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Project108の記事 (2)

orange moon 2020/12/25 21:30

メリークリスマス!

皆様、おはようございます、こんにちは。こんばんは。
蓬田です。

本日は、クリスマスです…!!
一年もあっという間ですね。
あと少しで2020年も終わってしまいます。

今年は色々と大変な年になってしまいました。

とても大変でイヤな思いもたくさんあったと思います。

けれど、こんな年だったからこその出会いや新しい何かもあったのではないでしょうか。

あと残り少しの2020年と、そして、来年も、ポジティブに頑張っていきたいと思います…!

さて、本日は、昨日に引き続き、
【Project108~あなたとキスを数えましょう~】
のSSをお送りします。

今回は会社の先輩、青島 嘉巳(あおしま よしき)編です。

販売前に、少しでも作品の雰囲気を知っていただけたらと思います!

予告ページはこちらから↓
Project108~あなたとキスを数えましょう~会社の先輩編


【SSの注意事項】
がっつりヒロイン視点です!!
苦手な方はご注意ください!!


青島 嘉巳編前日譚


「ねーねー、知ってる? 青島先輩の噂!」

背後から、聞こえてきた同僚達の話す声に、一瞬、キーボードを打っていた動きが止まる。

「え? どの噂? 青島先輩、色々噂あるから…」

確かに。青島先輩にはたくさんの噂がある。

背も高くて、格好良くて、社内を歩いていたら、女性職員の黄色い声が飛ぶ。

どこか気だるげで、ミステリアスなところもカッコイイらしい。ただ、たまに自分勝手で我儘で意地が悪い所もある。

そんな、青島先輩の噂は毎日更新されている。

面倒くさそうにしてても仕事は誰よりも出来るし、何気に人望もあるので、部長候補に選ばれていたけど、「面倒くさい」という理由で、役職を蹴った、とか。

そして、最近よく聞くのは、やっぱりあの噂……。

「ここ、打ち間違ってんぞ、地味子」

ふいに耳元で聞こえた声に、びくりと体が跳ねた。
噂をすればなんとやら。
私の肩から、顔を覗かせた青島先輩が、私のパソコンを見ていた。

近いです、先輩…!

「お前なー、こんな簡単なミスすんなよ…」

トントンと、パソコンの画面を指で叩く仕草をする。

「え?」

指摘された箇所を見てみると、確かに、文字を打ち間違えていた。

「……すみません」

「お前は、こういうニアミスが多いところがあるからなー。こういうちっせーミスも、続けば笑い事にはなんねぇぞ」

「……はい。気をつけます……」

こういうミスに、いち早く気付くのは、青島先輩だ。
いつも面倒そうにしてるけど、やっぱり仕事は出来る人。

「……でもま。お前は、真面目で、丁寧な仕事してるからな。こういうニアミスさえ無くなれば、もっと上、目指せるんじゃないか?」

「青島先輩……」

「まーでも、当分、ムリそーだなぁ」

そう言ってニヤリと笑い、トントンと画面を指さす。

「う…」

そこにはまたしても打ち間違えた文字…。

もっと頑張らなければ…!
気合いを入れ直して、パソコンの前に向かう。

すると、コトンと、デスクの上に何かが置かれた。

「差し入れ。何だっけ? シュタバのさ。新作。ホワイトチョコとホイップクリームの何たらかんたらってやつ」

「あ、ありがとうございます…」

「昨日もイブだっていうのに、残業して頑張ってる後輩に、クリスマスプレゼント? まだ間に合うよな。安もんで悪いけど…」

「…っそんなことないです! シュタバはお高いですよ…!」

先輩のこういうところは、本当にズルいと思う。
ドリンクの甘い香りが、疲れた心身を癒してくれるようだ。
私は、久しぶりの甘いドリンクに口を付け、

「……ぅぐ……」

一口飲めば、口いっぱいに広がるありえない程の甘さで、ついむせてしまった。

「あっはは! すげぇ顔だな、地味子」

「先輩……。何ですかこの殺しにかかって来るような甘さは…」

「ホワイトチョコとか生クリームとか、上限まで増し増しにしてもらったからなぁ。あとマシュマロのトッピングも追加で」

「……新手のイジメですか……。口が溶けるかと思いました……」

「でも、目ぇ覚めただろ?」

イタズラが成功した子供みたいに笑う先輩。
こういう先輩を見れるのは、嬉しい。
だけど、困ってしまう。

だって、先輩には……。

「ほら、地味子。さっさと間違えたとこ直せ。んで、それも早く飲め」

「あ、はい…」

間違えた所を直して、パソコンの電源を落とす。

そして、先輩からのプレゼントに、再度挑む。

「う……」

やっぱりとんでもなく甘い。

「くく……、残さず全部飲めよ? 見ててやるから。それ飲み終わったら、帰るぞ。駅まで送ってやる」

「え……」

気が付けば、部屋には先輩と私の二人だけ。

「ぜ、全部飲みますけど、見ないでくださいっ…」

先輩に、背中を向ける。

くっくと喉で笑う先輩を背中で感じながら、甘い甘いをそれを、ゆっくりと飲み干していく。

諦めなければ。
この恋が本物に変わる前に。

そう思いながらーー。



~to be continued~


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orange moon 2020/12/24 19:07

メリークリスマス・イヴ!

皆様、おはようございます、こんにちは。こんばんは。
蓬田です。

本日は、クリスマスイヴです!

だからといって、何か特別なものを用意しているわけでもない…!
でもそれは寂しい…!!(;´Д`)

と、いうわけで、今回は、今年最後の作品である、
「Project108~あなたとキスを数えましょう~」
から、ちょっとしたSSを用意いたしました!

本日は、春峰 凱斗(はるみね ときと)のSSです!

販売前に、少しでも作品の雰囲気を知っていただけたらと思います!

予告ページはこちらから↓
Project108~あなたとキスを数えましょう~男友達編


【SSの注意事項】
結構がっつりヒロインが出ます!!
苦手な方はご注意ください!!


春峰 凱斗編前日譚

クリスマスイブ。
大学の友人たちと、昼間っから、俺の部屋でバカ騒ぎをした。
いつものメンバーで、毎年の恒例行事。
ただ、ひとつ違うのは、俺と、彼女以外のメンバーには、恋人が出来たということ。

「それじゃあ、夜は、恋人同士の時間だからー!」

にやにやしながら、一人、また一人とその場を去っていく。

「凱斗っ。とーきーとっ」

友人の一人である東条が、部屋を出る前、こっそりと俺に耳打ちする。

「で。お前はいつ、告んの?」

「は?」

「お前さぁ。さっさと告って、早くくっつけよ」

「……簡単に言うなよ」

「えー…。簡単だろ? お前が難しく考えすぎ」

ケラケラと笑う友人に、若干の怒りが湧く。

だいたい、告白できるものならやってる。

なまじ友人として長くいすぎて、時期もタイミングも、もろもろを逃してしまった。

無意識に、大きなため息がもれる。

「実際さー。告って、くっつくなり、玉砕するなりしろって。今のままじゃさ……、お前、辛いだろ?」

「東条……」

確かに、東条の言うことも一理ある。

女々しいかもしれないが、実際に、辛いし、苦しい。

でも玉砕はしたくない。

「…それに、だ。今、お前が年内に告るか告らないか、みんなで賭けしてんだよー。俺、年内に告る方に賭けてるから。さっさと告って♡」

「っお前、ふざけんな……!」

本物の怒りが湧いた。

「さっさと出てけ…!」

背中に蹴りを入れながら、東条をドアの外へと追い出した。

「何かあったの……?」

部屋の中で、ひとり残されていた彼女が、俺にたずねる。

「え?! いや、別に……!」

俺がそう言うと、「そっか」と言いながら、コートを羽織る。

「帰るのか……?」

もう少し一緒にいたい。
そう思ったが、恋人同士でもないのに、引き止めることは出来ない。

「ねえ…」

彼女がふわりと笑う。

「イルミネーション見に行こ?」


街は、キラキラと光り輝いていた。

たくさんの家族連れや、恋人達が、光の中を、笑い合いながら歩いていく。

俺達も、その中を、二人で歩く。

こうして並んで歩いていたら、

「……俺達も、恋人同士みたいに見られてんのかな」

手、繋ぐか? おどけたように、茶化すように、手を差し出す。

「……ばーか。そんなこと、あるわけないじゃん」

クスクスと笑って、彼女が光の中へ消えていく。

手を伸ばせば、すぐに届く距離なのに、触れることは出来ない。

ああ。本当に……。

今のままは、辛いな。

「なあ」

俺は、ようやく決心がついた。
東条が、賭けで勝つのは腹立たしいが……。

「大晦日、暇?」

俺は彼女に告白する。

友達を、やめるためにーー。




~to be continued~


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