攻略本を読む楽しみを再現したかったという話/キャラデザの裏話
ご来訪いただきありがとうございます。「あすのかぜ」です。
今日は「ラスト・メイル」では攻略本を読む楽しみを再現したかったという話と、キャラデザに関する裏話を1つさせていただこうと思います。
基本的にはゲーム内で完結させるべき派
私はゲームのことはゲーム内で完結させるべき派です。
どういうことかと言いますと、例えば「このゲームには前身となる◎◎ってゲームがあって――」とか、「このゲームの真相はスピンオフ作品の◎◎を見れば――」「小説版を読めば――」「◎◎の開発者インタビューを見れば――」などのゲーム外の情報も仕入れないと完結しない作り方を嫌うタイプということです。
これは映画などだと顕著になると思います。「この映画監督は昔――」「この監督にはこういう性癖があって――」みたいな背景情報を込みで楽しむ方もいるかと思いますが、私はその真逆です。映画ならその映画内の内容のみで評価するタイプです。
ですから、ゲームにおいても基本的にはゲーム内で情報を完結させるべきだという考えを持っており、例えば攻略サイトの補完を前提としたゲームにはしたくないという考えがあります。
実際、「ラスト・メイル」ではラスボス戦で負けたときに「ヒントイベント」を見られるようにしています。気付いていなかったという方は確認して見てください。
しかしそれはそれとして、矛盾しているかもしれませんが攻略本を眺めるのも好きだったりします。
虎の巻(.txt)という形式で攻略本を再現
そこで「ラスト・メイル」では虎の巻という名のテキストデータを同梱しておきました。
正直な話、これが無くても問題ないだろうとは思っていますが、私には開発者バイアスがかかってしまっていますし、基本的にはごり押しプレイも可能なように設定しているため、ゲーム慣れしていない方やごり押しプレイ派の方を補助する目的で、一部バトルの攻略情報だけは整理しておきました。
攻略情報を乗せるときに一番シンプルな掲載方法はそのまま答えを載せることです。
例えば、1ターン目はラストが◎◎を使って、アリシアが◎◎を使って……と書いておくパターンですね。
「ラスト・メイル」では敵(ボス戦)のHPを設定するにあたって、適正レベルの味方が攻撃、補助、回復行動などを行ったときに◎ターン経過までに与えるダメージを算出し、そこからHPを決定するという手順を踏んでいるため、そのような回答を掲載することも可能でした。
ですが、書かれた通りにコマンドを入力するというのは、もはやただの作業です。
せっかくゲームを遊んでいるのですから、作業ではなく体験を味わっていただきたいというのが私なりの考え方です。(エゴとも受け止められるかもしれませんが)
ですから、虎の巻はあくまでも補助ツール。答えが載っているのではなく、攻略の糸口を見ることができる。
敵の取ってくる戦法やその解法を知ることでそのゲームにもっと詳しくなれるのが攻略本の良いところだと思いますので、虎の巻もそれぐらいのポジションでご用意いたしました。
キャラデザの裏話
「ラスト・メイル」のメインヒロインたちはそれぞれに見た目に反映されるような分かりやすい個性(職業?)があります。
・シルフィーナは白銀の鎧を着たお姫様。
・カーニャは狩猟も行う孤児院のシスター。
・エレノアは内気な魔法使い。
・ウサウサはウサ耳の生えた元気っ子。
それらに比べると、アリシアは「想いを寄せてくれている幼馴染(村娘)」なので、見た目に反映されるような個性が弱かったという背景があります。
そのため、アリシアの最初期のキャラデザ案は村人A感がものすごく強いデザインでした。
※ボツにしたデザインですので一応モザイクをかけています。
その最初期のデザイン案を見たことで、「村人ではあるけれど村人感を前面に出してはいけない」のだと気が付きました。
それからは村人感をパーツで表現し、服装自体はシンプルにオシャレな感じになるように方針転換を図りました。
そのような経緯から、最初期から最もデザインが変わったのはアリシアだったりします。
ちなみにデザインの変化が大きい順で言うと、2番目がエレノア、3番目がシルフィーナ、4番目がウサウサ、5番目がカーニャです。
まあ、そうは言ってもアリシアほど極端な変化はありませんでしたので、特筆するほどのことはありません。
……あ、でもエレノアの絶対領域を追加したのは大きなポイントかもしれません。