無名@憑依空間 2024/04/27 16:14

★無料★<皮>脱ぐに脱げなくなった俺①~予期せぬ事態~

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ある日の早朝ー。

彼は、合鍵を使って彼女の家に忍び込んでいたー。

”これじゃ、まるで泥棒だなー”
そんなことを思いながらー。

同じ大学に通う彼女、森川 深夏(もりかわ みなつ)の家に
忍び込んでいたのは
彼氏の吉野 幸喜(よしの こうき)ー。

幸喜と深夏は、普段は喧嘩をすることもなく
良好な関係を築いているカップルで、
真面目で優しい深夏と、
気配りのできる幸喜は、性格的にも悪くない組み合わせと言えたー。
二人は幼馴染でもあり、お互いのことを良く知っているー。

しかし、今日ー
幸喜は、そんな彼女・深夏の家に忍び込んでいるー

別にー、深夏の命を奪いに来たわけではないし、
深夏に乱暴をするつもりもないー。
深夏の家のものを盗みに来たわけでもないー。

幸喜が深夏のことを大事に思っている気持ちはホンモノだー。

だがー、
幸喜は”欲望”に負けてしまったー。

人間は”未知なる力”を前にすると、
その力と出会いさえしなければ”良い人”のまま一生を送ることが
できたであろう人間も、壊れてしまうー。

もしも、世界を自分の手で滅ぼす力を手に入れてしまったらー?
もしも、人の命を念じただけで奪うことができる力を手に入れてしまったらー?
もしも、何の証拠も残さず、大金を手に入れる力を手に入れてしまったらー?

もちろん
そんな力を前に、それを使わない人間もいるだろうー。

けれどー
全員が全員、そうではない。

証拠も何も残らずー
そういうことが出来てしまうのであれば、
それをしてしまう人間も、世の中にはたくさんいるー。

幸喜も、そんな人間の一人ー。

幸喜は偶然、ネット上で”人を皮にする”ことができる
不思議な指輪を手に入れてー、
それを手に、彼女である深夏の家に忍び込んでいたのだー。

深夏を”皮”にしてー
深夏を着てー
幸喜自身が深夏になるー

そんな、欲望のためにー。

幸喜自身も、悩みに悩んだー。
深夏のことはとても大事だったからだー。

しかしー
可愛い可愛い彼女に自分がなってー
1日過ごすことが出来るー、という現実ー…
”その力”を前に、幸喜は我慢できなかったー。

深夏を傷つけるつもりはないー。
いやー、皮にして1日乗っ取るだけで、
深夏は傷つくのも、理解はしているー。

でも、物理的に傷つけるつもりはないし、
深夏の人生を壊すようなことをするつもりもないー

ただー”1日だけでも大好きな彼女になってみたい”
そんな思いが勝ってしまったー

そんな欲望に負けてしまう時点で
”深夏を大事にしている”とは言えないのかもしれない。

そうは思いながらも、それでも我慢することは
できなかったー。

「ーーー…」
深夏の寝顔を見つめる幸喜ー。

皮にされている間の記憶は”残らない”のだという。

早朝の今、深夏を皮にして乗っ取り、夕方か夜には解放すれば
深夏には”休みの日だから寝坊してしまったのだろう”ということに
できるし、
今日、深夏には何の予定もないことを、事前にしっかりと
確認もしておいたー

”1日だけ、深夏になりたい”
人を皮にする指輪のことを説明して、
”俺のことも皮にしていいから”と、
後日自分も深夏に着られる提案をしー
”同意を得た上”で深夏を体験する選択肢も
当然考えた。

だが、結果的にそれはしなかった。

その理由はー
”その方が、深夏を怖がらせてしまう”と、
幸喜は思ったからだー。

倫理的にー
人道的にー…
何て言えばいいのかは分からない。

確かに、そういう方向を考えるなら同意を得るべきだー。
がー、”何も言わずに乗っ取り、寝落ちしていたことにした方が”
最終的には深夏も怖がらずに済むだろう、と、
そんな判断も幸喜は下していたー

「ーー深夏…」
幸喜は少しだけ躊躇った様子を見せたものの、
指輪をはめた手を、深夏の方にかざしー、
そしてー、深夏を”皮”にしたー

あっという間に身体が着ぐるみのように変形していき、
寝息が消えていくー。

皮になったことで、人間らしい動きが何もなくなり、
静止したまま”ペラペラ”になった深夏ー。

ドキドキしながら深夏を着こんでいくとー
やがてーー鏡の前にはいつも見るー…

いやー、寝起きでちょっぴりいつもとは違う
深夏の姿が見えたー

それだけでドキッとしてしまう幸喜ー

「や…やべぇ…ほ、本当にー…深夏になってるー」
鏡の前で、”本当に深夏になっていること”を
実感するためだろうかー。

頬をぷにぷにと引っ張ったりー、
後頭部を触ってみたりするー。

だがー
それは”着ぐるみを着ている”というよりかは本当に
”深夏”になっているかのようなリアリティのある感じだったー

「す、すげぇ…へへへっ」
思わず深夏の姿で笑ってしまうー

深夏が普段見せないような表情を早速浮かべー、
深夏が普段言わないような言葉を早速口にしてしまったー。

そのことにゾクゾクしながら、
幸喜は深夏の姿のまま、早速”あること”を行動に移したー。

それはーーー

”ネットでコスプレ衣装を購入すること”
だったー。

基本的にいつも落ち着いた服装の深夏ー。
幸喜は、そんな深夏も好きだったし、
別に派手な服装を着たりしてほしいと言ったことはないし、
深夏が好きなものを着るのが一番だと思っているー

がーーー
それでも、どこかにそんな欲望があったのだろうー。

深夏に色々、普段は着ないような服を着せてみたいー
いいや、深夏そのものとして着てみたいー

バニーガール
メイド服ー
チャイナドレスー
セーラー服
ボンテージ
ラバースーツ

色々なものを購入していくー

”お金”は自分で予めギフトカードを購入したし、
アカウントは別のものを用意したー

深夏に迷惑はかけないー。
服は、深夏を開放したあとにそのまま持ちかえって
処分するなりするつもりだー。

”当日お急ぎ便”

そう書かれた表示を見て、笑みを浮かべる幸喜ー

今日中に届くならば、どんなに遅くなっても
今日中には深夏から出ることが出来るー。

仮に、深夏が目を覚ますのが夜の21時ぐらいに
なってしまったとしても、
”疲れていて、熟睡していたんだろ?”ということに
できる…はずだー。

「へへへへへ…」
深夏の身体でイヤらしい笑みを浮かべるー

深夏のメイド服姿を妄想するー
深夏のバニーガール姿を妄想するー
深夏のボンテージ姿を妄想するー

「やべぇ…興奮してきたー」
自分の身体とはまるで違うドキドキを感じながら
深夏の顔が真っ赤になっていることに気付くと、
何度も何度も深呼吸して、
平常心を取り戻そうとしたー

今日の夜までには、どのみち、
”色々な深夏”を見ることができるー

そうなればー

「ーーえへへへへへっ…」
ニヤニヤしながら、深夏は改めて鏡を見つめるー

「それにしても、ホント、可愛いなぁ…
 俺にこんな彼女ができるなんて、
 今でも本当に夢みたいだ」

そんなことを呟きながら、
満足そうに笑みを浮かべるー。

鏡の中の深夏が、心底嬉しそうに笑っているのを見て、
こちらまで恥ずかしくなってしまうー。

「ーえへへ…えへへ…
 こ、幸喜…♡」

自分の名前を深夏に呼ばせてみるー。

深夏から”幸喜”と呼ばれるのは日常茶飯事だが、
”深夏になって、深夏として自分の名前を呼ぶ”のは
当然、初めての経験ー。

いつもとは異なるゾクゾクが深夏の身体を襲うー。

「わたしは深夏…♡」
深夏に自分の名前を名乗らせてみるー

ただ単に名乗っているだけだが、
妙に興奮するー。

これもまた、今までに経験したことのない
新しいゾクゾクと言えるー。

「ーーこ、幸喜ー…わ、わたしと…結婚してください!」

気が早いものの、
深夏にそんなことを言わせてみるー

もしー
もしも、将来的にプロポーズなんてことがあるのだとすれば、
こんな風に言われるのだろうかー。

いやー、プロポーズはこっちからするのだろうかー。

いやいやいや、まだ気が早いー。

何度も深呼吸して、ようやく自分の気持ちを落ち着けると、
今度は「俺はー深夏ー」と、呟いてみるー

普段”わたし”と言っている深夏に”俺”と言わせるー。
これはこれでゾクゾクするし、何とも言えない感覚に
陥るー。

「ー俺は幸喜ー」
さらに、あえて”深夏の身体で自分の名前を呟くー”

「ーーやべぇ…なんか、身体の底から興奮するって言うかー…
 す、すごいなぁ…」

しばらくの間、鏡の前で色々なセリフを呟かせてみて、
お楽しみを続ける深夏ー。

深夏にわざと男言葉を吐かせてみたり、
乱暴な言葉使いをしてみたり、
卑猥な言葉を言わせてみたり、
逆に赤ちゃんみたいな声を出させてみたり、
低く、冷たい声を出してみたりー、
アニメキャラのセリフを言ってみたり、
ツイッターでよく見かけるようなセリフをあえて口にしてみたりー
存分に”深夏”ライフを楽しむー。

幸喜の目的は、決して深夏を傷つけることではないー
今、していることも
深夏本人が知れば傷つくと思うし、ショックも受けるとは思うー。

しかし、”言わなければ”深夏は気づかないだろうし、
他の誰にも迷惑をかけていないし、
深夏の評判が落ちてしまうこともないー

”いいんだー…1日ぐらいいいんだー
 その代わり俺は絶対に深夏を幸せにするし、
 悲しませるようなことはしないー
 だから、1日ぐらいいいんだー。”

何度も何度も、自分に言い聞かせるようにして
そんな言葉を心の中で呟き続ける幸喜ー。

やがてー
言葉遊びに飽きて、今度は色々な表情を浮かべたり、
色々なポーズをしてみるー。

壁によりかかってクールな表情を浮かべてみたり、
わざと頬を膨らませてみたり、
ドヤ顔をしてみたりー、
”見たことのないような”深夏の表情の数々を見れて
ドキドキが止まらないー

”少しだけ”
スカートを履いたまま外の空気にあたりたい欲求が
出て来て、近隣住人に見られないように注意しながら
玄関の扉を開けるー。

”皮にされて乗っ取られている間の時間を、寝てたこと”にするためには
”深夏の姿”を必要以上に見られるわけにはいかないー。

とは言え、あまり必要以上に見られなければ大丈夫だろうし、
深夏の親友や家族ーそういったレベルの間柄の人にでも
見られたのでなければ、何とでも”言い逃れ”はできるだろうー。

そう思いつつ、深夏の姿のまま、幸喜は家の外に出たー

幸い、誰もおらず、”スカートで外を歩く”ということを
生まれて初めて経験する幸喜ー。

そんな日常的なことにもドキドキしながら笑みを浮かべるー

だが、あまり遠出してしまうと、
大学の友人や、深い間柄の人と鉢合わせしてしまう可能性も
十分に考えられるためー、
家の周囲から離れることはできず、
”そろそろ部屋に戻るか…”と、ため息をつきながら
自分のー…深夏の部屋に戻ったー。

深夏の身体でー
トイレを経験したり、お風呂に入ったりー
色々な”おたのしみ”を続けるー。

あとはー
早朝に購入した”当日便”のコスプレ衣装の到着を待つのみー。

「それにしても遅いなー」
深夏の身体を堪能しつくしてー
あとは深夏のあんな格好やこんな格好を見てー
夜には深夏を開放したいー

がー…

”ーーーーーー”

既に商品は発送されているー。
だが、なかなか到着しないー

そう思いつつー、
コスプレ衣装の数々が入った荷物が今、どこにあるのか
”お問い合わせ番号”で確認するとー

「ーーーーー!!!!!!!!!」

ステータスに”調査中”と表示されているー

「な…な…なんだと…?」

”調査中”はよくない時に表示されるステータスだー。
理由は様々だがー、
配達が遅れることもあるー。

「ーーー…い、、いや…ま、待てーそれはまずいー!」

万が一、”コスプレグッズの数々”が今日届かないとなるとー
今日の夜、深夏を脱ぐことができなくなってしまうー。

”正気に戻った深夏の元にコスプレ衣装”が届いたらー
当然、大変なことになるー

「ーーぐ…くそっ!」
しばらく様子を見て、ダメそうならコスプレ衣装はキャンセルー

そう思いつつ、注文履歴を確認するとー

そこには”キャンセルできない”の文字がー。

「ーーーーーーう、嘘だろー?」

”荷物が到着するまで深夏を脱ぐことができないー”

欲望を楽しむはずがー
幸喜は”脱ぐに脱げない”
そんな状況に追い込まれてしまったー…

②へ続く

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コメント

大変な状況に…!★
続きは明日掲載デス~!
(もちろん無料作品なので無料デス~!)

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