月宮魅艶 2019/11/23 11:49

<アダルト小説>若様の性長日記!2(13)

「あっ、そうだ」

梨奈は自分のバックから、一枚のカードを取り出し、オレに差し出した。

「コレ、持ってて」

受け取ると、カードは名刺みたいな物だった。

梨奈の笑顔のプリクラが貼られていて、その下には電話番号とメールアドレス、それにもう一つのアドレスが…。

「梨奈、この3番目のアドレスは?」

「あっ、アタシ、ホームページ持っているの。良かったら見てね」

「うん、分かった」

「それと…何かあったら、連絡していーい?」

モジモジしながら上目遣いで見られた。

その恥らう姿に、思わず抱き締めたくなる気持ちを抑える。

「良いよ。じゃあ今からオレのケータイ番号とメルアド送るから」

「うん!」

オレはケータイを操作して、まずは梨奈の連絡先を入力した。

そしてすぐに電話を鳴らし、メールを送る。

「あっ、ちゃんと来た」

「良かった。じゃあ何か困ったことがあったら、気軽に連絡してくれよ? オレ自身はもちろんのことだけど、会社の力も使うから」

「百人力ね! …ありがとう、若様」

「ああ、じゃあね。梨奈」

満面の笑みを浮かべる梨奈。

最後に頭を撫でて、オレは部屋を出て行った。

駐車場に向かうと、すでに梢さんは車の中で待っていた。

助手席に座ると、くすっと笑われた。

「お疲れ様、若様。上手くいったようで、安心したわ」

「えっ?」

なっ何でセックスしたことがバレたんだ?

オレが眼を白黒させていると、梢さんは本当におかしそうに笑った。

「若様、お風呂入ったでしょう? 良い匂いがしているわよ」

「あっ…」

セックス後、後処理も兼ねて梨奈とお風呂に入ったんだっけ。

「それで、どうだった?」

「梨奈は仕事を辞めるそうです。買う方も、売る方も」

「-そう。ちょっと残念だけど、それもしょうがないわね」

梢さんは眼鏡の奥の目を一瞬細めたけれど、理解したように頷いた。

「こう言ってはなんだけど、梨奈ちゃんみたいなタイプはウチの仕事には合わないわ。早く足抜けして、正解よ」

「よく言いますね。今まで仕事を斡旋してきた人が言っても、説得力ないですよ?」

「仕事は仕事よ。いちいち個人的な感情を持っていては、勤まらないわ」

…それは一理ある。

「まあだからこそ、若様のような存在はありがたいのよ。損得抜きで、梨奈ちゃんを思いやってくれたでしょう?」

「…そこまで善人ではありませんよ。まっ、足抜けさせたことは、自分でも正解だとは思いますけど」

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