薫衣草書房 2024/06/25 22:15

SKIMA等依頼サイトで外注依頼した際の記帳の仕方で得とか損とかあるの?【クーポン有編】


SKIMAなど仲介サイト\11,000でイラストを発注し、\500オフクーポンを使った場合の仕訳の仕方で得とか損とかがあるのか。真面目に考えてみました。
以下の計算はすべて、自分がインボイス番号を取得している場合のものです。
していない方もなんでこんなにインボイス制度が、インボイス番号を取得した人にもしてない人にも忌み嫌わてるの?? みたいな根源の話に触れているので、軽く把握しておくといいかもしれまん。

※初公開時にアホなミスがあったので訂正してあります。
公開即見た方いないと思いますが、いたらごめんなさい。

で、どっちがお得ですか?

Ⅰクーポン券を雑収入として処理
広告宣伝費 \11,000 / 事業主借 \10,500
           / 雑収入 \500

Ⅱクーポン券入りの金額を広告宣伝費にぶち込んで処理
広告宣伝費 \10、500 / 事業主借 \10,500

結論から言うと迷うことなくⅡを選びましょう

計算の内訳

【取引相手が適格請求書発行事業者の場合】
①広告宣伝費 \11,000 / 事業主借 \10,500
           / 雑収入 \500
 仮払消費税\1,000
 仮受消費税\45

②広告宣伝費 \10,500 / 事業主借 \10,500
 仮払消費税\955

【取引相手が免責事業者の場合】
③広告宣伝費 \11,000 / 事業主借 \10,500
           / 雑収入 \500
 仮払消費税\800
 仮受消費税\45

④広告宣伝費 \10,500 / 事業主借 \10,500
 仮払消費税\764

仮受消費税-仮払消費税で計算した時得する順:
①=②>④>③

仮受消費税はお客様から預かっている、いずれ払わなければいけない税金。
仮払消費税は事業者に預けた、すでに支払った税金です。
消費税の納付金額は仮受消費税から仮払消費税を引いた金額です。
つまり、同じ金額を経費にするのなら、仮払消費税が大きければ大きいほど、得だということになります。

現在、取引相手がインボイス番号を取得している場合は、仕入れの仮払消費税を10%(税込み金額に対して10/110)、
していない場合は仕入れの仮払消費税を約7.2%(税込み金額に対して8/110)で計算します。
これは経過措置であり、そのうち後者と取引した際の仮払消費税は5/110になり、それが過ぎると0になります。

感想

自分が適格請求書発行事業者の場合は2割特例適用前の消費税納付額は単純計算でこうなる。計算間違ってたら笑っちゃう。(最初間違ってた

相手のイラストレーター様に払う消費税は、あくまでその方が適格請求書……長いな、とにかくインボイス登録番号を取得しているかどうかに左右されます。
仲介サイトは仲介しているだけなので、サイト運営会社にインボイス番号があっても適用されるのは仲介料にだけ
ココナラでは領収書に手数料とその消費税、イラストレーターへ支払った料金がそれぞれ別記されていました。
SKIMAは払った料金とクーポン券の料金が書いてあるだけでした。そもそも適格請求書ではなさそうです。

自分がインボイス番号を取得しており、かつクーポン券を使ってココナラで免責事業者にイラストを依頼したとします(ほとんどのイラストレーターさんや、デザイナーさん、作家さんは免責事業者です)。
その場合は手数料の消費税は税込み金額に10/110をかけて計算、イラスト料金は税込み金額に8/110をかけて消費税を計算することになります。

広告宣伝費(消費税8/110) / 事業主借
雑費(消費税10/110) /

かつ、発行してもらった領収書のクーポン券にきっちり消費税などが明記されていた場合には、おそらく広告宣伝費に雑にクーポン券を合算することが許されません。
なぜなら、広告宣伝費とクーポン券の消費税率が違うからです。
広告宣伝費は、あいだに仲介サイトが入っているだけで、『イラストレーターさん』と『私』の取引なので税率約7.2%。
クーポン券分は、『仲介サイト』と『私』の取引なので税率10%です。

少なくとも、税務署は合算はアウトの判定を下すと思います。額が数百円なので追及されるかどうかはわかりませんが、ともかく、その場合の『正しい』仕訳は、こうです。

広告宣伝費(消費税8/110) / 事業主借
雑費(消費税10/110) / 雑収入(消費税10/110)

うおおおお! 面倒くせえ~!
しかしこれは取引相手の外注さんが悪いわけではありません。
悪いのは明らかに制度です。制度です……。

結論:インボイス番号を取得すると、事務負担が無限大に跳ね上がる。
でも、インボイス番号を取得しないと取引先に多大な負担感を強いる。
なんかもっと他のやり方はなかったのか……

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら