いんとくいんふぉ 2021/02/18 17:05

漫画の台詞の考え方



漫画のネームやってるらしいけど何やってるの?という感じだと思うので、こんなことやってますよというのを紹介します。赤丸の部分の台詞をどうやってまとめたかという感じ。

【初稿:主役をキメる】
『セックスの強烈な快楽を成長期のカラダに毎日あたえ続ければ生殖機能は正常に育つの』

成長期のカラダについての説明なのに、冒頭が「セックスの強烈な快楽を」となってます。このせいで「セックスの快楽についての話なのか」と認識してしまうと思います。この台詞だとカラダのことよりも「セックスの快楽」にイメージが向かってしまうんじゃないでしょうか?

【修正1:対象を絞る】
『成長期のカラダにセックスの強烈な快楽を日常的に与え続ければ生殖機能は正常に育つの』

「に」が二つあるので対象が不明瞭。「成長期のカラダに」のあとは、成長期のカラダがどうなのか、という説明が来るわけですが、この中に「日常的に」と入っているのです。つまり「に」が入れ子状態になっていて、台詞がスッと入ってこないんですね。

【修正2:接続詞を整理】
『成長期のカラダは快楽を日常的に与えられれば生殖機能が正常に育つの』

「に」「は」「の」を整理したモノです。説明が入ってくる順番も「カラダは、快楽を、日常的に与えられれば、正常に育つ」という感じでスッと入ってくるんじゃないかと。

【4:短くする】
『生殖機能は日に数回の絶頂をすれば正常に育つの』

「成長期の肉体」を持つ対象に話しているので、これはカットして大丈夫です。「セックスの強烈な快楽を日常的に」は「日に数回の絶頂」とした方が感覚的にわかりやすく、数回という具体的な数字が出たことにより「営みの授業は日に何度もあるのか?」という想像ができエッチです。
「日に○回」ということは毎日やるということなので、「日常的に」はカットできます。
何について話しているのかグッとわかりやすくなった上に、短くなったのではないかと。
これで4行だった台詞を3行にできました。


ページ全体を通しても、語尾が重ならないように工夫してます。「~わ」「~なの」「~ら」など。

こういうことをやってると、マジであっという間に時間が過ぎてってですね…漫画もそうだけど小説家ってスゲーなって思うわけでございますよ、はい。
漫画の場合はさらにコレをページ、コマに割り振って、どのページでどの説明を、どのコマでどのくらいの大きさで…とかやるわけですよ。うん?吐きそう:(´?`」 ∠):

でもワンランク上の作品に仕上げられると思うので、遠藤弘土先生の次回作にご期待下さい!!

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