幼なじみが色んな方法で殺してきて夏が終わらない【ネタバレ】
こんにちは~幽玄トラオムの飴井です。
久々に記事を書いたらどういうテンションで出てきていいのかがわからなくなりました。
『幼なじみが色んな方法で殺してきて夏が終わらない』(略称・おさなつ)
が8/19に無事にリリースされました!
ので、作品にまつわるアレコレをお話させていただきます。
この記事は見出しも含めて本編の重大なネタバレに触れているため、
これから聞こうかな~と考えている方は一旦閉じて、先に本編をお楽しみいただければ幸いです。
※以降、ネタバレ注意です▼※
■終わらない夏の日、この世界を繰り返しているのは
・ヒロインの方ではなく梅鉢。この夏の日に起きる出来事を変えたがっています。
・トラック1の時点で既に何度もヒロインを殺してきた後であり、彼の中で殺すことは作業的に片付けるものとなっています。
・ループをやめることは未来のヒロインの命を諦めることと同義なので、梅鉢はわずかな可能性でも諦めることが出来ず繰り返し、心をすり減らし続けています。
■「知らなかった」ことを強く後悔している
・梅鉢はヒロインの事情や心情を"知らなかった"ことに対して強烈な悔いがあり、この発言をする際は自分自身に対して怒っています。
■梅鉢に殺される条件
①先輩と花火大会に行くと決めてしまう
②先輩が家まで迎えに来てしまう
上記①②どちらかが確定した時点で梅鉢はこの回を諦めるので即座にやられます。
・先輩と花火大会に行くと、ヒロインは未来で死亡します。
(花火→先輩とトラブル→周囲の目が気まずくて地元にいられなくなり都心で就職→劣悪な職場環境で悩むもひとりで誰にも相談できず死亡)
・無理にヒロインを連れ出して逃げようとした世界では、地元のネットワークを駆使した先輩に見つかり連れ戻されています。
・家にいると時間経過で先輩が迎えに来ます。(着信は鳴った時点でタイムオーバーでアウト)
■変わりかけた世界
・ヒロインが「行かない」ことを選択した世界もありました。トラック4です。ですが自分が殺される前に梅鉢を刺してしまいました。
・刺される直前の梅鉢は訪れた兆し、変化に対して喜んでいます。
・作品概要欄のトラップ↓
・注意事項:軽い流血表現、吐血。(ヒロインではなく梅鉢の。おい!!)
・ここまでのトラックで訳も分からないままやられっぱなしだったので、フラストレーションを解消するためやり返すパートも入れようと思ったのですがその結果、すっきりするどころか何故かこっちが悪いような気分になる、後味の悪いパートができました。最悪。
■踏切の警報器の音
・作中何度も鳴るこの音は現代軸で死んでいるヒロインの死の暗喩であり、
梅鉢が死にたがっている(飛び込んでループを終わらせたがっている)心理状態を匂わせています。
■風鈴の音はループの象徴
・風鈴の数は梅鉢のループ回数を表しています。
・トラックが進むたびに増えています。
・トラック1の時点で梅鉢は少なくとも2桁の回数はループしています。
■ヒロインの浴衣姿
・ヒロインの浴衣姿を梅鉢は何度か見ています。
・本編中の浴衣姿は初見ではないけれど、頑張って初見っぽく感想を言っています。
↓
「すご。ほんとに浴衣だ」←そのまますぎる。下手か。
「なんか……お前らしい感じ。色とか」←がんばれ……!
■最初に想定していたエンディング
・ループを終えて現代に戻ってきた梅鉢(25)が地元に帰省し、ヒロインの実家で彼女の仏壇に線香をあげて「おかえり」と言うシーンで終わり。
・一番最初に思い浮かんでいたエンディングはこれなんですが、あまりにも悲しすぎる……救いとかないんですか?というか二人とも救われて欲しい。ここまで頑張ったのにその結果がこれってあんまりだろう……。と思い直し、未来が書き換わるエンディングに変更しました。
・読後感(聴後感?)としては、爽やかな夏の雰囲気のまま終わって欲しかったのでハッピーエンドにして良かったと思います。
■「おさなつ」追加特典について
・ありがたいことに沢山の方に手に取っていただけているので、何かお礼をしたいなと思い、追加でSS(もし出来たら音声で。難しくてだめだったらすみません)を特典で入れたいと考えています。
①トラック3と4の間に挟まるはずだった絶望野外レ〇プ
→関係の修復が流石に難しくなってしまうので無しになった没案のやつです。
疲れ果ててすりきれた梅鉢に公園で無理やり……な内容です。かなりバッドエンド風味あります。
②現代軸25歳梅鉢にブチギレ嫉妬えっちされる
→本編終了後の時間軸、現代で生きるその後の二人の話です。
マチアプで彼氏を探していることをぽろっともらしたら、「は?俺がいるのに何でだよ。ふざけんな」と困惑、激怒、ブチギレ嫉妬えっちされます。
その後無事付き合え……るの……か~!?
③一番最初のループ世界
→こちら、作品を聴いてくれた方の神案なのですが……。
殺すつもりがなく殺してしまった、一番最初のループ世界線でのお話です。
初めてヒロインを殺してしまった時の梅鉢の絶望。
「おさなつ」について
「夏」「ループ」モノが書きたいな~と思い、とにかく幼なじみがめちゃくちゃ殺してくることだけが決まった状態でぼんやりとした構想のまま書き出したのですが、たびたび梅鉢の心情を追いかけては想像して、なんでこんな苦しい思いさせてるんだろう、もうやめてあげたいと何度か思いました。やめないんですけど。
自分は創作をする理由として「愛するキャラクターに幸せになって欲しい」という思いがあるので今回それを叶えられてよかったです。(どの口が言うんだ)
みなさんが梅鉢を愛してくださったおかげで、この気持ちはかなり充実感をもって成就されました。ありがとうございます。
(最後に:梅鉢の名前について)
梅鉢の「梅」は前作の主人公「藤実」の藤から関連性を持たせています。
この次に出す予定だった因習村冥婚お兄ちゃんが「柳」のつく苗字なんですが、彼は花札をします。
あ~それでね!って感じにしたかったんですが、先に松のつく不穏な気配の兄弟が来そうです。ご期待ください。
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