1本先取 ノーマルマッチ
カルムVSアカネ
設置されたリング中央で少年と少女が対峙していた。
少年の名前はカルム。艶やかな黒髪、まだどこかに幼さを感じさせながらも精悍な顔立ちをしている。
カルムはポケトレスラーの頂点、チャンピオンを目指して日々挑戦を続ける若きポケトレスラーだ。
華奢な体つきだが、胸板はたくましく盛り上がり、腹筋のシックスパックは鍛えてほんのり割れている。
青のブーツ、青のブーメランパンツに身を包み、若々しく爽やかな印象だ。
対して少女の名前は、アカネ。
ピンク色の明るい髪、クリクリとした愛らしい瞳、まるでアイドルのようなキュートな容姿だが、ジムをリーダーを担う戦乙女だ。
赤のリングブーツ、赤のラインが入った白の水着に身を包んでいる。
アカネは、小柄で、ムチムチとした豊満な体つきをしている。
まるでメロンのように豊かな胸が水着からこぼれんばかりに膨らみ、ハイレグ気味に食い込んだ水着からプリンとした桃尻と太ももがあらわになっている。
彼女が動くたびに、たわわに実った果実がふるんふるんと揺れて、男性レスラーは釘付けになり、生唾を飲み込む。
特に男性レスラーは注意せねばならない。戦う前から彼女のメロメロボディに悩殺され、醜態をさらし、試合を始められないものすらいるからだ。
また、愛らしい見た目に騙され、手加減などしてはいけない。彼女は可愛らしい容姿に油断して舐めてかかってきた挑戦者をことごとく粉砕してきた実力者だからだ。
舐めてかかると痛い目を見る。数々のレスラーにトラウマを植えつけてきた。
そしてついた彼女の異名は「トラウマミルク戦車」だ。
「うわー」
カルムは心の中でつぶやき、内心は穏やかでなかった。
目の前には水着からはちきればかりの柔らそうな双丘と切れ込みの角度がきわどいレオタードから覗くふともも、前からすら豊かなお尻の形がわかってしまうような気がしてカルムは目のやり場に困ってしまう。
「?」
アカネはなんだかそわそわしているカルムの様子を見て、小首を傾げる。
「カルムくん。大丈夫?具合でもわるいん?」
アカネは気さくにコガネ弁でカルムに話しかけてくる。
当人のアカネは、女を武器に勝とうとするような悪女系ではなく、健康的で天然な純情娘。
男を悩殺し惑わせるような扇情的なコスチュームもデザインが可愛くて着たいから選んだ。
動きやすいから選んだという感じで、相手がどんな目で自分を見ているか無自覚なのでたちが悪い。
「いえ、大丈夫です」
カルムはぎこちない笑顔を作ると答えた。
「そーかぁ、なら、よかったわー」
アカネはそう言うと目を細め、天真爛漫に笑った。
「なら、全力出さなきゃだめやで!ウチが女だからって手加減したら、ウチカルムくんのこと許さへんからね!」
アカネは頬を膨らませ、腰に手を当てるとカルムに念をおした。
またアカネの豊かな胸がたうんと揺れたのをカルムは見てしまい動揺してしまう。
「は、はい。」
カルムは少ししどろもどろになりながら答えた。
そして、いよいよ試合開始のゴングが鳴らされる。
両者かまえると相手のことをじっと見つめる。
カーン!開始のゴングが鳴らされる。
ゴングの音を聞いた瞬間、カルムのポケトレスラーとしてのスイッチが入る。
精神に動揺はなく、構えてアカネの動きながら、戦略を練る。
力なら、こちらが有利のはず、力比べを挑んでペースを掴めれば・・・
カルムがそんな算段をつけていた矢先だった。
カルムの目に跳躍するアカネの姿が映ったかと思うと次の瞬間、カルムの顔をむっちりとした幸せな感覚が包み込む。
なっ!しまった!!
カルムは心の中で叫んだ。
カルムは予想外の大技に動揺を隠せない。
アカネのふとももで締められ、カルムはうむむーと声にならない叫びをあげる。
アカネは飛び乗ったカルムの顔面の上で叫ぶ。
「食らえ!フ・ラ・ン・ケン!シュタイナー!!」
カルムの体はぐるんと反転し、リングに頭から力一杯叩きつけられた!
「ぎゃああ!?」
カルムは悲痛な悲鳴をあげる。
頭を揺らされて朦朧とする。でんぐり返しをしたような無様な格好からすぐに立ち上がることができない。
「ほら!まだやで!」
すぐに立ち上がれないカルムをアカネが連続で踏みつける。ストンピングの雨あられ!
「男の子なら!このくらい!耐えなきゃね!」
ガスッ!ガスッ!ガスッ!
アカネのブーツがカルムの体を蹂躙する。
「ぐあっ!ぎゃっ!くはっ!」
踏みつけられるたびカルムが短く悲鳴をあげる。アカネの踏みつけがじわじわとカルムの体力を奪っていく。
「ほら!立つんやで!」
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・ごほっ」
アカネはカルムの腕を掴んで無理やり立ち上がらせる。
ううっ、頭がくらくらする。
カルムはダメージでまだ朦朧とする額を押さえる。視界には白いチカチカした光が舞っている。
カルムはフランケンシュタイナーのダメージがまだ残っていて、すぐに反撃できそうにない。
ふらつく脚でなんとか立っているのが精一杯という状況だ。
「ほら!行け!」
そんなカルムをアカネはコーナーめがけて力一杯振る。
「ぐっ!」
カルムは抵抗できず、コーナーに背後から叩きつけられる!
しかし、アカネの攻撃はこれだけで終わらない。
「いっくよ!!!」
カルムの叩きつけられたコーナーめがけて、突進!そして跳躍!カルムの顔面を黒い影が覆う!
「ぐあっ!」
あまりの衝撃でカルムは目に涙を浮かべ、意識がプツンと飛びそうになる。
アカネの必殺技、フライングピーチがカルムの顔面に炸裂!
アカネのボリューム満点のヒップとコーナーに顔面をサンドイッチされたカルムはたまったものではない。
逃げ場のない衝撃が脳を揺らす!
アカネがお尻をどかすと、支えを失ったカルムはぐたりとその場き尻餅をつき、舌を出した無様なアヘ顔をさらしてしまう。
「はぁ・・・はぁ・・・」
カルムは虚ろな目で、浅い息をする。
やばい。手も足も出ない。早く逃げないと次の攻撃はがくる。
自由の利かない体に鞭打って動こうとするが思うようにいかない。
「カルムくん、つらいやら?終わりしてあげるな」
アカネはカルムに優しくそう言うと足をつかみリング中央に引きずっていく。
カルムをリング中央に寝かせるとアカネはカルムの背後に回り抱きついた。
そしてカルムの腰に自分の脚を絡めて引きしぼる。
「ぐあっ!」
カルムは体をビクつかせる。
「それじゃ!いくで!」
アカネはカルムの耳元で囁くと体を反転させてぐりんと回転した。
腰をアカネの脚で掴まれているカルムもアカネの回転に合わせて強○的に回転させられてしまう。
アカネは止まることなく、円を描いてリング上をどんどん転がっていく。
カルムはアカネにされるがままリングの上を転がされ、三半規管を破壊されるダイヤル固めの餌食となる。
リングを3周ほど回転した後、アカネはカルムの腰をとらえたまま、体を半回転させ、フォールに入る。
カルムはまたしても、尻を突き出した屈辱的なでんぐり返しのポーズを強いられる。
「1・・・」
カルムの回転でグワングワンになった頭の中でアカネのカウントする声が聞こえる。
「2・・・」
僕は負けるのか?
されるがままやられて、このまま終わっていいのか?
カルムは体に力をみなぎらせた!
「うおおおおおおおお!」
カルムはスリーカウント入る直前で、体を跳ねあげ、アカネの拘束を引き剥がす。
勝負が決まると確信していたアカネは、カルムの土壇場の粘りに驚きを隠せない様子だ。
「よく返せたな?カルムくん。ウチ、そういうガッツのある男の子好きやで」
余裕の表情を浮かべるアカネ。対してカルムはなんとかスリーカウントを免れたものの蓄積したダメージが辛い。
アカネが完全に優勢なこの流れをどう変えるか。
カルムは一か八か勝負に出た。
防御を捨ててのインファイト!
アカネの懐に飛び込み、渾身の拳をアカネのボディに叩き込んでいく!
ドズン!
カルムのぎゅっと握った拳がアカネの無防備な鳩尾にめり込む。
アカネの柔肉にカルムの無骨な拳が沈み込み、蹂躙する。
「きゃあ!」
アカネはあまりの痛みにおもわず、女の子の声をあげてしまった。
カルムが捨て身の攻撃を仕掛けてきたことはアカネの誤算だった。
カルムは体力を回復させるために距離を取るだろうと予想していたアカネはカルムの攻撃に対する反応が一歩遅れてしまう。
「けほっ・・・けほっ・・」
鳩尾を殴られて、アカネは目に涙を浮かべてむせこむ。効果は抜群だったようだ。
カルムはアカネがひるんだ隙を見逃さず、次々に拳を固め叩き込んでいく。
アカネは必死に両腕でガードを固めるものの、その細い腕の隙間をぬって、カルムはアカネの脇腹あたりを責め立てていく。
「シュッ!シュッ!シュッ!」
カルムはジャブやフックを繰り出す。
ドスッ、ドスッ、ドス!
カルムの拳がアカネの脇腹を殴り、柔らかボディを変形させる。
「きゃう!あぅぅ!いや!」
柔肉を拳で殴られるたび、アカネは可愛らしい悲鳴をあげてしまう。
アカネは顔や鳩尾を殴られることを恐れて体を丸めて守りの体勢に入る。
反撃してこないアカネにカルムは勢い付いて拳だけでなく、蹴りも叩き込んでいく。
「オラオラオラアアア!」
カルムのローキックやミドルキックがアカネの肉を打ち据える。
ビシッ!バシッ!
キックがヒットするたびに、肉がふるんと揺れ、アカネは痛みに身をビクつかせる。
「きゃう!あうう!はうう」
試合開始とは対照的に今度はアカネがカルムに手も足も出ずサンドバッグのように叩きのめされる。
アカネはコーナーに追い詰められてしまう。
「捕まえた」
カルムはコーナーにアカネを追いつめると左手でアカネの首に喉輪をかける。
「きゃう!」
アカネは自分の喉を締めるカルムの左腕から逃れようと身をよじる。
「やあ!離して!」
アカネの抵抗も虚しくカルムの腕を引き剥がすことができない。
「きゃああああ!」
カルムが左手にさらに力を込めたのでアカネは悲鳴をあげ、喉輪を外そうと両手でカルムの左腕を搔きむしるがビクともしない。
カルムはアカネがガードを崩すこの瞬間を待っていた。
「いくぞ!!!!!」
たっぷりと右膝を引き絞り、がら空きになったアカネのどでっぱらめがけて渾身の一撃を叩き込んだ。
次の瞬間、アカネの下腹部に吸い込まれるようにカルムの右膝がじゅぷりとしずみこむ。
「いやああああああああ!」
アカネは膝で腹を貫かれ絶叫。
容赦ない一撃が内臓をかき混ぜる。
アカネは激痛が駆け巡り、息が止まりそうになる。
目を白黒させ、舌をだらしなく突き出した。
アカネはカルムが喉輪を外した瞬間、その場に尻餅をついてダウンした。
「あう・・・い、痛い・・・」
あまりの痛みに、貫かれた腹をさすり、アカネはリングをのたうちまわる。
「痛いよう・・・」
アカネは目に涙をため、お尻を突き出した無様な格好で攻撃された腹を庇っていた。
「ほら立って!もっと痛いのいくよ!」
無情にもカルムが追い討ちをかける。
「いや!いや!」
カルムは嫌々と首を振り抵抗するアカネを立ち上がらせて、後ろから腰をクラッチする。
そして、アカネの体を高々と持ち上げる。
ふわりとリングから持ち上げられるアカネの体。
「いくよ!!!」
カルムは掛け声とともに前にアカネの体を落下させる。
そして、落下地点にはカルムの膝が待ち構えている。恐怖のアトミックドロップ!
ドチュン!
「きゃあああああああ!」
カルムの膝爆弾がアカネのヒップを直撃!
衝撃で豊かな尻たぶと胸がブルンブルンと暴れまわる。
突き上げるような甘く危険な痺れがアカネの体を駆け巡り、抵抗する力を奪っていく。
「あえ・・・あへ・・・」
アカネは舌を突き出してアヘ顔を晒してしまう。
「まだまだ!」
「きゃあ!」
カルムの掛け声とともに再度体を担ぎ上げられアカネは我に返った。
弛緩した体は易々とカルムに担ぎ上げられてしまう。
「いやああああ!」
一撃で終わらない餅つき式アトミックドロップ地獄!
ドチュ!
カルムの膝が再度アカネのおしりを蹂躙する。
「あひいいいい!」
尻を打ち据えられた瞬間、アカネはぷるぷると太ももの肉を小刻みに震わせた。脚の力が抜けて、踏ん張りがきかずまるで生まれたての子鹿状態だ。
カルムが開放してやると、アカネはたまらずダウン。責め立てられたお尻をさすり、目には涙をため歯を食いしばって痛みに耐えている。
アカネが瀕死寸前であることは明らかだ。カルムはアカネを仕留めにかかる。
「ほら!立て!さっさとギブアップしろ!」
カルムはリングにへたり込んでいるアカネを無理やり立ち上がらせると後ろから首に腕を回して締め上げた。
「きゃあ!」
アカネは悲痛な声を上げた。
脚の踏ん張りがきかず、カルムが締め上げなくてもどんどんアカネの体は下がり、喉が締まっていく。
「はやく!ギブアップしろ!」
カルムが乱暴な口調でアカネにギブアップを迫る。
「ノ、ノー」
ジムリーダーとしての意地かギブアップを拒否するアカネ。
はぁ、はぁとあらい息を吐き、限界なのは明らかだが、負けを認めようとしない。
「はやくギブしろ!さもないと締め落とすぞ!」
カルムがギブアップをさせようとさらに語気を強めて迫る。
「い、いやや!」
アカネは駄々をこねるように体をばたつかせる。
「ギ、ギブなんて、しない!」
なおも強情に負けを認めないアカネ。
「もうどうなっても知らないからな!」
業を煮やしたカルムは全力でアカネの首を締め上げた。
「きゃああああああああああ!」
アカネは尾を引いたような悲鳴をあげ、ポロポロと涙をこぼした。
そして、次の瞬間、アカネの腕も脚もだらりと力が抜けていった。
アカネの柔らかい背中がカルムの胸板に寄りかかってくる。カルムはアカネが失神したのを確認。
カルムは優しくアカネの体を抱きとめるとリングに横たえさせた。
決着のゴングがリングに鳴り響いた。
カルムはリングに跪くと気を失ったアカネの頬をペチペチと叩き、名前を呼びかける。
しばらくするとアカネはぱちりと目を覚ました。
「よかった!目を覚ました」
カルムが安堵の声を漏らした瞬間、アカネは大声をあげ、目から大粒の涙を流し出した。
カルムは突然の出来事に呆気にとられる。
アカネはわんわん泣きながら、カルムの胸板をまるで子どものようにポカポカ叩き始めた。
「ウチ、カルムくん、嫌いや!!ギブアップしろ!とか怖い言い方して!悔しいし!怖いし!負け認めたくなくなるやん!なんでそれがわからへんの!」
カルムは自分の胸の中で子どものようにぐずっているアカネの頭を落ち着くまで、よしよしと優しくなぜてやった。