若様の性長日記!・3(7)
由香里さんののんびりとした癒しの雰囲気が良かった。
「由香里とあたしは高校からの付き合いでしてね。まあ親友と言うものです」
「うふふ。梢ちゃんとは就職先まで同じになるなんて、思わなかったわぁ。きっとご縁があるのねぇ」
「腐れ縁ってとこじゃない? …っとと、すみません若様。玄関先にいつまでもいたら、お邪魔になりますよね」
そう言って梢さんは由香里さんの腕を引っ張り、玄関の扉の前からどいてくれた。
「あっああ、うん」
「それじゃあご勉強、頑張ってくださいね」
「若様、失礼しましたぁ」
そうして二人は去って行ったが、オレはしばらく玄関の前から動けなかった。
多分…一目惚れだったんだろう。
けれどその後、由香里さんはウチに来ることはなく、オレも自然と忘れていった。
―が、何故五年の時を経て、こんな再会をしてしまったんだろう?
…いや、そもそもこの会社の内容を知った時に、思い出すべきだった。
梢さんのことを同僚と言っていた由香里さん。
ならば自動的に、『性』に関する仕事をしていると言うことになるんだ。
………オレのバカ。
オレは改めて自分の頭の回転の悪さを呪った。
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