月宮魅艶 2019/12/02 10:16

若様の性長日記!・3(7)

由香里さんののんびりとした癒しの雰囲気が良かった。

「由香里とあたしは高校からの付き合いでしてね。まあ親友と言うものです」

「うふふ。梢ちゃんとは就職先まで同じになるなんて、思わなかったわぁ。きっとご縁があるのねぇ」

「腐れ縁ってとこじゃない? …っとと、すみません若様。玄関先にいつまでもいたら、お邪魔になりますよね」

そう言って梢さんは由香里さんの腕を引っ張り、玄関の扉の前からどいてくれた。

「あっああ、うん」

「それじゃあご勉強、頑張ってくださいね」

「若様、失礼しましたぁ」

そうして二人は去って行ったが、オレはしばらく玄関の前から動けなかった。

多分…一目惚れだったんだろう。

けれどその後、由香里さんはウチに来ることはなく、オレも自然と忘れていった。

―が、何故五年の時を経て、こんな再会をしてしまったんだろう?

…いや、そもそもこの会社の内容を知った時に、思い出すべきだった。

梢さんのことを同僚と言っていた由香里さん。

ならば自動的に、『性』に関する仕事をしていると言うことになるんだ。

………オレのバカ。

オレは改めて自分の頭の回転の悪さを呪った。

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