どくへび紹介その3「ベルチャーウミヘビ」
『ベルチャーウミヘビです。皆は私のことをベルって呼んでます。海の中はとっても気持ち良いですよ、一緒に泳ぎませんか?』
解説
毒蛇は陸上だけではなく海の中にも住んでいます。
頭が小さくて細長い可愛らしいヘビたち、ウミヘビの仲間達ですね。
ただ、彼らはとても強烈な毒を有しており、世界の毒蛇ランキングで毒の強さだけで言えばトップ10の半数はウミヘビが占めています。
今回紹介するこの「ベルチャーウミヘビ」はヘビ好きな人なら名前だけでも聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
ベルチャーという名前は「サー・エドワード・ベルチャー」という19世紀の英国海軍将校(そして探検家)からもらっているそうです。
この白黒の美しい縞模様のウミヘビは世界で最も強い毒を有している最強の毒ヘビとして有名でした。
しかし、これは実は間違いで実際はナイリクタイパンが最強の毒を有していて、さらにウミヘビの中でも最強ではなかったということです。
なぜこんな話が広まってしまったかというと、 "Snakes in Question: The Smithsonian Answer Book”という本の中で本種が最強であると間違って記載されていたためだそうです。(私はこの種が最も好きな毒蛇だったのでこの事実を知った時はショックでした)
それでも本種の毒は人間を殺すには十分に強力なので注意が必要であることに変わりはないのですが、この蛇は温厚な性格をしており、攻撃性がかなり低く追い詰められない限りは滅多に噛みつくことがないと言われています。
とはいえ、黒白の縞模様のウミヘビに出会ったならあまり近づかないほうが良いでしょう。この種にとても良く似ているクロガシラウミヘビというウミヘビがおり、こちらは攻撃的な性格な上に強烈な毒を有しているからです。
最後に、ベルチャーウミヘビはインド洋東部からフィリピン、インドネシア、パプアニューギニア、オーストラリア北部からソロモン諸島にかけての近海、特にティモール海付近と熱帯から亜熱帯に主に生息しています。
『よろしくね!』