無名@憑依空間 2024/03/24 16:26

★無料★<入れ替わり>万引きしたのはあなたでしょ!?②~欲しいモノ~(完)

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若き万引きGメン・梓は、笑みを浮かべていたー

年齢に似合わない不敵な笑みー。
梓の中身は今、”万引きをしたおばさん”自身だったー。

おばさんになってしまった梓が、
万引きおばさんのバッグから”万引きしたもの”を
机の上に並べていくー。

小山田店長は、梓(おばさん)に誘惑されて、
ヘラヘラしているし、
梓になったおばさんから
”この身体を滅茶苦茶にしてもいい”と言われて、
”打つ手なし”なのが現状だったー。

カップ焼きそば
コールスロードレッシングー
砂肝ー
真ん中ぐらしソーセージ5個
カリフラワー4個
バナナチップスー
キャットフード…
白桃の缶詰ー
アルカリ乾電池ー

盗んだものが次から次へと出てくるー

「ーー(何で真ん中ぐらしのソーセージばっかり…)」
そんな風に思いながら、最後に出てきたのは
”包丁”だったー。

「ーーこれで、全部かな?」
小山田店長が呆れた様子で言うー

「(店長!呆れたいのはわたしの方なんですけど!
  店長、なんかおかしいって気づいてますよね!?!?)」

おばさん(梓)は、そう思いながらも、
言葉にすることはできなかったー

「どうして、こんなことしたの?」
小山田店長は、”おばさんに語り掛ける口調”でそう呟いたー

「そ、それは、だからー…わたしはー」
おばさん(梓)は、再び反論しようとするー

しかし、梓(おばさん)が「ゴホン!ゴホン!オホン!」と
わざとらしく咳払いすると
「あんたが万引き犯さね。忘れてないだろうね?」と、
高圧的に言い放ってきたー。

 ーーあんまり抵抗すると、あんたの身体のまま、
 滅茶苦茶なことしちゃうよ?

 そうねー。
 例えば街中で男を誘いまくったり、
 うふふ…興奮するわぁ…♡”

梓(おばさん)から言われた言葉を思い出すー。
抵抗したくても、抵抗することが、できないー。

「ーーー……せ、、せ、、生活に、困ってー」
屈辱の表情で、おばさん(梓)はそう呟くー

小山田店長が首を横に振るー。
呆れている様子だー。

そこに、梓(おばさん)が近付いてきて、
何やら小声で呟くー

”若い子を見ると嫉妬しちゃって、
 この包丁で殺そうと思ったーって言いなさいー”

とー。

「ーーえ…?ふ、ふざけないで!」
おばさん(梓)は思わず反論してしまうー。

「ーて、店長!もういい加減にして下さい!」
おばさん(梓)は小山田店長のほうも見つめながら叫ぶー。

梓になったおばさんが”何”をするつもりであろうとも、
この場で小山田店長に取り押さえてもらえば、
何もすることはできないのだー。

そう考え、おばさん(梓)は続ける。

「入れ替わりなんて、そう簡単に信じられないと思いますケド、
 店長だって、わたしが変って気づいてますよね?」

おばさん(梓)の怒りの言葉に
小山田店長は「そ、、そ、それはー」とたじろぐー。

おばさん(梓)の叱りの言葉に、
小山田店長は”いつもの梓”の面影をおばさんの中に見出すー。

「ーーご、、ご、、ごめん、木野さんー
 い、、入れ替わりなんて、なかなか信じられなくてー」

小山田店長が、ついに”入れ替わり”を認めるー

梓(おばさん)は、「な、な、何を言ってるのぉ~?」と、
わざとらしい口調で叫ぶー。

「ーーーもういいですから…!
 とにかく、わたしの身体を取り押さえて下さい!」
おばさん(梓)が言うと、小山田店長は「ご、ごめんよ。わかったー」と
言いながら、入れ替わりを信じて、梓(おばさん)を取り押さえようとしたー

しかしー

「ーーさ~~わるんじゃないよ!」
おばさん口調で梓(おばさん)が叫ぶー

すると、次の瞬間ー
梓(おばさん)が「かぁ~~~~~~~~~!!!」と、
イライラした様子で奇声を上げながら、
ポニーテールを乱暴にほどき、髪を手で乱しながら、
服もわざと乱して、笑みを浮かべたー

「ーこの状態でわたしが「きゃ~~!たすけて~!」って
 この事務所から出て行ったら、どうなるか、わかってんのかい?」
高圧なおばさん口調で、梓(おばさん)が言うー。

小山田店長が戸惑うー。

「ーー店長に乱暴されたって、この若い子の身体で泣きながら
 叫んだら、世間はどう思うのかね?
 考えてごらん」

梓(おばさん)の言葉に青ざめる小山田店長ー

「そ、そんなの、わたしが”違う”って言えばー」
おばさん(梓)が叫ぶー。

しかしー

「お黙り!」
大声で梓(おばさん)が叫ぶと、
「ーー若い万引きGメンの子に乱暴した店長になりたいのかい?
 よく、お考え。」
と、小山田店長のほうを見つめたー

震える小山田店長ー。

「ーーそうさな。あんたはそうするしかないのさ」
梓(おばさん)の言葉に、おばさん(梓)は「ちょっと店長!」と叫ぶー

「ーわたしがいますから!大丈夫ですから!」

仮にー
梓(おばさん)が「きゃ~~!」をやったとしても、
おばさん(梓)が「そんなこと、この店長はしてません」と言えば、なんとかー

「ーー小汚い万引きババアがそんなことを言って、
 世間が信じると思うのかい!?」

梓(おばさん)がおばさん口調で叫ぶー

「ーそ、それはー」
おばさん(梓)は戸惑うー。

梓のような若くて綺麗で、普段まじめな女性が、”乱暴された”と主張しー
冴えない男性店長と、万引きでその場に居合わせた小太りのおばさんが
”そんなことはない”と主張するー

世間は、どちらを信じるのだろうかー。

梓(おばさん)の自信に満ち溢れた顔に、不安を感じ始める
おばさん(梓)ー

梓(おばさん)は、笑みを浮かべると、
小山田店長に耳打ちをしたー

”さぁ、早く、あのおばさんを万引き犯にして、警察に通報しましょ?”

「ーーで、でもー」
小山田店長は、もじもじしながら戸惑いの色を見せる。

”ーーわたしの言う通りにしたら、わたし、店長とセックスしてもいいですよ?”

「ーーぶっ!」
小山田店長は、単刀直入に誘惑されて、思わず噴き出したー。

そして、ゴホン、と咳をするとー

「どうして、万引きをしたのかな?」
と、おばさん(梓)のほうを見て呟いたー

”馬鹿な男”
クスッと笑う梓(おばさん)ー

”最初の予定とは違ったけど、
 この身体があればー”

ふふふ、と笑いながら梓(おばさん)は見つめるー

唖然としているおばさん(梓)ー

「ーどうして、万引きなんか、したのかな?」
小山田店長が、おばさん(梓)を問い詰めるー。

「ちょっと!店長!」
思わず怒りを露わにするおばさん(梓)ー

しかしー

「店長~このおばさん、反省していないみたいですから、
 警察呼びましょ~?」

梓(おばさん)の言葉に、
小山田店長は、”さすがにそれは”という様子を一瞬見せながらも
「ー店長、今夜、どうですか~?」と、梓(おばさん)が
誘惑するような言葉を口にするとー
店長は警察に通報したー

「ーー…ふ、ふざけないで!!!!!」
おばさん(梓)が、梓(おばさん)に向かって突進するー

「ーお、おい!」
警察に通報しようとしていた小山田店長が叫ぶー

梓(おばさん)を押し倒して、
”わたしの身体を返して!”と叫びながら、
おばさん(梓)は怒りの形相を浮かべるー

「ーー人の身体まで”万引き”するなんて、最低!早く、早く
 わたしの身体を返してよ!」

おばさん(梓)は叫びながら、梓(おばさん)を睨みつけるー

それでも、梓(おばさん)は笑っていたー

「万引きだけでなくて、暴力もー?
 最低な”おばさん”ねー」

梓(おばさん)はそれだけ言うと、
小山田店長に通報を促すー。

「ーちょっと!やめてください!」
おばさん(梓)が、警察に通報しようとする小山田店長の方に向かうー

なんとか、通報をやめさせないとー
その一心で、小山田店長の手を掴んだおばさん(梓)ー

しかしー

「あっ!?」
「えっ!?」

おばさん(梓)の身体は、思ったより怪力でー、
小山田店長を、梓の想像以上の勢いで引っ張ってしまいー

「ーーー嘘…」

最悪の結果が、生まれてしまったー。

転倒して、勢いよく机に後頭部を打ち付けた小山田店長は、
頭から血を流したまま、その場で動かなくなってしまったのだー

「ーーーーわ、、、わぁ…
 ひ、、人殺しー」

梓(おばさん)にとっても想定外の出来事ー

けれどー
むしろ、梓(おばさん)にとってはチャンスだったー

・・・・・・・・・・・・・・・

スーパーには警察が駆け付けたー

「ーーーー」
放心状態のおばさん(梓)ー

”万引きしたのは、あなた”
”人殺しも、あなた”
”あなたは、万引きした挙句に店長を殺した、醜いおばさん”

そう言われて、おばさん(梓)は、絶望していたー。

「ーーわたしが…万引きした…」
「わたしが…殺した…」
「わたしが…」

おばさん(梓)は、ブツブツとそう呟くー。

「ーちがう…わたしじゃない…」

けれどー
小山田店長ですら、ちゃんと信じてくれなかったー
いや、分かってはいたのかもしれないけれどー
真剣に対応してくれなかったー。

梓と直接面識のない警察官たちが、おばさん(梓)が
何を言おうと、信じてくれるはずがないー

「ーわたしじゃ…ないんです」
おばさん(梓)は呟くー。

しかしー
案の定ー
警察官は、おばさん(梓)の言葉に聞く耳を持たず、
梓(おばさん)の言葉を鵜呑みにしたー。

いやー
それは、当たり前かもしれないー。
梓が警察官の立場だったら、
”万引き”をして、”人殺し”までしたおばさんの言葉など、
信じないだろうー。

中身はどうあれー
”監視カメラ”にも、万引きしているシーンも、
店長を突き飛ばしたシーンも、映っているのだからー。

「ーーー…」
おばさん(梓)が、梓(おばさん)のほうを睨むー

梓(おばさん)は警察官に聞こえないよう、
小さく、早口でおばさん(梓)に向かって囁いたー

”わたしが欲しかったのは、真ん中ぐらしのソーセージじゃないの”

おばさん(梓)は、その言葉を聞きながら戸惑うー。

”万引きして、声をかけられたら入れ替わろうって思ってたんだけどー
 まさか、相手があなたのような小娘とは思わなかったよー”

とー。

このスーパーでは、梓とあと数名、万引きGメンがいて、
交代交代で勤務しているー。

残りの数名は、イケメンの男が多いー。

このおばさんは、イケメン好きで、
そのイケメンたちと入れ替わろうとしていたのだー。

そしてー
ちょうど今日は、本来なら、梓ではなく、イケメンな万引きGメンが
勤務するはずだった日ー。
先週、たまたまその人からお願いされて、梓は、イケメンと勤務日を
交換していたのだったー

イケメンとの入れ替わりを狙っていたおばさんは、今日、
万引きを決行してしまい、梓に声を掛けられたことで、
計画を変更し、梓の身体を奪ったのだったー。

”でも、この身体でも十分さねー”
梓(おばさん)は笑みを浮かべるー

”この身体なら、イケメン食べ放題だからー
 ふふふ”

梓(おばさん)はそれだけ言うと、おばさん(梓)から離れるー

「-待って…!ねぇ、、ちょっと!」
おばさん(梓)の叫びもむなしく、おばさん(梓)は、
身体を”万引き”されて、そのまま警察に連行されてしまったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーこの女、人妻なのよねー」

梓(おばさん)は、笑みを浮かべながら家に向かうー

「まぁ、旦那とは別れてーーー
 男遊びしちゃおっかな」

梓(おばさん)は手鏡で自分の顔を見つめるー

「ーーふふふ この顔なら、イケメン食べ放題♡」
嬉しそうに笑う梓(おばさん)ー

まぁー
離婚の手続きを終えるまでは、ひとまず家でー

「ーーただいま~」
梓(おばさん)が帰宅すると、
夫の幸也が「おかえり」と、奥から出てきたー

「ーーーー!」
梓(おばさん)は、思わずバッグを落としたー

そしてー
顔を真っ赤にしながら、手を口元にもっていってー
興奮した様子で叫んだー

「ーーえ…嘘……」

梓(おばさん)は、キュンとしながら叫んだー

「ーーい、、、イケメン… や、、やばい…♡」

「ーーえ?」

ときめく妻を見て、夫の幸也は
何が起きているのかもわからず、困惑するのだったー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

夫も大変なことになりそうですネ~笑

お読み下さりありがとうございました!!★

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