Aqua-baiser 2012/03/28 02:54

世界観について(天使と悪魔の環境の違い)

Twitterで見かけた創作お題で、140文字×数回の呟きではとても収まりそうになかったので、こちらで
徒然と語ってみることにしました。



まず大前提として、当オリジナルの世界に登場する「天使」「悪魔」は、宗教上の象徴ではなく、神や
魔王の使いでもありません。
ファンタジー世界によく見るエルフ、ドワーフなどといった「外見は人間に近い異種族」の類です。
だからまぁ、ナッシュが「男がスケベじゃなかったら人類は滅びてしまうだろう?」(=自分達を人類の
一種と認めている)なんて冗談を言ってましたが、これは別に間違ったことじゃないんですね(笑)。
雄と雌の性交によって繁殖する哺乳類に相当するので。

ただ、他の種族とは比べものにならないほどの力を持った不老不死の存在であるため、地上の生物の観点からすれば神に近しい存在であると言えます。
……が、彼らはあくまで天使・悪魔という「種族」です。
彼らに神はいません。宗教もありません。
あえて信仰すると言えば、それは各々のトップの存在でしょう。
悪魔であれば悪魔軍総大将アーレス・ディザック(天使からはルシファーという俗称で呼ばれている)。
天使であれば天使軍総帥ラディウス・クァディシン(天使軍第一指揮隊隊長でもある)。
この二人が彼らにとっての絶対であり、信仰対象となっています。

彼らがいつから互いを憎むようになったのか、殺し合うようになったのかは定かではありませんが、
思うに、天使と悪魔はもともと一つの種族だったんではないかな、と思います。
というのも、私の創作世界上の天使と悪魔は「白い翼を持つ」「黒い翼を持つ」という外見以外に殆ど
差がないので。
彼らの昔々の祖先が、思想、価値観の違い、外見の差異などから少しずつ少しずつ派閥を作っていき、ある日決定的に分断される。それが戦争の切っ掛けだったのではないかと。
そしていつの間にか「天使」「悪魔」という種族に別れていったのではないでしょうか。

さて、そこで彼らの普段の居住区についてです。
天使は普段、「ウルティマ・トゥーレ」と呼ばれている雲の上に浮かんだ島(何かファンタジー的な動力で浮いている・笑)で過ごしています。
一方の悪魔は地上にある島に結界(人間などが誤って侵入してこないよう)を張って暮らしています。
つまり、どちらかと言えば悪魔の方が人間に馴染みがあるんですね。
滅多に地上に降りてこない天使と比べると、悪魔の方が人間に目撃されるケースが多い。そんなこともあり、人間達は、

たまに見かける悪魔=悪しき者、凶兆
滅多に見られない天使=正しき者、神の御使い

という図式を勝手に作り上げ、天使信仰を広めていきました。
漫画でテオドラが、人間が勝手に我々を崇め奉っているだけ、天使はヒエラルキーの頂点に位置する
至高の存在である、と述べている通り、天使はもちろん悪魔も、人間の宗教の都合などは意に介して
いません。

天使は悪魔以外も駆逐しようとしています。
一方で、悪魔は宿敵の天使以外は別にどうでもいいという考えです。
おそらく、天使も最初の頃は悪魔と同じような考えだったと思います。
それがなぜ悪魔以外の生物にも攻撃の矛先を向け始めるようになったのか。
これは天使が、「雲の上の島」という地上の生物に縁の無い場所に住むようになったからでしょう。
その結果、過剰な選民意識が芽生え、悪魔以上に気位が高くなり、傲慢になり、より閉鎖的になった。だから、皮肉にも人間にとっては天使の方が自分達に仇なす存在となってしまったのです。

天使の衣食住はほぼ自給自足です。
よって天使同士でしか使用しない独自の通貨を持っています。
長い戦争の歴史の果てに戦闘種族となってしまった彼らは、人口約2400人のうちの2000人が悪魔と
戦うために生きる軍人です。残りの400人は戦う力 に乏しい者、幼体の者などです。戦う力に乏しい者は、戦い以外のところでサポートに回ることを生業としています。「戦う力に乏しい」と言っても、ユミルデ のようにまったく戦えない存在は本当にごく稀なので、人間と比較すれば相当の力を持っていることに違いはありません。
天使軍の軍人たちは基本は城で暮らしていますが、所帯を持つと、街に住居を構えそこに住まうことを許されます。だから、ナッシュやユミルデのように戦争で親を亡くした孤児以外の子供は、街で両親と
ともに暮らしています。テオドラやピアジュなどはそれに該当します。
天使の子供は聖羽化(初出:Sweet Raspberry Romantica)を迎えると天使軍特殊少年部隊に所属し、そこで軍人になるべく教育を施されます。そして正式に軍人になり、所属部隊が決まると同時に城に住まうようになります。

悪魔の衣食住は、自給自足が5割ほどで、残りは人間社会に紛れ込んで商売したり、取引したりと、
人間の文化を取り入れています。人間のふりをしているのは、そうした方が余計な面倒を生まないで
済むからです。
よって彼らは天使ほど徹底して管理されていません。
悪魔同士で取引することは殆どないので、通貨は人間社会と同じものを使用しています。
彼らなりの道徳観でもって出来るだけ人間に危害を加えないようにしていますが、時には卑怯な手(人間には思い及ばぬ高等な魔法など)を使ってズルをしたり、盗みをしたりします(笑)。彼らが積極的に人間に手を出さないのは、特に人間を大事にしたいから、という考えではなく、単に自分達の損得勘定からです。とはいえ、悪魔の中には人間に親しみを覚える者もいます。

ちなみに、「天空の島」という性質上、天使達が住まう土地には鳥以外の動物は殆どいません。池や川、湖はありますが海は当然ながらありません。
テオドラやナッシュ、ピアジュは任務で下界に降りる機会があったために、人間界の自然や文化に多少ふれていますが、ユミルデはまったく知識がないんですね。
なので、初めて地上に降り立った時、海や鳥以外の動物達を見てかなり驚いたんじゃないかなぁと思います。


とりあえずこんなところでしょうか。
思いがけず長くなってしまいましたが、自分なりにまとめられてちょっと満足しています(笑)。

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