Aqua-baiser 2013/07/09 21:51

「霧上のエラスムス」感想

ファタモルガーナの館のキャラクターを引き継いだ別の物語ということで、ファタモル二周目途中にして
プレイを始めてしまったのが、こちらの「霧上のエラスムス」。
パケ版は品薄ということでイベントにて購入(友人に買い物をお願いしたものですが・笑)。
結論から言えば、特別版を買って本当によかったです。
なぜかというと……おそらく少数派だと思うのですが、私は先日プレイしたファタモルガーナの館より、
この霧上のエラスムスの方が好きになってしまったからです。


以下は本作の軽い感想です。
ファタモルガーナの館のネタバレもありますので、未プレイの方はくれぐれもご注意ください。


私はわりと直感派で、「好き」という感情を理詰めで分析することは苦手なのですが、自分なりに「なぜファタモルよりエラスムスの方を好ましく感じたのか」について考えてみました。

ただし、これには大前提があります。すなわち「ファタモルの方を先にプレイした」ということです。もし、プレイ順序が逆だったとしたら、本作に対してもっと違った印象を持っていたはずだと思います。
実はこういった現象はつい最近もありました。私事で恐縮ですが、先日1stガンダム→Zガンダムの順で視聴した私は、結果的に1stよりZの方が好きになりました(もちろん両方とも大好きです)。しかし、この「Zが好きだ」という感覚は、先に1stを見たからこそなのです。
ファタモルとエラスムスについても同じことが言えます。私がエラスムスを好きだと思えるのは、事前にプレイしたファタモルあっての感覚なのです。

なぜか。おそらく、ファタモルで知り得たキャラクターの本作におけるギャップが、作中の表現を借りるなら「遺伝子レベルで」好ましく感じられたからでしょう。そこに筋道を立てて説明できる理由などありません。まさに直感。
特にメル君なんてかっこよすぎて(オリジナルの方も好きです。彼は本当に頑張ったと思います)、ファタモル本編の彼に見てみなさい!と言いたいくらい(笑)。もちろんファタモル本編のメル君も好きですが、私はやっぱりエラスムスの彼の方がもっと好きですね~。多分エラスムス→ファタモルの順でプレイしたら「一体どうしちゃったんだ!?」って思ってしまうかもしれない(笑)。そういう意味で、ファタモルから先にプレイしてよかったなぁと。
ネインに対しても本作の方が感情移入できたように思います。正直、ファタモルの彼は理解しがたかったので(理由付けとしては彼がどういうキャラクターなのかは納得できるのですが、その行動に共感できるかというと…)。ただポーリーンに関しては……ノーコメントということで(笑)。いやいや、本作での突き抜けっぷりは見応えがありましたが。
ヤコポやマリーアは本作ではあまり掘り下げられていない印象でしたが、その淡白さ、突き放した感がそれはそれで好ましく感じられました。
ネリーも白い髪の彼女も、自然と「ああ、そういう風に思うよね…」と自然に頷ける描写でした。
さすがにミシェルや女中はファタモルの方が好きですが(笑)、本作は本作でとてもいい味を出していたと思います。本編エンドロール後のオチにはたまらないものがありました。

おそらくファタモルを先にプレイした方は、エラスムスを「(ファタモルと比較すると)キャラ描写が薄い。説明不足」と感じたのではないかなと思うのですが、私は逆にエラスムスの全てを語らないところが気に入ったんですね。ファタモルの感想で少しふれましたが、キャラの行為の動機付けをきっちり描写するより、何かしらプレイヤーの想像が介入する余地があった方が心に留まりやすいかな、と。
あとはまぁ単純にストーリーの好みですね。
別話も読んだ方が全体のイメージが掴めるし、二周目も違った楽しみ方が出来ますが、個人的には本編だけでも充分楽しめた作品だったように思います。確かに救いようのない悲しい物語ですが、ラストのメルとネリーのやりとりには、物語を見終えた後の疾走感というか、熱いものを感じました。決して暗いだけのストーリーではありません。読後感はよかったです。


ということで、舞台裏ともども非常に楽しめた作品でした。次はセブンスコートだ!

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