ルさんちまん 2018/10/27 09:06

ゲームがヒットしなかった時にすべきこと

 同人ゲームが完成し、販売までこぎつけることができた。でも、思ったよりも人気が出ていない。あんなに頑張ったのになぜ……。そういった時にどうしたらいいのかを書いてみます。自戒も込めて。

運のせいなのか実力のせいなのか

 まず考えるべきことは、ヒットしなかった理由が、運のせいなのか、それとも実力のせいなのかということです。言い換えれば、

  • もう一度似たようなゲームを作ればヒットする確率が高い
  • 自分が1つ以上の重大な失敗をしたためにヒットしなかった。それを改善しないと次もヒットしない

上記のどちらが正しいかを考えるということです。

 もしもヒットしなかった理由が自分ではどうしようもない運のせい……表現規制が変わったため多くのシーンを削除しなくてはいけなかった、続くと思われていたブームが突然終わっていた、体験版をプレイした人のほとんどがたまたま自分のゲームの良さを見抜けない間抜けだった。そういうのだったら問題ないです。安心してもう一度バットを振りましょう。次はホームランです!

 そうではなく、ヒットしなかった理由が実力のせい……絵が下手くそだった、キャラデザがお粗末だった、価格設定を間違えていた、不快感を覚えるシナリオだった、ニッチすぎるジャンルだった、力を入れるべきところに入れなかった、バグまみれで遊ぶのも苦痛な出来だった、コンセプトが不明確でどんなゲームなのかがわかりづらかった。そういう場合は改善する必要があります。

自分の非を認めるのは非常に難しい

 ……で、なぜこんな当たり前のことを長々と書いたかというと、ヒットしなかった原因が自分の実力不足のせいだと認めることがとても難しいからです。特にゲーム制作は、何ヶ月、下手したら何年もかかって、いろんな人に依頼して、素材集とかも買って、ブログで応援してます的なコメントをもらいつつ完成させるわけです。そんなにコストをかけて完成したものが、自分のせいでヒットしなかったとなると、バカみたいじゃないですか。

 それに人は自分のことを有能だと思っているという調査結果があります。自分は平均よりも運転がうまく、平均よりもユーモアで、平均よりも誠実で才能があると思っています。だから、それに反する事実はとてもじゃないけれど受け入れられない。よって、自分を正当化し、人や環境のせいにしたり、あれは健闘したなどと事実を歪めてしまったりします。認知的不協和でググってみてください。自分のミスを認めるのは非常に難しいのです。

 でも、それを認めないと次のゲームも同じように埋もれてしまいます。なのでここがスタートラインにして、最も難しい場所です。そう、ゲームがヒットしなかったのは、自分の実力不足、自分が重大なミスをしたせいなのです!

一体何が悪かったのか

 自分が悪いことを受け入れたとします。そうすると次は、何が悪かったのかを調べる必要があります。しかしこれを自分自身で発見するのは難しいです。ものすごいコストをかけて長い時間作り続けたものを、客観的に見ることができるでしょうか? なので人に聞く必要があります。

 ここでまた問題があります。人にゲームの感想を聞いても、悪い点を指摘してくれる人は少ないのです。理由の1つは、悪い点を指摘してそれが間違っているととても恥ずかしいから。もう1つは、その人との関係が悪くなるのを恐れるからです。なので、人に聞く時はあらかじめ、

  • 自分のゲームが良くないこと
  • その原因が自分ではわからないこと

 上記を伝えて、信頼できる人にストレートに悪い点だけを聞きましょう。「感想を教えて」みたいな言い方だと、まず間違いなくオブラートに包まれた優しい言葉が返ってくるでしょう。それは耳障りは良いですが、あまり役には立ちません。

 また、人によって視野・視座・視点が異なるので、なるべく多くの人の意見を聞くと良いです。特に匿名掲示板で書かれる内容はオブラートに包まれてることが少なく、いろいろな意見を聞けるので、悪い点を知るには役に立つことも多いです。もちろん意見が間違っている可能性も高いです。何を改善するべきかはよく検討しましょう。

 なお、制作終盤に悪い意見を聞くのはお勧めしません。意見を聞いたところでどうしようもないことが多く、かつ完成させる意味を見失う可能性があるからです。終盤になったら勢いで完成させた方がいいでしょう。

悪い点を指摘されても怒ってはいけない

 こんなことも当たり前で、わざわざ書くようなことでもないんですが、僕が見てきた範囲ですら、悪い点を指摘されて怒ったコメントを返す制作者の方は多かったです。もちろん気持ちはわかるんですが、勢いでコメントを返す前に、1日待って冷静になってからお礼を書くようにしましょう。厳しい意見をくれる人は敵ではなく味方です。

何度でもやりましょう

 こうしてだんだん改善していけば、ゲームを作れば作るほど実力は上がっていきます! ここで朗報があります。自分が生きている限り、何度ゲームを作っても良いのです。一発勝負ではなく、何度ミスしても良いのです。また、1回や2回ミスしたぐらいで、才能がないなどと考える必要もありません。才能なんてのは、ヒットしたら才能があった、ヒットしなかったら才能がなかったと言われるだけの後付けの言葉なので、1本ヒットすれば才能があるということになるのです。むしろ、1本ゲームを完成させた時点であなたには才能があります。がんばりましょう!

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