五梅 Luc/えるこ 2023/08/12 13:19

【冥婚漫画版】長めのあとがきと解説

⚠️この記事は『冥婚の花嫁 漫画版』のネタバレを含みます。

ラフやネームの掲載、
長めのあとがきや、お気持ち程度の解説などを書いています。

お好みでご覧ください。














































































※表紙ラフ
はじめは灰色ベースでしたが、桜色ベースに変更しました。

--- ▶はじめに◀---

昨年5月、CG版『冥婚の花嫁~無限快楽地獄~』を発売し、
次回作となる今作まで1年以上もかかってしまいました…。

今一度漫画に起こすならば、
細かい部分までしっかり満足のいくまで考えようと時間を要してしまいました…。
ありがたくも待ってくださっていた方々には本当に申し訳ない限りです。

あと、CG版よりさらに長くなってしまって
読むのが大変だったと思います…こちらにつきましても、本当に申し訳ない限りです。




※ネーム一部


※ネームからこうなる


--- ▶兄妹について◀---


イオとケイの名前は、作者としては
桜の品種から選びました。(明治時代にはまだありませんが…)

作中の決め方としてはカウントダウンのこちらの通りです



その桜には『啓』という漢字があてられています。


『啓』という漢字は『ひらく・開放する』という意味があります。
(貴人に向けるものですが、『出発する』といった意味を持つ言葉に
使われていたりもします。結婚というテーマにはぴったりでした)





※イオの着物について

親を亡くし、妹の親代わりとなり、誰も構ってくれない村で生きるうちに
『自分の我』や『幼な心』『他人に期待する』といった
大事な『人として持ち得る当たり前の感情』をイオは
沢山我慢して押し込んで切り捨てて、心の箱の中に閉じ込めてしまいました。


『親の代わりにケイを育てる』ことだけを軸にして生きてきました。


感情を切り捨てられていなければ、また、ケイという軸がなければ、
とても耐えられず生きられなかったのだと思います。

本編ではその箱が開き、補完漫画ではついに箱は消え去り、不要になりました。


イオが、箱がなくても生きていけるようになり
夫婦の関係に『永遠』という言葉を使えるようになってくれてよかったです。



ちなみに、最後のほうでイオは『旦那様と別れた後もきっと生きていける』みたいなことを言っていますが、とても生きていけません。


旦那様がもし言葉をさえぎっていなければ、
先の言葉が言えなくて、ずっと『だからだから…』と延々繰り返していたと思います。



このシーン、イオは狭間へ来たときの襦袢と掛下しか羽織っていません。
旦那様はこれまでの60年くらいの時間にイオに色々物をあげたと思うのですが、それらを持ってきていません。


イオにとっては旦那様に貰った物は、いつかは返さなければいけない、と思っていた物だったのかもしれません。(村で与えられた田や家が借り物だったためです)


打ち掛けを羽織らなかったのは単純に自分ひとりでは着つけられなかったからです。



この↓漫画は後編の後です。『いつかは返さなければならない宝物』から、『返さなくていい自分の宝物』になりました。
いつか、が訪れることがないと後編で知ったからです。




心を切り捨てることができず、死を選んだ例として、販売前カウントダウンで描いた麻夏さんがそうでした。


※カウントダウンの麻夏さん

※補完漫画の麻夏さん

※過去の花嫁については過去に質問箱でお答えしています。
読んでいてあまり気分のいいお話ではないのでご注意ください。




--- ▶旦那様について◀---

(CG版制作時に)
・覚えやすい容姿
・イオの肌が映えるような色味
・表情を作ることが苦手
・声が無機質

を考えて通常の姿はあの見た目になりました。
かの有名なホラーゲームの、ブルーベリー色の洋館に住む巨人お化けと同じような色味です。

無加工はこんな感じです


人の生活に身近な家畜や食物などが表面に現れやすいです。
また、常に姿形は変動しているので、この画像の姿は一瞬のものです。
基本的におぞましいです。


※補完漫画中編考案時に描いていた祈祷師との契約のシーンのイメージです


一番目の花嫁は無加工の姿を見て自害しました。

次の花嫁(麻夏さん)の時は、補完漫画のような人の姿を取りましたが、表情がとてもぎこちなかったようで、
麻夏さんに『無理して人間のふりしなくたって、心を分かってくれる人がいつか現れるさ』(※意訳)というようなことを言われたので、
無加工と人の中間のような、あの見慣れた姿になりました。


顔は麻夏さんの魂が混じったからか、麻夏さんのように布で隠すようになりました。



旦那様はイオ以外の花嫁にはあんな恐ろしい登場や、無理を強いてはいませんでしたが、
皆自害を選びました。

花嫁たちがそうした理由は、(しんどいお話が大丈夫でしたら)上記の質問箱の回答をご覧ください。




旦那様の中には老若男女混ざっていますが、
コップに沢山絵の具を入れて混ぜた
色水のようなものを想像していただけるとありがたいです。

元の一色一色には戻せないし、そもそも何色が混ざっていたかももうわからない。

そんなぐちゃぐちゃの色水コップそのものに人格がある。という感じです。




旦那様ははるか昔、世界中を寂しく漂っていました。
時折上空に現れる旦那様にとてつもない力があることに目をつけ、
霊道のことで大変困っていた日本の祈祷師が世界で初めて交渉しました。

地域一体吹っ飛ばされるくらいの対価を覚悟していたので
人間一人でいい、愛し愛されたい、と言われてめちゃくちゃびっくりしたと思います。




旦那様は基本的に現世へ干渉しないようにしているみたいなのですが、
ケイちゃんのことに関しては結構干渉しています。

旦那様は創造の力が使えるので、
食べ物も作って届けられるのですが
あえてケイちゃんに人とのつながりができるようなやり方で支えました。

ケイちゃんが事業を立ち上げたとき、
その人脈は本当に役立ちました。


※お金持ちのおばあさんを助ける旦那様の図

ちなみに、男性の姿だったり女性の姿だったり、時には子供の姿で色々していたようです。


旦那様については補完漫画で描いたことがとりあえず全てかなと思いますが、
あの人格や存在の起点は続編で明らかにしていく予定です。


余談ですが、
補完漫画後編の旦那様は心臓を作っていたのですが、
不安とイオへの信頼が拮抗して心音バックバクでした。







--- ▶猟師や孫◀---

美山という苗字です。
猟師の名前はまだ決められていません。

表記がありませんが、
猟師だけは周りが何と言おうと、お兄ちゃんは生きていると思う、と言った
ケイちゃんを信じていました。

いつもは時間があるときに一緒に探しに行っているのですが
本編の秋の季節では猟師は足を怪我しており、ケイちゃん一人でした。

目が悪くなってきたのが心配なので
一人で探しに行かないでほしいと思っていますが、
歳を召して時間が余って暇なケイちゃんはこっそり山へ出かけています。
(危ない道は通っていません)



孫はものすごいおばあちゃんッ子です。
ハナヲくんといいます。

鼻がいいです。
なぜか、まだ若いおじいちゃん(猟師)と山で狩りをしている記憶があるみたいです。













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