のデザイン画を顔グラドット絵のラフに流用
手順2:3Dのポーズモデルでポーズを取らせる
ラフを描き終わったBlenderで3Dポーズモデルを使ってラフ通りのポーズを取らせます。
なんでわざわざ3Dでポーズを? という話なのですが、ドット絵で打つ際のガイドにするためです。
RMくんはドット絵で大きな人体を描くと全身のバランスが取れなくなる悪癖があるのですが、ガイドを作っておくことでそれを防げます。
ということで自前の3Dポーズモデルにポーズを取らせました。
▲3Dでポーズを取らせる
3Dにするとラフで描いたポーズが別角度からどう見えるのかも確認ができます。
なにかでイラストを描くときのために構図のストックにも出来るかもしれません。
▲いつか蹴りのイラストを描きたいなーってなったら引っ張り出すかも
手順3:ドット打ち
さて、ようやくドット打ちの作業です。
ここからはひたすらポチポチ。
まずはポーズを取らせた3Dモデルを目的のサイズでレンダリングしガイドにします。
▲これをもとに肉つけしたり服飾つけたりしていく
つづいて頭部分を打ってきます。
用意してあるテンプレから顔を描き換えて、髪を描いて帽子を乗せて、タバコを咥えさせたら完成です。
▲テンプレからの改造で作成
ついでにポーズ2用の頭部分も打っておきます。
上記の頭から左右反転させて描き足したりして角度を変えて調整したら完成です。
▲改造で作成したものを改造して作成
頭部が出来たら3Dモデルのガイドに乗っけます。
首だけ差し替え、アンパンマン方式。
▲違和感があるけど作業する内に消えます
身体を描いていきましょう。
ローポリモデル臭バリバリで関節のつながりがおかしかったりする部分をつなげてシルエットを修正します。
手に指を描き足したりもしてます。
▲ハイキックの方はブーツも我慢できずに描いちゃってます
シルエットを修正したら線画を上から描き足します。
部分部分で影を1色だけで簡単に塗り込んで立体感を確かめながら描いていきましょう。
▲この作業がたのしい
線画ができたら色を本来のデザインのものに塗り替え、詳細を描き足します。
襟だったりズボンの縫い目や縞模様だったり。
あと線画に色トレスをかけて仕上げたりもしておきます。
▲色トレスを入れると完成度が一気に上がる
最後にメモ帳やネクタイなどの小物を描き足し、光沢を入れて完成です。
ハイキックのほうは蹴りの軌跡エフェクトも入れておきます。エフェクトは手書きでサクッと。
▲全身ドット絵完成!やったぜ。
顔グラ
顔グラのドット絵を作成していきます。
こちらはガイドを使わずに1からドット絵で打っていきます。
48×48のサイズで顔しか描かないならバランスも崩れにくいのでガイドは不要です。
まずは少ない色でおおまかにアタリを描きます。
十字顔と髪なしハゲ状態で、構図と立体感を確認しながら描いていきましょう。
▲アタリ
アタリが出来たら目・鼻・口の位置を設定し、顔を描き込みます。
目を描くときは瞳を描いてから周辺にまつげや白目を描き足していく感じで。
このとき、瞳の大きさが左右で大きく異ならないように注意します。
横は顔の向きによって変わるのでいいのですが、縦のサイズが左右でずれると妙な立体感が出てしまい違和感のもとになります。
ドット絵の場合は1ドット単位で合わせられるので、右目の瞳を縦7ドットにしたら左目も同様に縦7ドットにする…という感じで。
ついでに線画の一部を黒くしたり影色を塗り替えたりしておきます。
▲ハゲ状態で顔を描き込む
顔の描き込みが終わったら髪を描き足していきます。
まずは顔と同様に少ない色でアタリをグリグリと描きます。
▲髪アタリ
アタリを描いたら陰影を描き込んだり線画の一部を黒くしたり影色を塗り替えたりして仕上げます。
あとから帽子が乗るので髪は一部しか光があたってません。
髪を乗せた結果、顔の大きさに違和感が出てきたので、1ドット伸ばしたり線画の色トレス範囲を変えたりして違和感を除去します。
▲髪の描き込みと違和感除去調整
最後に帽子を載せて髪に光沢を入れたら基本の完成。
ついでに帽子を乗せていない脱帽バージョンも作っておきます。
▲基本絵完成
あとはタバコを咥えさせたり、顔を書き換えて表情差分を作っていきます。
▲差分作成たのしい
完成品
最後に完成した全身ドット絵と顔グラドット絵を並べて、
ついでにカラーチェンジも作って完成です。
おわりに
い か が で し た か ?
「参考になった」「暇は潰せた」読者様がそうであれば嬉しい限り。
今後もこんな感じのメイキング記事を出していきます。
次回以降のメイキングは有料支援者様限定となります。
月額でのご支援いただけると幸いです。生活が苦しいので…。
次回はSkebにて納品したこちらのドット絵のメイキングになります。
たぶん来週か再来週にはメイキング記事書けると思います。目標は月に2本~3本。